忍者ブログ
シャングリラ学園つれづれ語り

入口で靴を脱ぎ、善男善女で溢れる本堂の中へ。
生徒会長が言っていたとおり、菊の香りが思い切り漂っておりますが…。

ジョミー「な、なんなの、アレ…」
ブルー 「指さしちゃダメだよ、失礼にあたる」
ジョミー「で、でも…! か、髪の毛が生えた仏像って初めて見るし!」
シロエ 「そうですねえ…。でも本当に仏像ですか?」

人形みたいに見えますよ、とシロエ君。
金屏風を背負って座っているのはボサボサ黒髪の男の子っぽい像でして。

お坊さん「お参りありがとうございます。こちらをどうぞ」
ジョミー「えっ?」
お坊さん「菊慈童様に献花をお願いしております」
ジョミー「きくじどう?」
ブルー 「ほらほら、説明は後でするから花を貰って」
ジョミー「う、うん…」

お坊さんから手渡されたのは菊の花。
どうするのだ、と戸惑うシャン学メンバーを押し退けた生徒会長が像の
前へと。菊を供えて合掌、一礼。

ブルー 「…南無阿弥陀仏」
ジョミー「な、南無阿弥陀仏? やっぱり仏像?」
キース 「落ち着け、俺たちの宗派は基本は南無阿弥陀仏なんだぞ」
ジョミー「どういうことさ?」
キース 「特段の指示がある時以外は何を拝んでも南無阿弥陀仏だ」
ブルー 「代わりに解説ありがとう。さあ、君たちも行って、行って」

後がつかえているからね、と言われてみれば行列が。
ジョミー君たち、慌てて献花でございます。

シロエ 「分からないんで南無阿弥陀仏で行ってきましたけど…」
サム  「あれって何だよ、何の像だよ?」
ブルー 「菊慈童だと言っただろ? 重陽の節句の由来みたいなもの」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「七百歳とも八百歳とも言われる長寿を保った子供なのさ」

菊慈童は中華の国の皇帝に仕えていた男の子だそうでございます。
皇帝の枕をまたいでしまって、追放されたそうなのですが。

ブルー 「その先で菊の露を飲んで暮らす間に不老長寿ってね」

以来、重陽には菊の花。
不老長寿の神様でしたか、菊慈童…。

拍手[0回]

PR

重陽限定の茱萸袋なるお守りですが。
頂いてしまうと坊主フラグが立ちそうとあって、男の子たちは警戒態勢。

ジョミー「値段もアレだけど、御仏縁つきなら要らないよ、ぼくも」
サム  「なに言ってんだよ、お前、とっくに仏弟子だろ?」
キース 「出家したからには積極的に御仏縁を結ぶべきだと思うが」
ブルー 「そうだよ、宗派が違っても仏様を敬う心が大切で…」
シロエ 「あーあ、早速やっていますよ」
マツカ 「ぼくたちも巻き込まれないように気を付けましょう」
スウェナ「大丈夫よ。お弟子さんはジョミーとサムで手一杯なんだし」
シロエ 「他所に紹介ってコマンドも持っているんですよ、会長は」
マツカ 「用心するのが一番なんです。触らぬ神に祟り無しです」
ブルー 「あれっ、呼んだかい?」
シロエ 「いえ、電電宮の話をしてただけです」
ブルー 「しっかり覚えてくれてたんだね? 嬉しいなぁ」

話した甲斐があった、と生徒会長はにこやかに。

ブルー 「それじゃ本堂に入ろうか。一応、軽くシールドをかけて」
全員  「「「シールド!?」」」
ブルー 「シッ、声が高い! これだからシールドが要るんだよ」
ジョミー「なんで?」
ブルー 「善男善女の前で失言のオンパレードだと追い出されちゃう」
キース 「そうかもしれんな。追い出さなくても厳重注意だ」
ジョミー「まだ追い出された方がマシかも…」
ブルー 「ほら、もう失言が始まってるし! 御仏縁は要らないってね」
キース 「御本尊様にも失礼だぞ。それで、どういうシールドなんだ」
ブルー 「音声だけを攪乱するのさ。印象に残らないように」
キース 「なるほどな…。それなら普通にうるさいだけか」
ブルー 「そういうこと。こんな感じで」

キラッと一瞬、青い光が走りましたが。

全員  「「「えっ?」」」
ブルー 「シールド完了。さあ、行くよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ しゅっぱぁ~つ!」

いざ、商売上手なお寺の本堂へ。
御仏縁には要注意ですよ~!

拍手[0回]

市販品の茱萸袋の値段は高すぎないか、というのがキース君の指摘。
香木店で買えばお守りの十倍、腕利きの職人さんが作った品なら三十倍。

キース 「いくら門松ほどには売れないと言っても、その値段ではな…」
シロエ 「そうですね。興味を持っても気軽に買って飾るわけには…」
サム  「マツカみたいな大金持ちなら別だけどなぁ」
ジョミー「安ければ普及するんじゃない? 門松みたいに」
ブルー 「門松とは原価が違うんだよ。入っているのはお香だよ?」

あれは高い、と生徒会長は申しております。

ブルー 「キースなら分かると思うんだけど、お線香だってピンキリだ」
シロエ 「お線香にランクがあるんですか!?」
キース 「仏壇が無いと馴染みがないかもな…。実はあるんだ」
ブルー 「高価なヤツだと一本分の値段で普及品が一箱買えてお釣りが」
サム  「マジかよ?」
ブルー 「原料のお香が高いわけ。安価なお線香だとお香は使わない」
スウェナ「お線香なのに、どういうことなの?」
キース 「それっぽく見えればいいからな。杉の粉で作って香料を…」
ジョミー「なんか酷くない?」
ブルー 「でも本物にこだわると値段がグングンと…ね」

茱萸袋の値段もその理屈、とニッコリ笑う生徒会長。

ブルー 「ここの茱萸袋に入っているお香はそこそこ。香木店のは…」
キース 「こだわりのお香というわけか。それなら高くても仕方ないな」
ブルー 「それと造花と袋のお値段。袋の布は絹織物だよ」
シロエ 「あー…。とことん装飾品なんですね」
ブルー 「そういうこと。インテリアは高級感が命ってことで」
スウェナ「御利益の方は二の次なのね…」
マツカ 「ぼくなら御利益を選びますけど」
ブルー 「じゃあ、授かって帰るかい? 茱萸袋」
マツカ 「いえ、ぼくは…。まだ御仏縁というのはちょっと…」

慎重に予防線を張るマツカ君の隣でシロエ君もコクコク頷いています。
御仏縁をうっかり結ぶと坊主フラグってヤツが立ちますからねえ…。

拍手[0回]

商売上手なお寺といえども、越えてはならない最後の一線。
茱萸袋と対を成すのが端午の節句の薬玉ですけど、薬玉は販売不可能で。

ブルー 「重陽は菊の節句とも言うからね。虚空蔵菩薩様にはピッタリ」
シロエ 「薬玉の素材とは無関係なんですね、虚空蔵菩薩は」
ブルー 「残念ながら、そうなんだ。菖蒲か蓬が被っていればね…」

そっちも販売出来ただろうに、と生徒会長。
お寺たるもの、縁もゆかりも無い代物を授与するのはNGらしいです。

サム  「セットで売ったら稼げそうなのになぁ…」
キース 「歴史も由緒も無い寺だったら、それもアリかもしれんがな」
ジョミー「なにそれ?」
キース 「マイナーな寺が一気にメジャーになるのも珍しくはない」

具体的な名は挙げられないが…、とキース君は声を潜めております。

キース 「そんな仏像が何処にあったんだ、というケースもあるぞ」
サム  「おいおい、新しく作ったとかじゃねえだろうな?」
キース 「それもアリだ。でもって信者がついてしまえば大成功なんだ」
シロエ 「思い切り酷いじゃないですか! それって霊感商法ですよ」
ブルー 「無理な売り込みをやらなかったら全く問題ないからねえ…」
キース 「ついた信者がお布施をするのは個人の自由だしな」
ブルー 「そう、そう。リュックにお布施を詰めて通うのも信心からさ」
マツカ 「リュック…ですか?」
ブルー 「お参りする度にリュックに一杯。そんな人もいる」
ジョミー「それってスゴイ…」
スウェナ「お寺も凄いけど、リュック一杯のお金も凄いわ…」
サム  「新しく作った仏像でソレかよ…。なんか泣けて来たぜ」
ブルー 「頼もしいねえ、サムはそうならないように頑張って」
キース 「節度ってヤツは大切なんだぞ。守るべき所はしっかり守れ」

この寺みたいに…、と言ったキース君ですが。

キース 「ところで、例の茱萸袋だが。市販品の値段は高すぎないか?」

良心的な値段にするべきだ、と言われてみればそうなのかも?

拍手[0回]

拍手ありがとうございました!

重陽限定のお守りだという茱萸袋。
お値段は非常にゴージャスですけど、市販品より安い価格で御祈祷済み。
これを目当てにやって来る人がいるというのも納得ですが。

キース 「しかしだな…。その値段の差は何なんだ。普通は逆だぞ」
ブルー 「御祈祷済みの方が高いって?」
スウェナ「だって、そうでしょ? 節分の恵方巻でもそうよ」
シロエ 「ですね、開運祈願の御祈祷済みを謳う恵方巻は高かったかと」
サム  「御祈祷済みってのはアレだろ、プラスアルファだろ?」

御祈祷料が上乗せになって当然だ、とサム君も言っておりますが…。

ブルー 「茱萸袋はメジャーじゃないからね。市販品は殆ど売れない」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「縁起物だとは言ったけど…。門松とかとは違うんだ」

何処の家でも飾るものではない、と生徒会長。

ブルー 「重陽の節句から端午の節句までの間だけ飾る邪気払いさ」
キース 「今日から5月5日までだと? その後の期間はどうなるんだ」
シロエ 「そうですよ、夏の思いっ切り暑い間はどうするんですか!」
サム  「邪気払いがより切実に要るんじゃねえのか、夏の間は」
ジョミー「夏バテするしね…」
マツカ 「それ以前に昔だと夏は衛生状態が…。病気も流行りそうです」
ブルー 「夏の間は代わりに薬玉を飾るってことに決まっているよ」
ジョミー「えっ? 薬玉って…割れたら中からテープとかが出るヤツ?」
ブルー 「別物だってば! 菖蒲とか蓬を入れて綺麗に飾った玉のこと」
キース 「ここはそっちも売っているのか、5月5日に?」
ブルー 「そこまでは…。ここは茱萸袋専門だよ」
ジョミー「なんで? セットで薬玉も売ればいいのに」
ブルー 「そうだろうけど、ちょっと苦しい。御本尊様に繋がらないし」
キース 「どういう意味だ?」
ブルー 「菊だよ、菊。虚空蔵菩薩様は菊がお好きなんだ」

だから重陽の節句に法要が…、と生徒会長。
商売上手なお寺とはいえ、越えられない一線はあるようです…。


※9月17日、『学園祭に夢を』第1話、UPしました!
シャングリラ学園番外編

 

 シャングリラ学園の秋の行事は収穫祭。
 それに先立つイベントとして薪拾いがあったりします。
 集めた薪は収穫祭が行われるマザー農場へと送られる決まり。
 薪拾いで起こったとある事件が、収穫祭でグンと膨らむようですが…。

拍手[0回]

カレンダー
02 2026/03 04
S M T W T F S
5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
最新CM
[06/12 みゆ]
[06/12 Qちゃん]
[06/09 みゆ]
[06/09 Qちゃん]
[05/15 みゆ]
最新TB
プロフィール
HN:
みゆ
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
アクセス解析
カウンター
アクセス解析