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元老寺に限らず、お寺のお正月といえば檀家さんが初詣に訪れるもの。
アドス和尚とキース君は本堂に炬燵を据え、檀家さんを迎えております。
ジョミー「大雪でも初詣の人って来るんだねえ…」
ブルー 「そりゃそうさ。熱心な檀家さんとはそういうものだよ」
サム 「ジョミー、去年は下足番だっけな。今年は楽でいいだろう?」
ジョミー「まあね、法衣も着なくていいし…。でもさ…」
今年とどっちがマシなんだろう、とジョミー君。
キース君を除いたシャン学メンバー、宿坊の駐車場に行く途中でして。
シロエ 「元老寺カップですからねえ…。ぼくは今年が不幸です」
マツカ 「ぼくたち、去年はお座敷でのんびりしてましたから」
スウェナ「あら、面白いと思うわよ? 下駄スケートも」
ジョミー「スウェナはエントリーしてないじゃないか!」
サム 「仕方ねえだろ、フィギュアは男子と女子が別だし」
ブルー 「そうだよ、スウェナが不利になるのは見えているから」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくとスウェナは見学だもん!」
スウェナ「ちょっと体験するだけなのよね」
男子一同「「「…それってズルイ…」」」
ブルー 「ぶるぅも下駄のサイズが合わないんだよ」
四の五の言うな、と生徒会長はバッサリと。
ブルー 「さてと…。この駐車場を全面リンクにすればいいかな」
ぶるぅ 「わぁーい、楽しく滑れそう!」
シロエ 「やっぱり本気でやるんですか…」
ブルー 「もちろんさ。観覧席は道路の雪かきをしてからテントをね」
そっちは任せた、と道具一式を男子に丸投げ。
サム君たちが雪かきを始めた途端に青いサイオンが迸りまして。
ブルー 「はい、完成。ぶるぅとスウェナは今の間に滑るといいよ」
スウェナ「えーっと…。これは普通に履くだけでいいの?」
ブルー 「まさか。それだと脱げてしまうじゃないか」
ダブルアクセルどころではない、と生徒会長は申しております。
鼻緒がついた下駄スケートですが、それの脱げない履き方とは…?
下駄スケートを知って頂きたい、とアドス和尚がトロフィーを提供。
生徒会長もやる気満々、課題曲つきで元老寺カップとか言い出しました。
ブルー 「普通に滑るだけだと面白くないしね、芸もしなくちゃ」
ジョミー「芸って何さ?」
ブルー 「そりゃあもちろん、ダブルアクセルとかトリプルルッツ」
キース 「法衣でフィギュアの真似が出来るかぁ!」
アドス 「年に一度の正月じゃぞ? ご本尊様もお許し下さるじゃろう」
イライザ「着崩れが嫌なら減点対象になればいいでしょう?」
キース 「なんでこいつを焚きつけるんだ!」
アドス 「せっかくの元老寺カップじゃからのう、盛り上げるべきじゃ」
ブルー 「分かってくれて嬉しいよ。じゃ、そういうことで」
シロエ 「本気で元老寺カップですか!?」
ブルー 「決まってるだろう? 課題曲は当然、『かみほー♪』で!」
ぶるぅ 「わぁーい、楽しみ!」
アドス 「CDプレーヤーもお貸ししましょう、高音質ですぞ」
ブルー 「ありがとう、下駄スケートも恩に着るよ」
アドス 「いえいえ、わしの方こそ皆さんの滑りが楽しみで」
イライザ「外は冷えますから、暖かいものを差し入れいたしますわね」
キース 「勝手に話を進めるなぁーっ!」
悪乗りするな、と絶叫するだけ無駄というもので。
おせちタイムが終わると、キース君とアドス和尚は初詣のために本堂へ。
アドス 「銀青様、失礼いたします。スケートリンクはどうぞご自由に」
ブルー 「任せといてよ、キースも初詣が済んだら来るんだよ?」
キース 「く、くっそぉ…。なんでこうなる…」
文句を言いつつキース君が立ち去った後は…。
ブルー 「それじゃ早速、スケートリンクを作ろうか」
ジョミー「本当に『かみほー♪』で滑るわけ? 下駄スケートで?」
ブルー 「一年の計は元旦にあり! みんな揃って元老寺カップ!」
さあやるぞ、と生徒会長は燃えております。
雪を固めたスケートリンクで初滑りはともかく、『かみほー♪』ですか?
百年の歳月が流れた未来のシャングリラ学園の世界。
生徒会長たちが営んでいた法要の真っ最中に「ぶるぅ」が現れて…。
緋の衣で飛び出した生徒会長、ソルジャーを抱えて戻って来ました。
重傷を負ったソルジャーの身に、何が起こったというのでしょうか?
完結の全3話、残るは1話。最後までよろしくお願いします!
(シャングリラ学園シリーズは完結後も月イチ更新で続きますv)
拍手ありがとうございました!
雪を固めたスケートリンクで下駄スケート。
アドス和尚とイライザさん、宿坊の駐車場を提供すると申し出まして…。
キース 「ま、待ってくれ、本気でスケートリンクを作るのか?」
ブルー 「そうだけど? 君が初詣の応対をしてる間に完成するさ」
スウェナ「もちろん法衣で滑るのよね?」
アドス 「それが一番よろしいでしょうな、下駄スケートですから」
キース 「お、親父、こいつらに乗せられてどうする!」
アドス 「懐かしの下駄スケートじゃぞ? 正月早々縁起がいいわい」
イライザ「そうですわよねえ、伝統を受け継ぐのはいいことですわ」
ブルー 「お正月こそ、昔ながらの遊びをしなくちゃ」
羽根つきと凧揚げも消えたよね、と生徒会長は回想しております。
ブルー 「お正月といえばアレだったのにさ、今は見ないねえ」
アドス 「ゲーム機も無かった時代ですしなぁ…」
イライザ「下駄スケートの復活は嬉しいですわね、皆さんもいかが?」
全員 「「「は?」」」
イライザ「キースだけでは少し寂しい気がいたしますの」
アドス 「ふむ…。皆さんにも下駄スケートを知って頂きたいですな」
ひとつ賞品を出しますか、とアドス和尚。
奥へ引っ込み、暫くしてからトロフィーを抱えて戻りまして。
アドス 「これを提供いたしましょう。前にゴルフで貰いましてな」
ブルー 「そりゃいいね。下駄スケート元老寺カップってね」
ジョミー「ちょ、ちょっと待ってよ、ぼくたちまで!?」
サム 「本気かよ? 下駄スケートは一つしかねえんだぞ?」
ブルー 「分かってないねえ、そこがいいんだ」
シロエ 「どういう意味です?」
ブルー 「下駄スケートでの練習時間が短くなるから楽しいんだよ」
ぶっつけ本番に近いところが面白い、と生徒会長。
ブルー 「どうせなら本格的にいこうか、課題曲つきで」
全員 「「「課題曲?」」」
課題曲だなどと言われましても。
下駄スケートを履いて課題も何も、元老寺カップはどうなりますやら…。
以下、拍手レスです~。
キース君に向かって「下駄スケートで初滑り」などと言い出す生徒会長。
確かにレアなアイテムですけど、どう転んでも見た目は立派な下駄で…。
キース 「こんなのを履いて出掛けられるか、スケート場に!」
スウェナ「あら、ウケるかもしれないわよ?」
サム 「注目の的になるのは間違いねえよな」
シロエ 「どうせなら法衣か作務衣ですよね、下駄に合わせて」
ジョミー「リンクが白いし、法衣がいいんじゃないのかな?」
マツカ 「墨染の衣が映えそうですね」
キース 「お前ら、他人事だと思いやがって!」
イライザ「あらあら、キース。お友達に乱暴な言葉はいけませんわよ」
アドス 「まったくじゃ。せっかく誘って下さっとるのに」
キース 「俺に今更、下駄スケートで滑って来いと!?」
そういうことは子供の頃に言ってくれ、とキース君は叫んでおりますが。
アドス 「これも何かの御縁じゃろう。下駄スケートもいいもんじゃぞ」
ブルー 「そうだよ、この際、体験するべき!」
キース 「し、しかし…。下駄スケートは入場お断りだと思うぞ」
ジョミー「あ、そっかぁ…。変なヤツだし、ダメかもね」
サム 「氷が傷むとか言われちまうかもしれねえなぁ…」
ブルー 「ああ、その点は大丈夫! スケート場ってわけではないし」
全員 「「「は?」」」
ブルー 「外をご覧よ、大雪だろう? これを使えば素敵なリンクが」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ サイオンで雪を固めるんだよ!」
軽く溶かして固め直して、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
たまにマンションの駐車場にリンクを作っているそうでして。
アドス 「ほほう、それなら宿坊の駐車場が空いておりますぞ」
イライザ「お正月の間は休業ですもの、お好きに使って下さいな」
ブルー 「いいのかい? だったら広いのが作れそうだ」
ぶるぅ 「わぁーい! ぼくも一緒にスケートしようっと!」
宿坊の駐車場、かなりの広さがございます。
キース君、下駄スケートと法衣で華麗に初滑りですか…?
坊主たるもの、常に檀家さんを意識すべしと教えられていたアドス和尚。
大学時代の愛用品は下駄スケートとかいうモノで。
キース 「これが下駄だというのは分かる。しかし…」
シロエ 「裏側はスケート靴のブレードですよ?」
ジョミー「下駄スケートとか言ってたよね…」
イライザ「最近は見かけませんでしょう? 着物でスケートしませんし」
マツカ 「昔は流行ってたんですか?」
アドス 「そうですなぁ…。わしの時代には希少品でしたな」
ブルー 「五十年前くらいまでは普通にあったよ、下駄スケート」
サム 「ブルーもコレを履いて滑っていたのかよ!?」
ブルー 「まさか。ぼくは最初から靴だってば」
修行時代しか着物は着てない、と生徒会長は申しております。
キース 「だったら下駄スケートは誰が履いていたんだ?」
ブルー 「着物を着るのが仕事の人だよ、お坊さんでなくても色々と」
イライザ「舞妓さんや芸妓さんが履いているのを見かけましたわ」
アドス 「男性ですと、お茶人さんに坊主ですかな」
既に珍しい光景でしたが、とアドス和尚は懐かしそうに。
アドス 「下駄スケートを使う人が激減しまして、職人さんも廃業で」
イライザ「キースの分を作って貰っておけば良かったですわねえ…」
キース 「い、いや、俺はそこまでしてスケートは…!」
アドス 「そうじゃろうと思って、スケートには行かなかったんじゃ」
ブルー 「うーん…。ちょっと見たかった気がするね、それ」
子供のキースが下駄スケート、とクスクス笑う生徒会長。
ブルー 「そうだ、今からでも遅くはないかも」
キース 「何がだ?」
ブルー 「下駄スケートだよ、これで初滑りと洒落込まないかい?」
キース 「お断りだ! 今日は檀家さんが初詣にいらっしゃるんだぞ」
ブルー 「その後で滑ればいいじゃないか」
せっかく下駄スケートが出てきたんだし、と生徒会長はやる気満々。
気の毒なキース君、新年早々、スケートリンクで笑い物になる運命とか?
よろしかったら、どうぞですv
