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雪が降る中、本堂の前で凍えながら下足番をしているジョミー君。
檀家さんが脱いだ履物を揃え、お帰りになる時にサッと差し出す役目です。
ついでに靴が汚れていたら綺麗にするのもお仕事で…。
ジョミー「うう…。パパの靴だって磨いたことなんか無いのにさ…」
冷たい両手に息を吹きかけ、檀家さんの靴をキュキュッと磨くジョミー君。
雪模様のため履物の汚れは増える一方でございます。
しかし仕事をサボろうものなら、アドス和尚が怒るのは必至。
今度こそ坊主頭にしろと怒鳴られるのは確実で。
ジョミー「あーあ、温かいものが食べたいなぁ…。お昼、まだかな?」
檀家さん「あけましておめでとうございます。お寒い中をご苦労様です」
ジョミー「あ、ど、どうも…。あけましておめでとうございます」
本堂に入ってゆく檀家さんの手には菓子折が。
あれが肉まんだったなら…、なんてジョミー君は思っております。
下っ端のジョミー君に分けてくれる筈も無いんですけど。
ジョミー「肉まん食べたい…。あんまんでもいいな、ピザまんとかさ…」
靴を磨いた後、震えながら呪文のように唱えていると、いい匂い。
ふと見てみれば本堂の前の廊下にホカホカの肉まんが置いてあります。
それも蒸したてのヤツが5つも!
ジョミー「うわぁ…。もしかしてキースが持ってきてくれた?」
頑張るぼくへの御褒美だよね、と手に取ってみると熱々で。
マッチ売りの少女と違って幻覚などではなさそうです。
ジョミー「いっただっきまーす!」
檀家さん「では、失礼させて頂きます。…ああ、どうぞお構いなく」
お食事中でらっしゃいますし、と檀家さんは靴を履いて去ってゆきました。
ジョミー君は肉まんで口が一杯ですから、ペコリと頭を下げただけ。
そこへ…。
キース 「誰が食事をしていいと言った!」
アドス 「…イライザの差し入れかと思いましたが、違うようですな」
御本尊様の前で肉まんとは…、とアドス和尚は怒りの形相。
ジョミー君、坊主頭の危機ですか?
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元老寺の伝統おせちに文句をつけたジョミー君。
おせちを作ったイライザさんに失礼な、と謝罪を要求されたから大変です。
詫びの気持ちは態度で示せ、と初詣のお手伝いをする羽目に…。
しかも墨染めの衣と輪袈裟で。
ブルー 「いいねえ、なかなか似合っているよ」
サム 「うん、けっこうサマになってるぜ。ホントに寺の息子みたいだ」
スウェナ「馬子にも衣装って言うものね。で、何をするの?」
ジョミー「知らないよ! でも最初は本堂でお勤めだって…」
キース 「ぐずぐずするな! 親父が痺れを切らすと怖いぞ」
ジョミー「わ、分かってるよ! でも…」
嫌なものは嫌なんだ、とジョミー君が言った所へドスドスと重い足音が。
座敷の襖がガラリと開き、アドス和尚が現れて…。
アドス 「遅い! 檀家さんがお見えになる前にお勤めと言った筈ですぞ」
ジョミー「お勤めも初詣も嫌だってば!」
アドス 「ほほう…。では、別の方法で謝罪をなさいますかな?」
ジョミー「えっ?」
アドス 「イライザ、剃刀とバリカンじゃ! 頭を剃って差し上げい!」
ジョミー「な、なんでいきなり…!」
アドス 「頭を丸めるのは詫びの王道というヤツでしてな」
キース 「馬鹿、早く親父に謝るんだ! でないと俺でも止められんぞ」
ジョミー「ご、ごめんなさい! ごめんなさい~っ!」
坊主頭よりはお勤めの方がマシというもの。
本堂に出掛けて行ったジョミー君、お勤めの後は初詣のお手伝いです。
とはいえ、ただの下っ端だけに…。
ジョミー「さ、寒い…。なんか雪まで降って来てるし…」
檀家さん「あけましておめでとうございます」
ジョミー「あ、あけましておめでとうございます! 中へどうぞ」
ジョミー君、寒さでガチガチ歯を鳴らしながら本堂の外で下足番。
本堂の中ではアドス和尚とキース君が檀家さんとコタツで談笑する声が。
貼るカイロも無いジョミー君の心境はマッチ売りの少女でございます。
あと何足の履物を揃えたら暖かい所に行けるのかな…?
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正月早々、おせちを食べ損なってしまったジョミー君。
正確に言えば、いわゆる「おせち」は食べられましたが、中華風と洋風の
おせちは出遅れた間に完食されておりました。
ジョミー「なんでお代わりの分が無いのさ!」
キース 「中華と洋風はお前たちのために注文したヤツだ。他のは違う」
イライザ「お手伝いの皆さんと手分けして作りましたの。遠慮なくどうぞ」
アドス 「おせちは手作りが一番ですぞ。元老寺の伝統の味でしてな」
ジョミー「うう…。お煮しめなんかよりフォアグラコロッケ!」
キース 「貴様、おふくろを馬鹿にするのか!」
ジョミー「そ、そんなつもりじゃ…」
ブルー 「いけないねえ、人様の好意を無にするなんて。それも元日から」
アドス 「あまり感心しませんなぁ…。おっと、私はそろそろ失礼を」
檀家さんが初詣にいらっしゃるので、とアドス和尚が腰を上げました。
本堂に座ってお客様をお迎えするのが住職の大切な仕事だそうで…。
ブルー 「ジョミー。君もお手伝いしてきたまえ」
ジョミー「えっ、何の?」
ブルー 「初詣! イライザさんに失礼なことを言っただろう」
キース 「そうだな、謝罪は態度で示してもらおうか」
ジョミー「た、態度って…。ぼく、お寺の初詣なんか分からないし!」
アドス 「一年の計は元旦にありと申しますぞ。ぜひ御本尊様にご挨拶を」
ジョミー「は、初詣って…もしかしなくても、お参りから?」
ブルー 「当然だろう。朝のお勤めをしてから檀家さんをお迎えするんだ」
キース 「俺の法衣を貸してやるから着替えるんだな。まず形からだ」
ブルー 「そうそう、高僧への道は一日にしてならずってね」
ジョミー「ちょ、ちょっと! なんでお坊さんの格好まで…!」
そんなの嫌だ、と泣き喚いても無駄というものでございます。
キース君の部屋へ連行されたジョミー君、墨染めの衣と輪袈裟で変身完了。
これって高僧フラグというヤツですよね?
ビッグサイズの頭芋の御利益、凄い速さで現れましたよ~!
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人の上に立つ頭になれるようにと、お雑煮に入れる頭芋。
皮を剥いたサトイモを蒸し、切らずに丸ごと供するというのが決まりです。
食べる時には祝い箸で割ってもいいのですけど、とにかく丸ごと。
この頭芋がジョミー君のお雑煮のお椀を埋めております。
ジョミー「うえ~…。頭になれなくってもいいから、小さいのにしてよ」
イライザ「お雑煮無しよりマシでしょう? 冷めない内に召し上がれ」
サム 「さっさと食った方がいいんでないの? 餅が貰えないぜ」
アドス 「冷めると不味くなりますぞ。他の皆さんはおせちをどうぞ」
ジョミー「え? ひょっとして、ぼく、おせちもダメとか?」
キース 「元老寺では雑煮の餅を食べ終えるまでは、おせち禁止だ」
ジョミー「なんなのさ、それ!」
アドス 「歳神様は鏡餅に宿られますのでな、お雑煮の餅も縁起物でして」
イライザ「ですから丸餅になってますでしょ? お餅も食べて下さいね」
ブルー 「ジョミーのお椀にお餅が入る余地は無いからねえ…」
キース 「頑張って頭芋を食うんだな。それから餅を入れて貰え」
ジョミー「酷いよ、こんな大きいの! 正月早々、苛めだよ~!」
頭芋は蒸しただけの里芋、味付けはしてありません。
いくら食べ盛りのジョミー君といえども、お椀を埋めるサイズはヘビーで。
ジョミー「や、やっと食べ終わった~!」
イライザ「良かったですわね、立派なお坊さんになって下さいね」
アドス 「次は餅ですぞ。おせちはその後ですからな」
ジョミー「よーし、急いで食べて次はおせちだ!」
サム 「あ、悪い。…ジョミーの分を忘れていたぜ」
シロエ 「大丈夫ですよ、まだまだ沢山ありますから!」
ジョミー「嘘つき! お約束のヤツしか残ってないし!」
ブルー 「人気のヤツから減っていくのは当然だろう」
黒豆や数の子などの定番品は豊富に残っております。
が、美味しそうだった中華や洋風おせちは食べ尽くされた後でした。
人の頭になる人間ならグッと堪えて我慢するべき…?
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今年の元老寺の元旦は、初日の出へのお参りを失敗した人にはお雑煮無し。
ジョミー君、最初に二回お辞儀する所を一度で済ませて柏手を打ち…。
どうなるのかと戦々恐々、とりあえず庫裏の座敷へ移動です。
アドス 「では、皆さん。改めまして、あけましておめでとうございます」
全員 「「「おめでとうございます!」」」
アドス 「まずはお屠蘇からですな。銀青様、どうぞ」
ブルー 「ブルーでいいって言ってるのに…」
アドス和尚、生徒会長の杯にお屠蘇を注いでおります。
その後は皆に順番に。お雑煮無しと言われたジョミー君にも…。
アドス 「お屠蘇は縁起物ですからな」
ジョミー「え?」
イライザ「お雑煮は無しと言いましたでしょ?」
ジョミー「や、やっぱり本気でお雑煮無し!?」
アドス 「そうだと言いたい所ですがのう…。お雑煮も縁起物ですし」
ジョミー「よ、良かったぁ…」
お雑煮無しは脅しだったようでございます。
イライザさんが大きな鍋から漆塗りのお椀に取り分け、配られましたが。
ジョミー「…あのぅ…。これって何?」
イライザ「御覧のとおりサトイモですわ。カシライモと言いますでしょ?」
ブルー 「人の上に立つ頭になれるよう、頭芋だよね」
ジョミー「なんか芋しか入ってないけど…。お椀一杯にデカイのが1個!」
ぶるぅ 「頭芋は切ったらいけないの! 丸ごとなの!」
ブルー 「切ったら頭になれないと言うよ。丸ごとが常識」
イライザ「お餅は頭芋を食べ終えたら入れて差し上げますわ」
ジョミー「ぼくの芋だけ大きいんだけど! みんなお餅も入ってるのに!」
アドス 「お雑煮無しとはいきませんからな、特大のをどうぞ」
イライザ「きっと将来、立派な人になれましてよ。銀青様みたいに」
ブルー 「ビッグサイズの頭芋かぁ…。うん、高僧になれそうだよね」
ジョミー「やだよ、そんなの!」
お坊さんにはなりたくない、と除夜の鐘にお願いしたのにこの始末。
ビッグサイズの頭芋を食べれば高僧フラグが立つのかな?
以下、拍手レスです~。
