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十月がやって参りました。
長かった残暑もやっと落ち着き、爽やかな季節の到来でございますが…。
ブルー 「あーあ、本当にジョミーときたら…」
シロエ 「とうとう一日もやりませんでしたねえ、記憶力アップの秘法」
キース 「そもそも最初から無理だろう。こいつに虚空蔵求聞持法は」
サム 「だよなあ、いくら二度とお経を忘れねえって言われてもなぁ」
マツカ 「百日缶詰ですもんねえ…」
スウェナ「だけど一日くらいはチャレンジしたって良かったのに」
ジョミー「嫌だよ、ぼくには絶対無理!」
ブルー 「虚空蔵菩薩様の御真言を覚えられない段階で失格だけど…」
お経本を見ながら棒読みでいいから一日くらい、と嘆く生徒会長。
虚空蔵求聞持法と書いて、「こくぞうぐもんじほう」 と申します。
御真言を百日かけて百万回唱えればどんなお経も忘れないとか。
ブルー 「せめて一日やり抜いてみれば、記憶力がアップしたかも…」
ジョミー「読むだけだって無理だってば! 舌を噛みそうだし!」
キース 「そうか? ごくごく簡単な部類だと思うが」
ブルー 「もっと長いのも必須なんだよ、お坊さんになるためにはさ」
キース 「棚経で俺が唱えていただろう? あれは欠かせん」
ジョミー「えっと…。どういうお経だったっけ?」
サム 「お経じゃねえよ、呪文みたいな陀羅尼だよな?」
ブルー 「そう、そう。流石サムだね、嬉しいよ」
ジョミー「…なんにも思い出せないんだけど…」
キース 「こういう馬鹿には虚空蔵求聞持法しか無いわけだが…」
ブルー 「月も変わったからやれとは言わない。でもさ…」
一回くらい唱えてみろ、と生徒会長が突き付けたのはお経本。
ブルー 「とにかく一度やってみたまえ。ダメで元々」
ジョミー「ちょ、こんなの! 意味不明だし!」
ブルー 「いいから、早く」
ノウボウ アキャシャ キャラバヤ オン アリ キャマリボリ ソワカ。
これが御真言らしいのですけど、ジョミー君は唱えられるでしょうか?
今年の学園祭での売り物はサイオニック・ドリーム。
喫茶店の形で営業するそうですけど、お店の名前で揉めている模様。
トリップ効果を前面に出すか、無難な名前にしておくか。
サイオニック・ドリーム喫茶は果たしてお客を呼べるのでしょうか…?
シャン学アーカイブに『夏を楽しもう』全3話を追加収録いたしました。
今年の夏休みは久しぶりに山の別荘へお出掛けすることに。
しかし、それには条件が一つ。お盆に備えてジョミー君たちが棚経修行?
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重陽の節句の締めは菊慈童にお供えされた菊の争奪戦。
茱萸袋の箱を抱えた人までが殺到する中、シャン学メンバーは頑張って。
ブルー 「最高記録はジョミーかな? 素晴らしかったよ」
ジョミー「え、ブルーたちより多かったの?」
ぶるぅ 「ジョミーの勢い、凄かったもん! みんな喜んでいたもんね」
ブルー 「そうだね、御礼を言われると嬉しいだろう?」
ジョミー「ま、まあ…。悪い気持ちはしないかな…」
ぼくには遊びだったんだけど、と頭を掻いているジョミー君。
イベントが全て終わった本堂からは人がどんどん帰ってゆきます。
キース 「さっきまでの騒ぎが嘘のようだな、もうガラガラだぞ」
ブルー 「御利益を早く持ち帰りたいのさ、菊が萎れちゃ台無しだ」
スウェナ「そうね、花瓶に生けてあげなきゃ」
シロエ 「ぼくたちも何か食べに行きませんか? お腹ペコペコです」
サム 「朝飯を食ったきりだもんなあ。…あれ?」
帰り支度をしていた所へ近付いてきたのはお坊さんで。
お坊さん「頑張って菊を配っておられましたね。御本尊様も喜ばれます」
ジョミー「…ぼく?」
お坊さん「はい、修行の道にも励んで下さい」
ジョミー「そ、そんなつもりじゃなかったし!」
ブルー 「そうなんだよねえ、お経も覚えられない不肖の弟子でさ…」
いい方法は無いだろうか、と生徒会長は深い溜息。
お坊さん「お経ですか…。どんなお経も二度と忘れない方法でしたら」
ジョミー「えっ、ホント!?」
お坊さん「虚空蔵求聞持法と申しましてね、ございますよ」
ジョミー「こくぞう……ぐもんじほう?」
ブルー 「あったね、記憶力アップの秘法! やるかい、ジョミー?」
ジョミー「ちょっといいかも…」
ブルー 「じゃあ、早速…。明日から百日、缶詰だ」
ジョミー「え?」
ブルー 「虚空蔵菩薩様の御真言を百日かけて百万回唱えるだけってね」
さあ頑張れ、と言われて泣きそうなジョミー君と、囃し立てる面々と。
缶詰の危機な中継、これにて終了~。
菊酒一杯では発動しなかったジョミー君の坊主宣言。
隠し芸とまで呼ばれてオモチャにされる内に、法要は終了したようで…。
ブルー 「シールドを張っておいて良かったよ。でなきゃ御近所迷惑だ」
キース 「俺としたことが、法要の最中に気を散らすとは…」
ブルー 「仕方ないさ、お経も作法も違うんだから」
シロエ 「お供えした菊を運んでいますね、これから争奪戦ですか?」
ブルー 「うん。中央のスペースから四方八方に投げるわけ」
ジョミー「丁重に扱えって言ってなかった?」
ブルー 「そりゃ手渡しが理想だけれど…。将棋倒しになるじゃないか」
マツカ 「一ヶ所に人が集中するのは危ないですよね」
ブルー 「だから投げるんだよ。まだ何ヶ所かに分けた方がマシ」
さて、とニヤリと笑う生徒会長。
ブルー 「争奪戦で菊を何本ゲット出来るか、頑張りたまえ」
キース 「おい。貰えなかった人に譲るにしても、何本も持つのは…」
サム 「恨まれそうだぜ、取りそびれたヤツに」
ブルー 「その辺は臨機応変に! すぐに譲るのも良し、キープも良し」
シロエ 「会長も参加するんですか?」
ブルー 「もちろんさ。そして女性に優先的に…ね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくも沢山配るんだもん!」
ジョミー「よーし、なんだか燃えてきたかも!」
フットワークには自信があるし、とジョミー君はやる気満々。
他の面子もスタンバイする中、お坊さんたちが菊を投げ始めました。
ジョミー「その菊、もらったぁー!」
キース 「うわぁっ、なんだ、どうなってるんだ!」
ブルー 「ボヤボヤしてると押し潰されるよ? 仁義なき戦いだから」
シロエ 「そ、そうみたいですね、注意します!」
殺到してくる老若男女にタックルされるわ、引っ張られるわ。
争奪戦が終わる頃にはシャン学メンバー、ほぼズタボロでございます。
ジョミー「し、死ぬかと思った…」
でも配って配って配りまくった、とジョミー君は満足そう。
功徳の方も積めましたかねえ?
菊酒の後はお能に法要と盛りだくさんな重陽の節句。
流石は商売上手なお寺だけあって、タダ見の観光客も大歓迎らしいです。
ブルー 「写真を撮ってるだけの人でもクチコミで広めてくれるしね」
シロエ 「ブログに載せたりして貰えれば大成功ってわけですか」
キース 「そうだろうな。ツイッターだとコレは今一つか…」
ブルー 「菊酒なう、では何のことやらサッパリだよ」
マツカ 「お寺の名前を呟いて貰っても……間に合いませんよね」
ブルー 「何日もやるわけじゃないから拡散しても効果はゼロだよ」
来年までには忘れ去られる、と生徒会長。
その点、旅のブログを書く人の方が後々まで役に立ちそうかも…。
ブルー 「観光客といえども疎かにしてはいけないのさ。次に繋がるし」
キース 「そこまで考えているわけか…。寺院経営も大変だな」
ブルー 「元老寺も大きくしたいんだったら手を貸すよ?」
キース 「俺は商売に走る気は無いっ!」
スウェナ「キースはイケメン美坊主図鑑で行くのよね?」
シロエ 「応援してますよ、キース先輩!」
サム 「載る時には俺も呼んでくれよな、友達だろ?」
ジョミー「あーっ、ズルイよ、なんでサムだけ!」
ブルー 「おやおや、ジョミーも載りたいのかい?」
載ったら漏れなく坊主だけれど、と言われたジョミー君、顔面蒼白。
ジョミー「お、お友達ではダメなんだ…?」
ブルー 「当たり前だよ、お坊さんを紹介する本だからね」
キース 「俺の朋輩としてなら喜んで一緒に記事にして貰うが」
ジョミー「い、要らないよ、ぼくは一般人だってば!」
ぶるぅ 「えとえと…。坊主宣言は?」
ジョミー「酔ってないから!」
ブルー 「菊酒一杯では無理だったか…。ぶるぅも楽しみにしてたのに」
ぶるぅ 「面白いもん、坊主宣言! お坊さん目指して頑張るぞーって」
サム 「だよな、あれも一種の隠し芸だよな」
今日は見られなくて残念だった、と頷き合っているシャン学メンバー。
坊主宣言、凄いですもんね…。
菊酒で酔いはしなかったものの、御仏縁を結ばれてしまったジョミー君。
虚空蔵菩薩様は学問の道をお守り下さるとあって…。
ブルー 「これで少しはお経を覚えてくれるといいねえ」
ジョミー「却下だよ! そういう目的で来たんじゃないし!」
シロエ 「えーっと…。争奪戦はまだですか?」
ブルー 「それは法要が済んでから。その前にお能の奉納もあるよ」
全員 「「「能?」」」
ブルー 「菊慈童というお能があるのさ。その舞を少し」
中央のスペースが片付けられて、舞台になったようでございます。
そこへ菊慈童の人形そっくりの鬘にお面をつけた舞い手が登場。
キース 「こんなイベントまであったのか…。人気の筈だな」
ブルー 「お能を気軽に見られるチャンスは少ないからね」
スウェナ「観光の人はこれ目当てなのね」
あちこちで切られるカメラのシャッター。
観光客はシャン学メンバーと同じで茱萸袋も買わないタダ見です。
サム 「観光客も多いじゃねえかよ、みんなお守りは買っていねえぞ」
ブルー 「買えと強制しないのも商売の秘訣。無理強いはダメだ」
キース 「信心というのはそういうものではないからな…」
ブルー 「菊酒だってタダでくれると言っただろう? 広い心も大切さ」
シロエ 「タダで貰って悪い気持ちはしませんしね」
ブルー 「良かったなぁ、嬉しいなぁって気持ちが次に繋がるんだよ」
リピーターになってくれればいつかはお客、と生徒会長。
ブルー 「また来年、と通う間に信仰心も生まれるものでさ」
ジョミー「ぼくは御仏縁は要らないってば!」
ブルー 「さあ、どうだか…。おっと、お次は法要だよ」
お能が終わると御本尊様と菊慈童の像の前にお坊さんがズラリ。
香煙の中、読経の声が朗々と…。
ブルー 「ジョミー、君もいつかは法要を取り仕切る方にならないとね」
ジョミー「絶対無理だし!」
お経を覚えるなんて一生無理、とジョミー君は叫んでおります。
菊酒でドーピングしてもダメですかねえ?
