シャングリラ学園つれづれ語り
☆春先はサボる人
さて、4月。春休み中のシャン学メンバー、いつもの場所。
生徒会長のマンションですけど、のんびり過ごしてまして。
ジョミー「春休みって、やっぱりいいよね」
シロエ 「宿題とかが無いですしね」
サム 「俺たちは、宿題しねえんだけどよ…」
スウェナ「最初から出ていないのは、気分いいわよ」
サボッたという気がしないものね、とスウェナちゃん。
スウェナ「提出日に、他の生徒が持って来る中で…」
シロエ 「何も出さずにいるのは、心苦しい気がしますよ」
サム 「グレイブ先生に、嫌味は言われねえけど…」
後ろめたいぜ、とサム君も。
サム 「その宿題が出ねえってのは、デカいって!」
シロエ 「学校が始まった後も、暫くお祭り騒ぎですし…」
キース 「よくもあれだけ、イベばっかりを…」
詰め込めるな、とキース君の苦笑い。
キース 「遊び好きな学校なことは認めるが…」
シロエ 「キース先輩、今年は皆勤賞でいけそうですか?」
イベ三昧の期間中…、とシロエ君の問い。
シロエ 「例年、何処かで欠席になってますけど…」
サム 「お彼岸の余波で、忙しいのかよ?」
お彼岸の時期は、法事を断るんだろ、とサム君が傾げる首。
サム 「その分が来るから、休むしかねえって?」
キース 「多少は、それもあるんだがな…」
基本はサボリだ、とキース君の言。
キース 「月参りの後に学校に来ても、イベなんだぞ?」
シロエ 「面倒くさいわけですか…」
キース 「新入生が主役のイベばかりでは…」
来ても旨味が無いわけで…、と言われれば、そう。
シロエ 「あー…。先輩の見せ場は無いですよね…」
マツカ 「柔道部の勧誘くらいですよ…」
サボって家に帰るのも分かります、とマツカ君。
マツカ 「キースは、休める時に休んでおかないと…」
シロエ 「副住職と二足の草鞋ですから…」
マツカ 「それに、お花見もこれからで…」
英気を養っておくべきですよ、と言ってますけど。
お花見…?
2025/04/01 (Tue)
☆特典だそうです
春休み中なシャン学メンバー、生徒会長宅に来てますけど。
宿題が無い件から、年度初めのイベ三昧とキース君の話で。
サム 「花見で英気って、何なんだよ?」
ジョミー「アレじゃないかな、キースの場合はさ…」
妙な特典つきになりがちだし、とジョミー君。
ジョミー「添乗員から、あっちのぶるぅ担当まで色々と…」
一同 「「「あー…」」」
ソレか、と一同、素直に納得。
サム 「確かに、休んでおかねえとな…」
シロエ 「何が起きるか謎ですしね…」
ミステリーツアーみたいな感じですよ、とシロエ君も。
シロエ 「蓋を開けるまで、先が全く見えませんから…」
マツカ 「そうなんです。ミステリーツアーだったら…」
ヒントを頼りに、見当がつきますけどね、とマツカ君。
マツカ 「少なくとも、どの辺りに行くかくらいは…」
ジョミー「お土産とかから分かるもんね…」
シロエ 「上手くいったら、ホテルとかも分かりますし…」
でも…、とシロエ君の視線がキース君に。
シロエ 「キース先輩が貰う特典は、全くの謎で…」
サム 「分かってるのは、豪華特典ってトコだけだぜ…」
キース 「何処が豪華だ!」
第一、特典ですらないんだぞ、とキース君が顰める顔。
キース 「貰って嬉しい気分になるのが、特典だろう!」
ジョミー「でもさ、アレって一種の特典で…」
キース 「どの辺がだ!」
ジョミー「キースだけしか、貰えないんだよ?」
他の面子は見てるだけだし、とジョミー君。
ジョミー「得かどうかは、個人の見解っていうヤツで…」
キース 「だったら、お前が貰っておけ!」
シロエ 「それが出来ないのが、特典たる所以ですよ」
ぼくだって貰えませんからね、とシロエ君が横から。
シロエ 「キース先輩だけの特権、VIPですって!」
サム 「うんうん、毎回、ゴージャスでよ…」
ジョミー「キースを見込んで、出して来るんだよ?」
どう考えてもキース限定、という説ですけど。
特典ですって…?
2025/04/02 (Wed)
☆主張しに来た人
春休みで生徒会長宅なシャン学メンバー、お花見が話題に。
何が起きるか分かりませんけど、キース君用の特典だとか。
キース 「特典どころか、ババだろう!」
??? 「そうかな、限定品なんだしさ…」
特典だと思う、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
一同 「「「げっ!」」」
Aブルー「わざわざ来たのに、ご挨拶だねえ…」
その言いようはあんまりだよ、とソルジャー、深い溜息。
Aブルー「直帰した方がマシだったかな…」
一同 「「「直帰?」」」
Aブルー「朝から、お花見に出掛けててねえ…」
ノルディと食事しながら、お花見、と指差す窓。
Aブルー「アルテメシアじゃなくって、あっちの方で」
シロエ 「見頃になってる所ですか?」
Aブルー「そう! ノルディの車で、暗い内から出発で…」
着いたら料亭で朝御飯、とソルジャーの嬉しそうな顔。
Aブルー「桜が見事な庭があってさ、それを見ながら!」
キース 「だったら、今すぐ帰ってくれ!」
花見の余韻が消えない内に、とキース君。
キース 「帰らないなら、俺が読経をフルコースで…」
Aブルー「えっと…?」
キース 「花見を抹香臭くしてやってもいい」
そうなる前に帰ってしまえ、とキース君が繰る数珠レット。
キース 「元々、直帰のつもりだろうが!」
Aブルー「お花見についての話なんだし、来るべきかと」
特典も未定なんだしね、とソルジャー、譲らず。
Aブルー「どうかな、君たちの見解は?」
シロエ 「居座るべきか、帰るべきか、という点ですか?」
Aブルー「今の流れで、他に何があると?」
キース 「なんで、そいつらに質問なんだ!?」
特典は俺の問題だろう、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「矛先を逸らして、誤魔化しやがって!」
Aブルー「オッケー、今ので決定だよ!」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「キース、自分で宣言したからね!」
キース限定の特典だってさ、とニヤニヤですけど。
そうかも…。
2025/04/03 (Thu)
☆曲解する人たち
春休み中のシャン学メンバー、生徒会長宅に来てますけど。
お花見帰りに寄ったソルジャー、キース君の話をツッコミ。
キース 「どうして、そういうことになるんだ!?」
Aブルー「特典は俺の問題だろう、と言ったの、君だよ?」
特典だと認めているからこその発言、とソルジャーの笑み。
Aブルー「みんなの意見は聞かなくていい、と!」
一同 「「「うわー…」」」
キース、思いっ切り死亡フラグだ、と誰もがガクブル。
Aブルー「君たちだって、聞いていたよね?」
一同 「「「は、はいっ!」」」
認めなかったら自分がヤバい、と声を揃える御一同様。
シロエ 「キース先輩、確かに言っていました!」
ジョミー「ぼくも聞いたよ、ぼくたちに質問するのはさ…」
サム 「矛先を逸らすためだと、叫んでたぜ」
スウェナ「トドメが、誤魔化しやがって、だったわよね…」
自分だけの特典にしておきたいのよ、とスウェナちゃんも。
スウェナ「何が来ようが、一人占めだという姿勢でしょ?」
サム 「そうとしか聞こえねえヤツだろ、アレ…」
シロエ 「ウッカリ、本音が出たわけですか…」
実は楽しみにしてるんですね、とシロエ君が竦める肩。
シロエ 「ディープな趣味だと思いますけど…」
ジョミー「人の好みは、それぞれだしね…」
サム 「なんだったっけか、SMだっけ…?」
そういうのが好みだったのな、とサム君が仰ぐ天井。
サム 「女王様ごっこも、やっていたしよ…」
シロエ 「ぶるぅと、相性ピッタリと言いますか…」
ジョミー「割れ鍋に綴じ蓋って気もするけどさ…」
スウェナ「似合いのキャラには違いないわね…」
私たちの出番は無いってことよ、とスウェナちゃんの結論。
スウェナ「要は、今年のお花見も、ゴージャスなのを…」
シロエ 「希望していて、発表待ちの状態ですか…」
Aブルー「そうみたいだよ」
キース 「揚げ足を取るな!」
俺は希望などしてはいない、と叫んでますけど。
はてさて…?
2025/04/04 (Fri)
☆花が見たい人
春休みで生徒会長宅なシャン学メンバー、お花見が話題に。
キース君がババを引くという件、ソルジャー登場で急展開。
Aブルー「揚げ足なんか取っていないよ、そのままだしさ」
シロエ 「特典なんだ、と主張してたの、キース先輩で…」
文句は言えない筈ですよ、とシロエ君もソルジャーの味方。
シロエ 「どんな特典が来るかは、知りませんけれど…」
Aブルー「現時点では、ぼくにも謎なんだよね…」
まず日程を決めないと…、とソルジャーが指すカレンダー。
Aブルー「今年の桜は遅いようだし、19日でどうかな」
マツカ 「いつもの別荘でいいんですよね?」
Aブルー「もちろんだよ! あそこの桜は見事だし…」
出て来る料理も最高だしね、とソルジャー、親指をグッと。
Aブルー「他のみんなは?」
シロエ 「19日で問題ありません!」
ジョミー「土曜日なんだし、学校は無いし…」
サム 「新入生が主役のイベも、終わる頃だしよ…」
キースでイベを楽しもうぜ、とサム君の面妖な台詞。
シロエ 「えっと…? それはどういう趣向ですか?」
サム 「分かんねえけど、キースが主役で何かあるだろ」
ジョミー「キースだけの特典、欲しいんだしさ…」
キース 「だから、違うと!」
俺はイベなど望んでいない、とキース君の反論が。
キース 「ただの花見で済ませたいんだ、本当に!」
スウェナ「でも、特典は欲しいわけでしょ?」
キース 「寄ってたかって、決め付けやがって…!」
普通に花見がしたいんだが、とキース君。
キース 「花を眺めて、美味い料理を味わって…」
シロエ 「いつも料理は食べてますよね?」
ジョミー「花も見てると思うけどなあ…」
嫌でも視界に入る筈だし、とジョミー君が顎に当てる手。
ジョミー「もっと近くで見たいとか?」
サム 「桟敷で見るのが一番だぜ?」
キース 「俺は、殆ど桟敷の外で…」
Aブルー「そうだっけね…」
桟敷で出来るイベはあるのかな、と聞いてますけど。
イベ…?
2025/04/05 (Sat)
☆桟敷で出来るイベ
春休みで生徒会長宅に来ている面々、お花見の話ですけど。
ババを引きそうなキース君が話題な所へ、ソルジャー登場。
シロエ 「桟敷で出来るイベですって?」
Aブルー「キースは、桟敷がいいらしいしさ…」
桟敷で出来そうなイベがいいかも、とソルジャーの提案。
Aブルー「桟敷から出ないなら、何が出来るかなあ…」
サム 「お酌くらいしか出来ねえんでねえの?」
シロエ 「舞妓さんとか、そういう系になりますよね」
ジョミー「キース、舞とか出来たっけ?」
舞妓さんだと、お座敷芸だよ、とジョミー君が傾げる首。
ジョミー「三味線を弾くとか、踊るとかでさ…」
Aブルー「いいねえ、キースがお座敷芸!」
ぼくのぶるぅも喜びだそうだよ、とソルジャーの輝く瞳。
Aブルー「キースも桟敷から出ずに済むしね!」
キース 「なんで、そうなる!?」
Aブルー「下僕をやる方が、好みだって?」
お酌だったら、ソレもアリだし、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「ぶるぅに踏まれて、オモチャだろうけど…」
サム 「そっちの趣味もあるみてえだしよ…」
ジョミー「下僕コースを選びたいとか?」
キース 「違うんだ!」
俺は花見がしたいだけで…、とキース君、ワタワタ。
キース 「お酌なんぞは、御免蒙る!」
Aブルー「でもさ、特典を希望なんだろう?」
キース 「その段階で、既にズレているんだ!」
特典は希望していない、と必死の形相。
キース 「下僕だろうが、舞妓だろうが、俺はだな…!」
Aブルー「特典は無しにして欲しい、って?」
キース 「普通に花見がしたいわけだし…」
何もつけるな、とキース君、キッパリ。
キース 「ぶるぅが何かやった場合は、諦めるが…」
Aブルー「なるほどねえ…」
それじゃ提案しておこう、とソルジャーの笑み。
Aブルー「舞妓さんというアイデアをさ」
一同 「「「げっ!」」」
Aブルー「何か?」
楽しそうだと思うんだけど、と言われましても。
舞妓さん…?
2025/04/06 (Sun)
☆舞妓さんは無理そう
春休み中なシャン学メンバー、生徒会長宅に来てますけど。
お花見の話な所へ来たのがソルジャー、仕切り始めまして。
Aブルー「舞妓さん、いいと思うけれどね?」
シロエ 「キース先輩には、無理な気がします」
舞妓さんの売りは芸ですから、とシロエ君の助け舟。
シロエ 「専門の学校があるほどですしね」
Aブルー「そうなのかい?」
シロエ 「いわゆる学校とは違うんですけど…」
ブルー 「楽器の演奏や、舞いを習いに行くわけだよ」
通ってるのは舞妓さんだけじゃないけどね、と生徒会長。
ブルー 「舞妓さんは卒業した人も行くから」
Aブルー「えっと…? アレって卒業するのかい?」
舞妓さんは舞妓さんなんじゃあ…、とソルジャーの問い。
Aブルー「パルテノンの辺りに行ったら、よく見かけるよ」
ブルー 「若い人だけじゃなくって?」
Aブルー「うん。普通の人なら、社会人な感じの人もね」
卒業するとは思えないけど、とソルジャー、怪訝そうな顔。
Aブルー「卒業した後も学校なんだし、学生さんかな?」
ブルー 「君が言うのは、芸妓さんだよ…」
着物が全く別物だしね、と生徒会長、深い溜息。
ブルー 「舞妓さんには、年齢制限があって…」
Aブルー「ええっ!?」
ブルー 「ホントだってば、二十歳くらいが限界かな」
そこから後は芸妓さんになるってわけ、と説明が。
ブルー 「だけど、芸事は、まだ未熟だしさ…」
Aブルー「卒業した後も、学校なのかい?」
ブルー 「でないと、極められないしね」
そのくらいに芸の道は厳しいんだよ、と生徒会長の言。
ブルー 「キースに出来る気はしないってね」
Aブルー「うーん…」
面白そうだと思ったのに、とソルジャー、ガックリ。
Aブルー「マツカに頼めば、本格的な衣装だってさ…」
キース 「衣装だけあっても、舞妓は無理だぞ」
Aブルー「なんで?」
キース 「あの髪型は出来ん!」
髪型が大事なポイントなんだ、と言ってますけど。
えっと…?
2025/04/07 (Mon)
☆格式のある場所
春休みの最中なシャン学メンバー、生徒会長宅ですけれど。
其処へソルジャー登場、お花見を仕切り始めてイベも提案。
Aブルー「髪型が大事なポイントだって?」
キース 「あんたは、舞妓と芸妓の区別もつかないし…」
着物で区別が出来ないほどなら、髪型も、とキース君。
キース 「舞妓と芸妓は、髪が全く別物だしな」
Aブルー「髪型じゃなくて、髪なのかい?」
キース 「正確に言えば、両方になるが…」
舞妓の場合は自前の髪と決まっている、と説明が。
キース 「芸妓になったら、カツラで許されるんだ」
Aブルー「えっと…?」
キース 「舞妓の間は、自分の髪を結い上げるわけで…」
俺の髪では、とても出来ない、とキース君が指差す頭。
キース 「長髪の部類に入りはするんだが…」
シロエ 「結える長さはありませんよね…」
キース 「最低限でも、スウェナくらいは、必要だな」
だから無理だ、とキース君、キッパリ。
キース 「マツカが衣装を手配となると、本式になるし…」
サム 「あー…。衣装に負けてしまうのな…」
スウェナ「舞妓さんの着物は、高いらしいわよね…」
シロエ 「とんでもない値段がするそうですよ…」
ぼくも詳しくは知りませんけど、とシロエ君も。
シロエ 「それに合わせてやるとなったら、髪型も…」
キース 「相応でないと、失礼というもので…」
Aブルー「うーん…。でもさ、あちこち、溢れてるよ?」
舞妓さんのコスの人がさ、とソルジャー、反論。
Aブルー「ああいうヤツなら、いけそうだって!」
キース 「そうかもしれんが、場所が大いに問題だ」
一同 「「「は?」」」
キース 「マツカの別荘で花見なんだぞ?」
格式というものを考えてみろ、とキース君の真剣な表情。
キース 「立派な桟敷に、コスプレ舞妓では…」
シロエ 「似合わないかもですね…」
ジョミー「安っぽいよねえ…」
キース 「分かったか?」
別荘の皆さんにも失礼すぎる、と正論ですけど。
まあねえ…。
2025/04/08 (Tue)
☆見せるなら最高のを
春休み中のシャン学メンバー、生徒会長宅に来てますけど。
ソルジャーも来まして、お花見の日取りなどを仕切り中で。
Aブルー「チープな舞妓さんじゃ、ダメすぎる、と?」
キース 「マツカに確認するのが早いだろうな」
本物の舞妓を別荘に呼んでいるのか、とキース君の問い。
キース 「お客様を御招待することも多いと思うが」
マツカ 「そうですね。海外の方は、特に喜ばれるので…」
パルテノンから来て頂いています、とマツカ君。
マツカ 「地方の方にも、お願いするのが定番ですよ」
Aブルー「地方って?」
マツカ 「三味線とかの演奏をなさる皆さんで…」
御多忙だそうです、とマツカ君が説明を。
マツカ 「あまり人数がいらっしゃらないので…」
Aブルー「そうなのかい?」
マツカ 「芸妓さんが、引退後になさるケースが殆どで…」
大抵は、地方さんより、ママですから、という答え。
Aブルー「ママって、パルテノンのバーの人かな?」
マツカ 「ええ。華やかな職になりますしね」
地方さんだと地味ですから、と納得の理由。
マツカ 「少なくなるのも、お分かりでしょう?」
Aブルー「そんな人まで手配するほど、本格的なんだ…」
マツカ 「最高のをお見せしたいですから」
手抜きなんかは出来ませんよ、とマツカ君の笑み。
マツカ 「ですから、キースがやるんでしたら…」
Aブルー「地方さんまで呼んで来るわけ?」
マツカ 「いえ、それは、地方さんに失礼ですし…」
衣装だけの手配になるんですけど、と苦笑している御曹司。
マツカ 「見栄えのするのを、用意しますよ」
Aブルー「本当かい!?」
キース 「ちょっと待て!」
髪はどうするんだ、とキース君、ワタワタ。
キース 「俺には結えんし、とても無理だぞ!」
マツカ 「芸妓さんの場合は、カツラですよね」
キース 「まさか、カツラか!?」
マツカ 「芸妓さんのを作る人なら…」
舞妓さんのも作れますよ、と笑顔ですけど。
特注すると…?
2025/04/09 (Wed)
☆厳しいそうです
春休み真っ最中なシャン学メンバー、生徒会長宅ですけど。
ソルジャー登場で、お花見の日取りが決定、イベの話な今。
Aブルー「いいねえ、本格的なカツラだったら、格式も…」
シロエ 「高そうな感じになりますよねえ…」
キース 「しかしだな…!」
舞妓の鉄則が崩れるんだぞ、とキース君、必死の反論。
キース 「自前の髪で結うというのが、必須条件で…」
Aブルー「ソレは、ホントに鉄則なのかい?」
マツカ 「ええ。芸妓になるまで、カツラは不可です」
ですから、髪型も変わりますね、とマツカ君。
マツカ 「舞妓さんの髪の結い方、色々あるんですけど…」
ブルー 「芸妓になる前だけ、っていうのもあるわけで…」
Aブルー「えっと…?」
マツカ 「普段の髪とは、明らかに違う結い方ですよ」
芸妓になる時、儀式で一部を切りますから、と説明が。
マツカ 「そういう決まりがあるほどですし…」
ブルー 「地毛で結うのがお約束だよ」
枕まで昔ながらでね、と生徒会長。
ブルー 「あの髪型だと、普通の枕じゃ崩れちゃってさ…」
マツカ 「台無しですから、特別な枕になるんです」
Aブルー「そこまでしなくちゃダメだって?」
キツそうだね、とソルジャーの目が真ん丸に。
Aブルー「枕まで、選べないなんて…」
キース 「ついでに無給で、小遣いも少しだけなんだが?」
Aブルー「ええっ!?」
無給で働いているのかい、とソルジャー、仰天。
Aブルー「華やかそうだし、着物も豪華なんだろう?」
キース 「全部、借り物ということになっている」
その代金を働いて返す勘定だな、とキース君。
キース 「厳しいんだぞ、舞妓の世界というヤツは」
Aブルー「うーん…。でもさ、そういう話を聞いたらさ…」
ますます夢が膨らむよね、とソルジャーの笑み。
Aブルー「厳しい世界は、慣れてるだろう?」
キース 「はあ?」
Aブルー「お坊さんだよ!」
方向性が違うだけだよね、と言ってますけど。
どうすると…?
2025/04/10 (Thu)
☆そっくりな境遇
春休み中のシャン学メンバー、生徒会長宅に来てますけど。
ソルジャーも来まして、お花見の日取りやイベを仕切り中。
キース 「方向性が違うだけだと?」
Aブルー「うん。君の場合は、酷似してる気が…」
無給で働いているんだろう、とソルジャーの指摘。
Aブルー「副住職は名前だけでさ、顎で使われる毎日で…」
シロエ 「言われてみれば、似ていますよね…」
ジョミー「仕事の中身は、副住職並みじゃなかったっけ?」
学校に来てるけど、他所のお寺はどうかな、とジョミー君。
ジョミー「副住職をやってる友達、多い筈でさ…」
シロエ 「キース先輩よりも、自由にやってませんか?」
サム 「だよなあ、とうに大学、出てるんだしよ…」
住職になるまでは、キースと同じに自由だろ、とサム君も。
サム 「繁忙期以外は、旅行とかも行けるんでねえの?」
シロエ 「でないと、結婚も難しいですしね…」
スウェナ「結婚するなり、お寺ライフじゃ、誰も来ないわ」
暇な間に婚活でしょ、とスウェナちゃん。
スウェナ「副住職でフリーな間に、誰か見付けて…」
シロエ 「デート三昧、貢ぎまくってゴールでしょう」
キース 「……その通りだ……」
みんな俺より自由なんだ、とキース君が認めた境遇。
キース 「俺と違って金も入るし、車も乗れるし…」
Aブルー「君の立場は、舞妓さんだよ?」
サム 「そういや、衣装も豪華なんだぜ」
お袈裟の値段は半端ねえしよ、と僧籍な人。
サム 「下手な車より、お袈裟の方が高価でよ…」
シロエ 「クリーニング代も、凄いらしいですよね」
Aブルー「知ってる、払ったことがあるしさ」
衣装まで舞妓さんと同じらしいね、とソルジャーの苦笑い。
Aブルー「見た目は華やか、だけど無給で働くんだし」
シロエ 「厳しさ、ホントにそっくりですよ」
Aブルー「似てる以上は、コスも許されるかと」
一同 「「「うーん…」」」
それはそうかも、と納得しそうな理論ですけど。
舞妓さん…。
2025/04/11 (Fri)
☆似た境遇は他にも
春休み真っ最中なシャン学メンバー、生徒会長宅ですけど。
其処へ来たソルジャー、お花見を仕切ってイベを企画な今。
Aブルー「本格的なコスでやるなら、格式だってさ…」
シロエ 「クリア出来そうではありますよね…」
サム 「マツカにしたって、乗り気だしよ」
カツラを特注出来るんだろ、とサム君の問い。
サム 「あの言い方だと、コネもあるんだよな?」
マツカ 「ええ。芸妓さんのカツラも、高価ですから…」
ジョミー「スポンサーをやってるとか?」
マツカ 「支援している財団の方に、寄付をしてます」
個人的には、していませんが…、とマツカ君。
マツカ 「父に、お座敷遊びの趣味は無いですしね」
一同 「「「あー…」」」
御贔屓筋からの支援もあるよな、と一同、納得。
サム 「お気に入りの芸妓さんだけってヤツな…」
シロエ 「大金をポンと渡す人とか、ありそうです」
マツカ 「家をあげる人も、いるそうですよ」
一同 「「「うわー…」」」
そこまでなのか、と誰もが仰天。
シロエ 「芸妓さんになったら、違うんですねえ…」
ジョミー「舞妓の間は、無給なのにさ…」
Aブルー「その辺だって、キースは似ているよ?」
アドス和尚は花街遊びらしいしさ、とソルジャーが。
Aブルー「カツラを買ってあげたりしてるかも…」
キース 「それは無い!」
婿養子だしな、とキース君。
キース 「貢いでいるのが、おふくろに知れたら大惨事だ」
サム 「夫婦喧嘩な…」
キース 「離婚コースが無いだけに、一生を棒に振るぞ」
親父がいないと寺が回らん、とキース君が繰る数珠レット。
キース 「親父にしても、追い出されたら下っ端扱いで…」
サム 「使い走りからの再出発かよ…」
キース 「坊主の修行は積んであるから、使い走りは…」
ブルー 「無いだろうけど、住職がいない山寺とかさ…」
キース 「悲惨な道しか待っていないな」
だが現状では安泰だ、と苦笑してますけど。
キース君は…?
2025/04/12 (Sat)
☆似ている以上は
春休み中なシャン学メンバー、生徒会長宅に来てますけど。
ソルジャーも来まして、お花見の日取りやイベを仕切り中。
Aブルー「なるほど、イライザさんに睨まれない程度に…」
シロエ 「花街遊びなわけですね…」
キース 「坊主と花街遊びは、セットものに近いだけに…」
おふくろでも、其処は止められんぞ、とキース君。
キース 「付き合いで行くのを止めたら、出世は出来ない」
Aブルー「そうなのかい?」
キース 「璃母恩院の偉い皆さんも、よく行くしな」
一同 「「「あー…」」」
会社員の世界と同じ構造か、と誰もが納得。
シロエ 「そうなって来ると、行かない人は論外ですか…」
キース 「人事の根回しなどは、お座敷で、というのも…」
Aブルー「あるあるだって?」
キース 「そのようだ。その手の集まりと、それ以外を…」
区別するのは難しいぞ、とキース君の深い溜息。
キース 「つまり、おふくろも、放置するしか…」
サム 「ねえってことな…」
キース 「豪華プレゼントなどは、不可能なんだが…」
遊び放題の親父ではある、とブツブツ。
キース 「俺は無給で、小遣いも殆ど無いというのにな…」
Aブルー「やっぱり、舞妓さんとソックリだってば!」
住職と、副住職とで月とスッポン、とソルジャーの指摘。
Aブルー「似ている以上は、コスをやるべき!」
キース 「なんで、そうなる!?」
Aブルー「元々、そういう方向で相談中でさ…」
サム 「カツラの話まで、具体的によ…」
形になりつつあるじゃねえか、とサム君も。
サム 「いいじゃねえかよ、舞妓さんでも」
Aブルー「ぶるぅの悪戯も、出ないかもねえ…」
見た目が舞妓さんだしさ、とソルジャーが顎に当てる手。
Aブルー「悪さは出来ないビジュアルだよ?」
シロエ 「そうですね…」
ジョミー「悪代官だと、違うけれどね」
サム 「別格だよなあ…」
Aブルー「悪代官って?」
それは何だい、と首を傾げてますけど。
悪代官…。
2025/04/13 (Sun)
☆時代劇と悪代官
春休み真っ最中なシャン学メンバー、生徒会長宅ですけど。
ソルジャー登場で、お花見の日取りを決めて、イベも企画。
ジョミー「悪代官を知らないわけ?」
Aブルー「この世界では、必須の知識だと?」
サム 「そうじゃねえけど、俺たちの世代だと…」
ギリギリ常識になるんじゃねえかな、とサム君が傾げる首。
サム 「今どきのヤツらだと、厳しいけどよ…」
シロエ 「同級生でも、怪しいですよね…」
実年齢が違いますから、とシロエ君も。
シロエ 「時代劇、普段は専門チャンネルでしか…」
サム 「やっていねえし、知らねえ可能性は高いぜ」
ジョミー「あー…。それじゃ、別の世界の人になるとさ…」
目にするチャンスは皆無かもね、とジョミー君。
ジョミー「簡単に言えば、時代劇の悪役の代表格だよ」
Aブルー「悪役だって?」
ということは…、とソルジャーの赤い瞳がキラリ。
Aブルー「格式の高い舞妓さんでも、遠慮しないと?」
シロエ 「そうなります」
ジョミー「舞妓さんよりも、身分が上の人にでも…」
サム 「悪さするのが、お約束だぜ」
でもって、着物が見せ場だよな、とサム君、うんうん、と。
サム 「帯回しって名前がついててよ…」
シロエ 「よいではないか、で回しますよね…」
Aブルー「えっと…?」
いったい何を回すんだい、とソルジャー、キョトン。
Aブルー「帯なんか回しても、面白いとは思えないけど?」
シロエ 「それは、単体で考えるからですよ」
ジョミー「帯の中身が肝なわけでさ…」
帯を締めてる人を回さないとね、とジョミー君の説明が。
ジョミー「帯を引っ張って、くるくるくると…」
シロエ 「回して、ほどいていくんです」
舞妓さんでも、腰元でも、とシロエ君。
シロエ 「腰元は、舞妓さんよりも身分が上ですから…」
サム 「舞妓くらいは、朝飯前だぜ」
Aブルー「待ってよ、帯って…」
ほどけば着物がアウトだろう、と驚いてますけど。
正しいですね…?
2025/04/14 (Mon)
☆アウトでもセーフ
春休み中のシャン学メンバー、生徒会長宅に来てますけど。
来たのがソルジャー、お花見の日取りを決めて仕切り中で。
シロエ 「当然、着物は台無しですよ」
サム 「着崩れどころじゃ済まねえぜ」
ジョミー「悪代官の定番、帯回しだしさ…」
よいではないか、で分からないかな、とジョミー君。
ジョミー「普通は、脱げたら困るんだよ?」
シロエ 「何がいいのか、分かりますよね?」
Aブルー「そう言われても…」
ぼくの世界は文化が違うし…、とソルジャー、困惑。
Aブルー「アウトなのにさ、セーフだとでも?」
シロエ 「悪代官的には、セーフなんです」
ジョミー「舞妓さんとかにとっては、アウトだけどね」
サム 「あんたの得意なヤツじゃねえかよ」
よいではないか、で押し通すだろ、とサム君、ズイと。
サム 「レッドカードを出されててもよ」
シロエ 「会長がよく言う、退場ですよ」
Aブルー「退場って…?」
ますます謎だ、とソルジャーが傾げる首。
Aブルー「出て行きたまえ、とは言われるけどさ…」
ジョミー「アウトの中身はソレなんだよね」
でもって、悪代官にはセーフ、とジョミー君が広げる両手。
ジョミー「お楽しみタイムの始まりってこと」
Aブルー「あー…!」
やっと分かった、とソルジャー、手をポン。
Aブルー「帯をほどいて、中身を美味しく…」
ブルー 「その先、禁止!」
時代劇とは違うんだから、と生徒会長の割り込み。
ブルー 「君たちにしても、調子に乗りすぎ!」
一同 「「「はーい…」」」
すみませんでした、と誰もが謝罪。
シロエ 「つい、ウッカリとしてました…」
サム 「悪代官で油断したよな…」
失言かも、とサム君も申し訳なさそう。
サム 「でもよ、言い出しっぺはジョミーでよ…」
シロエ 「戦犯はジョミー先輩ですよね…」
ジョミー「そうなるわけ!?」
Aブルー「其処で、コレだよ!」
よいではないか、と笑顔で言われましても。
何が…?
2025/04/15 (Tue)
さて、4月。春休み中のシャン学メンバー、いつもの場所。
生徒会長のマンションですけど、のんびり過ごしてまして。
ジョミー「春休みって、やっぱりいいよね」
シロエ 「宿題とかが無いですしね」
サム 「俺たちは、宿題しねえんだけどよ…」
スウェナ「最初から出ていないのは、気分いいわよ」
サボッたという気がしないものね、とスウェナちゃん。
スウェナ「提出日に、他の生徒が持って来る中で…」
シロエ 「何も出さずにいるのは、心苦しい気がしますよ」
サム 「グレイブ先生に、嫌味は言われねえけど…」
後ろめたいぜ、とサム君も。
サム 「その宿題が出ねえってのは、デカいって!」
シロエ 「学校が始まった後も、暫くお祭り騒ぎですし…」
キース 「よくもあれだけ、イベばっかりを…」
詰め込めるな、とキース君の苦笑い。
キース 「遊び好きな学校なことは認めるが…」
シロエ 「キース先輩、今年は皆勤賞でいけそうですか?」
イベ三昧の期間中…、とシロエ君の問い。
シロエ 「例年、何処かで欠席になってますけど…」
サム 「お彼岸の余波で、忙しいのかよ?」
お彼岸の時期は、法事を断るんだろ、とサム君が傾げる首。
サム 「その分が来るから、休むしかねえって?」
キース 「多少は、それもあるんだがな…」
基本はサボリだ、とキース君の言。
キース 「月参りの後に学校に来ても、イベなんだぞ?」
シロエ 「面倒くさいわけですか…」
キース 「新入生が主役のイベばかりでは…」
来ても旨味が無いわけで…、と言われれば、そう。
シロエ 「あー…。先輩の見せ場は無いですよね…」
マツカ 「柔道部の勧誘くらいですよ…」
サボって家に帰るのも分かります、とマツカ君。
マツカ 「キースは、休める時に休んでおかないと…」
シロエ 「副住職と二足の草鞋ですから…」
マツカ 「それに、お花見もこれからで…」
英気を養っておくべきですよ、と言ってますけど。
お花見…?
2025/04/01 (Tue)
☆特典だそうです
春休み中なシャン学メンバー、生徒会長宅に来てますけど。
宿題が無い件から、年度初めのイベ三昧とキース君の話で。
サム 「花見で英気って、何なんだよ?」
ジョミー「アレじゃないかな、キースの場合はさ…」
妙な特典つきになりがちだし、とジョミー君。
ジョミー「添乗員から、あっちのぶるぅ担当まで色々と…」
一同 「「「あー…」」」
ソレか、と一同、素直に納得。
サム 「確かに、休んでおかねえとな…」
シロエ 「何が起きるか謎ですしね…」
ミステリーツアーみたいな感じですよ、とシロエ君も。
シロエ 「蓋を開けるまで、先が全く見えませんから…」
マツカ 「そうなんです。ミステリーツアーだったら…」
ヒントを頼りに、見当がつきますけどね、とマツカ君。
マツカ 「少なくとも、どの辺りに行くかくらいは…」
ジョミー「お土産とかから分かるもんね…」
シロエ 「上手くいったら、ホテルとかも分かりますし…」
でも…、とシロエ君の視線がキース君に。
シロエ 「キース先輩が貰う特典は、全くの謎で…」
サム 「分かってるのは、豪華特典ってトコだけだぜ…」
キース 「何処が豪華だ!」
第一、特典ですらないんだぞ、とキース君が顰める顔。
キース 「貰って嬉しい気分になるのが、特典だろう!」
ジョミー「でもさ、アレって一種の特典で…」
キース 「どの辺がだ!」
ジョミー「キースだけしか、貰えないんだよ?」
他の面子は見てるだけだし、とジョミー君。
ジョミー「得かどうかは、個人の見解っていうヤツで…」
キース 「だったら、お前が貰っておけ!」
シロエ 「それが出来ないのが、特典たる所以ですよ」
ぼくだって貰えませんからね、とシロエ君が横から。
シロエ 「キース先輩だけの特権、VIPですって!」
サム 「うんうん、毎回、ゴージャスでよ…」
ジョミー「キースを見込んで、出して来るんだよ?」
どう考えてもキース限定、という説ですけど。
特典ですって…?
2025/04/02 (Wed)
☆主張しに来た人
春休みで生徒会長宅なシャン学メンバー、お花見が話題に。
何が起きるか分かりませんけど、キース君用の特典だとか。
キース 「特典どころか、ババだろう!」
??? 「そうかな、限定品なんだしさ…」
特典だと思う、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
一同 「「「げっ!」」」
Aブルー「わざわざ来たのに、ご挨拶だねえ…」
その言いようはあんまりだよ、とソルジャー、深い溜息。
Aブルー「直帰した方がマシだったかな…」
一同 「「「直帰?」」」
Aブルー「朝から、お花見に出掛けててねえ…」
ノルディと食事しながら、お花見、と指差す窓。
Aブルー「アルテメシアじゃなくって、あっちの方で」
シロエ 「見頃になってる所ですか?」
Aブルー「そう! ノルディの車で、暗い内から出発で…」
着いたら料亭で朝御飯、とソルジャーの嬉しそうな顔。
Aブルー「桜が見事な庭があってさ、それを見ながら!」
キース 「だったら、今すぐ帰ってくれ!」
花見の余韻が消えない内に、とキース君。
キース 「帰らないなら、俺が読経をフルコースで…」
Aブルー「えっと…?」
キース 「花見を抹香臭くしてやってもいい」
そうなる前に帰ってしまえ、とキース君が繰る数珠レット。
キース 「元々、直帰のつもりだろうが!」
Aブルー「お花見についての話なんだし、来るべきかと」
特典も未定なんだしね、とソルジャー、譲らず。
Aブルー「どうかな、君たちの見解は?」
シロエ 「居座るべきか、帰るべきか、という点ですか?」
Aブルー「今の流れで、他に何があると?」
キース 「なんで、そいつらに質問なんだ!?」
特典は俺の問題だろう、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「矛先を逸らして、誤魔化しやがって!」
Aブルー「オッケー、今ので決定だよ!」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「キース、自分で宣言したからね!」
キース限定の特典だってさ、とニヤニヤですけど。
そうかも…。
2025/04/03 (Thu)
☆曲解する人たち
春休み中のシャン学メンバー、生徒会長宅に来てますけど。
お花見帰りに寄ったソルジャー、キース君の話をツッコミ。
キース 「どうして、そういうことになるんだ!?」
Aブルー「特典は俺の問題だろう、と言ったの、君だよ?」
特典だと認めているからこその発言、とソルジャーの笑み。
Aブルー「みんなの意見は聞かなくていい、と!」
一同 「「「うわー…」」」
キース、思いっ切り死亡フラグだ、と誰もがガクブル。
Aブルー「君たちだって、聞いていたよね?」
一同 「「「は、はいっ!」」」
認めなかったら自分がヤバい、と声を揃える御一同様。
シロエ 「キース先輩、確かに言っていました!」
ジョミー「ぼくも聞いたよ、ぼくたちに質問するのはさ…」
サム 「矛先を逸らすためだと、叫んでたぜ」
スウェナ「トドメが、誤魔化しやがって、だったわよね…」
自分だけの特典にしておきたいのよ、とスウェナちゃんも。
スウェナ「何が来ようが、一人占めだという姿勢でしょ?」
サム 「そうとしか聞こえねえヤツだろ、アレ…」
シロエ 「ウッカリ、本音が出たわけですか…」
実は楽しみにしてるんですね、とシロエ君が竦める肩。
シロエ 「ディープな趣味だと思いますけど…」
ジョミー「人の好みは、それぞれだしね…」
サム 「なんだったっけか、SMだっけ…?」
そういうのが好みだったのな、とサム君が仰ぐ天井。
サム 「女王様ごっこも、やっていたしよ…」
シロエ 「ぶるぅと、相性ピッタリと言いますか…」
ジョミー「割れ鍋に綴じ蓋って気もするけどさ…」
スウェナ「似合いのキャラには違いないわね…」
私たちの出番は無いってことよ、とスウェナちゃんの結論。
スウェナ「要は、今年のお花見も、ゴージャスなのを…」
シロエ 「希望していて、発表待ちの状態ですか…」
Aブルー「そうみたいだよ」
キース 「揚げ足を取るな!」
俺は希望などしてはいない、と叫んでますけど。
はてさて…?
2025/04/04 (Fri)
☆花が見たい人
春休みで生徒会長宅なシャン学メンバー、お花見が話題に。
キース君がババを引くという件、ソルジャー登場で急展開。
Aブルー「揚げ足なんか取っていないよ、そのままだしさ」
シロエ 「特典なんだ、と主張してたの、キース先輩で…」
文句は言えない筈ですよ、とシロエ君もソルジャーの味方。
シロエ 「どんな特典が来るかは、知りませんけれど…」
Aブルー「現時点では、ぼくにも謎なんだよね…」
まず日程を決めないと…、とソルジャーが指すカレンダー。
Aブルー「今年の桜は遅いようだし、19日でどうかな」
マツカ 「いつもの別荘でいいんですよね?」
Aブルー「もちろんだよ! あそこの桜は見事だし…」
出て来る料理も最高だしね、とソルジャー、親指をグッと。
Aブルー「他のみんなは?」
シロエ 「19日で問題ありません!」
ジョミー「土曜日なんだし、学校は無いし…」
サム 「新入生が主役のイベも、終わる頃だしよ…」
キースでイベを楽しもうぜ、とサム君の面妖な台詞。
シロエ 「えっと…? それはどういう趣向ですか?」
サム 「分かんねえけど、キースが主役で何かあるだろ」
ジョミー「キースだけの特典、欲しいんだしさ…」
キース 「だから、違うと!」
俺はイベなど望んでいない、とキース君の反論が。
キース 「ただの花見で済ませたいんだ、本当に!」
スウェナ「でも、特典は欲しいわけでしょ?」
キース 「寄ってたかって、決め付けやがって…!」
普通に花見がしたいんだが、とキース君。
キース 「花を眺めて、美味い料理を味わって…」
シロエ 「いつも料理は食べてますよね?」
ジョミー「花も見てると思うけどなあ…」
嫌でも視界に入る筈だし、とジョミー君が顎に当てる手。
ジョミー「もっと近くで見たいとか?」
サム 「桟敷で見るのが一番だぜ?」
キース 「俺は、殆ど桟敷の外で…」
Aブルー「そうだっけね…」
桟敷で出来るイベはあるのかな、と聞いてますけど。
イベ…?
2025/04/05 (Sat)
☆桟敷で出来るイベ
春休みで生徒会長宅に来ている面々、お花見の話ですけど。
ババを引きそうなキース君が話題な所へ、ソルジャー登場。
シロエ 「桟敷で出来るイベですって?」
Aブルー「キースは、桟敷がいいらしいしさ…」
桟敷で出来そうなイベがいいかも、とソルジャーの提案。
Aブルー「桟敷から出ないなら、何が出来るかなあ…」
サム 「お酌くらいしか出来ねえんでねえの?」
シロエ 「舞妓さんとか、そういう系になりますよね」
ジョミー「キース、舞とか出来たっけ?」
舞妓さんだと、お座敷芸だよ、とジョミー君が傾げる首。
ジョミー「三味線を弾くとか、踊るとかでさ…」
Aブルー「いいねえ、キースがお座敷芸!」
ぼくのぶるぅも喜びだそうだよ、とソルジャーの輝く瞳。
Aブルー「キースも桟敷から出ずに済むしね!」
キース 「なんで、そうなる!?」
Aブルー「下僕をやる方が、好みだって?」
お酌だったら、ソレもアリだし、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「ぶるぅに踏まれて、オモチャだろうけど…」
サム 「そっちの趣味もあるみてえだしよ…」
ジョミー「下僕コースを選びたいとか?」
キース 「違うんだ!」
俺は花見がしたいだけで…、とキース君、ワタワタ。
キース 「お酌なんぞは、御免蒙る!」
Aブルー「でもさ、特典を希望なんだろう?」
キース 「その段階で、既にズレているんだ!」
特典は希望していない、と必死の形相。
キース 「下僕だろうが、舞妓だろうが、俺はだな…!」
Aブルー「特典は無しにして欲しい、って?」
キース 「普通に花見がしたいわけだし…」
何もつけるな、とキース君、キッパリ。
キース 「ぶるぅが何かやった場合は、諦めるが…」
Aブルー「なるほどねえ…」
それじゃ提案しておこう、とソルジャーの笑み。
Aブルー「舞妓さんというアイデアをさ」
一同 「「「げっ!」」」
Aブルー「何か?」
楽しそうだと思うんだけど、と言われましても。
舞妓さん…?
2025/04/06 (Sun)
☆舞妓さんは無理そう
春休み中なシャン学メンバー、生徒会長宅に来てますけど。
お花見の話な所へ来たのがソルジャー、仕切り始めまして。
Aブルー「舞妓さん、いいと思うけれどね?」
シロエ 「キース先輩には、無理な気がします」
舞妓さんの売りは芸ですから、とシロエ君の助け舟。
シロエ 「専門の学校があるほどですしね」
Aブルー「そうなのかい?」
シロエ 「いわゆる学校とは違うんですけど…」
ブルー 「楽器の演奏や、舞いを習いに行くわけだよ」
通ってるのは舞妓さんだけじゃないけどね、と生徒会長。
ブルー 「舞妓さんは卒業した人も行くから」
Aブルー「えっと…? アレって卒業するのかい?」
舞妓さんは舞妓さんなんじゃあ…、とソルジャーの問い。
Aブルー「パルテノンの辺りに行ったら、よく見かけるよ」
ブルー 「若い人だけじゃなくって?」
Aブルー「うん。普通の人なら、社会人な感じの人もね」
卒業するとは思えないけど、とソルジャー、怪訝そうな顔。
Aブルー「卒業した後も学校なんだし、学生さんかな?」
ブルー 「君が言うのは、芸妓さんだよ…」
着物が全く別物だしね、と生徒会長、深い溜息。
ブルー 「舞妓さんには、年齢制限があって…」
Aブルー「ええっ!?」
ブルー 「ホントだってば、二十歳くらいが限界かな」
そこから後は芸妓さんになるってわけ、と説明が。
ブルー 「だけど、芸事は、まだ未熟だしさ…」
Aブルー「卒業した後も、学校なのかい?」
ブルー 「でないと、極められないしね」
そのくらいに芸の道は厳しいんだよ、と生徒会長の言。
ブルー 「キースに出来る気はしないってね」
Aブルー「うーん…」
面白そうだと思ったのに、とソルジャー、ガックリ。
Aブルー「マツカに頼めば、本格的な衣装だってさ…」
キース 「衣装だけあっても、舞妓は無理だぞ」
Aブルー「なんで?」
キース 「あの髪型は出来ん!」
髪型が大事なポイントなんだ、と言ってますけど。
えっと…?
2025/04/07 (Mon)
☆格式のある場所
春休みの最中なシャン学メンバー、生徒会長宅ですけれど。
其処へソルジャー登場、お花見を仕切り始めてイベも提案。
Aブルー「髪型が大事なポイントだって?」
キース 「あんたは、舞妓と芸妓の区別もつかないし…」
着物で区別が出来ないほどなら、髪型も、とキース君。
キース 「舞妓と芸妓は、髪が全く別物だしな」
Aブルー「髪型じゃなくて、髪なのかい?」
キース 「正確に言えば、両方になるが…」
舞妓の場合は自前の髪と決まっている、と説明が。
キース 「芸妓になったら、カツラで許されるんだ」
Aブルー「えっと…?」
キース 「舞妓の間は、自分の髪を結い上げるわけで…」
俺の髪では、とても出来ない、とキース君が指差す頭。
キース 「長髪の部類に入りはするんだが…」
シロエ 「結える長さはありませんよね…」
キース 「最低限でも、スウェナくらいは、必要だな」
だから無理だ、とキース君、キッパリ。
キース 「マツカが衣装を手配となると、本式になるし…」
サム 「あー…。衣装に負けてしまうのな…」
スウェナ「舞妓さんの着物は、高いらしいわよね…」
シロエ 「とんでもない値段がするそうですよ…」
ぼくも詳しくは知りませんけど、とシロエ君も。
シロエ 「それに合わせてやるとなったら、髪型も…」
キース 「相応でないと、失礼というもので…」
Aブルー「うーん…。でもさ、あちこち、溢れてるよ?」
舞妓さんのコスの人がさ、とソルジャー、反論。
Aブルー「ああいうヤツなら、いけそうだって!」
キース 「そうかもしれんが、場所が大いに問題だ」
一同 「「「は?」」」
キース 「マツカの別荘で花見なんだぞ?」
格式というものを考えてみろ、とキース君の真剣な表情。
キース 「立派な桟敷に、コスプレ舞妓では…」
シロエ 「似合わないかもですね…」
ジョミー「安っぽいよねえ…」
キース 「分かったか?」
別荘の皆さんにも失礼すぎる、と正論ですけど。
まあねえ…。
2025/04/08 (Tue)
☆見せるなら最高のを
春休み中のシャン学メンバー、生徒会長宅に来てますけど。
ソルジャーも来まして、お花見の日取りなどを仕切り中で。
Aブルー「チープな舞妓さんじゃ、ダメすぎる、と?」
キース 「マツカに確認するのが早いだろうな」
本物の舞妓を別荘に呼んでいるのか、とキース君の問い。
キース 「お客様を御招待することも多いと思うが」
マツカ 「そうですね。海外の方は、特に喜ばれるので…」
パルテノンから来て頂いています、とマツカ君。
マツカ 「地方の方にも、お願いするのが定番ですよ」
Aブルー「地方って?」
マツカ 「三味線とかの演奏をなさる皆さんで…」
御多忙だそうです、とマツカ君が説明を。
マツカ 「あまり人数がいらっしゃらないので…」
Aブルー「そうなのかい?」
マツカ 「芸妓さんが、引退後になさるケースが殆どで…」
大抵は、地方さんより、ママですから、という答え。
Aブルー「ママって、パルテノンのバーの人かな?」
マツカ 「ええ。華やかな職になりますしね」
地方さんだと地味ですから、と納得の理由。
マツカ 「少なくなるのも、お分かりでしょう?」
Aブルー「そんな人まで手配するほど、本格的なんだ…」
マツカ 「最高のをお見せしたいですから」
手抜きなんかは出来ませんよ、とマツカ君の笑み。
マツカ 「ですから、キースがやるんでしたら…」
Aブルー「地方さんまで呼んで来るわけ?」
マツカ 「いえ、それは、地方さんに失礼ですし…」
衣装だけの手配になるんですけど、と苦笑している御曹司。
マツカ 「見栄えのするのを、用意しますよ」
Aブルー「本当かい!?」
キース 「ちょっと待て!」
髪はどうするんだ、とキース君、ワタワタ。
キース 「俺には結えんし、とても無理だぞ!」
マツカ 「芸妓さんの場合は、カツラですよね」
キース 「まさか、カツラか!?」
マツカ 「芸妓さんのを作る人なら…」
舞妓さんのも作れますよ、と笑顔ですけど。
特注すると…?
2025/04/09 (Wed)
☆厳しいそうです
春休み真っ最中なシャン学メンバー、生徒会長宅ですけど。
ソルジャー登場で、お花見の日取りが決定、イベの話な今。
Aブルー「いいねえ、本格的なカツラだったら、格式も…」
シロエ 「高そうな感じになりますよねえ…」
キース 「しかしだな…!」
舞妓の鉄則が崩れるんだぞ、とキース君、必死の反論。
キース 「自前の髪で結うというのが、必須条件で…」
Aブルー「ソレは、ホントに鉄則なのかい?」
マツカ 「ええ。芸妓になるまで、カツラは不可です」
ですから、髪型も変わりますね、とマツカ君。
マツカ 「舞妓さんの髪の結い方、色々あるんですけど…」
ブルー 「芸妓になる前だけ、っていうのもあるわけで…」
Aブルー「えっと…?」
マツカ 「普段の髪とは、明らかに違う結い方ですよ」
芸妓になる時、儀式で一部を切りますから、と説明が。
マツカ 「そういう決まりがあるほどですし…」
ブルー 「地毛で結うのがお約束だよ」
枕まで昔ながらでね、と生徒会長。
ブルー 「あの髪型だと、普通の枕じゃ崩れちゃってさ…」
マツカ 「台無しですから、特別な枕になるんです」
Aブルー「そこまでしなくちゃダメだって?」
キツそうだね、とソルジャーの目が真ん丸に。
Aブルー「枕まで、選べないなんて…」
キース 「ついでに無給で、小遣いも少しだけなんだが?」
Aブルー「ええっ!?」
無給で働いているのかい、とソルジャー、仰天。
Aブルー「華やかそうだし、着物も豪華なんだろう?」
キース 「全部、借り物ということになっている」
その代金を働いて返す勘定だな、とキース君。
キース 「厳しいんだぞ、舞妓の世界というヤツは」
Aブルー「うーん…。でもさ、そういう話を聞いたらさ…」
ますます夢が膨らむよね、とソルジャーの笑み。
Aブルー「厳しい世界は、慣れてるだろう?」
キース 「はあ?」
Aブルー「お坊さんだよ!」
方向性が違うだけだよね、と言ってますけど。
どうすると…?
2025/04/10 (Thu)
☆そっくりな境遇
春休み中のシャン学メンバー、生徒会長宅に来てますけど。
ソルジャーも来まして、お花見の日取りやイベを仕切り中。
キース 「方向性が違うだけだと?」
Aブルー「うん。君の場合は、酷似してる気が…」
無給で働いているんだろう、とソルジャーの指摘。
Aブルー「副住職は名前だけでさ、顎で使われる毎日で…」
シロエ 「言われてみれば、似ていますよね…」
ジョミー「仕事の中身は、副住職並みじゃなかったっけ?」
学校に来てるけど、他所のお寺はどうかな、とジョミー君。
ジョミー「副住職をやってる友達、多い筈でさ…」
シロエ 「キース先輩よりも、自由にやってませんか?」
サム 「だよなあ、とうに大学、出てるんだしよ…」
住職になるまでは、キースと同じに自由だろ、とサム君も。
サム 「繁忙期以外は、旅行とかも行けるんでねえの?」
シロエ 「でないと、結婚も難しいですしね…」
スウェナ「結婚するなり、お寺ライフじゃ、誰も来ないわ」
暇な間に婚活でしょ、とスウェナちゃん。
スウェナ「副住職でフリーな間に、誰か見付けて…」
シロエ 「デート三昧、貢ぎまくってゴールでしょう」
キース 「……その通りだ……」
みんな俺より自由なんだ、とキース君が認めた境遇。
キース 「俺と違って金も入るし、車も乗れるし…」
Aブルー「君の立場は、舞妓さんだよ?」
サム 「そういや、衣装も豪華なんだぜ」
お袈裟の値段は半端ねえしよ、と僧籍な人。
サム 「下手な車より、お袈裟の方が高価でよ…」
シロエ 「クリーニング代も、凄いらしいですよね」
Aブルー「知ってる、払ったことがあるしさ」
衣装まで舞妓さんと同じらしいね、とソルジャーの苦笑い。
Aブルー「見た目は華やか、だけど無給で働くんだし」
シロエ 「厳しさ、ホントにそっくりですよ」
Aブルー「似てる以上は、コスも許されるかと」
一同 「「「うーん…」」」
それはそうかも、と納得しそうな理論ですけど。
舞妓さん…。
2025/04/11 (Fri)
☆似た境遇は他にも
春休み真っ最中なシャン学メンバー、生徒会長宅ですけど。
其処へ来たソルジャー、お花見を仕切ってイベを企画な今。
Aブルー「本格的なコスでやるなら、格式だってさ…」
シロエ 「クリア出来そうではありますよね…」
サム 「マツカにしたって、乗り気だしよ」
カツラを特注出来るんだろ、とサム君の問い。
サム 「あの言い方だと、コネもあるんだよな?」
マツカ 「ええ。芸妓さんのカツラも、高価ですから…」
ジョミー「スポンサーをやってるとか?」
マツカ 「支援している財団の方に、寄付をしてます」
個人的には、していませんが…、とマツカ君。
マツカ 「父に、お座敷遊びの趣味は無いですしね」
一同 「「「あー…」」」
御贔屓筋からの支援もあるよな、と一同、納得。
サム 「お気に入りの芸妓さんだけってヤツな…」
シロエ 「大金をポンと渡す人とか、ありそうです」
マツカ 「家をあげる人も、いるそうですよ」
一同 「「「うわー…」」」
そこまでなのか、と誰もが仰天。
シロエ 「芸妓さんになったら、違うんですねえ…」
ジョミー「舞妓の間は、無給なのにさ…」
Aブルー「その辺だって、キースは似ているよ?」
アドス和尚は花街遊びらしいしさ、とソルジャーが。
Aブルー「カツラを買ってあげたりしてるかも…」
キース 「それは無い!」
婿養子だしな、とキース君。
キース 「貢いでいるのが、おふくろに知れたら大惨事だ」
サム 「夫婦喧嘩な…」
キース 「離婚コースが無いだけに、一生を棒に振るぞ」
親父がいないと寺が回らん、とキース君が繰る数珠レット。
キース 「親父にしても、追い出されたら下っ端扱いで…」
サム 「使い走りからの再出発かよ…」
キース 「坊主の修行は積んであるから、使い走りは…」
ブルー 「無いだろうけど、住職がいない山寺とかさ…」
キース 「悲惨な道しか待っていないな」
だが現状では安泰だ、と苦笑してますけど。
キース君は…?
2025/04/12 (Sat)
☆似ている以上は
春休み中なシャン学メンバー、生徒会長宅に来てますけど。
ソルジャーも来まして、お花見の日取りやイベを仕切り中。
Aブルー「なるほど、イライザさんに睨まれない程度に…」
シロエ 「花街遊びなわけですね…」
キース 「坊主と花街遊びは、セットものに近いだけに…」
おふくろでも、其処は止められんぞ、とキース君。
キース 「付き合いで行くのを止めたら、出世は出来ない」
Aブルー「そうなのかい?」
キース 「璃母恩院の偉い皆さんも、よく行くしな」
一同 「「「あー…」」」
会社員の世界と同じ構造か、と誰もが納得。
シロエ 「そうなって来ると、行かない人は論外ですか…」
キース 「人事の根回しなどは、お座敷で、というのも…」
Aブルー「あるあるだって?」
キース 「そのようだ。その手の集まりと、それ以外を…」
区別するのは難しいぞ、とキース君の深い溜息。
キース 「つまり、おふくろも、放置するしか…」
サム 「ねえってことな…」
キース 「豪華プレゼントなどは、不可能なんだが…」
遊び放題の親父ではある、とブツブツ。
キース 「俺は無給で、小遣いも殆ど無いというのにな…」
Aブルー「やっぱり、舞妓さんとソックリだってば!」
住職と、副住職とで月とスッポン、とソルジャーの指摘。
Aブルー「似ている以上は、コスをやるべき!」
キース 「なんで、そうなる!?」
Aブルー「元々、そういう方向で相談中でさ…」
サム 「カツラの話まで、具体的によ…」
形になりつつあるじゃねえか、とサム君も。
サム 「いいじゃねえかよ、舞妓さんでも」
Aブルー「ぶるぅの悪戯も、出ないかもねえ…」
見た目が舞妓さんだしさ、とソルジャーが顎に当てる手。
Aブルー「悪さは出来ないビジュアルだよ?」
シロエ 「そうですね…」
ジョミー「悪代官だと、違うけれどね」
サム 「別格だよなあ…」
Aブルー「悪代官って?」
それは何だい、と首を傾げてますけど。
悪代官…。
2025/04/13 (Sun)
☆時代劇と悪代官
春休み真っ最中なシャン学メンバー、生徒会長宅ですけど。
ソルジャー登場で、お花見の日取りを決めて、イベも企画。
ジョミー「悪代官を知らないわけ?」
Aブルー「この世界では、必須の知識だと?」
サム 「そうじゃねえけど、俺たちの世代だと…」
ギリギリ常識になるんじゃねえかな、とサム君が傾げる首。
サム 「今どきのヤツらだと、厳しいけどよ…」
シロエ 「同級生でも、怪しいですよね…」
実年齢が違いますから、とシロエ君も。
シロエ 「時代劇、普段は専門チャンネルでしか…」
サム 「やっていねえし、知らねえ可能性は高いぜ」
ジョミー「あー…。それじゃ、別の世界の人になるとさ…」
目にするチャンスは皆無かもね、とジョミー君。
ジョミー「簡単に言えば、時代劇の悪役の代表格だよ」
Aブルー「悪役だって?」
ということは…、とソルジャーの赤い瞳がキラリ。
Aブルー「格式の高い舞妓さんでも、遠慮しないと?」
シロエ 「そうなります」
ジョミー「舞妓さんよりも、身分が上の人にでも…」
サム 「悪さするのが、お約束だぜ」
でもって、着物が見せ場だよな、とサム君、うんうん、と。
サム 「帯回しって名前がついててよ…」
シロエ 「よいではないか、で回しますよね…」
Aブルー「えっと…?」
いったい何を回すんだい、とソルジャー、キョトン。
Aブルー「帯なんか回しても、面白いとは思えないけど?」
シロエ 「それは、単体で考えるからですよ」
ジョミー「帯の中身が肝なわけでさ…」
帯を締めてる人を回さないとね、とジョミー君の説明が。
ジョミー「帯を引っ張って、くるくるくると…」
シロエ 「回して、ほどいていくんです」
舞妓さんでも、腰元でも、とシロエ君。
シロエ 「腰元は、舞妓さんよりも身分が上ですから…」
サム 「舞妓くらいは、朝飯前だぜ」
Aブルー「待ってよ、帯って…」
ほどけば着物がアウトだろう、と驚いてますけど。
正しいですね…?
2025/04/14 (Mon)
☆アウトでもセーフ
春休み中のシャン学メンバー、生徒会長宅に来てますけど。
来たのがソルジャー、お花見の日取りを決めて仕切り中で。
シロエ 「当然、着物は台無しですよ」
サム 「着崩れどころじゃ済まねえぜ」
ジョミー「悪代官の定番、帯回しだしさ…」
よいではないか、で分からないかな、とジョミー君。
ジョミー「普通は、脱げたら困るんだよ?」
シロエ 「何がいいのか、分かりますよね?」
Aブルー「そう言われても…」
ぼくの世界は文化が違うし…、とソルジャー、困惑。
Aブルー「アウトなのにさ、セーフだとでも?」
シロエ 「悪代官的には、セーフなんです」
ジョミー「舞妓さんとかにとっては、アウトだけどね」
サム 「あんたの得意なヤツじゃねえかよ」
よいではないか、で押し通すだろ、とサム君、ズイと。
サム 「レッドカードを出されててもよ」
シロエ 「会長がよく言う、退場ですよ」
Aブルー「退場って…?」
ますます謎だ、とソルジャーが傾げる首。
Aブルー「出て行きたまえ、とは言われるけどさ…」
ジョミー「アウトの中身はソレなんだよね」
でもって、悪代官にはセーフ、とジョミー君が広げる両手。
ジョミー「お楽しみタイムの始まりってこと」
Aブルー「あー…!」
やっと分かった、とソルジャー、手をポン。
Aブルー「帯をほどいて、中身を美味しく…」
ブルー 「その先、禁止!」
時代劇とは違うんだから、と生徒会長の割り込み。
ブルー 「君たちにしても、調子に乗りすぎ!」
一同 「「「はーい…」」」
すみませんでした、と誰もが謝罪。
シロエ 「つい、ウッカリとしてました…」
サム 「悪代官で油断したよな…」
失言かも、とサム君も申し訳なさそう。
サム 「でもよ、言い出しっぺはジョミーでよ…」
シロエ 「戦犯はジョミー先輩ですよね…」
ジョミー「そうなるわけ!?」
Aブルー「其処で、コレだよ!」
よいではないか、と笑顔で言われましても。
何が…?
2025/04/15 (Tue)
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☆二回分を纏めて
雛祭りが終わった週の土曜日、生徒会長宅に来ている面々。
祝日の話が出ていたわけで、ソルジャーが祝日がどうのと。
Aブルー「もちろん、ソレの話だってば!」
一同 「「「ええっ!?」」」
確実に潰される方の話だ、と誰もが愕然。
シロエ 「あのですね…! 話を聞いていたのなら…」
サム 「俺たちが迷惑してるってえのも…」
キース 「承知している筈だよな?」
俺の場合はデフォなんだが、とキース君が繰る数珠レット。
キース 「物心つくよりも前から、潰されまくって…」
Aブルー「そうらしいよね、だけど、頼りにしてるから!」
節分の時は凄かったしさ、とソルジャーの嬉しそうな顔。
Aブルー「七福神巡りで行ったお寺が、片っ端から…」
シロエ 「福豆を下さいましたし、その福の分でですね…」
お彼岸は見逃して貰えませんか、とシロエ君。
シロエ 「福がドッサリ来たんだったら、お彼岸くらい…」
ジョミー「パスしてもいいと思うんだけど!」
キース 「確かにな。どうせ秋には、またあるんだし…」
纏めて法要でいいと思うが…、とキース君も。
キース 「お布施は一回分で、二回分をだ…」
一同 「「「イイネ!」」」
それで行こう、と拳を突き上げる御一同様。
シロエ 「今の提案、聞きましたか? お得ですよ!」
サム 「値引きは無いのが、坊主の世界なんだぜ?」
キース 「サムが言う通り、破格コースだ」
纏めておくのがオススメだぞ、とキース君のプッシュ。
キース 「二回分のお布施が一回分で…」
シロエ 「五割引です、デカいですって!」
Aブルー「ダメダメ、ダテに通っていないってね!」
先送りするのはアウトなんじゃあ…、とソルジャーの指摘。
Aブルー「前倒しは良くても、逆はダメなのが法要で…」
キース 「なんで、あんたが知っているんだ!?」
サム 「詳しすぎだろ…」
Aブルー「やっぱりね…」
無駄知識を覚えておいて良かった、と笑顔ですけど。
詳しすぎ…。
2025/03/16 (Sun)
☆無駄知識もいける
雛祭りが済んだ週の土曜ですけど、生徒会長宅に集う面々。
祝日の話をしていた所へ、ソルジャーが来てしまいまして。
キース 「細かいことだし、忘れておけばよかろうが!」
サム 「正直、要らねえ知識じゃねえか」
シロエ 「法事なんかは無い世界でしょう?」
家族自体が違うそうですし、とシロエ君も。
シロエ 「血は繋がっていない組み合わせで…」
キース 「ご先祖様もいない筈だな?」
Aブルー「遺伝子的には、いないと困るんだけど?」
でないと生まれられないよ、とソルジャーの苦笑。
Aブルー「とはいえ、菩提寺とかも無いしさ…」
シロエ 「法事が無いなら、忘れるべきだと思います!」
サム 「マジで無駄だし、邪魔じゃねえかよ」
他の知識を入れるスペースが減るぜ、とサム君が顰める顔。
サム 「一般人より、覚えることが多めなんだろ?」
Aブルー「そりゃ、ソルジャーをやっていればね…」
だからコレが、とソルジャーが指差す自分の頭。
Aブルー「ただの補聴器じゃないのは、知ってるだろう?」
一同 「「「あー…」」」
記憶装置と兼用だっけ、と納得するしかないアイテム。
Aブルー「ぼくが忘れても、コレが覚えているわけで…」
キース 「だったら、お経も入れておけ!」
朝晩のお勤めをすればよかろう、とキース君の渋面。
キース 「毎日、自分で功徳を積めるし、お得だぞ」
Aブルー「ダメダメ、それこそ無駄なヤツだしさ…」
真面目にやるわけないだろう、とソルジャーが広げる両手。
Aブルー「お線香も無いし、蝋燭もさ…」
キース 「気持ちだけでいいんだ、手を合わせて…」
Aブルー「それじゃ、お菓子が食べられないしね!」
お断りだよ、とソルジャー、キッパリ。
Aブルー「プロがやるのが一番だってば、どう考えても!」
キース 「少しくらいは努力しやがれ!」
Aブルー「努力したから、先送りはアウトなのを…」
ちゃんと覚えていたわけで、と得意顔ですけど。
迷惑すぎ…。
2025/03/17 (Mon)
☆楽が出来るコース
雛祭りが終わった週の土曜日、生徒会長宅に来ている面々。
其処へ来たソルジャー、春分の日が潰れる法要をプッシュ。
Aブルー「プロの凄さは、節分で実証済みだしさ…」
一同 「「「あー…」」」
真面目に否定出来ないヤツ、と頭を抱える御一同様。
Aブルー「ぼくが自分で努力したって、ああいうのはね…」
キース 「それはそうだが、お彼岸はだな…!」
プロの坊主も多忙なんだ、とキース君も必死。
キース 「お彼岸の前後は、法事も断るくらいなんだぞ!」
Aブルー「でもさ、毎年、やってくれてるし…」
家にいるより楽なんだろう、とソルジャー、ズイと。
Aブルー「アドス和尚に使われるよりは、マイペースで…」
サム 「ソレ、間違ってはいねえよなあ?」
ジョミー「アドス和尚だしね…」
キースがいたら、こき使うよ、とジョミー君も。
ジョミー「お経を読んでるだけじゃ、済みそうにないし…」
シロエ 「朝早くから、働きまくりじゃないんですか?」
キース 「そ、それは確かに…」
今だって朝は忙しいんだ、とキース君の額に冷汗。
キース 「ブルーに法要の指導を受けるんだし、と…」
シロエ 「言い訳をして、留守にするんですよね?」
キース 「そうだ、だから出掛ける前にだな…」
本堂の準備をさせられるんだ、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「他所のお寺からも来て下さるから、その方も…」
サム 「控室とかの掃除なのかよ?」
キース 「座布団を用意する所までだ!」
親父のチェックが済んだら、やっと自由で…、と嘆き節。
キース 「寺に残ったままでいたなら、その後に…」
サム 「法要をやって、後片付けな…」
キツそうだぜ、とサム君が竦める肩。
サム 「こっちの方が、楽だよなあ…」
キース 「認めざるを得んな…」
Aブルー「ほらね、君たちもキースが楽になるように…」
シロエ 「協力しろと言うんですか!?」
先輩だけいれば充分でしょう、と悲鳴ですけど。
どうなる…?
2025/03/18 (Tue)
☆法要の方がマシ
雛祭りが済んだ週の土曜ですけど、生徒会長宅に集う面々。
其処へ来たソルジャー、お彼岸の法要を希望なわけでして。
Aブルー「キースだけだと、お焼香の面子が少なくて…」
シロエ 「ぶるぅと会長、いますから!」
Aブルー「ゴッソリ抜けると、物足りないしさ…」
でも、桜の季節も近いしね、とソルジャーが顎に当てる手。
Aブルー「そっちで、埋め合わせをしてくれるんなら…」
一同 「「「埋め合わせ?」」」
Aブルー「総出で、盛り上げてくれるとかだよ」
キースだけに任せていないでさ、とソルジャーの笑み。
Aブルー「君たちも、何かショーをするとか…」
一同 「「「げっ!」」」
それは困る、と誰もが顔面蒼白。
シロエ 「お彼岸の法要、出ることにします!」
ジョミー「ぼくもだよ!」
サム 「俺も出るから、ショーは勘弁してくれって!」
キースみてえなスキルはねえし、とサム君の悲鳴。
サム 「マジですげえぜ、下僕とかまでこなすしよ…」
シロエ 「キース先輩を助けるためなら、お彼岸くらい…」
ジョミー「お安い御用っていうヤツだよね」
キース 「…お前たち…」
花見も俺に押し付ける気か、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「お彼岸をタテにしやがって!」
Aブルー「お坊さんには、大事なイベだよねえ…」
お彼岸ってさ、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「面子も増えたし、法要、よろしく!」
キース 「花見はチャラに出来ないのか?」
Aブルー「その辺は、ぶるぅ次第かな…」
お彼岸は無関係だしね、と取り合わない人。
Aブルー「とにかく、お彼岸、頼んだよ!」
キース 「ちょっと待て!」
Aブルー「じゃあ、当日に!」
今日はこれで、と空間移動で消え去った模様。
キース 「逃げやがった…」
シロエ 「仕方ないです、あの人だけは…」
サム 「祝日、見事に潰れちまったぜ…」
キース 「やるしかないのか…」
坊主の宿命でも泣ける、と呻いてますけど。
法要ですか…。
2025/03/19 (Wed)
☆世間では祝日
やって来ました、春のお彼岸。正確に言えば、お中日の日。
春分の日で祝日ですけど、朝イチで生徒会長宅に集う面々。
シロエ 「おはようございます。いいお天気ですよね…」
ジョミー「うん。混んでるトコも多そうだよ」
サム 「連休じゃねえけど、休みには違いねえもんな」
スウェナ「明日だけ休めば、四連休でいけるわよ?」
やってる人もいると思うわ、とスウェナちゃんの読み。
スウェナ「それに、春休みな人も少なくないし…」
シロエ 「大学生だと、確実に休みな時期でしたっけ…」
ジョミー「卒業旅行とかも多いんだよね…」
それに比べて、ぼくたちはさ…、とジョミー君の深い溜息。
ジョミー「なんで毎年、抹香臭いイベばっかり…」
サム 「でもよ、今回は俺たちの方から申し入れだぜ?」
シロエ 「断った場合、お花見のリスクが高いですから…」
例の人が何を言い出すか…、とシロエ君も溜息。
シロエ 「キース先輩に恩を売る方が、マシですって…」
ジョミー「あっちのぶるぅの相手は、キースに限るしね…」
理屈は分かってるんだけど、とジョミー君が愚痴る境遇。
ジョミー「そうは思っても、いざとなるとさ…」
シロエ 「愚痴りたいのは同じですよ…」
サム 「将来的には、俺とジョミーも宿命でよ…」
潰れる日にはなるんだけどよ…、とサム君までが溜息で。
サム 「分かってる分、今の間に遊びてえのに…」
シロエ 「お坊さんになったら、無理ですしね…」
ブルー 「下っ端の間は、余計にね」
お手伝いに行くとかで…、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「璃母恩院でも大事な行事なんだし…」
サム 「手伝えるのは、名誉だと聞いてるけどよ…」
やっぱり遊びてえんだよな、と僧籍な人も愚痴モード。
サム 「逃げたらヤベえ日になるなんてよ…」
シロエ 「どうにも出来ないヤツですから…」
ジョミー「相手が、あんな仏様じゃね…」
成仏したって次が来るしさ、と嘆いてますけど。
確かに…。
2025/03/20 (Thu)
☆キリが無い法要
春分の日な、春のお彼岸のお中日。生徒会長宅に集う面々。
世間は祝日で休みですけど、スッポンタケの法要なわけで。
サム 「戒名だけは、無駄に立派だけどよ…」
シロエ 「正体は、キノコですからねえ…」
ジョミー「いくらでも生えて、ダメになるしね…」
供養したってキリが無いし、とジョミー君の嘆き節。
ジョミー「普通だったら、何処かで終わりになる筈で…」
スウェナ「三十三回忌だったかしら?」
シロエ 「五十回忌もあるそうですけど…」
その辺で終わりじゃないでしょうか、とシロエ君。
シロエ 「五十年も経てば、法要の面子も変わりますしね」
スウェナ「赤ちゃんだった子が、親だものねえ…」
ジョミー「早い人なら、孫だっていそうでさ…」
仏様の顔を知らない人が増えるよ、とジョミー君も。
ジョミー「だけど、例の迷惑な仏様はさ…」
シロエ 「次から次へと生えては、お亡くなりですし…」
スウェナ「終わりが来る日は、来ないんだもの…」
あんまりだわ、とスウェナちゃんが仰ぐ天井。
スウェナ「五十回忌が済んだ後でも、やらされるわよね…」
シロエ 「そのコースですよ…」
なんでそんなに偉いんです、とシロエ君、ブツブツと。
シロエ 「名のある人の場合だったら、延長戦だって…」
スウェナ「あるわね、八百年とかの法要が…」
ジョミー「でもさ、ソレは節目の時だけでさ…」
毎回やるんじゃないと思う、とジョミー君。
ジョミー「百年だとか、五十年とかの単位じゃないかな」
サム 「あのよ…。ソレは大々的な法要のことでよ…」
普通規模のヤツは毎年だぜ、とサム君の言。
サム 「ついでに、月命日の法要も毎月やってるしよ…」
一同 「「「ええっ!?」」」
マジか、と愕然とする御一同様。
シロエ 「月命日まで、毎月やるんですか?」
サム 「仏様じゃねえけど、学問の神様の御縁日はよ…」
スウェナ「命日だわね…」
そういえば毎月やってたっけ、と納得ですけど。
エンドレス…。
2025/03/21 (Fri)
☆マシだそうです
春のお彼岸はスッポンタケの法要、春分の日が潰れる面々。
秋分の日にも潰されるわけで、終わりが来る時も無さそう。
サム 「つまりよ、宗祖様の月命日も、毎月、法要で…」
シロエ 「内輪でやってるわけなんですね?」
大きな法要が無いだけで、とシロエ君が確認。
シロエ 「一般人まで参加するのは、五十年とかの分で…」
サム 「ソレイド八十八カ所を開いた人は、毎月だぜ」
一同 「「「ええっ!?」」」
そこまでなのか、と誰もが仰天。
シロエ 「偉い人なのは知ってますけど、毎月ですか?」
サム 「縁日あるだろ、露店も出るヤツ」
ジョミー「もしかして、21日の?」
学問の神様のが25日だけど、とジョミー君。
ジョミー「一足お先に、毎月、露店がズラリと並ぶよね?」
サム 「ソレのことだぜ、俺が言うのは」
寺の中では法要だしよ、とサム君の説明が。
サム 「護摩焚きもしてるし、本格的にやってるんだぜ」
一同 「「「あー…」」」
露店の方しか知らなかった、と納得するしかない御一同様。
シロエ 「じゃあ、例の仏様は、年に二回で済みますし…」
スウェナ「マシな方だというわけね?」
サム 「そうなるよなあ…」
仕方ねえよ、とサム君の深い溜息。
サム 「エンドレスでも、回数だけは少なめだしよ…」
ジョミー「祝日は二回、潰れるんだけど…」
シロエ 「正直、文句は言えませんよね…」
月参りだって無いんですし、とシロエ君も溜息が超特大。
シロエ 「とはいえ、あの迷惑な仏様の戒名はですね…」
ジョミー「キースがつけたヤツなのに…」
どんどん偉くなっていくよね、とジョミー君が仰ぐ天井。
ジョミー「戒名の取り消しとかも、出来ないらしいし…」
ブルー 「格上げでしか、変えられないしね」
一同 「「「格上げ!?」」」
ブルー 「戒名の格は下げられないから…」
シロエ 「格上げですか!?」
そんな変更、要りませんから、と悲鳴ですけど。
格上げではねえ…。
2025/03/22 (Sat)
☆格上げするには
春のお彼岸はスッポンタケの法要、毎年避けられない行事。
月命日に何もしないだけマシで、偉い人だと毎月ある法要。
シロエ 「あんな仏様が、もっと偉くなるのは困ります!」
スウェナ「ホントに勘弁して欲しいわよ…」
格下げだったら歓迎だけど、とスウェナちゃんも。
スウェナ「格上げ以外に、変更は出来ないなんて…」
サム 「でもよ、どういう仕組みなんだよ、格上げって」
そんなの習っていねえから、と僧籍な人の質問。
サム 「どうやったら、格が上がるんだよ?」
ブルー 「修行を積んだことにするんだけど」
一同 「「「修行?」」」
仏様だと不可能では…、と顔を見合わせる御一同様。
シロエ 「修行って、どんな修行なんです?」
ブルー 「キースが行ってた道場入りの、簡易版だね」
一同 「「「簡易版?」」」
なんだソレは、と更に深まる謎というヤツ。
サム 「簡易版とかあるのかよ、アレに?」
ジョミー「あるんだったら、ソレで済ませたいけど…」
いつか行かされてしまいそうだし、とジョミー君。
ジョミー「簡易版なら、楽が出来そうだしさ…」
サム 「俺も正直、そうしてえよなあ…」
一ヶ月近い道場入りはキツそうだしよ、とサム君まで。
サム 「その簡易版ってヤツは、選べるのかよ?」
ブルー 「自由参加で、行きたい人だけ申し込みだね」
ただし…、と生徒会長、いえ、銀青様が立てる人差し指。
ブルー 「一般人向けの修行になるから、プロはダメだよ」
僧籍な人「「ええっ!?」」
酷い、とジョミー君とサム君、同時に。
サム 「簡易版だし、ダメだってか?」
ジョミー「楽をするのは、許せないって?」
ブルー 「そうじゃなくって…」
同じのを二度も要らないだろう、と銀青様。
ブルー 「本物の道場入りをするわけだしさ」
サム 「一回きりしか出来ねえって?」
ブルー 「簡易版だと別だけど…」
だから修行を上乗せ出来る、と言ってますけど。
どういう意味…?
2025/03/23 (Sun)
☆楽そうな簡易版
春のお彼岸はスッポンタケの法要、生徒会長宅に集う面々。
偉すぎる戒名の話から、戒名の格を上げる方法が問題な今。
サム 「意味がサッパリ分かんねえけど、なんでだよ?」
ジョミー「本物の道場入りをやっていないと、得なわけ?」
修行を上乗せ出来るなんてさ、とジョミー君の問い。
ジョミー「もしもそうなら、ぼくたちだって…」
サム 「簡易版を何度かやったら、いけそうだぜ?」
道場入りをしなくてもよ、とサム君も。
サム 「一般人が行ける簡易版なら、楽そうだしよ…」
ジョミー「日数だって短そうだし…」
家に帰って寝てもいいかも、とジョミー君が顎に当てる手。
ジョミー「璃母音院の道場だと、冬の最中に暖房無しで…」
サム 「寝るのも、狭いスペースだよなあ?」
ブルー 「仕方ないよね、本物の道場入りなんだから」
簡易版よりもハードモード、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「簡易版だと家から通いで、一週間ほどだよ」
サム 「いいじゃねえかよ!」
ジョミー「何回やったら、道場入りと同じ扱い?」
ソレで行けるなら、ソレがいいよ、とジョミー君の輝く瞳。
ジョミー「修行の上乗せで済むんならね」
サム 「そうしてえよなあ…」
一ヶ月近い道場よりは、とサム君も乗り気。
サム 「それで、何回くらいなんだよ?」
ブルー 「残念だけれど、上限ってヤツがあるからねえ…」
戒名の文字数に制限が、と銀青様の答え。
ブルー 「元の戒名が短かったら、上乗せも増やせるけど」
一同 「「「は?」」」
いったいどういう仕組みなんだ、と誰もがキョトン。
シロエ 「戒名が関係するんですか?」
ブルー 「本来、そのための簡易版ってヤツで…」
生きてる間に徳を積んで、と銀青様の説明が。
ブルー 「お坊さんに負けない修行をしました、と…」
サム 「戒名に証拠が残るってか?」
ブルー 「ピンポーン!」
文字を貰っておけるんだよ、と笑顔ですけど。
証拠ですか…?
2025/03/24 (Mon)
☆釣り合いが問題
春のお彼岸はスッポンタケの法要、避けられないイベント。
生徒会長宅に来ている面々、愚痴から戒名の話題ですけど。
サム 「貰える文字ってえのは、特別なのかよ?」
ブルー 「普通だと貰えない文字は、一字だけだね」
シロエ 「どんな字なんです?」
ブルー 「名誉ってヤツの、誉なんだけど…」
コレが入っていれば修行済み、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「生前にやっていなくても、コレが貰えるんだよ」
サム 「仏様だぜ、どうやって修行するって?」
シロエ 「やりようが無いと思いますけど…」
仏様だけに、とシロエ君も。
シロエ 「なのに、戒名の文字を増やせるんですか?」
ブルー 「供養してあげれば、修行したのと同じでさ…」
サム 「本人は、やってなくてもオッケーだってか?」
ブルー 「そうなるね。そもそも、そのために法要が…」
存在するというわけで、と法話になりそうな状況ですけど。
??? 「こんにちはーっ!」
一同 「「「げっ!」」」
皆がドン引き、ソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「いい話だねえ、スッポンタケが偉くなるって?」
一同 「「「ひぃっ!」」」
聞かれてたのか、と誰もがガクブル。
Aブルー「文字の追加は出来るのかな?」
シロエ 「知りませんってば!」
Aブルー「聞いているのは、君じゃなくって…」
其処のプロだよ、とソルジャーの視線が生徒会長に。
Aブルー「スッポンタケの場合は、どうなるわけ?」
ブルー 「文字数的には、いけるんだけど…」
Aブルー「何か問題があるとでも?」
ブルー 「あるね、なにしろ、一般人向けのヤツだし…」
元の戒名との釣り合いがね、と生徒会長の苦笑。
ブルー 「偉すぎる文字がドッサリで、院殿号まで…」
Aブルー「入ってるから、ダメだって?」
ブルー 「無理に入れたら、格下げになってしまうしさ…」
Aブルー「それは困るよ!」
せっかく偉い戒名なのに、と悲鳴な人。
格下げですか…。
2025/03/25 (Tue)
☆増やしたい文字数
春のお彼岸はスッポンタケの法要、生徒会長宅に集う面々。
戒名の話題になっていた所へ、ソルジャーも登場ですけど。
Aブルー「格下げは嫌だけど、文字数はいけるんだよね?」
ブルー 「そうだけど?」
Aブルー「じゃあ、MAXまで増やせるわけ?」
ブルー 「理論的には、いけるけれどさ…」
現実としては無理ゲーだよね、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「なにしろ、修行が出来ていないし…」
Aブルー「その件だったら、一般人でも出来るんだろう?」
修行の上乗せというヤツが…、とソルジャーの反論。
Aブルー「法要をすれば、修行を積んだのと同じ扱いで…」
ブルー 「一般人だからこそ、それでオッケーなわけで…」
偉い場合はハードルが上がるよ、と銀青様。
ブルー 「御利益があるとか、そういう必須条件がね」
Aブルー「御利益って?」
ブルー 「この仏様にお願いしたら、病気が治るとか…」
本物の御利益を示さないとね、と銀青様の解説が。
ブルー 「ただの仏様には、無理なヤツでさ…」
Aブルー「なるほどねえ…」
でもさ、とソルジャーの輝く瞳。
Aブルー「スッポンタケだって、御利益はバッチリだよ!」
一同 「「「は?」」」
まさか、と誰もが見合わせる顔。
シロエ 「アレに御利益、ありましたっけ?」
サム 「聞いてねえけど…」
ジョミー「ぼくも知らない、何に効くって?」
Aブルー「もちろん、ぼくのハーレイに!」
もうビンビンのガンガンで…、とソルジャー、ウットリ。
Aブルー「法要をすれば、更にパワーアップで!」
ブルー 「退場したまえ!」
Aブルー「ダメダメ、法要はこれからなんだし!」
それにキースも来ていないし、と帰る気配も見えない人。
Aブルー「戒名の文字数を増やせるのは、キースだよね?」
ブルー 「キースの存命中だと、そうなるかな」
Aブルー「だったら、御利益を認定して貰ったら…」
スッポンタケを偉く出来るよね、と真顔ですけど。
本気ですか…?
2025/03/26 (Wed)
☆御利益があれば
春のお彼岸はスッポンタケの法要、ソルジャーも来まして。
偉そうな戒名を更に格上げ、キース君に頼む気満々な模様。
Aブルー「要は、御利益があればいいんだろう?」
ブルー 「そうなんだけど、そんな御利益…」
Aブルー「あるのは確かなんだしさ!」
キースに認められればオッケー、と親指をグッと。
Aブルー「あっ、来たかな?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ キース、着いたよ!」
キース 「遅くなってすまん。寺の法要の準備で…」
忙しかった、とキース君が法衣鞄を持って到着。
キース 「急いで着替える、待っていてくれ」
Aブルー「もちろんだよ!」
ぼくが頼んだ法要だしね、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「着替えが済んだら、お願いがあって…」
キース 「分かった、戻ったら聞く」
着替えに出掛けて、直ぐに戻った副住職。
キース 「さて、法要だが、話というのは後でいいのか?」
Aブルー「どうだろう? 今回は、間に合わなさそうで…」
キース 「何がだ?」
Aブルー「あのさ、戒名の文字を増やして欲しくってさ…」
滑り込みでもいけるのかな、とソルジャーの問い。
Aブルー「法要の時に、読み上げてるから…」
キース 「おい。今日の仏様のを増やせとでも?」
Aブルー「いけるんだったら、今日からでも…」
お願いしたい、とソルジャー、ズイと。
Aブルー「戒名が偉い人の場合は、御利益が要るって?」
キース 「サッパリ話が見えないんだが…」
シロエ 「文字をMAXにしたいそうです」
サム 「でもよ、一般人のようにはいかねえし…」
御利益がねえと無理なんだろ、と僧籍な人。
サム 「それを認定して欲しい、って言ってやがって…」
キース 「アレに御利益?」
あるわけなかろう、とキース君、バッサリ。
キース 「とにかく、まずは法要で…」
Aブルー「待って、御利益を証明出来ればいけるのかい?」
キース 「そう聞くが…」
捏造は認めないからな、と睨んでますけど。
証明ですって…?
2025/03/27 (Thu)
☆まずは法要から
春のお彼岸はスッポンタケの法要、キース君も到着でして。
法衣に着替えて法要ですけど、戒名で相談中なソルジャー。
Aブルー「捏造なんかしないよ、本物の御利益!」
キース 「だったら、俺に証明して見せることだな」
とにかく先に法要を、とキース君が繰る本式の長い数珠。
キース 「あんたの話は、長引きそうだし…」
Aブルー「そうだね、証明するとなったら、法要には…」
間に合わないのは確実だし、とソルジャーも同意。
Aブルー「終わった後に、改めて話すことにするよ」
キース 「そうしてくれ。では、始めるぞ」
一同 「「「はーい…」」」
後は野となれ山となれ、と揃って正座な御一同様。
キース 「願我~心浄~、如香炉~…」
一同 (((始まった…)))
此処から先が長いんだ、と嘆く間に、お焼香の時間。
キース 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
一同 (((抹香臭すぎ…)))
早く終われ、と我慢しまくり、やっと終盤。
キース 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
一同 (((これで終わる筈…)))
キース 「南無阿弥陀仏…。皆様、よくお勤めでした」
では…、と法話タイムに入る副住職。
キース 「お彼岸というのは、お浄土に…」
Aブルー「思いを馳せる日らしいけど、その前にさ…」
この世の方が大切だろう、とソルジャーが横から乱入。
Aブルー「さっき言ってた御利益の…」
キース 「証明がどうの、というヤツだな…」
よくも法話をブチ壊しやがって、と副住職の深い溜息。
キース 「もういい、法話は打ち切っておく」
一同 「「「イイネ!」」」
これ以上、正座しなくても済む、と皆が打ち切り大歓迎。
キース 「お前たち…。罰当たりにも程があると思うが…」
シロエ 「たまにはいいじゃないですか」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お食事の用意、出来てるよ!」
キース 「分かった、先に着替えて来る」
話は飯を食いながらでいい、と出て行きましたけど。
どうなる…?
2025/03/28 (Fri)
☆焼肉もアリな食事
春のお彼岸はスッポンタケの法要、読経の後に法話タイム。
ソルジャーのせいで打ち切られまして、皆で食事ですけど。
Aブルー「いいねえ、法要と食事がセットというのは」
キース 「定番コースで、食事の中身が違うだけだな」
基本は和食になっているが、と普通の服に戻った副住職。
キース 「焼肉を食べに行くのも、今は普通だ」
シロエ 「そうなんですか?」
キース 「個室を借りれば、喪服でも目立たないからな」
店に出入りをする時以外は、と言われれば、そう。
Aブルー「なるほど、それも楽しそうだね」
ジョミー「喪服なんかは着ていないから、個室もさ…」
シロエ 「要りませんよね」
サム 「ただの焼肉パーティーだしよ」
次は焼肉もアリかもな、とサム君も。
サム 「ぶるぅの飯も美味いんだけどよ…」
スウェナ「抹香臭いイベを消すには、ピッタリだわね」
Aブルー「うん。そうだ、さっきの話なんだけど…」
御利益を証明するというヤツ、とソルジャーが傾げる首。
Aブルー「焼肉を食べて、その流れなら…」
キース 「はあ?」
Aブルー「ヘタレ体質、カバー出来そうだよね」
一同 「「「えっと…?」」」
話が見えない、と顔を見合わせる御一同様。
シロエ 「何を証明したいんです?」
Aブルー「スッポンタケの御利益だよ!」
もうビンビンのガンガンで…、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「そのハーレイを、キースに見せれば…」
一同 「「「げっ!」」」
あんまりすぎる、と誰もが愕然。
シロエ 「キース先輩、倒れますから!」
キース 「俺も、そういう気しかしないが…」
Aブルー「だけど、御利益を証明するためには…」
ヤってる現場を見せるしか…、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「ぼくのハーレイ、ヘタレ体質だしさ…」
ブルー 「退場!」
Aブルー「スタミナもつくし、一石二鳥で…」
キース 「その前にだ…」
ソレだと破綻してるんだが、と腕組みな副住職。
破綻って…?
2025/03/29 (Sat)
☆御利益の証明なら
春のお彼岸はスッポンタケの法要、終わった後は皆で食事。
法要にはセットな食事ですけど、今は焼肉もアリな時代で。
Aブルー「破綻してるって、何が?」
キース 「御利益を証明するという点についてだ」
迷惑すぎる件は置いておくとして…、と副住職、目がマジ。
キース 「あんたは、ヘタレ体質をカバーしたいんだな?」
Aブルー「そう! 焼肉で盛り上がった後だったら…」
きっと勢いでいける筈、とソルジャーが立てる親指。
Aブルー「スタミナもついてて、バッチリだしさ!」
キース 「それを破綻と言ってるんだが…?」
焼肉の御利益が証明されるだけだろう、とキース君。
キース 「例の仏様に縋らなくても、焼肉パワーで…」
シロエ 「スタミナですから、いけますよね!」
キース 「ヘタレ体質まで、カバー可能なんだぞ?」
御利益バッチリ、とキース君の視線がソルジャーに。
キース 「俺に、焼肉の御利益を認定しろと?」
一同 「「「イイネ!」」」
最高だよ、と誰もが突き上げる拳。
ジョミー「今度は焼肉に戒名なんだ?」
キース 「院殿号を出してもいいぞ」
次のお彼岸から主役交代だ、とキース君、ニンマリ。
キース 「焼肉の供養なら、誰も文句は無いだろう?」
シロエ 「もちろんです!」
サム 「どうせなら、個別に差し上げねえか?」
カルビとか、タンとか、ハラミとかよ…、とサム君の提案。
サム 「喜んで供養させて貰うぜ」
ジョミー「正座も、お焼香も、気にしないよ!」
スウェナ「数が増えた分、延長になってもオッケーだわね」
シロエ 「そのためだったら、証明にも耐えてみせます!」
倒れそうでも踏ん張りますよ、とシロエ君も。
シロエ 「見届けて御利益が認定されたら、最高ですし…」
ブルー 「なるほどねえ…。退場案件なのは棚上げで…」
キース 「一回限りの、観察会的に…」
ジョミー「見届けるんだね!」
それでいこう、と一同、やる気満々ですけど。
観察会…。
2025/03/30 (Sun)
☆主役交代は困る
春のお彼岸はスッポンタケの法要、済んだら食事ですけど。
ソルジャーが持ち出した、戒名を格上げな話が焼肉の方へ。
キース 「ということで、話は纏まったな?」
一同 「「「はいっ!」」」
キース 「御利益の認定は、早いほどいいと思うんだが…」
いい戒名を考えたいし…、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「仏様の数も多いそうだし、観察会の方も急ぎで」
Aブルー「え、えっと…?」
キース 「あんたのハーレイが、いけるようなら…」
今夜にでも、とキース君、ズイと。
キース 「今日がダメなら、近い内に頼む」
Aブルー「待ってよ、ソレで御利益が認められるの…」
スッポンタケじゃなくて焼肉だよね、とソルジャー、狼狽。
Aブルー「でもって、次から、法要の主役は焼肉だって?」
キース 「そうなるな。カルビ様とか、ハラミ様とか…」
Aブルー「困るってば!」
スッポンタケはどうなるのさ、とソルジャーの悲鳴。
Aブルー「無縁仏になっちゃうだとか…?」
キース 「その問題なら、他所を紹介するから…」
お中日は無理でも、法要は出来る、とキース君の答え。
キース 「お布施次第で、坊主は大勢呼べそうだぞ」
サム 「でもよ、偉い人とか、無理だよなあ?」
キース 「セレモニーホールとかの御用達かと」
時間外なら暇にしてるし、とキース君。
キース 「コアタイムを外せば、いくらでも来る」
Aブルー「バイト感覚で来るヤツじゃないか!」
キース 「仕方なかろう。それか、院殿号を武器にして…」
箔をつけたい坊主に依頼するとか、と副住職、ニヤニヤ。
キース 「院殿号の仏様の法要が出来たら、箔がつくしな」
Aブルー「そ、そんな…!」
此処でないと、とソルジャーも必死。
Aブルー「焼肉と主役交代だけは、勘弁して!」
キース 「御利益を認定する件、チャラにするから、と?」
Aブルー「もちろん、白紙撤回だよ!」
だから許して、と土下座ですけど。
今月、これにて中継終了~。
2025/03/31 (Mon)
雛祭りが終わった週の土曜日、生徒会長宅に来ている面々。
祝日の話が出ていたわけで、ソルジャーが祝日がどうのと。
Aブルー「もちろん、ソレの話だってば!」
一同 「「「ええっ!?」」」
確実に潰される方の話だ、と誰もが愕然。
シロエ 「あのですね…! 話を聞いていたのなら…」
サム 「俺たちが迷惑してるってえのも…」
キース 「承知している筈だよな?」
俺の場合はデフォなんだが、とキース君が繰る数珠レット。
キース 「物心つくよりも前から、潰されまくって…」
Aブルー「そうらしいよね、だけど、頼りにしてるから!」
節分の時は凄かったしさ、とソルジャーの嬉しそうな顔。
Aブルー「七福神巡りで行ったお寺が、片っ端から…」
シロエ 「福豆を下さいましたし、その福の分でですね…」
お彼岸は見逃して貰えませんか、とシロエ君。
シロエ 「福がドッサリ来たんだったら、お彼岸くらい…」
ジョミー「パスしてもいいと思うんだけど!」
キース 「確かにな。どうせ秋には、またあるんだし…」
纏めて法要でいいと思うが…、とキース君も。
キース 「お布施は一回分で、二回分をだ…」
一同 「「「イイネ!」」」
それで行こう、と拳を突き上げる御一同様。
シロエ 「今の提案、聞きましたか? お得ですよ!」
サム 「値引きは無いのが、坊主の世界なんだぜ?」
キース 「サムが言う通り、破格コースだ」
纏めておくのがオススメだぞ、とキース君のプッシュ。
キース 「二回分のお布施が一回分で…」
シロエ 「五割引です、デカいですって!」
Aブルー「ダメダメ、ダテに通っていないってね!」
先送りするのはアウトなんじゃあ…、とソルジャーの指摘。
Aブルー「前倒しは良くても、逆はダメなのが法要で…」
キース 「なんで、あんたが知っているんだ!?」
サム 「詳しすぎだろ…」
Aブルー「やっぱりね…」
無駄知識を覚えておいて良かった、と笑顔ですけど。
詳しすぎ…。
2025/03/16 (Sun)
☆無駄知識もいける
雛祭りが済んだ週の土曜ですけど、生徒会長宅に集う面々。
祝日の話をしていた所へ、ソルジャーが来てしまいまして。
キース 「細かいことだし、忘れておけばよかろうが!」
サム 「正直、要らねえ知識じゃねえか」
シロエ 「法事なんかは無い世界でしょう?」
家族自体が違うそうですし、とシロエ君も。
シロエ 「血は繋がっていない組み合わせで…」
キース 「ご先祖様もいない筈だな?」
Aブルー「遺伝子的には、いないと困るんだけど?」
でないと生まれられないよ、とソルジャーの苦笑。
Aブルー「とはいえ、菩提寺とかも無いしさ…」
シロエ 「法事が無いなら、忘れるべきだと思います!」
サム 「マジで無駄だし、邪魔じゃねえかよ」
他の知識を入れるスペースが減るぜ、とサム君が顰める顔。
サム 「一般人より、覚えることが多めなんだろ?」
Aブルー「そりゃ、ソルジャーをやっていればね…」
だからコレが、とソルジャーが指差す自分の頭。
Aブルー「ただの補聴器じゃないのは、知ってるだろう?」
一同 「「「あー…」」」
記憶装置と兼用だっけ、と納得するしかないアイテム。
Aブルー「ぼくが忘れても、コレが覚えているわけで…」
キース 「だったら、お経も入れておけ!」
朝晩のお勤めをすればよかろう、とキース君の渋面。
キース 「毎日、自分で功徳を積めるし、お得だぞ」
Aブルー「ダメダメ、それこそ無駄なヤツだしさ…」
真面目にやるわけないだろう、とソルジャーが広げる両手。
Aブルー「お線香も無いし、蝋燭もさ…」
キース 「気持ちだけでいいんだ、手を合わせて…」
Aブルー「それじゃ、お菓子が食べられないしね!」
お断りだよ、とソルジャー、キッパリ。
Aブルー「プロがやるのが一番だってば、どう考えても!」
キース 「少しくらいは努力しやがれ!」
Aブルー「努力したから、先送りはアウトなのを…」
ちゃんと覚えていたわけで、と得意顔ですけど。
迷惑すぎ…。
2025/03/17 (Mon)
☆楽が出来るコース
雛祭りが終わった週の土曜日、生徒会長宅に来ている面々。
其処へ来たソルジャー、春分の日が潰れる法要をプッシュ。
Aブルー「プロの凄さは、節分で実証済みだしさ…」
一同 「「「あー…」」」
真面目に否定出来ないヤツ、と頭を抱える御一同様。
Aブルー「ぼくが自分で努力したって、ああいうのはね…」
キース 「それはそうだが、お彼岸はだな…!」
プロの坊主も多忙なんだ、とキース君も必死。
キース 「お彼岸の前後は、法事も断るくらいなんだぞ!」
Aブルー「でもさ、毎年、やってくれてるし…」
家にいるより楽なんだろう、とソルジャー、ズイと。
Aブルー「アドス和尚に使われるよりは、マイペースで…」
サム 「ソレ、間違ってはいねえよなあ?」
ジョミー「アドス和尚だしね…」
キースがいたら、こき使うよ、とジョミー君も。
ジョミー「お経を読んでるだけじゃ、済みそうにないし…」
シロエ 「朝早くから、働きまくりじゃないんですか?」
キース 「そ、それは確かに…」
今だって朝は忙しいんだ、とキース君の額に冷汗。
キース 「ブルーに法要の指導を受けるんだし、と…」
シロエ 「言い訳をして、留守にするんですよね?」
キース 「そうだ、だから出掛ける前にだな…」
本堂の準備をさせられるんだ、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「他所のお寺からも来て下さるから、その方も…」
サム 「控室とかの掃除なのかよ?」
キース 「座布団を用意する所までだ!」
親父のチェックが済んだら、やっと自由で…、と嘆き節。
キース 「寺に残ったままでいたなら、その後に…」
サム 「法要をやって、後片付けな…」
キツそうだぜ、とサム君が竦める肩。
サム 「こっちの方が、楽だよなあ…」
キース 「認めざるを得んな…」
Aブルー「ほらね、君たちもキースが楽になるように…」
シロエ 「協力しろと言うんですか!?」
先輩だけいれば充分でしょう、と悲鳴ですけど。
どうなる…?
2025/03/18 (Tue)
☆法要の方がマシ
雛祭りが済んだ週の土曜ですけど、生徒会長宅に集う面々。
其処へ来たソルジャー、お彼岸の法要を希望なわけでして。
Aブルー「キースだけだと、お焼香の面子が少なくて…」
シロエ 「ぶるぅと会長、いますから!」
Aブルー「ゴッソリ抜けると、物足りないしさ…」
でも、桜の季節も近いしね、とソルジャーが顎に当てる手。
Aブルー「そっちで、埋め合わせをしてくれるんなら…」
一同 「「「埋め合わせ?」」」
Aブルー「総出で、盛り上げてくれるとかだよ」
キースだけに任せていないでさ、とソルジャーの笑み。
Aブルー「君たちも、何かショーをするとか…」
一同 「「「げっ!」」」
それは困る、と誰もが顔面蒼白。
シロエ 「お彼岸の法要、出ることにします!」
ジョミー「ぼくもだよ!」
サム 「俺も出るから、ショーは勘弁してくれって!」
キースみてえなスキルはねえし、とサム君の悲鳴。
サム 「マジですげえぜ、下僕とかまでこなすしよ…」
シロエ 「キース先輩を助けるためなら、お彼岸くらい…」
ジョミー「お安い御用っていうヤツだよね」
キース 「…お前たち…」
花見も俺に押し付ける気か、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「お彼岸をタテにしやがって!」
Aブルー「お坊さんには、大事なイベだよねえ…」
お彼岸ってさ、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「面子も増えたし、法要、よろしく!」
キース 「花見はチャラに出来ないのか?」
Aブルー「その辺は、ぶるぅ次第かな…」
お彼岸は無関係だしね、と取り合わない人。
Aブルー「とにかく、お彼岸、頼んだよ!」
キース 「ちょっと待て!」
Aブルー「じゃあ、当日に!」
今日はこれで、と空間移動で消え去った模様。
キース 「逃げやがった…」
シロエ 「仕方ないです、あの人だけは…」
サム 「祝日、見事に潰れちまったぜ…」
キース 「やるしかないのか…」
坊主の宿命でも泣ける、と呻いてますけど。
法要ですか…。
2025/03/19 (Wed)
☆世間では祝日
やって来ました、春のお彼岸。正確に言えば、お中日の日。
春分の日で祝日ですけど、朝イチで生徒会長宅に集う面々。
シロエ 「おはようございます。いいお天気ですよね…」
ジョミー「うん。混んでるトコも多そうだよ」
サム 「連休じゃねえけど、休みには違いねえもんな」
スウェナ「明日だけ休めば、四連休でいけるわよ?」
やってる人もいると思うわ、とスウェナちゃんの読み。
スウェナ「それに、春休みな人も少なくないし…」
シロエ 「大学生だと、確実に休みな時期でしたっけ…」
ジョミー「卒業旅行とかも多いんだよね…」
それに比べて、ぼくたちはさ…、とジョミー君の深い溜息。
ジョミー「なんで毎年、抹香臭いイベばっかり…」
サム 「でもよ、今回は俺たちの方から申し入れだぜ?」
シロエ 「断った場合、お花見のリスクが高いですから…」
例の人が何を言い出すか…、とシロエ君も溜息。
シロエ 「キース先輩に恩を売る方が、マシですって…」
ジョミー「あっちのぶるぅの相手は、キースに限るしね…」
理屈は分かってるんだけど、とジョミー君が愚痴る境遇。
ジョミー「そうは思っても、いざとなるとさ…」
シロエ 「愚痴りたいのは同じですよ…」
サム 「将来的には、俺とジョミーも宿命でよ…」
潰れる日にはなるんだけどよ…、とサム君までが溜息で。
サム 「分かってる分、今の間に遊びてえのに…」
シロエ 「お坊さんになったら、無理ですしね…」
ブルー 「下っ端の間は、余計にね」
お手伝いに行くとかで…、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「璃母恩院でも大事な行事なんだし…」
サム 「手伝えるのは、名誉だと聞いてるけどよ…」
やっぱり遊びてえんだよな、と僧籍な人も愚痴モード。
サム 「逃げたらヤベえ日になるなんてよ…」
シロエ 「どうにも出来ないヤツですから…」
ジョミー「相手が、あんな仏様じゃね…」
成仏したって次が来るしさ、と嘆いてますけど。
確かに…。
2025/03/20 (Thu)
☆キリが無い法要
春分の日な、春のお彼岸のお中日。生徒会長宅に集う面々。
世間は祝日で休みですけど、スッポンタケの法要なわけで。
サム 「戒名だけは、無駄に立派だけどよ…」
シロエ 「正体は、キノコですからねえ…」
ジョミー「いくらでも生えて、ダメになるしね…」
供養したってキリが無いし、とジョミー君の嘆き節。
ジョミー「普通だったら、何処かで終わりになる筈で…」
スウェナ「三十三回忌だったかしら?」
シロエ 「五十回忌もあるそうですけど…」
その辺で終わりじゃないでしょうか、とシロエ君。
シロエ 「五十年も経てば、法要の面子も変わりますしね」
スウェナ「赤ちゃんだった子が、親だものねえ…」
ジョミー「早い人なら、孫だっていそうでさ…」
仏様の顔を知らない人が増えるよ、とジョミー君も。
ジョミー「だけど、例の迷惑な仏様はさ…」
シロエ 「次から次へと生えては、お亡くなりですし…」
スウェナ「終わりが来る日は、来ないんだもの…」
あんまりだわ、とスウェナちゃんが仰ぐ天井。
スウェナ「五十回忌が済んだ後でも、やらされるわよね…」
シロエ 「そのコースですよ…」
なんでそんなに偉いんです、とシロエ君、ブツブツと。
シロエ 「名のある人の場合だったら、延長戦だって…」
スウェナ「あるわね、八百年とかの法要が…」
ジョミー「でもさ、ソレは節目の時だけでさ…」
毎回やるんじゃないと思う、とジョミー君。
ジョミー「百年だとか、五十年とかの単位じゃないかな」
サム 「あのよ…。ソレは大々的な法要のことでよ…」
普通規模のヤツは毎年だぜ、とサム君の言。
サム 「ついでに、月命日の法要も毎月やってるしよ…」
一同 「「「ええっ!?」」」
マジか、と愕然とする御一同様。
シロエ 「月命日まで、毎月やるんですか?」
サム 「仏様じゃねえけど、学問の神様の御縁日はよ…」
スウェナ「命日だわね…」
そういえば毎月やってたっけ、と納得ですけど。
エンドレス…。
2025/03/21 (Fri)
☆マシだそうです
春のお彼岸はスッポンタケの法要、春分の日が潰れる面々。
秋分の日にも潰されるわけで、終わりが来る時も無さそう。
サム 「つまりよ、宗祖様の月命日も、毎月、法要で…」
シロエ 「内輪でやってるわけなんですね?」
大きな法要が無いだけで、とシロエ君が確認。
シロエ 「一般人まで参加するのは、五十年とかの分で…」
サム 「ソレイド八十八カ所を開いた人は、毎月だぜ」
一同 「「「ええっ!?」」」
そこまでなのか、と誰もが仰天。
シロエ 「偉い人なのは知ってますけど、毎月ですか?」
サム 「縁日あるだろ、露店も出るヤツ」
ジョミー「もしかして、21日の?」
学問の神様のが25日だけど、とジョミー君。
ジョミー「一足お先に、毎月、露店がズラリと並ぶよね?」
サム 「ソレのことだぜ、俺が言うのは」
寺の中では法要だしよ、とサム君の説明が。
サム 「護摩焚きもしてるし、本格的にやってるんだぜ」
一同 「「「あー…」」」
露店の方しか知らなかった、と納得するしかない御一同様。
シロエ 「じゃあ、例の仏様は、年に二回で済みますし…」
スウェナ「マシな方だというわけね?」
サム 「そうなるよなあ…」
仕方ねえよ、とサム君の深い溜息。
サム 「エンドレスでも、回数だけは少なめだしよ…」
ジョミー「祝日は二回、潰れるんだけど…」
シロエ 「正直、文句は言えませんよね…」
月参りだって無いんですし、とシロエ君も溜息が超特大。
シロエ 「とはいえ、あの迷惑な仏様の戒名はですね…」
ジョミー「キースがつけたヤツなのに…」
どんどん偉くなっていくよね、とジョミー君が仰ぐ天井。
ジョミー「戒名の取り消しとかも、出来ないらしいし…」
ブルー 「格上げでしか、変えられないしね」
一同 「「「格上げ!?」」」
ブルー 「戒名の格は下げられないから…」
シロエ 「格上げですか!?」
そんな変更、要りませんから、と悲鳴ですけど。
格上げではねえ…。
2025/03/22 (Sat)
☆格上げするには
春のお彼岸はスッポンタケの法要、毎年避けられない行事。
月命日に何もしないだけマシで、偉い人だと毎月ある法要。
シロエ 「あんな仏様が、もっと偉くなるのは困ります!」
スウェナ「ホントに勘弁して欲しいわよ…」
格下げだったら歓迎だけど、とスウェナちゃんも。
スウェナ「格上げ以外に、変更は出来ないなんて…」
サム 「でもよ、どういう仕組みなんだよ、格上げって」
そんなの習っていねえから、と僧籍な人の質問。
サム 「どうやったら、格が上がるんだよ?」
ブルー 「修行を積んだことにするんだけど」
一同 「「「修行?」」」
仏様だと不可能では…、と顔を見合わせる御一同様。
シロエ 「修行って、どんな修行なんです?」
ブルー 「キースが行ってた道場入りの、簡易版だね」
一同 「「「簡易版?」」」
なんだソレは、と更に深まる謎というヤツ。
サム 「簡易版とかあるのかよ、アレに?」
ジョミー「あるんだったら、ソレで済ませたいけど…」
いつか行かされてしまいそうだし、とジョミー君。
ジョミー「簡易版なら、楽が出来そうだしさ…」
サム 「俺も正直、そうしてえよなあ…」
一ヶ月近い道場入りはキツそうだしよ、とサム君まで。
サム 「その簡易版ってヤツは、選べるのかよ?」
ブルー 「自由参加で、行きたい人だけ申し込みだね」
ただし…、と生徒会長、いえ、銀青様が立てる人差し指。
ブルー 「一般人向けの修行になるから、プロはダメだよ」
僧籍な人「「ええっ!?」」
酷い、とジョミー君とサム君、同時に。
サム 「簡易版だし、ダメだってか?」
ジョミー「楽をするのは、許せないって?」
ブルー 「そうじゃなくって…」
同じのを二度も要らないだろう、と銀青様。
ブルー 「本物の道場入りをするわけだしさ」
サム 「一回きりしか出来ねえって?」
ブルー 「簡易版だと別だけど…」
だから修行を上乗せ出来る、と言ってますけど。
どういう意味…?
2025/03/23 (Sun)
☆楽そうな簡易版
春のお彼岸はスッポンタケの法要、生徒会長宅に集う面々。
偉すぎる戒名の話から、戒名の格を上げる方法が問題な今。
サム 「意味がサッパリ分かんねえけど、なんでだよ?」
ジョミー「本物の道場入りをやっていないと、得なわけ?」
修行を上乗せ出来るなんてさ、とジョミー君の問い。
ジョミー「もしもそうなら、ぼくたちだって…」
サム 「簡易版を何度かやったら、いけそうだぜ?」
道場入りをしなくてもよ、とサム君も。
サム 「一般人が行ける簡易版なら、楽そうだしよ…」
ジョミー「日数だって短そうだし…」
家に帰って寝てもいいかも、とジョミー君が顎に当てる手。
ジョミー「璃母音院の道場だと、冬の最中に暖房無しで…」
サム 「寝るのも、狭いスペースだよなあ?」
ブルー 「仕方ないよね、本物の道場入りなんだから」
簡易版よりもハードモード、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「簡易版だと家から通いで、一週間ほどだよ」
サム 「いいじゃねえかよ!」
ジョミー「何回やったら、道場入りと同じ扱い?」
ソレで行けるなら、ソレがいいよ、とジョミー君の輝く瞳。
ジョミー「修行の上乗せで済むんならね」
サム 「そうしてえよなあ…」
一ヶ月近い道場よりは、とサム君も乗り気。
サム 「それで、何回くらいなんだよ?」
ブルー 「残念だけれど、上限ってヤツがあるからねえ…」
戒名の文字数に制限が、と銀青様の答え。
ブルー 「元の戒名が短かったら、上乗せも増やせるけど」
一同 「「「は?」」」
いったいどういう仕組みなんだ、と誰もがキョトン。
シロエ 「戒名が関係するんですか?」
ブルー 「本来、そのための簡易版ってヤツで…」
生きてる間に徳を積んで、と銀青様の説明が。
ブルー 「お坊さんに負けない修行をしました、と…」
サム 「戒名に証拠が残るってか?」
ブルー 「ピンポーン!」
文字を貰っておけるんだよ、と笑顔ですけど。
証拠ですか…?
2025/03/24 (Mon)
☆釣り合いが問題
春のお彼岸はスッポンタケの法要、避けられないイベント。
生徒会長宅に来ている面々、愚痴から戒名の話題ですけど。
サム 「貰える文字ってえのは、特別なのかよ?」
ブルー 「普通だと貰えない文字は、一字だけだね」
シロエ 「どんな字なんです?」
ブルー 「名誉ってヤツの、誉なんだけど…」
コレが入っていれば修行済み、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「生前にやっていなくても、コレが貰えるんだよ」
サム 「仏様だぜ、どうやって修行するって?」
シロエ 「やりようが無いと思いますけど…」
仏様だけに、とシロエ君も。
シロエ 「なのに、戒名の文字を増やせるんですか?」
ブルー 「供養してあげれば、修行したのと同じでさ…」
サム 「本人は、やってなくてもオッケーだってか?」
ブルー 「そうなるね。そもそも、そのために法要が…」
存在するというわけで、と法話になりそうな状況ですけど。
??? 「こんにちはーっ!」
一同 「「「げっ!」」」
皆がドン引き、ソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「いい話だねえ、スッポンタケが偉くなるって?」
一同 「「「ひぃっ!」」」
聞かれてたのか、と誰もがガクブル。
Aブルー「文字の追加は出来るのかな?」
シロエ 「知りませんってば!」
Aブルー「聞いているのは、君じゃなくって…」
其処のプロだよ、とソルジャーの視線が生徒会長に。
Aブルー「スッポンタケの場合は、どうなるわけ?」
ブルー 「文字数的には、いけるんだけど…」
Aブルー「何か問題があるとでも?」
ブルー 「あるね、なにしろ、一般人向けのヤツだし…」
元の戒名との釣り合いがね、と生徒会長の苦笑。
ブルー 「偉すぎる文字がドッサリで、院殿号まで…」
Aブルー「入ってるから、ダメだって?」
ブルー 「無理に入れたら、格下げになってしまうしさ…」
Aブルー「それは困るよ!」
せっかく偉い戒名なのに、と悲鳴な人。
格下げですか…。
2025/03/25 (Tue)
☆増やしたい文字数
春のお彼岸はスッポンタケの法要、生徒会長宅に集う面々。
戒名の話題になっていた所へ、ソルジャーも登場ですけど。
Aブルー「格下げは嫌だけど、文字数はいけるんだよね?」
ブルー 「そうだけど?」
Aブルー「じゃあ、MAXまで増やせるわけ?」
ブルー 「理論的には、いけるけれどさ…」
現実としては無理ゲーだよね、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「なにしろ、修行が出来ていないし…」
Aブルー「その件だったら、一般人でも出来るんだろう?」
修行の上乗せというヤツが…、とソルジャーの反論。
Aブルー「法要をすれば、修行を積んだのと同じ扱いで…」
ブルー 「一般人だからこそ、それでオッケーなわけで…」
偉い場合はハードルが上がるよ、と銀青様。
ブルー 「御利益があるとか、そういう必須条件がね」
Aブルー「御利益って?」
ブルー 「この仏様にお願いしたら、病気が治るとか…」
本物の御利益を示さないとね、と銀青様の解説が。
ブルー 「ただの仏様には、無理なヤツでさ…」
Aブルー「なるほどねえ…」
でもさ、とソルジャーの輝く瞳。
Aブルー「スッポンタケだって、御利益はバッチリだよ!」
一同 「「「は?」」」
まさか、と誰もが見合わせる顔。
シロエ 「アレに御利益、ありましたっけ?」
サム 「聞いてねえけど…」
ジョミー「ぼくも知らない、何に効くって?」
Aブルー「もちろん、ぼくのハーレイに!」
もうビンビンのガンガンで…、とソルジャー、ウットリ。
Aブルー「法要をすれば、更にパワーアップで!」
ブルー 「退場したまえ!」
Aブルー「ダメダメ、法要はこれからなんだし!」
それにキースも来ていないし、と帰る気配も見えない人。
Aブルー「戒名の文字数を増やせるのは、キースだよね?」
ブルー 「キースの存命中だと、そうなるかな」
Aブルー「だったら、御利益を認定して貰ったら…」
スッポンタケを偉く出来るよね、と真顔ですけど。
本気ですか…?
2025/03/26 (Wed)
☆御利益があれば
春のお彼岸はスッポンタケの法要、ソルジャーも来まして。
偉そうな戒名を更に格上げ、キース君に頼む気満々な模様。
Aブルー「要は、御利益があればいいんだろう?」
ブルー 「そうなんだけど、そんな御利益…」
Aブルー「あるのは確かなんだしさ!」
キースに認められればオッケー、と親指をグッと。
Aブルー「あっ、来たかな?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ キース、着いたよ!」
キース 「遅くなってすまん。寺の法要の準備で…」
忙しかった、とキース君が法衣鞄を持って到着。
キース 「急いで着替える、待っていてくれ」
Aブルー「もちろんだよ!」
ぼくが頼んだ法要だしね、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「着替えが済んだら、お願いがあって…」
キース 「分かった、戻ったら聞く」
着替えに出掛けて、直ぐに戻った副住職。
キース 「さて、法要だが、話というのは後でいいのか?」
Aブルー「どうだろう? 今回は、間に合わなさそうで…」
キース 「何がだ?」
Aブルー「あのさ、戒名の文字を増やして欲しくってさ…」
滑り込みでもいけるのかな、とソルジャーの問い。
Aブルー「法要の時に、読み上げてるから…」
キース 「おい。今日の仏様のを増やせとでも?」
Aブルー「いけるんだったら、今日からでも…」
お願いしたい、とソルジャー、ズイと。
Aブルー「戒名が偉い人の場合は、御利益が要るって?」
キース 「サッパリ話が見えないんだが…」
シロエ 「文字をMAXにしたいそうです」
サム 「でもよ、一般人のようにはいかねえし…」
御利益がねえと無理なんだろ、と僧籍な人。
サム 「それを認定して欲しい、って言ってやがって…」
キース 「アレに御利益?」
あるわけなかろう、とキース君、バッサリ。
キース 「とにかく、まずは法要で…」
Aブルー「待って、御利益を証明出来ればいけるのかい?」
キース 「そう聞くが…」
捏造は認めないからな、と睨んでますけど。
証明ですって…?
2025/03/27 (Thu)
☆まずは法要から
春のお彼岸はスッポンタケの法要、キース君も到着でして。
法衣に着替えて法要ですけど、戒名で相談中なソルジャー。
Aブルー「捏造なんかしないよ、本物の御利益!」
キース 「だったら、俺に証明して見せることだな」
とにかく先に法要を、とキース君が繰る本式の長い数珠。
キース 「あんたの話は、長引きそうだし…」
Aブルー「そうだね、証明するとなったら、法要には…」
間に合わないのは確実だし、とソルジャーも同意。
Aブルー「終わった後に、改めて話すことにするよ」
キース 「そうしてくれ。では、始めるぞ」
一同 「「「はーい…」」」
後は野となれ山となれ、と揃って正座な御一同様。
キース 「願我~心浄~、如香炉~…」
一同 (((始まった…)))
此処から先が長いんだ、と嘆く間に、お焼香の時間。
キース 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
一同 (((抹香臭すぎ…)))
早く終われ、と我慢しまくり、やっと終盤。
キース 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
一同 (((これで終わる筈…)))
キース 「南無阿弥陀仏…。皆様、よくお勤めでした」
では…、と法話タイムに入る副住職。
キース 「お彼岸というのは、お浄土に…」
Aブルー「思いを馳せる日らしいけど、その前にさ…」
この世の方が大切だろう、とソルジャーが横から乱入。
Aブルー「さっき言ってた御利益の…」
キース 「証明がどうの、というヤツだな…」
よくも法話をブチ壊しやがって、と副住職の深い溜息。
キース 「もういい、法話は打ち切っておく」
一同 「「「イイネ!」」」
これ以上、正座しなくても済む、と皆が打ち切り大歓迎。
キース 「お前たち…。罰当たりにも程があると思うが…」
シロエ 「たまにはいいじゃないですか」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お食事の用意、出来てるよ!」
キース 「分かった、先に着替えて来る」
話は飯を食いながらでいい、と出て行きましたけど。
どうなる…?
2025/03/28 (Fri)
☆焼肉もアリな食事
春のお彼岸はスッポンタケの法要、読経の後に法話タイム。
ソルジャーのせいで打ち切られまして、皆で食事ですけど。
Aブルー「いいねえ、法要と食事がセットというのは」
キース 「定番コースで、食事の中身が違うだけだな」
基本は和食になっているが、と普通の服に戻った副住職。
キース 「焼肉を食べに行くのも、今は普通だ」
シロエ 「そうなんですか?」
キース 「個室を借りれば、喪服でも目立たないからな」
店に出入りをする時以外は、と言われれば、そう。
Aブルー「なるほど、それも楽しそうだね」
ジョミー「喪服なんかは着ていないから、個室もさ…」
シロエ 「要りませんよね」
サム 「ただの焼肉パーティーだしよ」
次は焼肉もアリかもな、とサム君も。
サム 「ぶるぅの飯も美味いんだけどよ…」
スウェナ「抹香臭いイベを消すには、ピッタリだわね」
Aブルー「うん。そうだ、さっきの話なんだけど…」
御利益を証明するというヤツ、とソルジャーが傾げる首。
Aブルー「焼肉を食べて、その流れなら…」
キース 「はあ?」
Aブルー「ヘタレ体質、カバー出来そうだよね」
一同 「「「えっと…?」」」
話が見えない、と顔を見合わせる御一同様。
シロエ 「何を証明したいんです?」
Aブルー「スッポンタケの御利益だよ!」
もうビンビンのガンガンで…、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「そのハーレイを、キースに見せれば…」
一同 「「「げっ!」」」
あんまりすぎる、と誰もが愕然。
シロエ 「キース先輩、倒れますから!」
キース 「俺も、そういう気しかしないが…」
Aブルー「だけど、御利益を証明するためには…」
ヤってる現場を見せるしか…、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「ぼくのハーレイ、ヘタレ体質だしさ…」
ブルー 「退場!」
Aブルー「スタミナもつくし、一石二鳥で…」
キース 「その前にだ…」
ソレだと破綻してるんだが、と腕組みな副住職。
破綻って…?
2025/03/29 (Sat)
☆御利益の証明なら
春のお彼岸はスッポンタケの法要、終わった後は皆で食事。
法要にはセットな食事ですけど、今は焼肉もアリな時代で。
Aブルー「破綻してるって、何が?」
キース 「御利益を証明するという点についてだ」
迷惑すぎる件は置いておくとして…、と副住職、目がマジ。
キース 「あんたは、ヘタレ体質をカバーしたいんだな?」
Aブルー「そう! 焼肉で盛り上がった後だったら…」
きっと勢いでいける筈、とソルジャーが立てる親指。
Aブルー「スタミナもついてて、バッチリだしさ!」
キース 「それを破綻と言ってるんだが…?」
焼肉の御利益が証明されるだけだろう、とキース君。
キース 「例の仏様に縋らなくても、焼肉パワーで…」
シロエ 「スタミナですから、いけますよね!」
キース 「ヘタレ体質まで、カバー可能なんだぞ?」
御利益バッチリ、とキース君の視線がソルジャーに。
キース 「俺に、焼肉の御利益を認定しろと?」
一同 「「「イイネ!」」」
最高だよ、と誰もが突き上げる拳。
ジョミー「今度は焼肉に戒名なんだ?」
キース 「院殿号を出してもいいぞ」
次のお彼岸から主役交代だ、とキース君、ニンマリ。
キース 「焼肉の供養なら、誰も文句は無いだろう?」
シロエ 「もちろんです!」
サム 「どうせなら、個別に差し上げねえか?」
カルビとか、タンとか、ハラミとかよ…、とサム君の提案。
サム 「喜んで供養させて貰うぜ」
ジョミー「正座も、お焼香も、気にしないよ!」
スウェナ「数が増えた分、延長になってもオッケーだわね」
シロエ 「そのためだったら、証明にも耐えてみせます!」
倒れそうでも踏ん張りますよ、とシロエ君も。
シロエ 「見届けて御利益が認定されたら、最高ですし…」
ブルー 「なるほどねえ…。退場案件なのは棚上げで…」
キース 「一回限りの、観察会的に…」
ジョミー「見届けるんだね!」
それでいこう、と一同、やる気満々ですけど。
観察会…。
2025/03/30 (Sun)
☆主役交代は困る
春のお彼岸はスッポンタケの法要、済んだら食事ですけど。
ソルジャーが持ち出した、戒名を格上げな話が焼肉の方へ。
キース 「ということで、話は纏まったな?」
一同 「「「はいっ!」」」
キース 「御利益の認定は、早いほどいいと思うんだが…」
いい戒名を考えたいし…、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「仏様の数も多いそうだし、観察会の方も急ぎで」
Aブルー「え、えっと…?」
キース 「あんたのハーレイが、いけるようなら…」
今夜にでも、とキース君、ズイと。
キース 「今日がダメなら、近い内に頼む」
Aブルー「待ってよ、ソレで御利益が認められるの…」
スッポンタケじゃなくて焼肉だよね、とソルジャー、狼狽。
Aブルー「でもって、次から、法要の主役は焼肉だって?」
キース 「そうなるな。カルビ様とか、ハラミ様とか…」
Aブルー「困るってば!」
スッポンタケはどうなるのさ、とソルジャーの悲鳴。
Aブルー「無縁仏になっちゃうだとか…?」
キース 「その問題なら、他所を紹介するから…」
お中日は無理でも、法要は出来る、とキース君の答え。
キース 「お布施次第で、坊主は大勢呼べそうだぞ」
サム 「でもよ、偉い人とか、無理だよなあ?」
キース 「セレモニーホールとかの御用達かと」
時間外なら暇にしてるし、とキース君。
キース 「コアタイムを外せば、いくらでも来る」
Aブルー「バイト感覚で来るヤツじゃないか!」
キース 「仕方なかろう。それか、院殿号を武器にして…」
箔をつけたい坊主に依頼するとか、と副住職、ニヤニヤ。
キース 「院殿号の仏様の法要が出来たら、箔がつくしな」
Aブルー「そ、そんな…!」
此処でないと、とソルジャーも必死。
Aブルー「焼肉と主役交代だけは、勘弁して!」
キース 「御利益を認定する件、チャラにするから、と?」
Aブルー「もちろん、白紙撤回だよ!」
だから許して、と土下座ですけど。
今月、これにて中継終了~。
2025/03/31 (Mon)
☆学校と雛祭り
さて、3月。今月も初日の1日が土曜日、月曜日は雛祭り。
とはいえ、雛祭りは無関係な面々、スルーで早くも週末で。
シロエ 「うちの学校、雛祭りは何もしませんよねえ…」
サム 「俺たちだって、毎年、何もしてねえぜ?」
対象がスウェナしかいねえんだし、とサム君の正論。
サム 「どうしようもねえじゃねえかよ」
シロエ 「でもですね…。うちの学校、お祭り好きで…」
ジョミー「雛祭りがあっても、不思議じゃないけど…」
何もしないね、とジョミー君が傾げる首。
ジョミー「生徒だったら、半々くらいで女子がいるのに…」
ブルー 「残り半分は、男子なんだよ?」
シロエ 「何か問題あるんですか?」
ブルー 「大ありだね!」
雛祭りをやった場合は、男子用のも、と生徒会長。
ブルー 「鯉のぼりを飾るのは、いつだったかな?」
シロエ 「えっと…? あっ、もしかしなくても…」
GWの最終日では…、とシロエ君が気付いた端午の節句。
シロエ 「雛祭りと違って、祝日でしたね…」
ブルー 「ピンポーン!」
平日になる年が皆無なヤツ、と生徒会長が指すカレンダー。
ブルー 「雛祭りの方は、今年も月曜で、平日でさ…」
ジョミー「そっちで何かイベをやったら、GWの方のが…」
シロエ 「登校日になってしまうとかですか…?」
ブルー 「なにしろ、うちの学校だしねえ…」
5月5日を登校日にして、何処かで振り替え、と怖い発言。
ブルー 「休日の数さえ合えばオッケー、って!」
一同 「「「うわー…」」」
マジでありそう、と一同、悪い顔色。
ジョミー「GWが一日、短縮なんだ…」
ブルー 「振り替え休日で6日まででも、5日だけはさ…」
学校に来い、と言いそうだよね、と生徒会長が竦める肩。
ブルー 「雛祭りをやるなら、公平でないと」
シロエ 「やらなくていいです!」
ブルー 「分かったかい?」
一同 「「「はい…」」」
雛祭りのイベは要らない、と誰もが納得ですけど。
確かに…。
2025/03/01 (Sat)
☆潰したくない祝日
雛祭りだった週の土曜日、生徒会長宅に来ている御一同様。
シャングリラ学園には、雛祭りのイベントが無いという話。
ジョミー「強制的に登校日とか、やりそうだよね…」
シロエ 「遊びには違いないだろう、とか言いそうですよ」
サム 「お祭りイベなのは確かだしよ…」
雛祭りのイベは無くて正解、とサム君が広げる両手。
サム 「女子の場合は、遊べる日が増える勘定でもよ…」
シロエ 「男子は、そうはいきませんしね…」
5月5日が休みじゃなくなるなんて、とシロエ君も。
シロエ 「GWの最終日だけに、痛さも倍増ですよ」
ジョミー「ホントにね…」
サム 「振り替え休日で、6日まで休みな時でもよ…」
5日が登校日だと連休じゃねえし、とサム君が竦める肩。
サム 「雛祭りイベは、マジで要らねえよな…」
スウェナ「女子の私だって、同じだわよ…」
たとえケーキが出るイベでもね、とスウェナちゃん。
スウェナ「雛祭りケーキ食べ放題でも、お断りだわ」
ジョミー「端午の節句だと、柏餅かな?」
シロエ 「柏餅と粽、食べ放題じゃないですか?」
それでも要りませんけどね、とシロエ君が顰める顔。
シロエ 「普通に祝日の方がいいですってば」
ジョミー「そう思う…」
キース 「俺の場合は、もれなく潰れる祝日が…」
年に二回は確実なんだが、とキース君。
キース 「物心ついた時には、既に潰れていた有様で…」
一同 「「「は?」」」
子供なのに、と皆がキョトンと見開く瞳。
シロエ 「あのですね…。幼稚園でも、祝日とかは…」
サム 「休む筈だぜ、保育園までは知らねえけど」
ジョミー「共働きでサービス業だと、出勤日だしね…」
祝日でも預かってくれるのかも、とジョミー君。
ジョミー「でもさ、家が休みの子は休むよねえ?」
シロエ 「あちこち混むのは、そのせいでしょうし…」
サム 「子供の休日、潰れねえだろ?」
どういう家で育ったんだよ、と聞いてますけど。
はてさて…?
2025/03/02 (Sun)
☆お楽しみと祝日
雛祭りが終わった週末ですけど、生徒会長宅で過ごす面々。
シャングリラ学園には無い、雛祭りイベントが話題でして。
サム 「子供は祝日、好きな筈だぜ」
シロエ 「大人の場合は、人によるでしょうけど…」
元日なんかは特に、とシロエ君が挙げる例。
シロエ 「なにしろ準備が大変ですし…」
ジョミー「おせちはいいけど、お雑煮は家で作るしね…」
サム 「第一、大掃除がセットだしよ…」
スウェナ「大忙しな人も、多いわけよね…」
来なくていい、と思う人もいるわよ、とスウェナちゃんも。
スウェナ「お祭りだったら、クリスマスだけで充分だもの」
シロエ 「クリスマスの方だと、準備も楽しめますよ」
ジョミー「だよね、ツリーを飾るとかさ」
サム 「大掃除もセットで来たりしねえし…」
ツリーを飾るスペース作り程度だよな、とサム君の相槌。
サム 「まあ、クリスマスは祝日じゃねえけど」
シロエ 「其処の所が大きいかもです」
適当にやっても叱られませんし、とシロエ君。
シロエ 「作法はこうだ、と言われることが無いですしね」
ジョミー「お楽しみだけのイベだよねえ…」
サム 「祝日じゃなくても、楽しみな日だぜ?」
なのに祝日を潰すとかはねえよ、とサム君、目がマジ。
サム 「キース、どういう育ちなんだよ?」
キース 「俺の場合は、クリスマス自体、無かったんだが」
今年の元日が真面目に初だ、とキース君。
キース 「おふくろと親父のせいで、とんだ目に遭って…」
一同 「「「あー…」」」
南国仕様のサンタだっけ、と皆が思い出した元日の出来事。
シロエ 「キース先輩の家、お寺でしたね…」
キース 「クリスマスは、過去に一度も無かったな…」
ツリーもケーキも無縁だった、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「此処まで聞いたら、分かるだろう?」
一同 「「「えっと…?」」」
キース 「祝日の件だ」
潰れる理由というヤツだが、と言ってますけど。
理由って…?
2025/03/03 (Mon)
☆忙しくなる祝日
雛祭りが終わった週の土曜日、生徒会長宅に集う御一同様。
シャングリラ学園には無い、雛祭りイベから祝日の話題へ。
シロエ 「えっと…? 祝日が潰れる理由ですか?」
ジョミー「キースの家に限定だよね?」
普通の家では潰れないしさ、とジョミー君。
ジョミー「アドス和尚のせいかな、頑固だから…」
シロエ 「クリスマスをやらなかった人ですしね…」
スウェナ「何か、こだわりあるのかしら?」
サム 「分かんねえけど、ああいう親父さんだしよ…」
自分ルールで潰しそうだぜ、とサム君が竦める肩。
サム 「その日は自分が忙しいから、巻き添えとかよ…」
シロエ 「ありそうです、ソレ…」
ジョミー「璃母恩院の行事に行く時とかさ…」
スウェナ「家じゃ偉そうだけど、璃母恩院だと違うわよね」
緋の衣っていうわけじゃないし、とスウェナちゃんも。
スウェナ「それに、キースが子供の頃だと、今よりも…」
シロエ 「立ち位置は下になりますよね…」
サム 「下っ端扱いだったかもな…」
こき使われる日じゃかなわねえよ、とサム君も納得な模様。
サム 「キースが祝日で遊んでるのに、自分だけはよ…」
ジョミー「ババな日なんだし、八つ当たりコースだよね…」
シロエ 「ついでに、キース先輩が遊んでいられるの…」
アドス和尚が仕事しているからですし、とシロエ君。
シロエ 「なんで俺だけ、と思いそうです」
ジョミー「キースが祝日で休みは、許せないから、って…」
スウェナ「巻き添えにして、祝日、潰してたわけね…」
サム 「年に二回っていうのがよ…」
キツいけどよ、とサム君、うんうん、と。
サム 「宗祖様の誕生日と祥月命日、祝日だっけか?」
ジョミー「ぼくに聞かれても、困るんだけど…」
ブルー 「違うね、掠りもしてないよ」
サム 「だったら、璃母恩院だけのヤツかな…」
キース 「おい。お前、それでも僧籍なのか?」
ジョミーだったら仕方ないが、と顔を顰めてますけど。
何の日…?
2025/03/04 (Tue)
☆年に二回は潰れる
雛祭りも済んだ土曜日、生徒会長宅で過ごす面々ですけど。
シャングリラ学園には無い雛祭りイベ、其処から祝日の話。
サム 「そう言われてもよ、璃母恩院の方までは…」
シロエ 「なかなか把握出来ませんよね」
道場入りもしてませんし、とシロエ君、気の毒そうな表情。
サム 「行事の案内とかも、まだ貰えねえわけで…」
スウェナ「知らなくても、仕方ないわよね…」
ジョミー「ぼくと比べるとか、サムに悪いよ…」
いつも頑張っているのにさ、とジョミー君も。
ジョミー「お勤めの練習だって、真面目にやってるし…」
シロエ 「アドス和尚も、評価してますよ?」
棚経のお供は、サム先輩で固定ですしね、とシロエ君。
シロエ 「ジョミー先輩は、指名以前の問題ですから…」
スウェナ「キースが連れて回ってるんでしょ?」
キース 「それはそうだが、今の話は基本でだな…」
僧籍でなくても気付きそうだ、とキース君の仏頂面。
キース 「熱心な檀家さんでも、潰れるんだぞ?」
一同 「「「えっ…?」」」
まさか、と誰もが見合わせる顔。
シロエ 「檀家さんって、一般人のことですよね?」
キース 「そうなるな。役職がついた人だと、確実に…」
年に二回は潰れるんだが…、とキース君が繰る数珠レット。
キース 「全て承知で受けて下さるだけに、感謝しかない」
一同 「「「えっと…?」」」
キース 「何処の寺でも、事情は全く同じなんだが?」
宗派を問わずに共通だぞ、とキース君、サム君をジロリ。
キース 「まだ、気付かないのか?」
サム 「すまねえ、璃母恩院でも分からねえんだし…」
シロエ 「お寺の事情は、もっと謎ですよね…」
お寺育ちじゃないんですから、とシロエ君も同情モード。
シロエ 「サム先輩を、苛めないであげて下さいよ」
キース 「しかし、普通ならピンと来る筈で…」
サム 「マジで悪いと思うんだけどよ…」
無理なモノは無理、と呻くサム君ですけど。
可哀相では…?
2025/03/05 (Wed)
☆潰されると聞いても
雛祭りが終わった週の土曜日、生徒会長宅に来ている面々。
シャングリラ学園には無い雛祭りイベから、祝日の話な今。
キース 「サムもそうだが、お前たちもだぞ」
一同 「「「は?」」」
キース 「此処まで言っても、分からないのか?」
散々、潰されて来たくせに、とキース君が見回す顔ぶれ。
キース 「年に二回も潰され続けて、何年目なんだ?」
シロエ 「そんな祝日、ありましたっけ?」
ジョミー「さあ…? シロエはどう?」
シロエ 「いつのことだか、ぼくにもサッパリ…」
まるで見当がつきませんよ、とシロエ君、お手上げポーズ。
シロエ 「祝日、もれなく休みですよね?」
サム 「それ以外でも、定番の休みがあるんだぜ?」
現に先月もあったじゃねえか、とサム君が指すカレンダー。
サム 「二月三日は節分でよ…」
ジョミー「毎年、欠席届けだよねえ?」
シロエ 「ぼくたちにとっては、祝日みたいなヤツですよ」
スウェナ「難アリでも、学校には行かないものねえ…」
今年は迷惑度数が低めだったわ、とスウェナちゃん。
スウェナ「正座でお参りな羽目になったのは、御愛嬌よね」
シロエ 「言えてます! 行きのバスの中、普通でしたし」
サム 「アレは真面目にラッキーだったぜ」
ツイてたよな、とサム君も。
サム 「キースが法衣で来たのは、災難だったけどよ…」
ジョミー「でも、福豆を貰えちゃったしさ…」
シロエ 「全部のお寺で、くれましたからね」
福豆コンプリートでした、とシロエ君も異議は無い節分。
シロエ 「御利益パワーも、関係者向けでアップですし」
スウェナ「正座した分、回収だわよ」
福をドッサリ頂けたもの、とスウェナちゃんの笑顔。
スウェナ「だけど、潰れる祝日なんて、あったかしら?」
シロエ 「無いですよねえ?」
ジョミー「そんなの、あるとは思えないけど…」
キース 「お前たちというヤツは…」
この流れでも気付かないのか、と顔を顰めてますけど。
何に…?
2025/03/06 (Thu)
☆節分と言われても
雛祭りが済んだ週末ですけど、雛祭りイベが無いのが学校。
それが切っ掛けで祝日の話、生徒会長宅で怪訝そうな面々。
シロエ 「この流れっていうのは、節分でしょうか?」
キース 「当然だろう?」
ジョミー「節分は、祝日っぽいのが増える方でさ…」
潰れる話とは真逆だよね、とジョミー君が傾げる首。
ジョミー「グレイブ先生だって、いつも不機嫌そうに…」
シロエ 「いい御身分だな、諸君、ですしね」
サム 「欠席届けを出しに行ったら、定番だよな…」
突き返されることはねえけどよ…、とサム君も。
サム 「実際、俺たちが真面目なだけの話でよ…」
シロエ 「欠席届けなんか無くても、休めますから…」
ジョミー「そういう意味でも、休み放題なんだよ?」
特別生になっているんだしさ、とジョミー君。
ジョミー「出席義務なんか、無いんだし…」
シロエ 「その気になったら、毎日、祝日で行けます」
サム 「無敵みたいなモンなんだぜ?」
潰れる祝日があるわけがねえ、とサム君、自信満々。
サム 「家が寺だと、事情は違いそうだけどよ…」
キース 「さっきも言ったぞ、僧籍とも思えん、と」
なんでサムまで、そうなるんだ、とキース君の深い溜息。
キース 「今年の節分がツイていたのは、どの点がだ?」
シロエ 「迷惑度数が低かった、という所ですよ」
決まってるでしょう、とシロエ君が立てる人差し指。
シロエ 「キース先輩は、お寺で合流でしたから…」
サム 「恩恵を蒙っていねえだけでよ…」
ジョミー「バスの座席が埋まっていたのは、最高だったよ」
例年、アレで酷い目に、とジョミー君が言う後部座席の件。
ジョミー「座り方、最悪すぎるしさ…」
スウェナ「他人のふりも出来ないのよね…」
向こうから話し掛けてくるせいで、と嘆くスウェナちゃん。
スウェナ「それが今年は無かったのよ?」
キース 「その迷惑は、あいつらが…」
いるせいなんだが、とキース君、腕組みですけど。
それで…?
2025/03/07 (Fri)
☆専門用語だと困る
雛祭りが終わった週の土曜日、生徒会長宅に来ている面々。
シャングリラ学園には無い雛祭りイベから、祝日の方へと。
サム 「そりゃまあ、そうなんだけどよ」
シロエ 「さっきまでの話と、どう繋がるんです?」
ぼくにはサッパリ分かりませんが…、とシロエ君。
シロエ 「サム先輩と違って、僧籍じゃないですけどね」
キース 「お前でも分かりそうなものだが…」
シロエ 「だったら、ヒントを下さいよ」
節分だけでは無理すぎです、とシロエ君の注文が。
シロエ 「もっと簡単な仕様ので、お願いしたいですね」
スウェナ「そうよ、私でもピンと来るヤツを…」
出しなさいよ、とスウェナちゃんも、キース君をまじっと。
スウェナ「遠回しに言われても、どうしようもないわ」
ジョミー「ホントにね…。プロのお坊さんとは違うんだよ」
ぼくの場合は名前だけだし、とジョミー君からも。
ジョミー「年に二回も潰れる祝日、心当たりがゼロで…」
サム 「俺もゼロっていうのがよ…」
情けねえけど現実で、とサム君、お手上げのポーズ。
サム 「ヒントでいいから、分かるヤツをよ…」
シロエ 「ぼくたちに出して貰えませんか?」
単語だけでも、とシロエ君が畳み掛け。
シロエ 「専門用語は困りますけど…」
キース 「そう言われても、専門用語しか…」
一同 「「「は?」」」
キース 「それしか思い付かないんだが…」
多分、分かると思うんだがな、とキース君の困り顔。
キース 「他に何かと言われても…」
一同 「「「ええ…」」」
専門用語は真面目に困る、と困惑しかない御一同様。
シロエ 「キース先輩、言い換えるとかは…」
キース 「既に翻訳済みだけに…」
これ以上、どう言い換えろと、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「他の言い方など、俺は知らんし…」
シロエ 「マジですか?」
キース 「そのままで通っているからな…」
いや、待てよ、と何か閃いた様子ですけど。
言い換え方とか…?
2025/03/08 (Sat)
☆潰される日はコレ
雛祭りが済んだ週末、生徒会長宅に来ている面々ですけど。
シャングリラ学園には無い雛祭りイベ、其処から祝日の話。
サム 「何か、いいのがあったのかよ?」
キース 「そのものズバリと言うべきだろうな」
一同 「「「は?」」」
言い換え方が見付かったにしても…、と一同、キョトン。
シロエ 「専門用語だと言いませんでしたか?」
キース 「その通りだが?」
シロエ 「だったら、そのものズバリな方もですね…」
専門用語の世界でしょう、とシロエ君の鋭いツッコミ。
シロエ 「分かりやすいのを、と希望してます」
サム 「専門的なヤツで言い換えられてもよ…」
スウェナ「難解になるだけでしょ、ソレ…」
これだからプロは困るのよ、とスウェナちゃんの深い溜息。
スウェナ「いい? プロの世界の常識なんかは…」
シロエ 「一般人には通じないんですよ?」
サム 「俺でもピンと来ねえのに、シロエとかには…」
無理すぎるぜ、とサム君も。
サム 「もっと普通に言えねえのかよ?」
キース 「聞けば分かると思うわけだ」
小学生でもな、とキース君が指すカレンダー。
キース 「今月にも、一つあるんだが?」
一同 「「「えっと…?」」」
キース 「3月20日の所を、よく見てみろ」
赤い字になっているんだぞ、と言う日付の色。
一同 「「「あっ!?」」」
キース 「気が付いたか?」
シロエ 「…春分でしたか…」
キース 「ああ。秋に来るのが、秋分だな」
そのものズバリの日だろうが、とキース君、腕組み。
キース 「どちらも、太陽が真西に沈む日になるわけで…」
サム 「お浄土に思いを馳せる日だったっけな…」
忘れてたぜ、と愕然とするサム君。
サム 「でもって、お彼岸のお中日でよ…」
シロエ 「年に二回は潰れる祝日、納得ですよ…」
ジョミー「確かに毎年、潰されてるよね…」
キース 「気付かないとは…」
喉元過ぎれば忘れやがって、と睨んでますけど。
お彼岸…。
2025/03/09 (Sun)
☆抹香臭くなるヤツ
雛祭りが終わった週末ですけど、イベが無かった御一同様。
シャングリラ学園には無いわけでして、祝日の話ですけど。
サム 「忘れちまってても、仕方ねえって気がするぜ…」
シロエ 「喉元過ぎればと言うより、忘れたいんですよ…」
ジョミー「記憶を消したくなるヤツだしさ…」
迷惑度数は低めでもね、とジョミー君が広げる両手。
ジョミー「外じゃないから、晒し者にはならないけど…」
シロエ 「もれなく正座がセットですしね…」
スウェナ「ついでに、抹香臭いのよ?」
お線香だけじゃ済まないんだもの、とスウェナちゃん。
スウェナ「お焼香用の香炉、半端ないでしょ?」
シロエ 「匂いが本格的で強いんですよ、アレは…」
ジョミー「髪の毛とか服に、しみつくよね…」
キースのノートには負けるけどさ、とジョミー君も。
ジョミー「キースのノート、今は借りたりしないけど…」
サム 「入学した年に、お世話になったのかよ?」
ジョミー「うん。定期テストは、ぶるぅの手形で満点で…」
いけたんだけれど、宿題とかが…、と思い返している様子。
ジョミー「レポートにしても、普段にやっていないから…」
シロエ 「テストで満点が取れる分だけ、サボリですね?」
ジョミー「そう! 寝ちゃってたことも多くってさ…」
宿題とかがカバー出来なくて、と今ならではの昔話。
ジョミー「宿題は、今日の授業から、って言われると…」
サム 「詰んじまうよな…」
ジョミー「サムとシロエは別のクラスで、真面目にさ…」
やっていたけど…、とジョミー君の嘆き節。
ジョミー「サムに借りるとか、違うクラスじゃね…」
サム 「当たり前だろ、授業の時間割が違うんだしよ」
ノートを借りても意味がねえぜ、とサム君も苦笑い。
サム 「キースに頼み込むしかねえよな」
ジョミー「だから頼んで借りてたんだけど…」
キース 「抹香臭くて悪かったな!」
俺の家を何だと思ってやがる、と睨んでますけど。
お寺ですよね…。
2025/03/10 (Mon)
☆抹香臭くなる環境
雛祭りが済んだ週末の土曜日、生徒会長宅に来ている面々。
シャングリラ学園には無い雛祭りイベ、其処から祝日の話。
サム 「寺の息子じゃ、抹香臭いのも仕方ねえぜ」
ジョミー「ノートまで、お線香の匂いじゃね…」
キース 「いいか、朝から晩まで線香という環境だぞ?」
それこそ生まれた直後からだ、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「病院で生まれて、家に帰って来たら一番に…」
シロエ 「お線香の煙を浴びせられるんですか?」
キース 「御本尊様に、跡取りが生まれた報告だしな」
無事に生まれました、と感謝の御挨拶だぞ、とキース君。
キース 「当然、蝋燭と線香は…」
サム 「御本尊様にお供えだよなあ…」
シロエ 「もしかして、お焼香もするんですか?」
生まれたばかりの赤ちゃんでも…、とシロエ君の問い。
シロエ 「お香を握らせてから、香炉に入れるとか…」
キース 「其処まではいかないが、普段とは…」
違うイベントが起きるわけだ、とキース君、フウと溜息。
キース 「初めて本堂に入る節目で、生まれたてだし…」
サム 「線香の煙が多めとかかよ?」
スウェナ「そういえば、お参りの人が多いお寺だと…」
本堂の前のお線香立て、人気だわね、とスウェナちゃん。
スウェナ「お線香の煙を浴びたら、無病息災か何かで…」
シロエ 「言われてみれば、やってますよね」
ジョミー「お年寄りの人、群がってる時もあるしさ…」
アレを個人の家でやるわけ、とジョミー君、興味津々。
ジョミー「元老寺だと、お線香立て、本堂の前には…」
サム 「置いてねえけど、御本尊様の前にあるヤツ…」
シロエ 「普通よりかは、かなり大きいですよ」
お線香もビッグサイズですしね、とシロエ君も。
シロエ 「ドッサリ立てたら、煙がモクモクでしょう」
サム 「それをキースに浴びせるってか?」
ジョミー「なんか、スモークされそうだよね…」
抹香臭くするのが目的かも、と言ってますけど。
お寺だけに…。
2025/03/11 (Tue)
☆お線香とスモーク
雛祭りイベが無いシャングリラ学園、生徒会長宅で話題に。
其処から祝日の方へ進んで、お彼岸のお中日も春分と秋分。
キース 「スモークするとは言わないんだが…」
シロエ 「お線香が多めなんですね?」
赤ちゃんが生まれた節目ですし…、とシロエ君。
シロエ 「自分でお焼香が出来ない分だけ、多そうです」
サム 「気持ちだけでも、っていうヤツな…」
スウェナ「イライザさんが代理は、難しそうだもの」
だって、赤ちゃん、抱いてるのよ、とスウェナちゃんの言。
スウェナ「片手だけで抱いて、お焼香とか、危なすぎだわ」
ジョミー「バランスを崩しちゃったら、落っことすし…」
シロエ 「転んだ場合も、怪我しそうですよ…」
イライザさんも、赤ん坊のキース先輩も、とシロエ君も。
シロエ 「特に赤ちゃん、打ち所が悪いと大変ですから…」
一同 「「「あー…」」」
大怪我だよね、と誰もが肩をブルッと。
ジョミー「救急車で済んだら、マシな方かも…」
サム 「命はあっても、後遺症が残るのも有りそうだぜ」
スウェナ「そうでしょ、ちゃんと両手で抱っこしないと」
シロエ 「待って下さい、そうなるとイライザさんも…」
お焼香はパスになりますよね、とシロエ君が顎に当てる手。
シロエ 「お線香、二人分をプラスな勘定でしょうか?」
サム 「かもなあ、お寺用のデカい線香をよ…」
ジョミー「二本も増やせば、煙も半端ないかもね…」
抹香臭さの方もアップで…、とジョミー君が竦める肩。
ジョミー「やっぱり、気分はスモークだよ…」
キース 「ソレに近いかもしれないな…」
サム 「線香多めで、煙多めなイベになるのな…」
赤ちゃんが生まれたイベなのによ、とサム君の苦笑い。
サム 「ノートまで抹香臭くなる家は、凄すぎるぜ…」
キース 「煙には違いないんだが、線香ではない」
一同 「「「えっと…?」」」
キース 「煙の話だ」
スモークと言えないこともない、と真顔ですけど。
煙ですよね?
2025/03/12 (Wed)
☆赤ん坊でも出来る
雛祭りが済んだ週の土曜日、生徒会長宅で過ごす御一同様。
シャングリラ学園には無い雛祭りイベ、其処から祝日の話。
サム 「線香じゃねえなら、お香なのかよ?」
キース 「その通りだが?」
シロエ 「でも、キース先輩も、イライザさんも…」
お焼香は出来ないのでは、とシロエ君の問い。
シロエ 「スウェナ先輩も言いましたけど、危険すぎです」
サム 「それとも、寺じゃ気にしねえのかよ?」
ジョミー「修行と同じで、クリアするしかないって?」
お寺だしね、とジョミー君も。
ジョミー「そのくらい出来ないと、お寺のお嫁さんは…」
サム 「務まらねえってか?」
キース 「違う、どちらかと言えば、むしろ逆だな」
両手はきちんと空いている、とキース君。
キース 「ついでに、赤ん坊でも出来るイベでだ…」
一同 「「「ええっ!?」」」
生まれたての赤ちゃんでもか、と誰もがポカーン。
シロエ 「煙だけでもキツそうですけど…」
ジョミー「第一、どうやって覚えるのさ…」
ぼくでも所作を覚えられないのに、とジョミー君。
ジョミー「お焼香とか、赤ん坊にはハードル高いよ…」
シロエ 「お菓子で釣るにも、小さすぎますし…」
キース 「まあ、母親か誰かの手は要るんだが…」
要は抱っこで越えるだけだ、と謎な発言。
キース 「煙の中をくぐりさえすれば、それで終わりで…」
ジョミー「まさか、香炉の上にかざすわけ!?」
サム 「マジでスモークコースじゃねえかよ!」
赤ん坊を香炉で燻すなんてよ、とサム君の引き攣った顔。
サム 「可哀相すぎるぜ…」
シロエ 「お香の煙でむせそうですよ…」
お寺に生まれなくて良かったです、とシロエ君、ガクブル。
シロエ 「まさか、スモークされるだなんて…」
キース 「くぐるんだから、一瞬だけだ」
一同 「「「一瞬?」」」
キース 「ああ。本堂に入る直前、お香の煙を…」
くぐればいいという仕組みだな、と説明ですけど。
どうやって…?
2025/03/13 (Thu)
☆特別な時だけ登場
雛祭りが終わった週の土曜日、生徒会長宅に集う御一同様。
シャングリラ学園には無い雛祭りイベ、その話から祝日へ。
サム 「お香の煙って、本堂の前に線香立てはねえぜ?」
シロエ 「特別なイベだと言ってましたし、その日だけ…」
出して来るんじゃないでしょうか、とシロエ君。
シロエ 「お寺によっては、大きいのを置いていますから」
スウェナ「煙を浴びたい人が集まる、アレよね」
ジョミー「元老寺にも、実はあったわけ?」
特別な時だけの登場で…、とジョミー君も。
ジョミー「人生の節目の時しか出さないとか?」
キース 「いや、大きさは普通なんだが…」
それに線香ではなくて、お香だ、とキース君の苦笑い。
キース 「象香炉と言って、象の形をしている香炉で…」
サム 「そんなの、俺は見たことねえけど?」
キース 「特別な時しか出さないからな」
だが、専用の香炉なんだ、とキース君の説明が。
キース 「お堂の入口に置いて、その上を跨ぐためので…」
一同 「「「は?」」」
キース 「香炉を跨いで通れば、自然と煙をくぐれるし…」
清めになるという仕組み、と手で作ってみせる大きさ。
キース 「サイズ的には、こんなものだな」
サム 「お焼香用の香炉よりかは、デカいよな…」
シロエ 「でも、跨いで通れるサイズではありますね…」
赤ちゃんを抱いていてもいけそうです、とシロエ君。
シロエ 「躓いて転ぶ心配は無さそうですし…」
キース 「俺も、そいつで清められてから、本堂で…」
生まれましたの報告だった、とキース君、回想モード。
キース 「もっとも、記憶は残っていないんだが…」
??? 「その程度なら普通だよ!」
あるあるだし、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「成人検査で消されたわけじゃないしね!」
キース 「あんた、何しに現れたんだ!?」
Aブルー「さっきの祝日の話だってば!」
ちょうどいいしね、と親指を立ててますけど。
なんで祝日…?
2025/03/14 (Fri)
☆別の世界にも祝日
雛祭りが済んだ週の土曜ですけど、生徒会長宅に集う面々。
シャングリラ学園には無い雛祭りイベ、祝日の話な方向へ。
キース 「そう言われても、あんたの世界の祝日なんぞ…」
シロエ 「聞いたことさえ無いですよね?」
あるんですか、とシロエ君の質問が。
シロエ 「機械が記憶を消すような世界じゃ、祝日も…」
サム 「あるような気がしねえよな…」
Aブルー「あのねえ…」
君たち、考えたことがあるのかい、とソルジャーの溜息。
Aブルー「クリスマスは、ぼくもこっちに来てるけど…」
キース 「もしかして、クリスマスは祝日なのか?」
Aブルー「そうじゃないけど、近い感じではあるね」
休みになってる人も多いし、という答え。
Aブルー「本物の祝日、すぐに来るから」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「ぼくの船でも、其処はお祭り騒ぎだけど?」
ニューイヤーでさ、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「年末年始は、成人検査とかも休みなんだよ?」
一同 「「「あー…」」」
そういえば…、と誰もが思い出す、別の世界の事情。
シロエ 「敵も味方も無いんでしたね…」
Aブルー「そもそも、出会わない仕様だってば!」
人類軍の船も来ないからね、とソルジャー、親指をグッと。
Aブルー「成人検査をやっていないし、こっちからもさ…」
キース 「行く理由が無いというわけか…」
Aブルー「ピンポーン!」
つまり祝日はあるってね、とソルジャーが指すカレンダー。
Aブルー「春分とかは、やっていないけど…」
シロエ 「それは、暦が星の数だけあるからですね?」
Aブルー「うん。ニューイヤーは、地球の標準時で…」
計算している新年なんだよ、と説明が。
Aブルー「そんなヤツより、地球ならではの祝日をさ…」
キース 「満喫したいと言うんだな?」
Aブルー「そう! 君たちが言ってた、年に二回の…」
シロエ 「待って下さい!」
まさか春分と秋分なのでは、と焦ってますけど。
お彼岸…。
2025/03/15 (Sat)
さて、3月。今月も初日の1日が土曜日、月曜日は雛祭り。
とはいえ、雛祭りは無関係な面々、スルーで早くも週末で。
シロエ 「うちの学校、雛祭りは何もしませんよねえ…」
サム 「俺たちだって、毎年、何もしてねえぜ?」
対象がスウェナしかいねえんだし、とサム君の正論。
サム 「どうしようもねえじゃねえかよ」
シロエ 「でもですね…。うちの学校、お祭り好きで…」
ジョミー「雛祭りがあっても、不思議じゃないけど…」
何もしないね、とジョミー君が傾げる首。
ジョミー「生徒だったら、半々くらいで女子がいるのに…」
ブルー 「残り半分は、男子なんだよ?」
シロエ 「何か問題あるんですか?」
ブルー 「大ありだね!」
雛祭りをやった場合は、男子用のも、と生徒会長。
ブルー 「鯉のぼりを飾るのは、いつだったかな?」
シロエ 「えっと…? あっ、もしかしなくても…」
GWの最終日では…、とシロエ君が気付いた端午の節句。
シロエ 「雛祭りと違って、祝日でしたね…」
ブルー 「ピンポーン!」
平日になる年が皆無なヤツ、と生徒会長が指すカレンダー。
ブルー 「雛祭りの方は、今年も月曜で、平日でさ…」
ジョミー「そっちで何かイベをやったら、GWの方のが…」
シロエ 「登校日になってしまうとかですか…?」
ブルー 「なにしろ、うちの学校だしねえ…」
5月5日を登校日にして、何処かで振り替え、と怖い発言。
ブルー 「休日の数さえ合えばオッケー、って!」
一同 「「「うわー…」」」
マジでありそう、と一同、悪い顔色。
ジョミー「GWが一日、短縮なんだ…」
ブルー 「振り替え休日で6日まででも、5日だけはさ…」
学校に来い、と言いそうだよね、と生徒会長が竦める肩。
ブルー 「雛祭りをやるなら、公平でないと」
シロエ 「やらなくていいです!」
ブルー 「分かったかい?」
一同 「「「はい…」」」
雛祭りのイベは要らない、と誰もが納得ですけど。
確かに…。
2025/03/01 (Sat)
☆潰したくない祝日
雛祭りだった週の土曜日、生徒会長宅に来ている御一同様。
シャングリラ学園には、雛祭りのイベントが無いという話。
ジョミー「強制的に登校日とか、やりそうだよね…」
シロエ 「遊びには違いないだろう、とか言いそうですよ」
サム 「お祭りイベなのは確かだしよ…」
雛祭りのイベは無くて正解、とサム君が広げる両手。
サム 「女子の場合は、遊べる日が増える勘定でもよ…」
シロエ 「男子は、そうはいきませんしね…」
5月5日が休みじゃなくなるなんて、とシロエ君も。
シロエ 「GWの最終日だけに、痛さも倍増ですよ」
ジョミー「ホントにね…」
サム 「振り替え休日で、6日まで休みな時でもよ…」
5日が登校日だと連休じゃねえし、とサム君が竦める肩。
サム 「雛祭りイベは、マジで要らねえよな…」
スウェナ「女子の私だって、同じだわよ…」
たとえケーキが出るイベでもね、とスウェナちゃん。
スウェナ「雛祭りケーキ食べ放題でも、お断りだわ」
ジョミー「端午の節句だと、柏餅かな?」
シロエ 「柏餅と粽、食べ放題じゃないですか?」
それでも要りませんけどね、とシロエ君が顰める顔。
シロエ 「普通に祝日の方がいいですってば」
ジョミー「そう思う…」
キース 「俺の場合は、もれなく潰れる祝日が…」
年に二回は確実なんだが、とキース君。
キース 「物心ついた時には、既に潰れていた有様で…」
一同 「「「は?」」」
子供なのに、と皆がキョトンと見開く瞳。
シロエ 「あのですね…。幼稚園でも、祝日とかは…」
サム 「休む筈だぜ、保育園までは知らねえけど」
ジョミー「共働きでサービス業だと、出勤日だしね…」
祝日でも預かってくれるのかも、とジョミー君。
ジョミー「でもさ、家が休みの子は休むよねえ?」
シロエ 「あちこち混むのは、そのせいでしょうし…」
サム 「子供の休日、潰れねえだろ?」
どういう家で育ったんだよ、と聞いてますけど。
はてさて…?
2025/03/02 (Sun)
☆お楽しみと祝日
雛祭りが終わった週末ですけど、生徒会長宅で過ごす面々。
シャングリラ学園には無い、雛祭りイベントが話題でして。
サム 「子供は祝日、好きな筈だぜ」
シロエ 「大人の場合は、人によるでしょうけど…」
元日なんかは特に、とシロエ君が挙げる例。
シロエ 「なにしろ準備が大変ですし…」
ジョミー「おせちはいいけど、お雑煮は家で作るしね…」
サム 「第一、大掃除がセットだしよ…」
スウェナ「大忙しな人も、多いわけよね…」
来なくていい、と思う人もいるわよ、とスウェナちゃんも。
スウェナ「お祭りだったら、クリスマスだけで充分だもの」
シロエ 「クリスマスの方だと、準備も楽しめますよ」
ジョミー「だよね、ツリーを飾るとかさ」
サム 「大掃除もセットで来たりしねえし…」
ツリーを飾るスペース作り程度だよな、とサム君の相槌。
サム 「まあ、クリスマスは祝日じゃねえけど」
シロエ 「其処の所が大きいかもです」
適当にやっても叱られませんし、とシロエ君。
シロエ 「作法はこうだ、と言われることが無いですしね」
ジョミー「お楽しみだけのイベだよねえ…」
サム 「祝日じゃなくても、楽しみな日だぜ?」
なのに祝日を潰すとかはねえよ、とサム君、目がマジ。
サム 「キース、どういう育ちなんだよ?」
キース 「俺の場合は、クリスマス自体、無かったんだが」
今年の元日が真面目に初だ、とキース君。
キース 「おふくろと親父のせいで、とんだ目に遭って…」
一同 「「「あー…」」」
南国仕様のサンタだっけ、と皆が思い出した元日の出来事。
シロエ 「キース先輩の家、お寺でしたね…」
キース 「クリスマスは、過去に一度も無かったな…」
ツリーもケーキも無縁だった、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「此処まで聞いたら、分かるだろう?」
一同 「「「えっと…?」」」
キース 「祝日の件だ」
潰れる理由というヤツだが、と言ってますけど。
理由って…?
2025/03/03 (Mon)
☆忙しくなる祝日
雛祭りが終わった週の土曜日、生徒会長宅に集う御一同様。
シャングリラ学園には無い、雛祭りイベから祝日の話題へ。
シロエ 「えっと…? 祝日が潰れる理由ですか?」
ジョミー「キースの家に限定だよね?」
普通の家では潰れないしさ、とジョミー君。
ジョミー「アドス和尚のせいかな、頑固だから…」
シロエ 「クリスマスをやらなかった人ですしね…」
スウェナ「何か、こだわりあるのかしら?」
サム 「分かんねえけど、ああいう親父さんだしよ…」
自分ルールで潰しそうだぜ、とサム君が竦める肩。
サム 「その日は自分が忙しいから、巻き添えとかよ…」
シロエ 「ありそうです、ソレ…」
ジョミー「璃母恩院の行事に行く時とかさ…」
スウェナ「家じゃ偉そうだけど、璃母恩院だと違うわよね」
緋の衣っていうわけじゃないし、とスウェナちゃんも。
スウェナ「それに、キースが子供の頃だと、今よりも…」
シロエ 「立ち位置は下になりますよね…」
サム 「下っ端扱いだったかもな…」
こき使われる日じゃかなわねえよ、とサム君も納得な模様。
サム 「キースが祝日で遊んでるのに、自分だけはよ…」
ジョミー「ババな日なんだし、八つ当たりコースだよね…」
シロエ 「ついでに、キース先輩が遊んでいられるの…」
アドス和尚が仕事しているからですし、とシロエ君。
シロエ 「なんで俺だけ、と思いそうです」
ジョミー「キースが祝日で休みは、許せないから、って…」
スウェナ「巻き添えにして、祝日、潰してたわけね…」
サム 「年に二回っていうのがよ…」
キツいけどよ、とサム君、うんうん、と。
サム 「宗祖様の誕生日と祥月命日、祝日だっけか?」
ジョミー「ぼくに聞かれても、困るんだけど…」
ブルー 「違うね、掠りもしてないよ」
サム 「だったら、璃母恩院だけのヤツかな…」
キース 「おい。お前、それでも僧籍なのか?」
ジョミーだったら仕方ないが、と顔を顰めてますけど。
何の日…?
2025/03/04 (Tue)
☆年に二回は潰れる
雛祭りも済んだ土曜日、生徒会長宅で過ごす面々ですけど。
シャングリラ学園には無い雛祭りイベ、其処から祝日の話。
サム 「そう言われてもよ、璃母恩院の方までは…」
シロエ 「なかなか把握出来ませんよね」
道場入りもしてませんし、とシロエ君、気の毒そうな表情。
サム 「行事の案内とかも、まだ貰えねえわけで…」
スウェナ「知らなくても、仕方ないわよね…」
ジョミー「ぼくと比べるとか、サムに悪いよ…」
いつも頑張っているのにさ、とジョミー君も。
ジョミー「お勤めの練習だって、真面目にやってるし…」
シロエ 「アドス和尚も、評価してますよ?」
棚経のお供は、サム先輩で固定ですしね、とシロエ君。
シロエ 「ジョミー先輩は、指名以前の問題ですから…」
スウェナ「キースが連れて回ってるんでしょ?」
キース 「それはそうだが、今の話は基本でだな…」
僧籍でなくても気付きそうだ、とキース君の仏頂面。
キース 「熱心な檀家さんでも、潰れるんだぞ?」
一同 「「「えっ…?」」」
まさか、と誰もが見合わせる顔。
シロエ 「檀家さんって、一般人のことですよね?」
キース 「そうなるな。役職がついた人だと、確実に…」
年に二回は潰れるんだが…、とキース君が繰る数珠レット。
キース 「全て承知で受けて下さるだけに、感謝しかない」
一同 「「「えっと…?」」」
キース 「何処の寺でも、事情は全く同じなんだが?」
宗派を問わずに共通だぞ、とキース君、サム君をジロリ。
キース 「まだ、気付かないのか?」
サム 「すまねえ、璃母恩院でも分からねえんだし…」
シロエ 「お寺の事情は、もっと謎ですよね…」
お寺育ちじゃないんですから、とシロエ君も同情モード。
シロエ 「サム先輩を、苛めないであげて下さいよ」
キース 「しかし、普通ならピンと来る筈で…」
サム 「マジで悪いと思うんだけどよ…」
無理なモノは無理、と呻くサム君ですけど。
可哀相では…?
2025/03/05 (Wed)
☆潰されると聞いても
雛祭りが終わった週の土曜日、生徒会長宅に来ている面々。
シャングリラ学園には無い雛祭りイベから、祝日の話な今。
キース 「サムもそうだが、お前たちもだぞ」
一同 「「「は?」」」
キース 「此処まで言っても、分からないのか?」
散々、潰されて来たくせに、とキース君が見回す顔ぶれ。
キース 「年に二回も潰され続けて、何年目なんだ?」
シロエ 「そんな祝日、ありましたっけ?」
ジョミー「さあ…? シロエはどう?」
シロエ 「いつのことだか、ぼくにもサッパリ…」
まるで見当がつきませんよ、とシロエ君、お手上げポーズ。
シロエ 「祝日、もれなく休みですよね?」
サム 「それ以外でも、定番の休みがあるんだぜ?」
現に先月もあったじゃねえか、とサム君が指すカレンダー。
サム 「二月三日は節分でよ…」
ジョミー「毎年、欠席届けだよねえ?」
シロエ 「ぼくたちにとっては、祝日みたいなヤツですよ」
スウェナ「難アリでも、学校には行かないものねえ…」
今年は迷惑度数が低めだったわ、とスウェナちゃん。
スウェナ「正座でお参りな羽目になったのは、御愛嬌よね」
シロエ 「言えてます! 行きのバスの中、普通でしたし」
サム 「アレは真面目にラッキーだったぜ」
ツイてたよな、とサム君も。
サム 「キースが法衣で来たのは、災難だったけどよ…」
ジョミー「でも、福豆を貰えちゃったしさ…」
シロエ 「全部のお寺で、くれましたからね」
福豆コンプリートでした、とシロエ君も異議は無い節分。
シロエ 「御利益パワーも、関係者向けでアップですし」
スウェナ「正座した分、回収だわよ」
福をドッサリ頂けたもの、とスウェナちゃんの笑顔。
スウェナ「だけど、潰れる祝日なんて、あったかしら?」
シロエ 「無いですよねえ?」
ジョミー「そんなの、あるとは思えないけど…」
キース 「お前たちというヤツは…」
この流れでも気付かないのか、と顔を顰めてますけど。
何に…?
2025/03/06 (Thu)
☆節分と言われても
雛祭りが済んだ週末ですけど、雛祭りイベが無いのが学校。
それが切っ掛けで祝日の話、生徒会長宅で怪訝そうな面々。
シロエ 「この流れっていうのは、節分でしょうか?」
キース 「当然だろう?」
ジョミー「節分は、祝日っぽいのが増える方でさ…」
潰れる話とは真逆だよね、とジョミー君が傾げる首。
ジョミー「グレイブ先生だって、いつも不機嫌そうに…」
シロエ 「いい御身分だな、諸君、ですしね」
サム 「欠席届けを出しに行ったら、定番だよな…」
突き返されることはねえけどよ…、とサム君も。
サム 「実際、俺たちが真面目なだけの話でよ…」
シロエ 「欠席届けなんか無くても、休めますから…」
ジョミー「そういう意味でも、休み放題なんだよ?」
特別生になっているんだしさ、とジョミー君。
ジョミー「出席義務なんか、無いんだし…」
シロエ 「その気になったら、毎日、祝日で行けます」
サム 「無敵みたいなモンなんだぜ?」
潰れる祝日があるわけがねえ、とサム君、自信満々。
サム 「家が寺だと、事情は違いそうだけどよ…」
キース 「さっきも言ったぞ、僧籍とも思えん、と」
なんでサムまで、そうなるんだ、とキース君の深い溜息。
キース 「今年の節分がツイていたのは、どの点がだ?」
シロエ 「迷惑度数が低かった、という所ですよ」
決まってるでしょう、とシロエ君が立てる人差し指。
シロエ 「キース先輩は、お寺で合流でしたから…」
サム 「恩恵を蒙っていねえだけでよ…」
ジョミー「バスの座席が埋まっていたのは、最高だったよ」
例年、アレで酷い目に、とジョミー君が言う後部座席の件。
ジョミー「座り方、最悪すぎるしさ…」
スウェナ「他人のふりも出来ないのよね…」
向こうから話し掛けてくるせいで、と嘆くスウェナちゃん。
スウェナ「それが今年は無かったのよ?」
キース 「その迷惑は、あいつらが…」
いるせいなんだが、とキース君、腕組みですけど。
それで…?
2025/03/07 (Fri)
☆専門用語だと困る
雛祭りが終わった週の土曜日、生徒会長宅に来ている面々。
シャングリラ学園には無い雛祭りイベから、祝日の方へと。
サム 「そりゃまあ、そうなんだけどよ」
シロエ 「さっきまでの話と、どう繋がるんです?」
ぼくにはサッパリ分かりませんが…、とシロエ君。
シロエ 「サム先輩と違って、僧籍じゃないですけどね」
キース 「お前でも分かりそうなものだが…」
シロエ 「だったら、ヒントを下さいよ」
節分だけでは無理すぎです、とシロエ君の注文が。
シロエ 「もっと簡単な仕様ので、お願いしたいですね」
スウェナ「そうよ、私でもピンと来るヤツを…」
出しなさいよ、とスウェナちゃんも、キース君をまじっと。
スウェナ「遠回しに言われても、どうしようもないわ」
ジョミー「ホントにね…。プロのお坊さんとは違うんだよ」
ぼくの場合は名前だけだし、とジョミー君からも。
ジョミー「年に二回も潰れる祝日、心当たりがゼロで…」
サム 「俺もゼロっていうのがよ…」
情けねえけど現実で、とサム君、お手上げのポーズ。
サム 「ヒントでいいから、分かるヤツをよ…」
シロエ 「ぼくたちに出して貰えませんか?」
単語だけでも、とシロエ君が畳み掛け。
シロエ 「専門用語は困りますけど…」
キース 「そう言われても、専門用語しか…」
一同 「「「は?」」」
キース 「それしか思い付かないんだが…」
多分、分かると思うんだがな、とキース君の困り顔。
キース 「他に何かと言われても…」
一同 「「「ええ…」」」
専門用語は真面目に困る、と困惑しかない御一同様。
シロエ 「キース先輩、言い換えるとかは…」
キース 「既に翻訳済みだけに…」
これ以上、どう言い換えろと、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「他の言い方など、俺は知らんし…」
シロエ 「マジですか?」
キース 「そのままで通っているからな…」
いや、待てよ、と何か閃いた様子ですけど。
言い換え方とか…?
2025/03/08 (Sat)
☆潰される日はコレ
雛祭りが済んだ週末、生徒会長宅に来ている面々ですけど。
シャングリラ学園には無い雛祭りイベ、其処から祝日の話。
サム 「何か、いいのがあったのかよ?」
キース 「そのものズバリと言うべきだろうな」
一同 「「「は?」」」
言い換え方が見付かったにしても…、と一同、キョトン。
シロエ 「専門用語だと言いませんでしたか?」
キース 「その通りだが?」
シロエ 「だったら、そのものズバリな方もですね…」
専門用語の世界でしょう、とシロエ君の鋭いツッコミ。
シロエ 「分かりやすいのを、と希望してます」
サム 「専門的なヤツで言い換えられてもよ…」
スウェナ「難解になるだけでしょ、ソレ…」
これだからプロは困るのよ、とスウェナちゃんの深い溜息。
スウェナ「いい? プロの世界の常識なんかは…」
シロエ 「一般人には通じないんですよ?」
サム 「俺でもピンと来ねえのに、シロエとかには…」
無理すぎるぜ、とサム君も。
サム 「もっと普通に言えねえのかよ?」
キース 「聞けば分かると思うわけだ」
小学生でもな、とキース君が指すカレンダー。
キース 「今月にも、一つあるんだが?」
一同 「「「えっと…?」」」
キース 「3月20日の所を、よく見てみろ」
赤い字になっているんだぞ、と言う日付の色。
一同 「「「あっ!?」」」
キース 「気が付いたか?」
シロエ 「…春分でしたか…」
キース 「ああ。秋に来るのが、秋分だな」
そのものズバリの日だろうが、とキース君、腕組み。
キース 「どちらも、太陽が真西に沈む日になるわけで…」
サム 「お浄土に思いを馳せる日だったっけな…」
忘れてたぜ、と愕然とするサム君。
サム 「でもって、お彼岸のお中日でよ…」
シロエ 「年に二回は潰れる祝日、納得ですよ…」
ジョミー「確かに毎年、潰されてるよね…」
キース 「気付かないとは…」
喉元過ぎれば忘れやがって、と睨んでますけど。
お彼岸…。
2025/03/09 (Sun)
☆抹香臭くなるヤツ
雛祭りが終わった週末ですけど、イベが無かった御一同様。
シャングリラ学園には無いわけでして、祝日の話ですけど。
サム 「忘れちまってても、仕方ねえって気がするぜ…」
シロエ 「喉元過ぎればと言うより、忘れたいんですよ…」
ジョミー「記憶を消したくなるヤツだしさ…」
迷惑度数は低めでもね、とジョミー君が広げる両手。
ジョミー「外じゃないから、晒し者にはならないけど…」
シロエ 「もれなく正座がセットですしね…」
スウェナ「ついでに、抹香臭いのよ?」
お線香だけじゃ済まないんだもの、とスウェナちゃん。
スウェナ「お焼香用の香炉、半端ないでしょ?」
シロエ 「匂いが本格的で強いんですよ、アレは…」
ジョミー「髪の毛とか服に、しみつくよね…」
キースのノートには負けるけどさ、とジョミー君も。
ジョミー「キースのノート、今は借りたりしないけど…」
サム 「入学した年に、お世話になったのかよ?」
ジョミー「うん。定期テストは、ぶるぅの手形で満点で…」
いけたんだけれど、宿題とかが…、と思い返している様子。
ジョミー「レポートにしても、普段にやっていないから…」
シロエ 「テストで満点が取れる分だけ、サボリですね?」
ジョミー「そう! 寝ちゃってたことも多くってさ…」
宿題とかがカバー出来なくて、と今ならではの昔話。
ジョミー「宿題は、今日の授業から、って言われると…」
サム 「詰んじまうよな…」
ジョミー「サムとシロエは別のクラスで、真面目にさ…」
やっていたけど…、とジョミー君の嘆き節。
ジョミー「サムに借りるとか、違うクラスじゃね…」
サム 「当たり前だろ、授業の時間割が違うんだしよ」
ノートを借りても意味がねえぜ、とサム君も苦笑い。
サム 「キースに頼み込むしかねえよな」
ジョミー「だから頼んで借りてたんだけど…」
キース 「抹香臭くて悪かったな!」
俺の家を何だと思ってやがる、と睨んでますけど。
お寺ですよね…。
2025/03/10 (Mon)
☆抹香臭くなる環境
雛祭りが済んだ週末の土曜日、生徒会長宅に来ている面々。
シャングリラ学園には無い雛祭りイベ、其処から祝日の話。
サム 「寺の息子じゃ、抹香臭いのも仕方ねえぜ」
ジョミー「ノートまで、お線香の匂いじゃね…」
キース 「いいか、朝から晩まで線香という環境だぞ?」
それこそ生まれた直後からだ、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「病院で生まれて、家に帰って来たら一番に…」
シロエ 「お線香の煙を浴びせられるんですか?」
キース 「御本尊様に、跡取りが生まれた報告だしな」
無事に生まれました、と感謝の御挨拶だぞ、とキース君。
キース 「当然、蝋燭と線香は…」
サム 「御本尊様にお供えだよなあ…」
シロエ 「もしかして、お焼香もするんですか?」
生まれたばかりの赤ちゃんでも…、とシロエ君の問い。
シロエ 「お香を握らせてから、香炉に入れるとか…」
キース 「其処まではいかないが、普段とは…」
違うイベントが起きるわけだ、とキース君、フウと溜息。
キース 「初めて本堂に入る節目で、生まれたてだし…」
サム 「線香の煙が多めとかかよ?」
スウェナ「そういえば、お参りの人が多いお寺だと…」
本堂の前のお線香立て、人気だわね、とスウェナちゃん。
スウェナ「お線香の煙を浴びたら、無病息災か何かで…」
シロエ 「言われてみれば、やってますよね」
ジョミー「お年寄りの人、群がってる時もあるしさ…」
アレを個人の家でやるわけ、とジョミー君、興味津々。
ジョミー「元老寺だと、お線香立て、本堂の前には…」
サム 「置いてねえけど、御本尊様の前にあるヤツ…」
シロエ 「普通よりかは、かなり大きいですよ」
お線香もビッグサイズですしね、とシロエ君も。
シロエ 「ドッサリ立てたら、煙がモクモクでしょう」
サム 「それをキースに浴びせるってか?」
ジョミー「なんか、スモークされそうだよね…」
抹香臭くするのが目的かも、と言ってますけど。
お寺だけに…。
2025/03/11 (Tue)
☆お線香とスモーク
雛祭りイベが無いシャングリラ学園、生徒会長宅で話題に。
其処から祝日の方へ進んで、お彼岸のお中日も春分と秋分。
キース 「スモークするとは言わないんだが…」
シロエ 「お線香が多めなんですね?」
赤ちゃんが生まれた節目ですし…、とシロエ君。
シロエ 「自分でお焼香が出来ない分だけ、多そうです」
サム 「気持ちだけでも、っていうヤツな…」
スウェナ「イライザさんが代理は、難しそうだもの」
だって、赤ちゃん、抱いてるのよ、とスウェナちゃんの言。
スウェナ「片手だけで抱いて、お焼香とか、危なすぎだわ」
ジョミー「バランスを崩しちゃったら、落っことすし…」
シロエ 「転んだ場合も、怪我しそうですよ…」
イライザさんも、赤ん坊のキース先輩も、とシロエ君も。
シロエ 「特に赤ちゃん、打ち所が悪いと大変ですから…」
一同 「「「あー…」」」
大怪我だよね、と誰もが肩をブルッと。
ジョミー「救急車で済んだら、マシな方かも…」
サム 「命はあっても、後遺症が残るのも有りそうだぜ」
スウェナ「そうでしょ、ちゃんと両手で抱っこしないと」
シロエ 「待って下さい、そうなるとイライザさんも…」
お焼香はパスになりますよね、とシロエ君が顎に当てる手。
シロエ 「お線香、二人分をプラスな勘定でしょうか?」
サム 「かもなあ、お寺用のデカい線香をよ…」
ジョミー「二本も増やせば、煙も半端ないかもね…」
抹香臭さの方もアップで…、とジョミー君が竦める肩。
ジョミー「やっぱり、気分はスモークだよ…」
キース 「ソレに近いかもしれないな…」
サム 「線香多めで、煙多めなイベになるのな…」
赤ちゃんが生まれたイベなのによ、とサム君の苦笑い。
サム 「ノートまで抹香臭くなる家は、凄すぎるぜ…」
キース 「煙には違いないんだが、線香ではない」
一同 「「「えっと…?」」」
キース 「煙の話だ」
スモークと言えないこともない、と真顔ですけど。
煙ですよね?
2025/03/12 (Wed)
☆赤ん坊でも出来る
雛祭りが済んだ週の土曜日、生徒会長宅で過ごす御一同様。
シャングリラ学園には無い雛祭りイベ、其処から祝日の話。
サム 「線香じゃねえなら、お香なのかよ?」
キース 「その通りだが?」
シロエ 「でも、キース先輩も、イライザさんも…」
お焼香は出来ないのでは、とシロエ君の問い。
シロエ 「スウェナ先輩も言いましたけど、危険すぎです」
サム 「それとも、寺じゃ気にしねえのかよ?」
ジョミー「修行と同じで、クリアするしかないって?」
お寺だしね、とジョミー君も。
ジョミー「そのくらい出来ないと、お寺のお嫁さんは…」
サム 「務まらねえってか?」
キース 「違う、どちらかと言えば、むしろ逆だな」
両手はきちんと空いている、とキース君。
キース 「ついでに、赤ん坊でも出来るイベでだ…」
一同 「「「ええっ!?」」」
生まれたての赤ちゃんでもか、と誰もがポカーン。
シロエ 「煙だけでもキツそうですけど…」
ジョミー「第一、どうやって覚えるのさ…」
ぼくでも所作を覚えられないのに、とジョミー君。
ジョミー「お焼香とか、赤ん坊にはハードル高いよ…」
シロエ 「お菓子で釣るにも、小さすぎますし…」
キース 「まあ、母親か誰かの手は要るんだが…」
要は抱っこで越えるだけだ、と謎な発言。
キース 「煙の中をくぐりさえすれば、それで終わりで…」
ジョミー「まさか、香炉の上にかざすわけ!?」
サム 「マジでスモークコースじゃねえかよ!」
赤ん坊を香炉で燻すなんてよ、とサム君の引き攣った顔。
サム 「可哀相すぎるぜ…」
シロエ 「お香の煙でむせそうですよ…」
お寺に生まれなくて良かったです、とシロエ君、ガクブル。
シロエ 「まさか、スモークされるだなんて…」
キース 「くぐるんだから、一瞬だけだ」
一同 「「「一瞬?」」」
キース 「ああ。本堂に入る直前、お香の煙を…」
くぐればいいという仕組みだな、と説明ですけど。
どうやって…?
2025/03/13 (Thu)
☆特別な時だけ登場
雛祭りが終わった週の土曜日、生徒会長宅に集う御一同様。
シャングリラ学園には無い雛祭りイベ、その話から祝日へ。
サム 「お香の煙って、本堂の前に線香立てはねえぜ?」
シロエ 「特別なイベだと言ってましたし、その日だけ…」
出して来るんじゃないでしょうか、とシロエ君。
シロエ 「お寺によっては、大きいのを置いていますから」
スウェナ「煙を浴びたい人が集まる、アレよね」
ジョミー「元老寺にも、実はあったわけ?」
特別な時だけの登場で…、とジョミー君も。
ジョミー「人生の節目の時しか出さないとか?」
キース 「いや、大きさは普通なんだが…」
それに線香ではなくて、お香だ、とキース君の苦笑い。
キース 「象香炉と言って、象の形をしている香炉で…」
サム 「そんなの、俺は見たことねえけど?」
キース 「特別な時しか出さないからな」
だが、専用の香炉なんだ、とキース君の説明が。
キース 「お堂の入口に置いて、その上を跨ぐためので…」
一同 「「「は?」」」
キース 「香炉を跨いで通れば、自然と煙をくぐれるし…」
清めになるという仕組み、と手で作ってみせる大きさ。
キース 「サイズ的には、こんなものだな」
サム 「お焼香用の香炉よりかは、デカいよな…」
シロエ 「でも、跨いで通れるサイズではありますね…」
赤ちゃんを抱いていてもいけそうです、とシロエ君。
シロエ 「躓いて転ぶ心配は無さそうですし…」
キース 「俺も、そいつで清められてから、本堂で…」
生まれましたの報告だった、とキース君、回想モード。
キース 「もっとも、記憶は残っていないんだが…」
??? 「その程度なら普通だよ!」
あるあるだし、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「成人検査で消されたわけじゃないしね!」
キース 「あんた、何しに現れたんだ!?」
Aブルー「さっきの祝日の話だってば!」
ちょうどいいしね、と親指を立ててますけど。
なんで祝日…?
2025/03/14 (Fri)
☆別の世界にも祝日
雛祭りが済んだ週の土曜ですけど、生徒会長宅に集う面々。
シャングリラ学園には無い雛祭りイベ、祝日の話な方向へ。
キース 「そう言われても、あんたの世界の祝日なんぞ…」
シロエ 「聞いたことさえ無いですよね?」
あるんですか、とシロエ君の質問が。
シロエ 「機械が記憶を消すような世界じゃ、祝日も…」
サム 「あるような気がしねえよな…」
Aブルー「あのねえ…」
君たち、考えたことがあるのかい、とソルジャーの溜息。
Aブルー「クリスマスは、ぼくもこっちに来てるけど…」
キース 「もしかして、クリスマスは祝日なのか?」
Aブルー「そうじゃないけど、近い感じではあるね」
休みになってる人も多いし、という答え。
Aブルー「本物の祝日、すぐに来るから」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「ぼくの船でも、其処はお祭り騒ぎだけど?」
ニューイヤーでさ、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「年末年始は、成人検査とかも休みなんだよ?」
一同 「「「あー…」」」
そういえば…、と誰もが思い出す、別の世界の事情。
シロエ 「敵も味方も無いんでしたね…」
Aブルー「そもそも、出会わない仕様だってば!」
人類軍の船も来ないからね、とソルジャー、親指をグッと。
Aブルー「成人検査をやっていないし、こっちからもさ…」
キース 「行く理由が無いというわけか…」
Aブルー「ピンポーン!」
つまり祝日はあるってね、とソルジャーが指すカレンダー。
Aブルー「春分とかは、やっていないけど…」
シロエ 「それは、暦が星の数だけあるからですね?」
Aブルー「うん。ニューイヤーは、地球の標準時で…」
計算している新年なんだよ、と説明が。
Aブルー「そんなヤツより、地球ならではの祝日をさ…」
キース 「満喫したいと言うんだな?」
Aブルー「そう! 君たちが言ってた、年に二回の…」
シロエ 「待って下さい!」
まさか春分と秋分なのでは、と焦ってますけど。
お彼岸…。
2025/03/15 (Sat)
☆正装だった場合
節分は七福神巡りでお寺へ、迷惑な人たちが来るのも恒例。
それをキース君に丸投げ、ソルジャーも文句は無いそうで。
Aブルー「悪目立ちするって、行先はお寺なのに?」
A船長 「同業者の方が、揃っておられますが?」
キース 「だが、服装が違い過ぎるんだ!」
あちらは作務衣と略式だぞ、とキース君の反論。
キース 「お袈裟まで着けている人を、見たとでも?」
シロエ 「言われてみれば、そうかもですね…」
サム 「七福神様のトコにいる人、輪袈裟だよなあ?」
それぞれの寺の御住職だぜ、とサム君も。
サム 「本式の袈裟の人は、見たことねえような…」
シロエ 「中でやってる法要の方なら、いるかもですよ」
ジョミー「あー…。豆まきの前に、やるらしいよね」
そっちまでは回っていないからさ…、とジョミー君。
ジョミー「キースが正装で行った場合は、目立つのかも…」
キース 「正解だ。関係者と間違われはしないだろうが…」
見た目の年がコレだからな、とキース君が指す自分の顔。
キース 「とはいえ、何処かの寺から来ているわけで…」
Aブルー「何か問題あるとでも?」
キース 「もしかしたら、外からお参りでは済まなくて…」
お堂に上がる羽目になりそうな気が…、と繰る数珠レット。
キース 「そうなれば、更に悪目立ちで…」
シロエ 「でも、キース先輩だけでしょう?」
ぼくたちは外でいいんですよね、とシロエ君の問い。
シロエ 「お堂だったら、正座が必須ですから…」
ジョミー「嫌すぎるよ、ソレ!」
Aブルー「ぼくも嫌だよ、キースだけかい?」
正座することになるのはさ、とソルジャーも。
Aブルー「法要の時なら、耐えられるけど…」
シロエ 「毎回、巻き込んでくれてますよね…」
節分までは遠慮します、とシロエ君。
シロエ 「正座するのは、誰になるんです?」
キース 「俺にも謎だ」
一同 「「「ええっ!?」」」
まさか正座でお参りなのか、と引いてますけど。
謎だと…?
2025/02/16 (Sun)
☆行くまでは謎
節分はお寺で七福神巡り、今年も避けられなかったわけで。
迷惑な人たちをキース君に丸投げ、それでいけそうなのに。
シロエ 「謎というのは、何故なんですか?」
サム 「同じ寺だし、分かるんじゃねえのかよ?」
違う宗派の寺にしたって、とサム君の指摘。
サム 「座禅の寺には違いねえけど…」
スウェナ「お堂に上がるかどうかも、違ってくるわけ?」
座禅だけに…、とスウェナちゃんが傾げる首。
スウェナ「だけど、座禅が必須とかじゃないでしょ?」
シロエ 「ですよね、それだと困る人たちが多そうで…」
ジョミー「法事の時でも座禅スタイルとか、無理ゲーだよ」
マツカ 「服装自体が、向いていないと思いますけど…」
法事に出るなら喪服ですし、とマツカ君も。
マツカ 「座禅が出来る服じゃないです」
サム 「スーツのズボンが破れそうだぜ…」
スウェナ「男はいいけど、女性の場合はどうなるのよ?」
喪服はスカートが正式だわよ、とスウェナちゃん。
スウェナ「スカートで座禅の座り方は、いくら何でも…」
シロエ 「酷いなんてレベルじゃありませんよね…」
マツカ 「ぼくも、そのように思いますから…」
お堂に上がるなら正座でしょうね、とマツカ君の見解。
マツカ 「座り方だけは、座禅よりマシな気がします」
ジョミー「マシかもだけど、正座なんだよ?」
Aブルー「足が痺れて痛くなるヤツで…」
お堂に上がるかどうかは、重要だよ、とソルジャーの言。
Aブルー「プロなのに謎とか、有り得ないから!」
シロエ 「それとも、キース先輩の勉強不足ですか?」
キース 「違う、向こうの気持ち次第で…」
どう転ぶかが謎なだけだ、とキース君が繰る数珠レット。
キース 「皆さんで上がってお参りを、と言われるか…」
シロエ 「代表の方だけ中へどうぞ、かが謎なんですね?」
キース 「そういうことだ、まるで分からん」
一同 「「「あー…」」」
出たトコ勝負というヤツか、と納得の理由。
確かに謎…。
2025/02/17 (Mon)
☆門の外で待てば
節分は七福神巡りでお寺へ、迷惑な人たちも来るのが恒例。
それをキース君に丸投げしたのに、巻き添えを食らいそう。
シロエ 「あのですね…。その場で臨機応変に…」
ジョミー「何をするわけ?」
シロエ 「他人のふりというヤツですよ」
お堂に上がるパターンだったら、とシロエ君の案。
シロエ 「キース先輩は、あくまで単独行動で…」
サム 「俺たちは、たまたま近くにいただけってか?」
スウェナ「いけそうだわね、行列とかでもそうなんだもの」
前後の人と一緒に来たとは限らないわ、とスウェナちゃん。
スウェナ「次の方どうぞ、で何人動くかは不明だわよ」
ジョミー「そっか、キースが上がる羽目になっても…」
サム 「知らん顔でいれば、いいってことな?」
シロエ 「そうなりますね、回れ右でもいいくらいです」
サッサとお参りしてしまって…、とシロエ君が推すコース。
シロエ 「門の外まで出れば、中から見えませんから…」
サム 「外でキースを待つだけかよ」
ジョミー「どうせ寒いの、変わらないしね」
ソレで行こう、とジョミー君、親指をグッと。
ジョミー「あっ、バスが来たから、キースはさ…」
Aブルー「分かった、瞬間移動で送るから!」
いい袈裟を選んでくれたまえ、と青いサイオンがキラリ。
Aブルー「はい、送った!」
A船長 「正装に着替えて、お寺で合流ですね」
御利益が増えるのが嬉しいですよ、とキャプテンの笑顔。
A船長 「では、乗りましょうか」
Aブルー「うんっ! …あれっ?」
いつもの席が空いてないよ、とソルジャーの目が真ん丸に。
Aブルー「一番後ろの、広い席がさ…」
A船長 「本当ですね…」
待っている内に空くでしょうか、とキャプテンも困り顔。
A船長 「あの席でないと、いつもの座り方が…」
Aブルー「出来ないんだけど…」
シロエ 「諦めるしかないでしょうね」
Aブルー「そんな…!」
バスの御利益を逃しそうだよ、と言ってますけど。
諦めるしか…。
2025/02/18 (Tue)
☆空いていない席
節分はお寺で七福神巡り、今年も避けられなかったわけで。
迷惑な人たちと路線バスで出発、其処で想定外の事態発生。
Aブルー「諦めるしかないって、どうしてさ?」
A船長 「待っていれば、その内に空きそうですよ」
なにしろ路線バスですから、とキャプテンは空くのを期待。
A船長 「それまでは、他の座席で我慢しましょう」
Aブルー「そうだね、お寺に着くまでに空きさえすれば…」
シロエ 「残念ですけど、空かないでしょうね」
座っている人たちを、ちゃんと見て下さい、とシロエ君。
シロエ 「何処から見たって、ご老人の団体様です」
サム 「近くの座席も、同じ団体みたいだぜ?」
ジョミー「老人会で、揃ってお出掛けかな?」
シロエ 「ええ、多分。でもって、今日は節分ですし…」
行先は、きっと同じですよ、とシロエ君が言った所で。
老人A 「今年は豆まきの時間まで、いようと思うんじゃ」
老人B 「いいですなあ、福豆を授かって帰れますし」
老人C 「帰りに、その辺で、早めの晩飯も良さそうで…」
老人D 「ちょっと一杯、頂いて温まって…」
ゆっくり家路に着くとしますか、と賑やかに始まった相談。
老人A 「どうですかな、そっちの皆さん方は?」
老人E 「大いに賛成、恵方巻も食えますしな」
老人F 「その案でいいと思いますぞ」
老人A 「では、これで決まりでよろしいな?」
老人一同「「「さんせーい!」」」
帰りに一杯、と盛り上がっている御老人たち。
シロエ 「どうです、言った通りでしょう?」
Aブルー「そ、そんな…!」
A船長 「バスで御利益を頂くどころか…」
Aブルー「乗って行くだけ…?」
酷すぎる、と嘆いてみても、席は空かないわけでして。
Aブルー「仕方ないよね、空いている席に座るしか…」
A船長 「その分、キースに期待ですよ」
Aブルー「全力でお参りして貰うしか…」
A船長 「きっと効きます!」
合流出来たら運が向きます、と慰めてますけど。
どうだか…。
2025/02/19 (Wed)
☆いないとツキが
節分は七福神巡りでお寺へ、路線バスで行くのが毎年恒例。
後部座席でソルジャー夫妻が座る方法も、お約束ですけど。
シロエ 「当たりでしたね、今年は」
ジョミー「あの座り方だけは、嫌すぎるしね…」
キャプテンの膝に、ソルジャーが座ってゆくスタイル。
ジョミー「あそこの席が埋まっていたら、出来ないしさ」
サム 「マジで俺たち、ツイてるよな」
シロエ 「キース先輩、いませんしね」
一同 「「「は?」」」
ソレとどういう関係があると、と誰もがキョトン。
スウェナ「キースがいないと、得をするとかあるかしら?」
サム 「七福神巡りに行ったら、正座の危機だぜ?」
ジョミー「キースが法衣を着て来るせいだよ?」
ちっともツイていないんだけど、とジョミー君が傾げる首。
ジョミー「いない今だけ、お得だとか?」
シロエ 「いえ、此処にいないというのがいいんですよ」
なにしろ厄病仏ですから、とシロエ君が立てる人差し指。
シロエ 「いないだけでも、厄を持ち込む心配がですね…」
サム 「あー、要らねえって理屈なのな!」
シロエ 「そうなんです。お蔭で、バスの座席の方も…」
あんな具合に埋まりましたよ、と解説が。
シロエ 「此処から先も、合流するまでは大丈夫そうです」
一同 「「「イイネ!」」」
いっそ合流するのも無しで、と盛り上がるわけで。
ジョミー「どうせ、他人のふりをするかもなんだし…」
サム 「最初から無視でスルーだってか?」
シロエ 「ぼくたちだけで、行っちゃいますか?」
福笹を頂いたら直ぐに、大急ぎで、とシロエ君。
シロエ 「お参りは省略出来ませんけど…」
スウェナ「急ぎ足禁止とは、書いてないわよね」
サッサと済ませちゃいましょうよ、とスウェナちゃんも。
スウェナ「キースがいないと、ツイてるわけだもの」
Aブルー「困るんだけど!」
A船長 「皆さんも、どうぞご一緒に!」
揃ってお参りしてこそです、と言われましても。
ソレが迷惑…。
2025/02/20 (Thu)
☆ついて来るだけで
節分はお寺で七福神巡り、行きの路線バスで起こった事件。
後部座席が埋まっていたため、ソルジャー夫妻の福がパア。
Aブルー「頼むよ、バスの中では、この有様で…」
A船長 「福を逃してしまいましたし、その分、余計に…」
七福神様にお願いしたいわけです、とキャプテンの言。
A船長 「やはり面子が揃っていないと、厳しいかと…」
Aブルー「誠意をお見せしないとさ…」
キースだけでは足りないかも、とソルジャーも必死の形相。
Aブルー「ついて来てくれるだけで、充分だから!」
A船長 「お願い事を叫んでくれとは、申しませんから」
この通りです、とキャプテン、土下座せんばかり。
A船長 「来て下さったら、嬉しいのですが…」
Aブルー「ホントに、それでオッケーだってば!」
顔ぶれさえ例年通りになるのなら、と揃ってペコペコ。
A船長 「どうか、皆さん、ご一緒に…」
Aブルー「お参りに行って欲しいんだけど…」
シロエ 「あのですね…。ぼくたちは、今はツイていて…」
ジョミー「多分、キースがいないからでさ…」
このままツイてツキまくりたいよ、とジョミー君。
ジョミー「一緒に行っても、ツキが落ちるだけで…」
サム 「回って来るとは思えねえしよ」
Aブルー「そう言われても…!」
A船長 「なんとか、お願い出来ませんでしょうか…」
出来ることなら致しますので、とキャプテンも真剣でして。
A船長 「帰り道に、何か奢らせて頂いても…」
シロエ 「ぼくたちの方には、マツカ先輩がいますから…」
節分限定の食事も出来るわけです、とシロエ君の反論。
シロエ 「マツカ先輩、高級店でも行けますよね?」
マツカ 「お得意様向けの枠なら、あると思います」
思い立った時の飛び込み用に、とマツカ君。
マツカ 「何処にしますか?」
Aブルー「待ってよ、ぼくたちがババを引き受けるから!」
A船長 「何ですって!?」
ババというのは、とキャプテンが青ざめてますけど。
何がババ…?
2025/02/21 (Fri)
☆ババを引きたい人
節分は七福神巡りでお寺へ、迷惑な人たちと一緒ですけど。
行きのバスでの嫌すぎる座り方は、回避出来たわけでして。
Aブルー「ババと言ったら、そのままだけど?」
A船長 「そんなの引いたら、福を逃すじゃないですか!」
ババなんですし、とキャプテンの悪い顔色。
A船長 「七福神巡りに行く意味が無いですよ!」
Aブルー「その点だったら大丈夫! むしろ、逆にさ…」
福をドッサリ呼び込めるかもね、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「他のみんなに分けはしないで、二人占めで!」
一同 「「「二人占め?」」」
なんだソレは、と顔を見合わせる御一同様。
A船長 「あの…。二人占めとは、何のことです?」
Aブルー「ぼくと君とで二人いるから、二人占めだよ!」
一人占めとは違ってね、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「なにしろ、ババを引き受けるんだし!」
A船長 「ババで福など、呼べるんですか?」
Aブルー「普通のババとは、別物だから!」
ぼくと君とは、座るだけだよ、とソルジャーが立てる親指。
Aブルー「中へどうぞ、と言われた時にね!」
一同 「「「あっ!?」」」
もしかして…、と閃いた面々。
シロエ 「お堂に上がる羽目になったら、ですか?」
Aブルー「ピンポーン!」
ぼくとハーレイだけで、お堂へね、とソルジャーの説明。
Aブルー「君たちは、さっき相談していた通りにさ…」
サム 「他人のふりして、行っちまったらいいわけな?」
Aブルー「そう! 門の外に出て待っててくれれば…」
それでオッケー! とソルジャーが出して来た案。
Aブルー「正直、正座は嫌なんだけどね…」
A船長 「御利益を沢山、頂けそうではありますね」
他の皆さんが来ない分だけ、とキャプテンも乗り気。
A船長 「そのババ、喜んで引きますとも!」
Aブルー「そうだろう? 他のみんなは?」
一同 「「「イイネ!」」」
是非ともババを引いて下さい、と一致した意見。
ババは正座…。
2025/02/22 (Sat)
☆聞かれたらヤバい
節分はお寺で七福神巡り、行きの路線バスで決まった方針。
お堂に上がる羽目になったら、ソルジャー夫妻だけが同行。
シロエ 「正座しないで済むのは、助かりますよ」
ジョミー「しかも自分から言ってくれたしさ…」
サム 「今年の俺たち、ツイてるぜ!」
行く前から福が来てるしよ、とサム君も嬉しそうな顔。
サム 「もっと沢山、来てくれねえかな」
スウェナ「欲張らない方が、いいんじゃないかしら…」
キースが許してくれるかしらね、とスウェナちゃん。
スウェナ「だってそうでしょ、キースだけがババだもの」
シロエ 「どういう意味です?」
スウェナ「キースは、法衣で来る羽目になって…」
其処の二人を引率なのよ、とスウェナちゃんの冷静な分析。
スウェナ「他人のふりして逃げるコースも、筒抜けで…」
一同 「「「あっ!」」」
二人しか行かない時点でバレる、と誰もが顔面蒼白。
シロエ 「そ、そうでした…!」
ジョミー「お前たち、どうして来ないんだ、って…」
サム 「あいつ、聞くよな、絶対に…」
Aブルー「その辺は、君たちの運次第かな…」
聞かれた場合は、ぼくが正直に…、とソルジャーの笑み。
Aブルー「ぼくたちがババを引き受けました、と…」
シロエ 「喋る気、満々なわけですね…」
Aブルー「ピンポーン!」
聞かれない方に賭けるしかないね、とニコニコと。
Aブルー「あっ、そろそろかな?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 次のバス停だよ!」
Aブルー「オッケー、キースの着替えも済んでるし…」
着いたら瞬間移動で呼んで合流、と親指をグッ。
Aブルー「次、降りまーす!」
A船長 「降車ボタンは、コレでしたよね」
キャプテンがボタンを押すまでもなく、ご老人たちが。
老人A 「さて、次じゃ」
老人B 「福をしっかり頂かんと」
Aブルー「あの席、欲しかったんだけどなあ…」
A船長 「福ならババで来ますから!」
山ほど頂いて帰りましょう、と笑顔ですけど。
どうなる…?
2025/02/23 (Sun)
☆請求額だけで充分
節分は七福神巡りでお寺へ、路線バスで到着した御一同様。
法衣で来る羽目になったキース君も、瞬間移動で山門前へ。
Aブルー「今日はよろしく頼むよ、キース!」
A船長 「私からも、よろしくお願い致します」
キース 「まあ、いいが…。お袈裟のクリーニング代は…」
本当に払ってくれるんだろうな、とキース君の念押しが。
キース 「俺が着られる、最高のを選んで来たんだぞ?」
Aブルー「もちろんだよ! 請求書を回してくれたまえ」
キース 「ピッタリの額しか払わない気か?」
先渡しで、釣りはいらないとかは…、とキース君の渋面。
キース 「小遣いは山ほど持ってるくせに…」
Aブルー「アレは、ノルディの貢ぎ物だよ?」
そんなお金でも欲しいのかい、とソルジャーの問い。
Aブルー「エロドクターだっけか、嫌われてるよねえ…」
キース 「うっ…!」
嫌すぎるぞ、とキース君が震わせる肩。
キース 「分かった、請求額だけで充分だ!」
Aブルー「振り込みも、ぼくがしておこうか?」
キース 「そうしてくれ!」
触りたくもない金だからな、とキース君の引き攣った顔。
キース 「行くぞ、お参りするんだろう?」
Aブルー「そうだね、福笹、ゲットして来る!」
A船長 「絵馬に書くのは、いつものですね?」
Aブルー「夫婦和合に決まってるよ!」
キースも頼んでくれるしね、と急いで福笹ゲットでして。
Aブルー「はい、書けた! 準備オッケー!」
A船長 「私の絵馬も出来上がりました」
Aブルー「他のみんなは?」
シロエ 「福笹の絵馬は飾りですから、書きません!」
干支の絵だけでいいんですし、とシロエ君。
シロエ 「キース先輩、そうですよね?」
キース 「ああ。みんな、福笹は持ったようだな」
では行くぞ、と法衣でスタスタ。
Aブルー「いいねえ、福をドッサリ呼べそうだよ!」
A船長 「プロのお坊さんなのが、有難いですね」
本職ですから、と喜んでいる人たちですけど。
効果は…?
2025/02/24 (Mon)
☆誤魔化せたババ
節分はお寺で七福神巡り、福笹を頂いて、いよいよお参り。
法衣のキース君が先頭に立って、まずは最初の所の境内へ。
Aブルー「お堂の中に入れるトコかな?」
A船長 「入りたいんですか? ババで正座ですよ」
福笹を持った人たちの会話で、キース君が振り返った背後。
キース 「おい。ババというのは、何の話だ?」
一同 (((ヤバい…)))
正座させられる以前にバレるヤツだ、と一同、顔面蒼白。
キース 「お前たちも、顔色が悪いようだが?」
シロエ 「いいえ、何でもありません!」
Aブルー「そうだよ、内輪の話だからね」
ハーレイと御利益二人占めだし、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「君は気にしないでくれたまえ」
キース 「ババで正座と聞こえたが?」
A船長 「私個人の話なんです、慣れてませんから」
法要には来ていませんので、とキャプテンが出した助け舟。
A船長 「キツイ座り方なのは、存じておりますし…」
キース 「なるほどな。個人的にババだ、と」
A船長 「はい…。不甲斐ないとは思うのですが…」
Aブルー「御利益のためなら、ババでも我慢だってば!」
正座でオッケー! とソルジャーが突き上げる拳。
Aブルー「福をドッサリ呼び込みたいしね!」
キース 「言い方が悪いと思うんだが…」
まあいいだろう、とキース君、納得した模様。
キース 「行くぞ、ご住職がお待ちかねのようだしな」
一同 「「「はいっ!」」」
出来れば外からお参りで、と受付の方へ。
受付の人「はい、どうぞ。こちらがお札ですので…」
Aブルー「福笹に結べばいいんだよね?」
住職 「そうです、お好きな所にどうぞ」
ところで…、と住職の視線がキース君に。
住職 「こちらの皆さんは、お連れ様ですか?」
キース 「お参りしたい、と頼まれましたので」
住職 「それでわざわざ、お袈裟まで、と…」
キース 「そうなんです」
失礼があってはいけませんから、と深々とお辞儀。
この後は…?
2025/02/25 (Tue)
☆バレた顔ぶれ
七福神巡りがスタートですけど、最初のお寺で住職が登場。
法衣のキース君がお辞儀で、其処から先が気になるわけで。
住職 「左様でしたか、璃母恩院の方のお寺からですね」
キース 「はい。こちらに比べて、緩いですから…」
この髪型で失礼します、とキース君が繰る本式の長い数珠。
キース 「御本尊様に、お参りさせて頂きますので…」
住職 「ありがとうございます。よろしかったら…」
お堂の方へ、と住職、合掌。
住職 「お経が違うくらいは、全く問題ございません」
キース 「ご厚意、有難くお受け致します」
では、とキース君が振り返る、後ろの面々。
キース 「お堂に上げて頂けるそうで、皆さんは…」
シロエ 「外の方からお参りですね」
住職 「そう仰らずに、皆様もどうぞ」
お連れ様はお二人とばかり…、と住職が見回す顔ぶれ。
住職 「そちらの、小さなお子様も、お連れ様で?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ いつも来てるよ!」
節分の日は七福神巡り! と飛び跳ねる無邪気なお子様。
住職 「なるほど、それは気が付きませんで…」
ぶるぅ 「ううん、ちっとも!」
住職 「いい子ですなあ、是非、中に入ってお参りを…」
ぶるぅ 「ありがとう! みんな、行こうよ!」
お堂だって、と大喜びで元気一杯に声掛け。
ぶるぅ 「シロエもジョミーも、みんな行けるし!」
一同 (((うわー…)))
なんてこったい、と誰もが内心、泣きそうな展開。
ぶるぅ 「早く、早くぅーっ!」
住職 「遠慮なさらず、おいで下さい」
一同 (((…最悪…)))
しかも、ぶるぅ、と文句の言いようもない御一同様。
キース 「どうした、何を固まっているんだ?」
シロエ 「いえ、有難すぎる話ですから…」
Aブルー「本当にね! お堂だってさ、御利益たっぷり!」
住職 「福を沢山頂いて、お帰り下さいね」
キース 「感謝いたします」
皆も失礼が無いように、と念を押してますけど。
お堂コース…。
2025/02/26 (Wed)
☆福豆だそうです
七福神巡りを始めた最初のお寺で、お堂に上がるコースに。
しかも「そるじゃぁ・ぶるぅ」が大喜びで、回避は不可能。
住職 「こちらの方から、お上がり下さい」
キース 「恐れ入ります」
住職 「なんの、このくらいはさせて頂きませんと」
せっかくのお参りですからな、と住職の人のいい笑顔。
住職 「では、私は受付の方へ戻りますので…」
キース 「すみません、お手間をお掛けしました」
住職 「いえいえ、お帰りの際には、お声掛けを」
福豆を御用意いたしますので、とニコニコと。
Aブルー「えっ、福豆!?」
住職 「本来でしたら、豆まきの法要の方で…」
手に入れて頂くしかないのですが、と説明が。
住職 「しかし、毎年、奪い合いでして…」
キース 「そう聞いております、時間も午後ですし…」
毎年、その前に帰っておりまして、とキース君、お詫び。
キース 「いるべきだとは思うのですけれど…」
住職 「いやいや、寒いですからなあ…」
お帰りになるのが賢明ですよ、と住職も苦笑する寒さ。
住職 「それでは、ごゆっくり、お参りを」
キース 「ありがとうございます」
合掌し合って一礼の後、住職は戻ってゆきまして。
キース 「行くぞ、お堂でお参りだしな」
シロエ 「そのようですね…」
サム 「なんで連れだとバレるんだよ…」
ジョミー「ぶるぅに言われちゃ、どうしようもさ…」
逃げるわけにもいかないし、とジョミー君、泣きそう。
ジョミー「せめて、お経は短めで…」
キース 「省略したなら、すぐにバレるぞ」
サム 「マジかよ、宗派が違うんだぜ?」
キース 「基本の部分は共通だしな」
すっ飛ばしたらバレる仕様だ、とキース君の睨み。
キース 「分かったら上がって、サッサと座れ!」
一同 「「「はーい…」」」
Aブルー「福豆だってさ、有難いねえ…」
A船長 「特別に下さるわけですし…」
福が来るのは間違いないです、と喜んでますけど。
正座でお参り…。
2025/02/27 (Thu)
☆福を呼べる福豆
七福神巡り、最初のお寺で、お堂コースになった御一同様。
しかも「そるじゃぁ・ぶるぅ」が原因、責められない展開。
キース 「よし、座ったな。では、始めるぞ」
Aブルー「お経も、福が来るように、全力でね!」
キース 「璃母恩院のメンツにかけても、失敗は出来ん」
多少、勝手が違うんだがな、と言いつつ、お経スタートで。
キース 「願我~心浄~ 如香炉~…」
一同 (((此処から先が長いんだ…)))
足が痺れる、と思っても無駄で、ようやく締めの部分に。
キース 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
一同 (((やっと終わりだ…)))
法話が無い分、少しマシかも、と南無阿弥陀仏で読経終了。
キース 「南無阿弥陀仏…。さて、次へ行くとするか」
Aブルー「その前に、福豆を貰わないと…」
あの人だよね、とソルジャー、お堂を出るなり突撃でして。
Aブルー「お参り、終わりました!」
住職 「聞こえてましたよ、いい声の御方ですな」
御本尊様も喜ばれます、と住職が取り出す福豆の袋。
住職 「皆様、お一つずつどうぞ」
一同 「「「ありがとうございます!」」」
正座はともかく福豆は嬉しい、と誰もが大喜び。
キース 「御住職、お世話になりました」
住職 「いえいえ、他の塔頭には負けられません」
うちのが一番効く筈ですぞ、と住職の太鼓判。
住職 「召し上がって福を頂いて下さい」
一同 「「「はいっ!」」」
恵方巻とセットで夜に食べます、と一礼、出発ですけど。
Aブルー「此処のが一番効くよね、きっと!」
キース 「恐らく、何処も自信たっぷりで福豆だろう」
ブルー 「関係者用の枠だし、御祈祷がね…」
より念入りになってる仕様、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「残りも正座で頑張りたまえ」
シロエ 「マジですか…」
キース 「御利益勝負に出るだろうしな」
一同 「「「うわー…」」」
全部お堂か、と嘆いてますけど。
今月、これにて中継終了~。
2025/02/28 (Fri)
節分は七福神巡りでお寺へ、迷惑な人たちが来るのも恒例。
それをキース君に丸投げ、ソルジャーも文句は無いそうで。
Aブルー「悪目立ちするって、行先はお寺なのに?」
A船長 「同業者の方が、揃っておられますが?」
キース 「だが、服装が違い過ぎるんだ!」
あちらは作務衣と略式だぞ、とキース君の反論。
キース 「お袈裟まで着けている人を、見たとでも?」
シロエ 「言われてみれば、そうかもですね…」
サム 「七福神様のトコにいる人、輪袈裟だよなあ?」
それぞれの寺の御住職だぜ、とサム君も。
サム 「本式の袈裟の人は、見たことねえような…」
シロエ 「中でやってる法要の方なら、いるかもですよ」
ジョミー「あー…。豆まきの前に、やるらしいよね」
そっちまでは回っていないからさ…、とジョミー君。
ジョミー「キースが正装で行った場合は、目立つのかも…」
キース 「正解だ。関係者と間違われはしないだろうが…」
見た目の年がコレだからな、とキース君が指す自分の顔。
キース 「とはいえ、何処かの寺から来ているわけで…」
Aブルー「何か問題あるとでも?」
キース 「もしかしたら、外からお参りでは済まなくて…」
お堂に上がる羽目になりそうな気が…、と繰る数珠レット。
キース 「そうなれば、更に悪目立ちで…」
シロエ 「でも、キース先輩だけでしょう?」
ぼくたちは外でいいんですよね、とシロエ君の問い。
シロエ 「お堂だったら、正座が必須ですから…」
ジョミー「嫌すぎるよ、ソレ!」
Aブルー「ぼくも嫌だよ、キースだけかい?」
正座することになるのはさ、とソルジャーも。
Aブルー「法要の時なら、耐えられるけど…」
シロエ 「毎回、巻き込んでくれてますよね…」
節分までは遠慮します、とシロエ君。
シロエ 「正座するのは、誰になるんです?」
キース 「俺にも謎だ」
一同 「「「ええっ!?」」」
まさか正座でお参りなのか、と引いてますけど。
謎だと…?
2025/02/16 (Sun)
☆行くまでは謎
節分はお寺で七福神巡り、今年も避けられなかったわけで。
迷惑な人たちをキース君に丸投げ、それでいけそうなのに。
シロエ 「謎というのは、何故なんですか?」
サム 「同じ寺だし、分かるんじゃねえのかよ?」
違う宗派の寺にしたって、とサム君の指摘。
サム 「座禅の寺には違いねえけど…」
スウェナ「お堂に上がるかどうかも、違ってくるわけ?」
座禅だけに…、とスウェナちゃんが傾げる首。
スウェナ「だけど、座禅が必須とかじゃないでしょ?」
シロエ 「ですよね、それだと困る人たちが多そうで…」
ジョミー「法事の時でも座禅スタイルとか、無理ゲーだよ」
マツカ 「服装自体が、向いていないと思いますけど…」
法事に出るなら喪服ですし、とマツカ君も。
マツカ 「座禅が出来る服じゃないです」
サム 「スーツのズボンが破れそうだぜ…」
スウェナ「男はいいけど、女性の場合はどうなるのよ?」
喪服はスカートが正式だわよ、とスウェナちゃん。
スウェナ「スカートで座禅の座り方は、いくら何でも…」
シロエ 「酷いなんてレベルじゃありませんよね…」
マツカ 「ぼくも、そのように思いますから…」
お堂に上がるなら正座でしょうね、とマツカ君の見解。
マツカ 「座り方だけは、座禅よりマシな気がします」
ジョミー「マシかもだけど、正座なんだよ?」
Aブルー「足が痺れて痛くなるヤツで…」
お堂に上がるかどうかは、重要だよ、とソルジャーの言。
Aブルー「プロなのに謎とか、有り得ないから!」
シロエ 「それとも、キース先輩の勉強不足ですか?」
キース 「違う、向こうの気持ち次第で…」
どう転ぶかが謎なだけだ、とキース君が繰る数珠レット。
キース 「皆さんで上がってお参りを、と言われるか…」
シロエ 「代表の方だけ中へどうぞ、かが謎なんですね?」
キース 「そういうことだ、まるで分からん」
一同 「「「あー…」」」
出たトコ勝負というヤツか、と納得の理由。
確かに謎…。
2025/02/17 (Mon)
☆門の外で待てば
節分は七福神巡りでお寺へ、迷惑な人たちも来るのが恒例。
それをキース君に丸投げしたのに、巻き添えを食らいそう。
シロエ 「あのですね…。その場で臨機応変に…」
ジョミー「何をするわけ?」
シロエ 「他人のふりというヤツですよ」
お堂に上がるパターンだったら、とシロエ君の案。
シロエ 「キース先輩は、あくまで単独行動で…」
サム 「俺たちは、たまたま近くにいただけってか?」
スウェナ「いけそうだわね、行列とかでもそうなんだもの」
前後の人と一緒に来たとは限らないわ、とスウェナちゃん。
スウェナ「次の方どうぞ、で何人動くかは不明だわよ」
ジョミー「そっか、キースが上がる羽目になっても…」
サム 「知らん顔でいれば、いいってことな?」
シロエ 「そうなりますね、回れ右でもいいくらいです」
サッサとお参りしてしまって…、とシロエ君が推すコース。
シロエ 「門の外まで出れば、中から見えませんから…」
サム 「外でキースを待つだけかよ」
ジョミー「どうせ寒いの、変わらないしね」
ソレで行こう、とジョミー君、親指をグッと。
ジョミー「あっ、バスが来たから、キースはさ…」
Aブルー「分かった、瞬間移動で送るから!」
いい袈裟を選んでくれたまえ、と青いサイオンがキラリ。
Aブルー「はい、送った!」
A船長 「正装に着替えて、お寺で合流ですね」
御利益が増えるのが嬉しいですよ、とキャプテンの笑顔。
A船長 「では、乗りましょうか」
Aブルー「うんっ! …あれっ?」
いつもの席が空いてないよ、とソルジャーの目が真ん丸に。
Aブルー「一番後ろの、広い席がさ…」
A船長 「本当ですね…」
待っている内に空くでしょうか、とキャプテンも困り顔。
A船長 「あの席でないと、いつもの座り方が…」
Aブルー「出来ないんだけど…」
シロエ 「諦めるしかないでしょうね」
Aブルー「そんな…!」
バスの御利益を逃しそうだよ、と言ってますけど。
諦めるしか…。
2025/02/18 (Tue)
☆空いていない席
節分はお寺で七福神巡り、今年も避けられなかったわけで。
迷惑な人たちと路線バスで出発、其処で想定外の事態発生。
Aブルー「諦めるしかないって、どうしてさ?」
A船長 「待っていれば、その内に空きそうですよ」
なにしろ路線バスですから、とキャプテンは空くのを期待。
A船長 「それまでは、他の座席で我慢しましょう」
Aブルー「そうだね、お寺に着くまでに空きさえすれば…」
シロエ 「残念ですけど、空かないでしょうね」
座っている人たちを、ちゃんと見て下さい、とシロエ君。
シロエ 「何処から見たって、ご老人の団体様です」
サム 「近くの座席も、同じ団体みたいだぜ?」
ジョミー「老人会で、揃ってお出掛けかな?」
シロエ 「ええ、多分。でもって、今日は節分ですし…」
行先は、きっと同じですよ、とシロエ君が言った所で。
老人A 「今年は豆まきの時間まで、いようと思うんじゃ」
老人B 「いいですなあ、福豆を授かって帰れますし」
老人C 「帰りに、その辺で、早めの晩飯も良さそうで…」
老人D 「ちょっと一杯、頂いて温まって…」
ゆっくり家路に着くとしますか、と賑やかに始まった相談。
老人A 「どうですかな、そっちの皆さん方は?」
老人E 「大いに賛成、恵方巻も食えますしな」
老人F 「その案でいいと思いますぞ」
老人A 「では、これで決まりでよろしいな?」
老人一同「「「さんせーい!」」」
帰りに一杯、と盛り上がっている御老人たち。
シロエ 「どうです、言った通りでしょう?」
Aブルー「そ、そんな…!」
A船長 「バスで御利益を頂くどころか…」
Aブルー「乗って行くだけ…?」
酷すぎる、と嘆いてみても、席は空かないわけでして。
Aブルー「仕方ないよね、空いている席に座るしか…」
A船長 「その分、キースに期待ですよ」
Aブルー「全力でお参りして貰うしか…」
A船長 「きっと効きます!」
合流出来たら運が向きます、と慰めてますけど。
どうだか…。
2025/02/19 (Wed)
☆いないとツキが
節分は七福神巡りでお寺へ、路線バスで行くのが毎年恒例。
後部座席でソルジャー夫妻が座る方法も、お約束ですけど。
シロエ 「当たりでしたね、今年は」
ジョミー「あの座り方だけは、嫌すぎるしね…」
キャプテンの膝に、ソルジャーが座ってゆくスタイル。
ジョミー「あそこの席が埋まっていたら、出来ないしさ」
サム 「マジで俺たち、ツイてるよな」
シロエ 「キース先輩、いませんしね」
一同 「「「は?」」」
ソレとどういう関係があると、と誰もがキョトン。
スウェナ「キースがいないと、得をするとかあるかしら?」
サム 「七福神巡りに行ったら、正座の危機だぜ?」
ジョミー「キースが法衣を着て来るせいだよ?」
ちっともツイていないんだけど、とジョミー君が傾げる首。
ジョミー「いない今だけ、お得だとか?」
シロエ 「いえ、此処にいないというのがいいんですよ」
なにしろ厄病仏ですから、とシロエ君が立てる人差し指。
シロエ 「いないだけでも、厄を持ち込む心配がですね…」
サム 「あー、要らねえって理屈なのな!」
シロエ 「そうなんです。お蔭で、バスの座席の方も…」
あんな具合に埋まりましたよ、と解説が。
シロエ 「此処から先も、合流するまでは大丈夫そうです」
一同 「「「イイネ!」」」
いっそ合流するのも無しで、と盛り上がるわけで。
ジョミー「どうせ、他人のふりをするかもなんだし…」
サム 「最初から無視でスルーだってか?」
シロエ 「ぼくたちだけで、行っちゃいますか?」
福笹を頂いたら直ぐに、大急ぎで、とシロエ君。
シロエ 「お参りは省略出来ませんけど…」
スウェナ「急ぎ足禁止とは、書いてないわよね」
サッサと済ませちゃいましょうよ、とスウェナちゃんも。
スウェナ「キースがいないと、ツイてるわけだもの」
Aブルー「困るんだけど!」
A船長 「皆さんも、どうぞご一緒に!」
揃ってお参りしてこそです、と言われましても。
ソレが迷惑…。
2025/02/20 (Thu)
☆ついて来るだけで
節分はお寺で七福神巡り、行きの路線バスで起こった事件。
後部座席が埋まっていたため、ソルジャー夫妻の福がパア。
Aブルー「頼むよ、バスの中では、この有様で…」
A船長 「福を逃してしまいましたし、その分、余計に…」
七福神様にお願いしたいわけです、とキャプテンの言。
A船長 「やはり面子が揃っていないと、厳しいかと…」
Aブルー「誠意をお見せしないとさ…」
キースだけでは足りないかも、とソルジャーも必死の形相。
Aブルー「ついて来てくれるだけで、充分だから!」
A船長 「お願い事を叫んでくれとは、申しませんから」
この通りです、とキャプテン、土下座せんばかり。
A船長 「来て下さったら、嬉しいのですが…」
Aブルー「ホントに、それでオッケーだってば!」
顔ぶれさえ例年通りになるのなら、と揃ってペコペコ。
A船長 「どうか、皆さん、ご一緒に…」
Aブルー「お参りに行って欲しいんだけど…」
シロエ 「あのですね…。ぼくたちは、今はツイていて…」
ジョミー「多分、キースがいないからでさ…」
このままツイてツキまくりたいよ、とジョミー君。
ジョミー「一緒に行っても、ツキが落ちるだけで…」
サム 「回って来るとは思えねえしよ」
Aブルー「そう言われても…!」
A船長 「なんとか、お願い出来ませんでしょうか…」
出来ることなら致しますので、とキャプテンも真剣でして。
A船長 「帰り道に、何か奢らせて頂いても…」
シロエ 「ぼくたちの方には、マツカ先輩がいますから…」
節分限定の食事も出来るわけです、とシロエ君の反論。
シロエ 「マツカ先輩、高級店でも行けますよね?」
マツカ 「お得意様向けの枠なら、あると思います」
思い立った時の飛び込み用に、とマツカ君。
マツカ 「何処にしますか?」
Aブルー「待ってよ、ぼくたちがババを引き受けるから!」
A船長 「何ですって!?」
ババというのは、とキャプテンが青ざめてますけど。
何がババ…?
2025/02/21 (Fri)
☆ババを引きたい人
節分は七福神巡りでお寺へ、迷惑な人たちと一緒ですけど。
行きのバスでの嫌すぎる座り方は、回避出来たわけでして。
Aブルー「ババと言ったら、そのままだけど?」
A船長 「そんなの引いたら、福を逃すじゃないですか!」
ババなんですし、とキャプテンの悪い顔色。
A船長 「七福神巡りに行く意味が無いですよ!」
Aブルー「その点だったら大丈夫! むしろ、逆にさ…」
福をドッサリ呼び込めるかもね、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「他のみんなに分けはしないで、二人占めで!」
一同 「「「二人占め?」」」
なんだソレは、と顔を見合わせる御一同様。
A船長 「あの…。二人占めとは、何のことです?」
Aブルー「ぼくと君とで二人いるから、二人占めだよ!」
一人占めとは違ってね、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「なにしろ、ババを引き受けるんだし!」
A船長 「ババで福など、呼べるんですか?」
Aブルー「普通のババとは、別物だから!」
ぼくと君とは、座るだけだよ、とソルジャーが立てる親指。
Aブルー「中へどうぞ、と言われた時にね!」
一同 「「「あっ!?」」」
もしかして…、と閃いた面々。
シロエ 「お堂に上がる羽目になったら、ですか?」
Aブルー「ピンポーン!」
ぼくとハーレイだけで、お堂へね、とソルジャーの説明。
Aブルー「君たちは、さっき相談していた通りにさ…」
サム 「他人のふりして、行っちまったらいいわけな?」
Aブルー「そう! 門の外に出て待っててくれれば…」
それでオッケー! とソルジャーが出して来た案。
Aブルー「正直、正座は嫌なんだけどね…」
A船長 「御利益を沢山、頂けそうではありますね」
他の皆さんが来ない分だけ、とキャプテンも乗り気。
A船長 「そのババ、喜んで引きますとも!」
Aブルー「そうだろう? 他のみんなは?」
一同 「「「イイネ!」」」
是非ともババを引いて下さい、と一致した意見。
ババは正座…。
2025/02/22 (Sat)
☆聞かれたらヤバい
節分はお寺で七福神巡り、行きの路線バスで決まった方針。
お堂に上がる羽目になったら、ソルジャー夫妻だけが同行。
シロエ 「正座しないで済むのは、助かりますよ」
ジョミー「しかも自分から言ってくれたしさ…」
サム 「今年の俺たち、ツイてるぜ!」
行く前から福が来てるしよ、とサム君も嬉しそうな顔。
サム 「もっと沢山、来てくれねえかな」
スウェナ「欲張らない方が、いいんじゃないかしら…」
キースが許してくれるかしらね、とスウェナちゃん。
スウェナ「だってそうでしょ、キースだけがババだもの」
シロエ 「どういう意味です?」
スウェナ「キースは、法衣で来る羽目になって…」
其処の二人を引率なのよ、とスウェナちゃんの冷静な分析。
スウェナ「他人のふりして逃げるコースも、筒抜けで…」
一同 「「「あっ!」」」
二人しか行かない時点でバレる、と誰もが顔面蒼白。
シロエ 「そ、そうでした…!」
ジョミー「お前たち、どうして来ないんだ、って…」
サム 「あいつ、聞くよな、絶対に…」
Aブルー「その辺は、君たちの運次第かな…」
聞かれた場合は、ぼくが正直に…、とソルジャーの笑み。
Aブルー「ぼくたちがババを引き受けました、と…」
シロエ 「喋る気、満々なわけですね…」
Aブルー「ピンポーン!」
聞かれない方に賭けるしかないね、とニコニコと。
Aブルー「あっ、そろそろかな?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 次のバス停だよ!」
Aブルー「オッケー、キースの着替えも済んでるし…」
着いたら瞬間移動で呼んで合流、と親指をグッ。
Aブルー「次、降りまーす!」
A船長 「降車ボタンは、コレでしたよね」
キャプテンがボタンを押すまでもなく、ご老人たちが。
老人A 「さて、次じゃ」
老人B 「福をしっかり頂かんと」
Aブルー「あの席、欲しかったんだけどなあ…」
A船長 「福ならババで来ますから!」
山ほど頂いて帰りましょう、と笑顔ですけど。
どうなる…?
2025/02/23 (Sun)
☆請求額だけで充分
節分は七福神巡りでお寺へ、路線バスで到着した御一同様。
法衣で来る羽目になったキース君も、瞬間移動で山門前へ。
Aブルー「今日はよろしく頼むよ、キース!」
A船長 「私からも、よろしくお願い致します」
キース 「まあ、いいが…。お袈裟のクリーニング代は…」
本当に払ってくれるんだろうな、とキース君の念押しが。
キース 「俺が着られる、最高のを選んで来たんだぞ?」
Aブルー「もちろんだよ! 請求書を回してくれたまえ」
キース 「ピッタリの額しか払わない気か?」
先渡しで、釣りはいらないとかは…、とキース君の渋面。
キース 「小遣いは山ほど持ってるくせに…」
Aブルー「アレは、ノルディの貢ぎ物だよ?」
そんなお金でも欲しいのかい、とソルジャーの問い。
Aブルー「エロドクターだっけか、嫌われてるよねえ…」
キース 「うっ…!」
嫌すぎるぞ、とキース君が震わせる肩。
キース 「分かった、請求額だけで充分だ!」
Aブルー「振り込みも、ぼくがしておこうか?」
キース 「そうしてくれ!」
触りたくもない金だからな、とキース君の引き攣った顔。
キース 「行くぞ、お参りするんだろう?」
Aブルー「そうだね、福笹、ゲットして来る!」
A船長 「絵馬に書くのは、いつものですね?」
Aブルー「夫婦和合に決まってるよ!」
キースも頼んでくれるしね、と急いで福笹ゲットでして。
Aブルー「はい、書けた! 準備オッケー!」
A船長 「私の絵馬も出来上がりました」
Aブルー「他のみんなは?」
シロエ 「福笹の絵馬は飾りですから、書きません!」
干支の絵だけでいいんですし、とシロエ君。
シロエ 「キース先輩、そうですよね?」
キース 「ああ。みんな、福笹は持ったようだな」
では行くぞ、と法衣でスタスタ。
Aブルー「いいねえ、福をドッサリ呼べそうだよ!」
A船長 「プロのお坊さんなのが、有難いですね」
本職ですから、と喜んでいる人たちですけど。
効果は…?
2025/02/24 (Mon)
☆誤魔化せたババ
節分はお寺で七福神巡り、福笹を頂いて、いよいよお参り。
法衣のキース君が先頭に立って、まずは最初の所の境内へ。
Aブルー「お堂の中に入れるトコかな?」
A船長 「入りたいんですか? ババで正座ですよ」
福笹を持った人たちの会話で、キース君が振り返った背後。
キース 「おい。ババというのは、何の話だ?」
一同 (((ヤバい…)))
正座させられる以前にバレるヤツだ、と一同、顔面蒼白。
キース 「お前たちも、顔色が悪いようだが?」
シロエ 「いいえ、何でもありません!」
Aブルー「そうだよ、内輪の話だからね」
ハーレイと御利益二人占めだし、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「君は気にしないでくれたまえ」
キース 「ババで正座と聞こえたが?」
A船長 「私個人の話なんです、慣れてませんから」
法要には来ていませんので、とキャプテンが出した助け舟。
A船長 「キツイ座り方なのは、存じておりますし…」
キース 「なるほどな。個人的にババだ、と」
A船長 「はい…。不甲斐ないとは思うのですが…」
Aブルー「御利益のためなら、ババでも我慢だってば!」
正座でオッケー! とソルジャーが突き上げる拳。
Aブルー「福をドッサリ呼び込みたいしね!」
キース 「言い方が悪いと思うんだが…」
まあいいだろう、とキース君、納得した模様。
キース 「行くぞ、ご住職がお待ちかねのようだしな」
一同 「「「はいっ!」」」
出来れば外からお参りで、と受付の方へ。
受付の人「はい、どうぞ。こちらがお札ですので…」
Aブルー「福笹に結べばいいんだよね?」
住職 「そうです、お好きな所にどうぞ」
ところで…、と住職の視線がキース君に。
住職 「こちらの皆さんは、お連れ様ですか?」
キース 「お参りしたい、と頼まれましたので」
住職 「それでわざわざ、お袈裟まで、と…」
キース 「そうなんです」
失礼があってはいけませんから、と深々とお辞儀。
この後は…?
2025/02/25 (Tue)
☆バレた顔ぶれ
七福神巡りがスタートですけど、最初のお寺で住職が登場。
法衣のキース君がお辞儀で、其処から先が気になるわけで。
住職 「左様でしたか、璃母恩院の方のお寺からですね」
キース 「はい。こちらに比べて、緩いですから…」
この髪型で失礼します、とキース君が繰る本式の長い数珠。
キース 「御本尊様に、お参りさせて頂きますので…」
住職 「ありがとうございます。よろしかったら…」
お堂の方へ、と住職、合掌。
住職 「お経が違うくらいは、全く問題ございません」
キース 「ご厚意、有難くお受け致します」
では、とキース君が振り返る、後ろの面々。
キース 「お堂に上げて頂けるそうで、皆さんは…」
シロエ 「外の方からお参りですね」
住職 「そう仰らずに、皆様もどうぞ」
お連れ様はお二人とばかり…、と住職が見回す顔ぶれ。
住職 「そちらの、小さなお子様も、お連れ様で?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ いつも来てるよ!」
節分の日は七福神巡り! と飛び跳ねる無邪気なお子様。
住職 「なるほど、それは気が付きませんで…」
ぶるぅ 「ううん、ちっとも!」
住職 「いい子ですなあ、是非、中に入ってお参りを…」
ぶるぅ 「ありがとう! みんな、行こうよ!」
お堂だって、と大喜びで元気一杯に声掛け。
ぶるぅ 「シロエもジョミーも、みんな行けるし!」
一同 (((うわー…)))
なんてこったい、と誰もが内心、泣きそうな展開。
ぶるぅ 「早く、早くぅーっ!」
住職 「遠慮なさらず、おいで下さい」
一同 (((…最悪…)))
しかも、ぶるぅ、と文句の言いようもない御一同様。
キース 「どうした、何を固まっているんだ?」
シロエ 「いえ、有難すぎる話ですから…」
Aブルー「本当にね! お堂だってさ、御利益たっぷり!」
住職 「福を沢山頂いて、お帰り下さいね」
キース 「感謝いたします」
皆も失礼が無いように、と念を押してますけど。
お堂コース…。
2025/02/26 (Wed)
☆福豆だそうです
七福神巡りを始めた最初のお寺で、お堂に上がるコースに。
しかも「そるじゃぁ・ぶるぅ」が大喜びで、回避は不可能。
住職 「こちらの方から、お上がり下さい」
キース 「恐れ入ります」
住職 「なんの、このくらいはさせて頂きませんと」
せっかくのお参りですからな、と住職の人のいい笑顔。
住職 「では、私は受付の方へ戻りますので…」
キース 「すみません、お手間をお掛けしました」
住職 「いえいえ、お帰りの際には、お声掛けを」
福豆を御用意いたしますので、とニコニコと。
Aブルー「えっ、福豆!?」
住職 「本来でしたら、豆まきの法要の方で…」
手に入れて頂くしかないのですが、と説明が。
住職 「しかし、毎年、奪い合いでして…」
キース 「そう聞いております、時間も午後ですし…」
毎年、その前に帰っておりまして、とキース君、お詫び。
キース 「いるべきだとは思うのですけれど…」
住職 「いやいや、寒いですからなあ…」
お帰りになるのが賢明ですよ、と住職も苦笑する寒さ。
住職 「それでは、ごゆっくり、お参りを」
キース 「ありがとうございます」
合掌し合って一礼の後、住職は戻ってゆきまして。
キース 「行くぞ、お堂でお参りだしな」
シロエ 「そのようですね…」
サム 「なんで連れだとバレるんだよ…」
ジョミー「ぶるぅに言われちゃ、どうしようもさ…」
逃げるわけにもいかないし、とジョミー君、泣きそう。
ジョミー「せめて、お経は短めで…」
キース 「省略したなら、すぐにバレるぞ」
サム 「マジかよ、宗派が違うんだぜ?」
キース 「基本の部分は共通だしな」
すっ飛ばしたらバレる仕様だ、とキース君の睨み。
キース 「分かったら上がって、サッサと座れ!」
一同 「「「はーい…」」」
Aブルー「福豆だってさ、有難いねえ…」
A船長 「特別に下さるわけですし…」
福が来るのは間違いないです、と喜んでますけど。
正座でお参り…。
2025/02/27 (Thu)
☆福を呼べる福豆
七福神巡り、最初のお寺で、お堂コースになった御一同様。
しかも「そるじゃぁ・ぶるぅ」が原因、責められない展開。
キース 「よし、座ったな。では、始めるぞ」
Aブルー「お経も、福が来るように、全力でね!」
キース 「璃母恩院のメンツにかけても、失敗は出来ん」
多少、勝手が違うんだがな、と言いつつ、お経スタートで。
キース 「願我~心浄~ 如香炉~…」
一同 (((此処から先が長いんだ…)))
足が痺れる、と思っても無駄で、ようやく締めの部分に。
キース 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
一同 (((やっと終わりだ…)))
法話が無い分、少しマシかも、と南無阿弥陀仏で読経終了。
キース 「南無阿弥陀仏…。さて、次へ行くとするか」
Aブルー「その前に、福豆を貰わないと…」
あの人だよね、とソルジャー、お堂を出るなり突撃でして。
Aブルー「お参り、終わりました!」
住職 「聞こえてましたよ、いい声の御方ですな」
御本尊様も喜ばれます、と住職が取り出す福豆の袋。
住職 「皆様、お一つずつどうぞ」
一同 「「「ありがとうございます!」」」
正座はともかく福豆は嬉しい、と誰もが大喜び。
キース 「御住職、お世話になりました」
住職 「いえいえ、他の塔頭には負けられません」
うちのが一番効く筈ですぞ、と住職の太鼓判。
住職 「召し上がって福を頂いて下さい」
一同 「「「はいっ!」」」
恵方巻とセットで夜に食べます、と一礼、出発ですけど。
Aブルー「此処のが一番効くよね、きっと!」
キース 「恐らく、何処も自信たっぷりで福豆だろう」
ブルー 「関係者用の枠だし、御祈祷がね…」
より念入りになってる仕様、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「残りも正座で頑張りたまえ」
シロエ 「マジですか…」
キース 「御利益勝負に出るだろうしな」
一同 「「「うわー…」」」
全部お堂か、と嘆いてますけど。
今月、これにて中継終了~。
2025/02/28 (Fri)
☆三連休な人たち
さて、2月。初っ端から土曜日で、学校は休みな御一同様。
生徒会長宅で過ごすのが一番、けれど明後日は節分でして。
シロエ 「三連休になっちゃいましたね」
サム 「だよな、今年は日の並びがよ…」
ジョミー「土日を挟んで、節分だしね」
グレイブ先生の嫌味、半端なかったよ、とジョミー君。
ジョミー「欠席届けを出しに行ったら、今年もか、って…」
シロエ 「そりゃ言われますよ、休み続けて長いですから」
マツカ 「休日だった年を除けば、全部、欠席ですからね」
もはや年中行事ですよ、とマツカ君も。
マツカ 「それで、今年は何処にお参りするんでしょう?」
ジョミー「何処がいいかな、毎年、悩んじゃうけどさ…」
シロエ 「行先の方も、縛りが出来ていますしね…」
検討するだけ無駄なのでは…、とシロエ君の深い溜息。
シロエ 「ぼくたちだけなら、変えられますけど…」
サム 「絶対、あいつら、来るんだぜ?」
??? 「ピンポーン!」
大当たり! とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「今年も、いつものトコで頼むよ!」
シロエ 「七福神巡りのお寺ですよね…」
Aブルー「そう! ぼくのハーレイも来る気満々でさ…」
仕事の追い上げ中だよね、とソルジャー、親指をグッと。
Aブルー「特別休暇を取りかったら、頑張らないと!」
サム 「あんただけだと、ダメなのかよ?」
Aブルー「代理で済むようなモノじゃないしさ…」
夫婦揃ってお参りしてこそ、と心掛けだけは殊勝な人。
Aブルー「もしも、ハーレイが休暇を取れなかったら…」
シロエ 「ソルジャー公認で、サボリですか?」
Aブルー「残念ながら、ぼくに、其処までの権限は…」
与えられてはいないんだよ、とソルジャー、残念そう。
Aブルー「乱用するのが見えているから、厳しくってさ…」
一同 「「「あー…」」」
Aブルー「みんな、ホントにうるさくて…」
特にエラが、と名前を挙げてますけど。
そうでしょうねえ…。
2025/02/01 (Sat)
☆代参を頼んだら
今年は2月1日が土曜で、節分は2月3日になりますけど。
節分の時は欠席届けな御一同様、三連休になるわけでして。
シロエ 「こっちの世界でも、エラ先生、厳しいですしね」
サム 「融通が利かねえってトコは、一番だよな…」
ジョミー「グレイブ先生の方が、まだしも理解あるよね…」
遊び心も持っているしさ、とジョミー君。
ジョミー「エラ先生の前じゃ、冗談なんか言えないよ」
Aブルー「やっぱり似て来るモノなんだねえ…」
ぶるぅは全く逆なんだけど…、とソルジャーが竦める肩。
Aブルー「もしも、ぶるぅがいい子だったら…」
ブルー 「節分の代参、頼むのかい?」
Aブルー「頼めるような気がするよ…」
きっと全力で祈ってくれるし、とソルジャー、遠い目。
Aブルー「だけど現実は、祈るどころかパアにしそうで…」
一同 「「「あー…」」」
それはありそう、と頷くしかない御一同様。
シロエ 「お参りの作法からして、守る気しないですよ…」
サム 「柏手とか、打つ気しねえしよ…」
ジョミー「打つと思うよ、ただし、連打で!」
二礼二拍手一礼じゃなくて、とジョミー君が顎に当てる手。
ジョミー「二礼した後、拍手喝采で跳ね回るとかさ…」
シロエ 「やるかもですねえ、ポンポンを持って」
一同 「「「ポンポン?」」」
シロエ 「チアガールが持ってるヤツですよ」
でもって応援モードなんです、とシロエ君の斜め上な発想。
シロエ 「神様に向かって踊りまくって、応援ですね」
サム 「そういう応援、アリなのかよ?」
シロエ 「無いでしょうけど、ぶるぅですから…」
よろしくとばかり、踊りそうです、とクスクス笑い。
シロエ 「パアにするなら、そのくらいの勢いでしょう」
ジョミー「破壊力だけは半端ないよね、ソレ…」
Aブルー「そんな代参、お断りだし!」
シロエ 「普通、そうだと思います」
Aブルー「嫌すぎだよ!」
君たちだけの方が、まだマシ、と言ってますけど。
当然かと…。
2025/02/02 (Sun)
☆ポンポンで応援
今年の2月は1日が土曜で、日曜日を挟んで節分ですけど。
節分は欠席なシャン学メンバー、三連休になる勘定でして。
シロエ 「つまり応援は、お断りなんですね?」
Aブルー「破壊されるなんて、御免だから!」
年に一度のチャンスなのに、とソルジャーが握り締める拳。
Aブルー「夫婦和合をお願い出来るの、節分だけだし!」
シロエ 「分かりました、それじゃ、ぼくたちも…」
別行動にさせて頂きますね、とシロエ君。
シロエ 「でないと、全力で応援ですよ」
Aブルー「えっ!?」
それはどういう…、とソルジャーの問い。
Aブルー「まさか君たちが、ぶるぅみたいに…?」
シロエ 「ポンポンを持って、応援ですけど?」
それでいいなら、ご一緒します、とシロエ君、ニッコリ。
シロエ 「今から作れば間に合いますしね」
Aブルー「嫌すぎだから!」
そんな応援、とソルジャーの悲鳴。
Aブルー「祈願どころか、台無しじゃないか!」
シロエ 「いいえ、ぶるぅじゃないですから…」
破壊する気はありませんよ、とシロエ君の涼しい顔。
シロエ 「どう受け取るかは、神様次第かと」
Aブルー「アウトに決まっているだろう!」
サム 「俺的にも、遠慮しておきたいぜ…」
ポンポンを持って応援とかよ、とサム君もドン引き。
サム 「晒し物だぜ、SNSとかに上げられてよ…」
ジョミー「だよね、でもって拡散だよ…」
スウェナ「やるなら、一人でやりなさいよ!」
シロエが代表でいいじゃないの、とスウェナちゃん。
スウェナ「シロエだけでも、破壊力は充分あるでしょ!」
シロエ 「でもですね…。此処は足並みを揃えないと…」
例年通りに同行ですし、とシロエ君の真剣な表情。
シロエ 「いいですか? 却下されたら、別行動ですよ?」
ジョミー「あっ、そうか、別行動になるんなら…」
シロエ 「応援も何も無いですよね?」
一同 「「「イイネ!」」」
ポンポンを持って応援しよう、と皆が賛成ですけど。
応援…。
2025/02/03 (Mon)
☆断ったら別行動
初日が土曜な今年の2月、節分の日は月曜で三連休な面々。
欠席届けを出せばオッケー、けれど行先が選べないわけで。
Aブルー「君たちの応援、断った時は別行動だって?」
シロエ 「そうなりますけど?」
応援されたら困るんでしょう、とシロエ君、ピシャリと。
シロエ 「行くとなったら、応援させて頂きますから」
サム 「おう、全力で応援だぜ!」
ジョミー「ポンポン、急いで作らないとね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 材料、買いに行って来るよ!」
何色のポンポンがいいのかな、と家事万能なお子様。
ぶるぅ 「お揃いでないとダメだし、相談してね」
一同 「「「オッケー!」」」
色を決めよう、と一致団結、すぐに相談。
ジョミー「定番の色って、あるんだっけ?」
シロエ 「学校とかのカラーとかなら、ありますけど…」
サム 「俺たちの場合は、特にねえしよ…」
キース 「悪趣味な色がいいと思うぞ」
個人的に恨みがあるからな、とキース君の提案が。
キース 「ショッキングピンクで、ラメ入りはどうだ?」
シロエ 「あー、この前のエプロンの恨みですね…」
キース 「その件は、忘れろと言った筈だが?」
シロエ 「は、はいっ! 失礼しました!」
派手なピンクを推すんですね、とシロエ君が切り替える話。
シロエ 「ぼくに異存はありませんけど」
サム 「その方向でいいんでねえの?」
ジョミー「ラメ入りだと、見た目も強烈だしね」
ぶるぅ 「分かった、ピンクでラメ入りだね!」
一番派手なの買って来る、と張り切るお子様。
ぶるぅ 「んーと、全員分だから…」
Aブルー「おっと、買い出しに行く前に…」
ちょっとお願いしてもいいかな、とソルジャーが横から。
Aブルー「君たちが応援してくれるんなら、欲張って…」
シロエ 「何をです?」
Aブルー「応援だってば、この流れだしさ」
シロエ 「ミニスカートとかを、ご希望ですか?」
チアの定番ですからね、とシロエ君、平然。
断られますしね…。
2025/02/04 (Tue)
☆車内で立つのは
今年の2月は初日が土曜で、節分は欠席する面々は三連休。
いつも選べない行先ですけど、今年は選べそうな流れな今。
Aブルー「ミニスカートねえ…。履いてくれるのかい?」
シロエ 「チアな以上は、もちろんです!」
そうですよね、とシロエ君、皆を見回して確認。
シロエ 「断る人って、誰かいますか?」
サム 「いねえんでねえの?」
ジョミー「パンツが見えそうなミニでもオッケー!」
キース 「俺も断る理由は無いな」
マツカはどうだ、とキース君の視線がマツカ君に。
キース 「嫌なら、正直に言ってくれ」
マツカ 「断りませんよ、応援ですから」
スウェナ「私もだわね」
断る人は誰もいなくて、ミニスカートになりそうな応援。
Aブルー「だったら、お願いしようかな…」
一同 「「「イイネ!」」」
これで節分は自由の身だ、と誰もが突き上げる拳。
シロエ 「では、全力で応援させて頂きますね!」
Aブルー「ありがとう! ときに、車内は…」
立っていたって叱られないかな、とソルジャーの問い。
Aブルー「チアをするなら、立ちっぱなしだしさ…」
一同 「「「は?」」」
何の話だ、と首を傾げる御一同様。
シロエ 「社内って、何処の会社なんです?」
キース 「あんた、社長をやっていたのか?」
ノルディが持ってる会社なのか、とキース君も怪訝そう。
キース 「社長になっても、得をするとは思えないが…」
Aブルー「違うよ、車内は車だってば!」
一同 「「「車?」」」
ますます謎だ、と顔を見合わせるしかないわけでして。
キース 「車で、しかも立ちっぱなしとは…」
シロエ 「普通の車じゃないですよね…」
トラックの荷台か何かでしょうか、とシロエ君。
シロエ 「人を乗せたまま走ると、違反だったと思います」
キース 「その筈だ」
Aブルー「そうじゃなくって、乗れる車で!」
一同 「「「???」」」
節分に車は無関係では、と謎は深まるばかりですけど。
車内って…?
2025/02/05 (Wed)
☆応援して欲しい
初日が土曜な今年の2月、節分の日は欠席な面々は三連休。
例年は強制イベな行先の方も、好きに選ぶことが出来そう。
シロエ 「節分の行事に車って、ありましたっけ?」
キース 「知らないが…。お焚き上げをする所なら…」
あるいは出番があるのかも、とキース君が顎に当てる手。
キース 「古いお札がドッサリ来るから、その準備で」
ジョミー「でもさ、関係者しか乗れないんじゃあ?」
スウェナ「お参りの人は、お札を納めに行くだけでしょ」
キース 「そうだな、俺たちの出番は無さそうだ」
車内で立つとか、ソレ以前に…、とキース君。
キース 「こいつが何を言っているのか、真面目に謎だな」
Aブルー「忘れたのかい、毎年、乗っているのにさ…」
他人のふりをしているせいなのかな、とソルジャーの言。
Aブルー「ぼくとハーレイ、絶対、見ようとしないよね」
一同 「「「は?」」」
ますます謎だ、と誰もがキョトン。
シロエ 「他人のふりって、何なんでしょう?」
サム 「いつも巻き添えにしてるだろ?」
お参りも一緒にさせられるしよ、とサム君、ブツブツと。
サム 「年によっては、お願い事を叫ばされてよ…」
シロエ 「ありましたよねえ、悲惨すぎるの…」
Aブルー「君たち、わざとスルーじゃないだろうね?」
節分に行くには路線バスだよ、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「後部座席で、ぼくとハーレイが密着座りで!」
一同 「「「あー…」」」
アレか、と思い当たった面々、たちまち顔面蒼白。
シロエ 「ま、待って下さい、もしかしてですね…!」
キース 「車内で立つとは、路線バスの中で応援か!?」
Aブルー「ピンポーン!」
御利益を貰えた年もあったしね、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「行きのバスから、応援をして貰いたくって!」
シロエ 「ポンポンを持って、ミニスカートで…ですか?」
Aブルー「もちろんだよ!」
君たちの方から言い出したよね、と確認ですけど。
その通り…。
2025/02/06 (Thu)
☆交換条件で白紙
今年の2月は初日が土曜で、節分の日を欠席すれば三連休。
行先も好きに選べそうな流れで、喜んでいた面々ですけど。
Aブルー「同じ応援するんだったら、行きのバスから!」
一同 「「「ひぃぃっ!」」」
ソレは困る、と一同、ドン引き。
シロエ 「あのですね…! 車内で立つのはアウトかと…」
ジョミー「そうだよ、運転手さんに叱られるヤツで…」
サム 「混んでる時なら仕方ねえけどよ…」
キース 「その代わり、応援どころではないな」
寿司詰めのバスでチアは論外、とキース君の苦い顔付き。
キース 「あんたの希望は理解出来るが、不可能かと」
Aブルー「うーん…。だったら、バスの乗り降りの時に…」
バス停で応援をしてくれればね、とソルジャー、譲らず。
Aブルー「せっかく提案してくれたんだし、最大限に!」
シロエ 「お断りさせて頂きます!」
キース 「現場に限定だったからこそ、俺も乗ったんだ」
七福神巡りの時に限るぞ、とキース君の切り返し。
キース 「いいから、サッサと断ってくれ!」
ジョミー「ぼくたちが応援するっていうのをさ!」
そしたら他所に行けるんだし、とジョミー君も。
ジョミー「行きたいトコなら、他にあるから!」
Aブルー「ダメだよ、一緒に来て貰わないと!」
面子が欠けたら、七福神様に失礼だしさ、と食い下がる人。
Aブルー「来てくれるんなら、さっきの応援の件は…」
キース 「白紙撤回するんだな?」
Aブルー「君たちのチアも、白紙撤回で!」
交換条件ということでどうかな、とソルジャーの案。
Aブルー「例年通り、真面目にお参り!」
一同 「「「はいっ!」」」
その条件で結構です、と誰もがハハーッ! と。
シロエ 「ミニスカートもポンポンも、無しでいいです!」
キース 「俺も全力で祈らせて貰う」
ジョミー「ぼくも文句は言わないから!」
Aブルー「七福神巡りで、決定だね?」
もちろんハーレイも来るからさ、と笑顔ですけど。
仕方ないかと…。
2025/02/07 (Fri)
☆斜め上すぎた条件
初日が土曜だった2月ですけど、月曜日も休みな御一同様。
節分の日は欠席届けを出して欠席、その節分が本日でして。
シロエ 「おはようございます! 寒いですよね…」
サム 「バス停なんだし、仕方ねえよな」
ジョミー「風を避けられるトコじゃないもんね…」
道路の側から吹きっ晒しで、とジョミー君。
ジョミー「でもさ、身体が風で寒いよりもさ…」
シロエ 「心の方が冷えていますよ…」
どうせ今年もロクなことには…、とシロエ君の遠い目。
シロエ 「違う所にお参り出来たら、別でしたけれど…」
サム 「分かるぜ、痛いくらいによ…」
キース 「気分は最低最悪だしな…」
天国から地獄だっただけに、とキース君が繰る数珠レット。
キース 「俺の場合は、天国と言うより極楽になるが…」
ジョミー「途中まではさ、いけそうな感じだったのに…」
シロエ 「ものの見事にコケましたしね…」
ガッカリ度が半端ないんですよ、とシロエ君、深い溜息。
シロエ 「いい手だと思ったんですが…」
キース 「俺も乗り気でいたのにな…」
チアなぞしたいとも思わないが…、とキース君も。
キース 「あの馬鹿が避けてくれるのなら、とだな…」
ジョミー「ミニスカートまで、後付けしたのにね…」
ポンポンだけじゃなくってさ、とジョミー君も悔しそう。
ジョミー「あんな条件を出して来るなんて…」
シロエ 「斜め上にも程がありましたよね…」
路線バスの中で応援だなんて…、とシロエ君、ブツブツと。
シロエ 「ああ言われたら、こっちも詰みになりますし…」
サム 「悪知恵の回るヤツだけによ…」
キース 「最終兵器クラスだったな…」
全力で拒否りたくなるヤツだ、とキース君が言う通り。
キース 「衆人環視の路線バスの中で、チアをしろとは…」
シロエ 「バスの中では無理なんです、と返したら…」
ジョミー「バス停でやれ、って言い出したもんね…」
あんまりだってば、と愚痴ってますけど。
相手が悪すぎ…。
2025/02/08 (Sat)
☆引き受けて修行を
今年も節分は七福神巡りになって、バス停に集う御一同様。
別の所へ行けそうだったのに、迷惑な人がパアにした展開。
サム 「チアは勘弁して欲しいしよ…」
シロエ 「今年も結局、七福神巡りになるんですよね…」
何も無ければいいんですけど、とシロエ君の不安そうな顔。
シロエ 「なにしろ、例の人たちですし…」
キース 「俺に回してくれるなよ?」
ジョミー「えっ、回すって発想、無かったんだけど?」
そんなの想定していたわけ、とジョミー君の目が真ん丸に。
ジョミー「キースがババは、あるあるだけどさ…」
シロエ 「ぼくも、思いもしませんでした」
サム 「俺も、全然」
スウェナ「私だって、考えなかったわよ」
でも、回せるなら回したいわね、とスウェナちゃん。
スウェナ「全部、キースに丸投げ出来たら、安心だもの」
シロエ 「言えてますよね、覚悟はあるようですから」
キース 「逆だ!」
回して来るなと言っただろうが、とキース君の眉間に皺が。
キース 「いいな、俺には回すんじゃない!」
シロエ 「そう言わないで、快くですね…」
サム 「引き受けてくれたら、株が上がるぜ?」
それに、それでこそ坊主だよな、とサム君の言。
サム 「他人様の嫌がることも、進んでよ…」
シロエ 「やってこそだと思いますけど?」
キース 「なんで、そうなる!」
俺の親父は知ってるだろう、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「面倒なことは纏めて、俺に押し付けるんだが!」
ジョミー「知ってる。だからブルーには…」
サム 「まるで頭が上がらねえよな」
普段は威張り散らしててもよ、とサム君の指摘。
サム 「親父さんを超えたかったら、修行を積まねえと」
ジョミー「例の人たちを引き受けるのも、その一つでさ…」
シロエ 「功徳を積めるというものでしょう?」
スウェナ「此処は頑張るべきだわよ」
キース 「しかしだな…!」
あんな連中を引き受けろと、と呻いてますけど。
修行ですか…?
2025/02/09 (Sun)
☆聞いた件は貸しで
今年も節分は七福神巡りで、バス停に集った面々ですけど。
迷惑な人たちがやって来るわけで、キース君に丸投げ希望。
キース 「あんなヤツらを引き受けるのは…」
??? 「御免蒙る、と言いたいのかい?」
聞こえてたよ、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「君も一緒に聞いていたよね?」
??? 「はい、確かに」
聞こえました、とキャプテン(会話表記はA船長)も。
A船長 「おはようございます。今日はよろしく」
Aブルー「よかったよねえ、特別休暇が間に合って…」
A船長 「ギリギリでしたが、追い上げました」
年に一度のお参りですし…、とキャプテン、頑張った模様。
A船長 「ぶるぅの邪魔が入っていたら、詰みでしたね」
Aブルー「ホントにね…。節分には連れて来ないから…」
いつか暴れるような気がする、とソルジャーが竦める肩。
Aブルー「今の所は、留守番をさせていられるけど…」
A船長 「来ると言い出したら、悲劇ですよ…」
お参りをパアにされてしまって、とキャプテンも深い溜息。
A船長 「こちらでも、その危機だったそうですが…」
Aブルー「そうなんだよねえ…」
危うくクーデターだったし、とソルジャーの瞳に物騒な光。
Aブルー「ぶるぅを御せなくなる日も、近いのかも…」
A船長 「さっきの台詞を貸しにしますか?」
Aブルー「えっと…?」
A船長 「聞こえたヤツです、其処のキースが…」
引き受けるという話ですよ、とキャプテンが指すキース君。
A船長 「ぶるぅの相手は慣れていますし…」
Aブルー「あー、その時が来たら、押し付けると!」
いいと思う、とソルジャー、親指をグッと。
Aブルー「今日だけ、何かをして貰っても…」
A船長 「さほど得ではありませんから、貸しにして…」
Aブルー「利息もつくから、将来的には丸投げだね!」
キース 「ちょっと待て!」
Aブルー「何か?」
貸しにするより、払いたいと、と質問ですけど。
難問かも…。
2025/02/10 (Mon)
☆オススメは貸し
節分はお寺で七福神巡り、朝イチでバス停に集合ですけど。
迷惑な人たちはキース君に丸投げな案が、聞こえたそうで。
Aブルー「ぼくとしては、貸しにしたいんだけど?」
A船長 「その方が、断然お得ですしね」
ぶるぅを丸投げ出来るのですし、とキャプテンのプッシュ。
A船長 「ヤツのパワーは、年々、アップしていますから」
Aブルー「サイオンじゃなくて、悪戯がね…」
発想も破壊力も上がる一方、とソルジャーが広げる両手。
Aブルー「節分の時に押し掛けられたら、どうしようも…」
A船長 「現状でさえ、大惨事が予想されるかと…」
ですから貸しがオススメですよ、とキャプテン、目がマジ。
A船長 「貸し付けておけば、先になるほど得なヤツです」
Aブルー「たとえ1回限りでもね…」
最初の年を丸投げ出来るのは大きい、とソルジャーも同意。
Aブルー「何をやらかすのか、方向性さえ謎なだけにさ」
A船長 「そうでしょう? 最初が一番、危険ですとも」
人類軍にも言えることですが、とキャプテンの真剣な表情。
A船長 「最新鋭の兵器で来られた場合、初手を躱せば…」
Aブルー「立て直しをする時間が取れるからねえ…」
迎撃態勢を整えられるよ、とソルジャーも。
Aブルー「ぶるぅの悪戯にしても、同じことだね」
A船長 「だからこそ、貸しにしておくべきです」
Aブルー「同感だよ。何年先かは分からないけど…」
一筆書いて貰えればね、とソルジャー、ズイと。
Aブルー「キース、サインだけでも充分だから…」
A船長 「是非とも、ぶるぅの件でよろしく」
今、文面を考えますから、とキャプテンが取り出すメモ帳。
A船長 「こういったことには、アナログがいいんですよ」
シロエ 「分かります。データは破損しますからね」
Aブルー「仕上げ用には、きちんとした紙が欲しいけど…」
ぶるぅ 「取って来る!」
キース 「だから、待てと!」
まだ俺は返事していない、と叫んでますけど。
どうしたいと?
2025/02/11 (Tue)
☆取り下げるのなら
節分は七福神巡りでお寺へ、今年も行くしかない御一同様。
朝イチでバス停に集合、迷惑な人たちもやって来まして…。
Aブルー「貸しにされるのは嫌なのかい?」
キース 「先延ばしになるほど、詰むヤツだからな!」
ぶるぅがパワーアップするんだろうが、とキース君の叫び。
キース 「そんなブツを、引き受けるのは御免蒙りたい!」
Aブルー「うーん…。でもねえ、お得なコースはさ…」
A船長 「貸しにしておく方なんですよ」
そちらでお願い出来ませんか、とキャプテンが指すメモ帳。
A船長 「文書は、すぐに作りますので…」
Aブルー「君はサインをするだけだしね」
キース 「現時点では、そうなるが…」
いつか返って来た時が怖い、とキース君の悪い顔色。
キース 「頼むから、今日で済まさせてくれ!」
Aブルー「そう言われても…。せっかくの名案なのに…」
A船長 「まったくです。取り下げるのは惜しすぎますよ」
よほど美味しい話でも出て来ない限りは、とキャプテンも。
A船長 「今年のお参りの御利益が、倍になるとかですね」
Aブルー「ソレだよ、頼むの、アリじゃないかな」
元はシロエが言い出したけど、とソルジャー、ニンマリ。
Aブルー「全員でやるって話だったし、丸投げでさ」
一同 「「「ええっ!?」」」
アレをキース君に丸投げなのか、と誰もがガクブル。
Aブルー「どうかしたかい?」
シロエ 「い、いえ、何でもありません!」
ジョミー「あのさ、ソレって、キースに限定だよね…?」
Aブルー「そうだね、丸投げ前提だから」
キース限定ってことになるけど、とソルジャー、即答。
Aブルー「君たちも異存は無いだろう?」
一同 「「「は、はいっ!」」」
そうであります、と一同、揃って最敬礼。
Aブルー「だってさ、これで決まりだね」
A船長 「いったい何が決まったんです?」
Aブルー「御利益が倍になるヤツだよ!」
二倍どころか三倍かもね、と笑顔ですけど。
本当に…?
2025/02/12 (Wed)
☆御利益を増やすには
今年も節分は七福神巡りでお寺へ、朝イチでバス停に集合。
迷惑な人たちもやって来まして、話を聞かれていたわけで。
A船長 「キースに頼めば、御利益が倍になるのですか?」
Aブルー「そう! 三倍以上も夢じゃないかも!」
A船長 「それと交換に、ぶるぅの件を取り下げる、と…」
よろしいでしょう、とキャプテン、メモ帳をポケットに。
A船長 「ところで、どういうヤツなのです?」
Aブルー「何がだい?」
A船長 「どんな具合に、キースが御利益を増やすのか…」
其処の所が謎なんです、とキャプテンが傾げる首。
A船長 「なにしろキースは、仏様ではありませんから」
Aブルー「まあねえ、厄病仏とは言われてるけど…」
一般人には違いないね、とソルジャーの視線がキース君に。
Aブルー「だけど、一般人でもいけるヤツがさ…」
A船長 「こっちの世界には、存在しているんですか?」
Aブルー「ピンポーン!」
ズバリ、応援というヤツだね、とソルジャー、笑顔全開。
Aブルー「キース、全力で応援お願いするよ!」
キース 「俺に、アレをやれと!?」
Aブルー「大丈夫! ぼくが頼みたいのは、七福神様で…」
バスの乗客じゃないからさ、と謎の台詞が。
Aブルー「七福神様の前でやったら、アウトらしいし…」
A船長 「何なんです、ソレは?」
Aブルー「ミニスカートを履いて、ポンポンを持って…」
踊りまくるつもりだったらしいよ、とソルジャーの暴露話。
Aブルー「しかもポンポン、派手なピンクでラメ入りで…」
A船長 「神様が怒りそうではありますね…」
Aブルー「だから代わりに、行きのバスでさ…」
A船長 「謹んで、お断りします!」
晒し物になるのは御免ですから、とキャプテン、即答。
A船長 「あなたは良くても、私には無理です!」
Aブルー「うーん…。でも、七福神様の方だから…」
A船長 「アウトなんでしょう?」
私も遠慮したいですね、と言ってますけど。
そうでしょうねえ…。
2025/02/13 (Thu)
☆応援アイテムは不要
節分は七福神巡りでお寺へ、朝イチでバス停に集った面々。
迷惑な人たちも登場、話を聞かれていたせいでピンチな今。
Aブルー「七福神様に叱られるのは、ぼくも困るんだよ」
A船長 「ならば、応援どころじゃないですから!」
やはり貸しにしておかないと、とキャプテンの手にメモ帳。
A船長 「ぶるぅを引き受けて貰う方が、お得ですよ!」
Aブルー「そうかもだけど、御利益を増やすコースもさ…」
安心安全なヤツなんだよ、とソルジャーが立てる人指し指。
Aブルー「ミニスカートもポンポンも、不要なんだし」
一同 「「「は?」」」
応援と言ったらソレなのでは、と誰もがキョトン。
シロエ 「えっと…? 言い出しっぺは、ぼくですけど…」
ジョミー「ポンポンは応援にセットものだよ?」
サム 「ミニスカートまで、つけた筈だぜ?」
断られるのを前提にしてよ、とサム君も。
サム 「断る代わりに、バスでやれって言い出してよ…」
シロエ 「全力で逃げた結果が、七福神巡りに同行して…」
お参りを強制されることに…、とシロエ君が振り返る過去。
シロエ 「キース先輩だけの場合は、不要なんですか?」
ジョミー「なんかズルイと思うんだけど…」
キースは大目に見るだなんて、とジョミー君も不満そう。
ジョミー「ミニスカートとか、目の暴力でもさ…」
シロエ 「此処は、やらせるべきですよね…」
キース 「勝手に話を進めやがって!」
Aブルー「ホントにねえ…」
説明が終わっていないのにさ、とソルジャーの深い溜息。
Aブルー「キースにしか出来ない応援なんだよ」
A船長 「そうなのですか?」
しかも御利益が増えるとは…、とキャプテンも不思議そう。
A船長 「詳しく聞かせて頂きたいのですが…」
Aブルー「オッケー! いいかい、キースはお坊さんで…」
A船長 「その件が関係していると?」
Aブルー「ピンポーン!」
お坊さんだからこそだよね、と笑顔ですけど。
どう関係が…?
2025/02/14 (Fri)
☆お坊さんの本気
節分はお寺で七福神巡り、バス停に来ている面々ですけど。
迷惑な人たちも登場でして、キース君に応援させるとかで。
A船長 「お坊さんだと、どんな応援が出来るんです?」
Aブルー「理屈は、ぼくにも分からないけど…」
なにしろ行先はお寺だし、とソルジャーの視線が副住職に。
Aブルー「一般人と違って、プロならではのお参りが…」
A船長 「なるほど、お経を唱えるとか…」
Aブルー「お経にしても、素人とは比較にならないし…」
七福神様の覚えも、めでたそうだよ、という指摘。
Aブルー「聞こえ方が違うと思うんだよね」
A船長 「ありそうです。耳の遠い方もおいでですから…」
Aブルー「そう! 恵比須様だったかな?」
キースが本気で頼んでくれれば、小声でも、と真剣な人。
Aブルー「キース、どうかな、ぼくの考えで合っている?」
キース 「それはまあ…」
Aブルー「ほらね、だからキースに頼んで貰って…」
御利益を増やす方向で、とソルジャー、やる気満々で。
Aブルー「やってくれるんなら、ぶるぅの話は白紙でさ…」
キース 「俺は拝むだけでいいんだな?」
Aブルー「キッチリ、本気モードでね!」
服装もソレじゃダメだろう、とキース君の服をジロジロと。
Aブルー「瞬間移動で送迎するから、お坊さんので!」
キース 「バスに間に合わないと思うんだが!」
じきに来るぞ、とキース君が指差す時刻表。
キース 「そうなれば、困るのは、あんたの方で…」
Aブルー「大丈夫! バスに乗るのは、ぼくたちだけで!」
君は現地で合流だよね、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「時間がたっぷり取れるわけだし、じっくりと…」
キース 「袈裟を選べと?」
輪袈裟はダメとか言われても…、とキース君の悪い顔色。
キース 「お袈裟は、クリーニング代が高くて…」
Aブルー「そのくらい、払ってあげるから!」
キース 「し、しかし…!」
悪目立ちしてしまうんだが、と焦ってますけど。
正装だけに…。
2025/02/15 (Sat)
さて、2月。初っ端から土曜日で、学校は休みな御一同様。
生徒会長宅で過ごすのが一番、けれど明後日は節分でして。
シロエ 「三連休になっちゃいましたね」
サム 「だよな、今年は日の並びがよ…」
ジョミー「土日を挟んで、節分だしね」
グレイブ先生の嫌味、半端なかったよ、とジョミー君。
ジョミー「欠席届けを出しに行ったら、今年もか、って…」
シロエ 「そりゃ言われますよ、休み続けて長いですから」
マツカ 「休日だった年を除けば、全部、欠席ですからね」
もはや年中行事ですよ、とマツカ君も。
マツカ 「それで、今年は何処にお参りするんでしょう?」
ジョミー「何処がいいかな、毎年、悩んじゃうけどさ…」
シロエ 「行先の方も、縛りが出来ていますしね…」
検討するだけ無駄なのでは…、とシロエ君の深い溜息。
シロエ 「ぼくたちだけなら、変えられますけど…」
サム 「絶対、あいつら、来るんだぜ?」
??? 「ピンポーン!」
大当たり! とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「今年も、いつものトコで頼むよ!」
シロエ 「七福神巡りのお寺ですよね…」
Aブルー「そう! ぼくのハーレイも来る気満々でさ…」
仕事の追い上げ中だよね、とソルジャー、親指をグッと。
Aブルー「特別休暇を取りかったら、頑張らないと!」
サム 「あんただけだと、ダメなのかよ?」
Aブルー「代理で済むようなモノじゃないしさ…」
夫婦揃ってお参りしてこそ、と心掛けだけは殊勝な人。
Aブルー「もしも、ハーレイが休暇を取れなかったら…」
シロエ 「ソルジャー公認で、サボリですか?」
Aブルー「残念ながら、ぼくに、其処までの権限は…」
与えられてはいないんだよ、とソルジャー、残念そう。
Aブルー「乱用するのが見えているから、厳しくってさ…」
一同 「「「あー…」」」
Aブルー「みんな、ホントにうるさくて…」
特にエラが、と名前を挙げてますけど。
そうでしょうねえ…。
2025/02/01 (Sat)
☆代参を頼んだら
今年は2月1日が土曜で、節分は2月3日になりますけど。
節分の時は欠席届けな御一同様、三連休になるわけでして。
シロエ 「こっちの世界でも、エラ先生、厳しいですしね」
サム 「融通が利かねえってトコは、一番だよな…」
ジョミー「グレイブ先生の方が、まだしも理解あるよね…」
遊び心も持っているしさ、とジョミー君。
ジョミー「エラ先生の前じゃ、冗談なんか言えないよ」
Aブルー「やっぱり似て来るモノなんだねえ…」
ぶるぅは全く逆なんだけど…、とソルジャーが竦める肩。
Aブルー「もしも、ぶるぅがいい子だったら…」
ブルー 「節分の代参、頼むのかい?」
Aブルー「頼めるような気がするよ…」
きっと全力で祈ってくれるし、とソルジャー、遠い目。
Aブルー「だけど現実は、祈るどころかパアにしそうで…」
一同 「「「あー…」」」
それはありそう、と頷くしかない御一同様。
シロエ 「お参りの作法からして、守る気しないですよ…」
サム 「柏手とか、打つ気しねえしよ…」
ジョミー「打つと思うよ、ただし、連打で!」
二礼二拍手一礼じゃなくて、とジョミー君が顎に当てる手。
ジョミー「二礼した後、拍手喝采で跳ね回るとかさ…」
シロエ 「やるかもですねえ、ポンポンを持って」
一同 「「「ポンポン?」」」
シロエ 「チアガールが持ってるヤツですよ」
でもって応援モードなんです、とシロエ君の斜め上な発想。
シロエ 「神様に向かって踊りまくって、応援ですね」
サム 「そういう応援、アリなのかよ?」
シロエ 「無いでしょうけど、ぶるぅですから…」
よろしくとばかり、踊りそうです、とクスクス笑い。
シロエ 「パアにするなら、そのくらいの勢いでしょう」
ジョミー「破壊力だけは半端ないよね、ソレ…」
Aブルー「そんな代参、お断りだし!」
シロエ 「普通、そうだと思います」
Aブルー「嫌すぎだよ!」
君たちだけの方が、まだマシ、と言ってますけど。
当然かと…。
2025/02/02 (Sun)
☆ポンポンで応援
今年の2月は1日が土曜で、日曜日を挟んで節分ですけど。
節分は欠席なシャン学メンバー、三連休になる勘定でして。
シロエ 「つまり応援は、お断りなんですね?」
Aブルー「破壊されるなんて、御免だから!」
年に一度のチャンスなのに、とソルジャーが握り締める拳。
Aブルー「夫婦和合をお願い出来るの、節分だけだし!」
シロエ 「分かりました、それじゃ、ぼくたちも…」
別行動にさせて頂きますね、とシロエ君。
シロエ 「でないと、全力で応援ですよ」
Aブルー「えっ!?」
それはどういう…、とソルジャーの問い。
Aブルー「まさか君たちが、ぶるぅみたいに…?」
シロエ 「ポンポンを持って、応援ですけど?」
それでいいなら、ご一緒します、とシロエ君、ニッコリ。
シロエ 「今から作れば間に合いますしね」
Aブルー「嫌すぎだから!」
そんな応援、とソルジャーの悲鳴。
Aブルー「祈願どころか、台無しじゃないか!」
シロエ 「いいえ、ぶるぅじゃないですから…」
破壊する気はありませんよ、とシロエ君の涼しい顔。
シロエ 「どう受け取るかは、神様次第かと」
Aブルー「アウトに決まっているだろう!」
サム 「俺的にも、遠慮しておきたいぜ…」
ポンポンを持って応援とかよ、とサム君もドン引き。
サム 「晒し物だぜ、SNSとかに上げられてよ…」
ジョミー「だよね、でもって拡散だよ…」
スウェナ「やるなら、一人でやりなさいよ!」
シロエが代表でいいじゃないの、とスウェナちゃん。
スウェナ「シロエだけでも、破壊力は充分あるでしょ!」
シロエ 「でもですね…。此処は足並みを揃えないと…」
例年通りに同行ですし、とシロエ君の真剣な表情。
シロエ 「いいですか? 却下されたら、別行動ですよ?」
ジョミー「あっ、そうか、別行動になるんなら…」
シロエ 「応援も何も無いですよね?」
一同 「「「イイネ!」」」
ポンポンを持って応援しよう、と皆が賛成ですけど。
応援…。
2025/02/03 (Mon)
☆断ったら別行動
初日が土曜な今年の2月、節分の日は月曜で三連休な面々。
欠席届けを出せばオッケー、けれど行先が選べないわけで。
Aブルー「君たちの応援、断った時は別行動だって?」
シロエ 「そうなりますけど?」
応援されたら困るんでしょう、とシロエ君、ピシャリと。
シロエ 「行くとなったら、応援させて頂きますから」
サム 「おう、全力で応援だぜ!」
ジョミー「ポンポン、急いで作らないとね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 材料、買いに行って来るよ!」
何色のポンポンがいいのかな、と家事万能なお子様。
ぶるぅ 「お揃いでないとダメだし、相談してね」
一同 「「「オッケー!」」」
色を決めよう、と一致団結、すぐに相談。
ジョミー「定番の色って、あるんだっけ?」
シロエ 「学校とかのカラーとかなら、ありますけど…」
サム 「俺たちの場合は、特にねえしよ…」
キース 「悪趣味な色がいいと思うぞ」
個人的に恨みがあるからな、とキース君の提案が。
キース 「ショッキングピンクで、ラメ入りはどうだ?」
シロエ 「あー、この前のエプロンの恨みですね…」
キース 「その件は、忘れろと言った筈だが?」
シロエ 「は、はいっ! 失礼しました!」
派手なピンクを推すんですね、とシロエ君が切り替える話。
シロエ 「ぼくに異存はありませんけど」
サム 「その方向でいいんでねえの?」
ジョミー「ラメ入りだと、見た目も強烈だしね」
ぶるぅ 「分かった、ピンクでラメ入りだね!」
一番派手なの買って来る、と張り切るお子様。
ぶるぅ 「んーと、全員分だから…」
Aブルー「おっと、買い出しに行く前に…」
ちょっとお願いしてもいいかな、とソルジャーが横から。
Aブルー「君たちが応援してくれるんなら、欲張って…」
シロエ 「何をです?」
Aブルー「応援だってば、この流れだしさ」
シロエ 「ミニスカートとかを、ご希望ですか?」
チアの定番ですからね、とシロエ君、平然。
断られますしね…。
2025/02/04 (Tue)
☆車内で立つのは
今年の2月は初日が土曜で、節分は欠席する面々は三連休。
いつも選べない行先ですけど、今年は選べそうな流れな今。
Aブルー「ミニスカートねえ…。履いてくれるのかい?」
シロエ 「チアな以上は、もちろんです!」
そうですよね、とシロエ君、皆を見回して確認。
シロエ 「断る人って、誰かいますか?」
サム 「いねえんでねえの?」
ジョミー「パンツが見えそうなミニでもオッケー!」
キース 「俺も断る理由は無いな」
マツカはどうだ、とキース君の視線がマツカ君に。
キース 「嫌なら、正直に言ってくれ」
マツカ 「断りませんよ、応援ですから」
スウェナ「私もだわね」
断る人は誰もいなくて、ミニスカートになりそうな応援。
Aブルー「だったら、お願いしようかな…」
一同 「「「イイネ!」」」
これで節分は自由の身だ、と誰もが突き上げる拳。
シロエ 「では、全力で応援させて頂きますね!」
Aブルー「ありがとう! ときに、車内は…」
立っていたって叱られないかな、とソルジャーの問い。
Aブルー「チアをするなら、立ちっぱなしだしさ…」
一同 「「「は?」」」
何の話だ、と首を傾げる御一同様。
シロエ 「社内って、何処の会社なんです?」
キース 「あんた、社長をやっていたのか?」
ノルディが持ってる会社なのか、とキース君も怪訝そう。
キース 「社長になっても、得をするとは思えないが…」
Aブルー「違うよ、車内は車だってば!」
一同 「「「車?」」」
ますます謎だ、と顔を見合わせるしかないわけでして。
キース 「車で、しかも立ちっぱなしとは…」
シロエ 「普通の車じゃないですよね…」
トラックの荷台か何かでしょうか、とシロエ君。
シロエ 「人を乗せたまま走ると、違反だったと思います」
キース 「その筈だ」
Aブルー「そうじゃなくって、乗れる車で!」
一同 「「「???」」」
節分に車は無関係では、と謎は深まるばかりですけど。
車内って…?
2025/02/05 (Wed)
☆応援して欲しい
初日が土曜な今年の2月、節分の日は欠席な面々は三連休。
例年は強制イベな行先の方も、好きに選ぶことが出来そう。
シロエ 「節分の行事に車って、ありましたっけ?」
キース 「知らないが…。お焚き上げをする所なら…」
あるいは出番があるのかも、とキース君が顎に当てる手。
キース 「古いお札がドッサリ来るから、その準備で」
ジョミー「でもさ、関係者しか乗れないんじゃあ?」
スウェナ「お参りの人は、お札を納めに行くだけでしょ」
キース 「そうだな、俺たちの出番は無さそうだ」
車内で立つとか、ソレ以前に…、とキース君。
キース 「こいつが何を言っているのか、真面目に謎だな」
Aブルー「忘れたのかい、毎年、乗っているのにさ…」
他人のふりをしているせいなのかな、とソルジャーの言。
Aブルー「ぼくとハーレイ、絶対、見ようとしないよね」
一同 「「「は?」」」
ますます謎だ、と誰もがキョトン。
シロエ 「他人のふりって、何なんでしょう?」
サム 「いつも巻き添えにしてるだろ?」
お参りも一緒にさせられるしよ、とサム君、ブツブツと。
サム 「年によっては、お願い事を叫ばされてよ…」
シロエ 「ありましたよねえ、悲惨すぎるの…」
Aブルー「君たち、わざとスルーじゃないだろうね?」
節分に行くには路線バスだよ、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「後部座席で、ぼくとハーレイが密着座りで!」
一同 「「「あー…」」」
アレか、と思い当たった面々、たちまち顔面蒼白。
シロエ 「ま、待って下さい、もしかしてですね…!」
キース 「車内で立つとは、路線バスの中で応援か!?」
Aブルー「ピンポーン!」
御利益を貰えた年もあったしね、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「行きのバスから、応援をして貰いたくって!」
シロエ 「ポンポンを持って、ミニスカートで…ですか?」
Aブルー「もちろんだよ!」
君たちの方から言い出したよね、と確認ですけど。
その通り…。
2025/02/06 (Thu)
☆交換条件で白紙
今年の2月は初日が土曜で、節分の日を欠席すれば三連休。
行先も好きに選べそうな流れで、喜んでいた面々ですけど。
Aブルー「同じ応援するんだったら、行きのバスから!」
一同 「「「ひぃぃっ!」」」
ソレは困る、と一同、ドン引き。
シロエ 「あのですね…! 車内で立つのはアウトかと…」
ジョミー「そうだよ、運転手さんに叱られるヤツで…」
サム 「混んでる時なら仕方ねえけどよ…」
キース 「その代わり、応援どころではないな」
寿司詰めのバスでチアは論外、とキース君の苦い顔付き。
キース 「あんたの希望は理解出来るが、不可能かと」
Aブルー「うーん…。だったら、バスの乗り降りの時に…」
バス停で応援をしてくれればね、とソルジャー、譲らず。
Aブルー「せっかく提案してくれたんだし、最大限に!」
シロエ 「お断りさせて頂きます!」
キース 「現場に限定だったからこそ、俺も乗ったんだ」
七福神巡りの時に限るぞ、とキース君の切り返し。
キース 「いいから、サッサと断ってくれ!」
ジョミー「ぼくたちが応援するっていうのをさ!」
そしたら他所に行けるんだし、とジョミー君も。
ジョミー「行きたいトコなら、他にあるから!」
Aブルー「ダメだよ、一緒に来て貰わないと!」
面子が欠けたら、七福神様に失礼だしさ、と食い下がる人。
Aブルー「来てくれるんなら、さっきの応援の件は…」
キース 「白紙撤回するんだな?」
Aブルー「君たちのチアも、白紙撤回で!」
交換条件ということでどうかな、とソルジャーの案。
Aブルー「例年通り、真面目にお参り!」
一同 「「「はいっ!」」」
その条件で結構です、と誰もがハハーッ! と。
シロエ 「ミニスカートもポンポンも、無しでいいです!」
キース 「俺も全力で祈らせて貰う」
ジョミー「ぼくも文句は言わないから!」
Aブルー「七福神巡りで、決定だね?」
もちろんハーレイも来るからさ、と笑顔ですけど。
仕方ないかと…。
2025/02/07 (Fri)
☆斜め上すぎた条件
初日が土曜だった2月ですけど、月曜日も休みな御一同様。
節分の日は欠席届けを出して欠席、その節分が本日でして。
シロエ 「おはようございます! 寒いですよね…」
サム 「バス停なんだし、仕方ねえよな」
ジョミー「風を避けられるトコじゃないもんね…」
道路の側から吹きっ晒しで、とジョミー君。
ジョミー「でもさ、身体が風で寒いよりもさ…」
シロエ 「心の方が冷えていますよ…」
どうせ今年もロクなことには…、とシロエ君の遠い目。
シロエ 「違う所にお参り出来たら、別でしたけれど…」
サム 「分かるぜ、痛いくらいによ…」
キース 「気分は最低最悪だしな…」
天国から地獄だっただけに、とキース君が繰る数珠レット。
キース 「俺の場合は、天国と言うより極楽になるが…」
ジョミー「途中まではさ、いけそうな感じだったのに…」
シロエ 「ものの見事にコケましたしね…」
ガッカリ度が半端ないんですよ、とシロエ君、深い溜息。
シロエ 「いい手だと思ったんですが…」
キース 「俺も乗り気でいたのにな…」
チアなぞしたいとも思わないが…、とキース君も。
キース 「あの馬鹿が避けてくれるのなら、とだな…」
ジョミー「ミニスカートまで、後付けしたのにね…」
ポンポンだけじゃなくってさ、とジョミー君も悔しそう。
ジョミー「あんな条件を出して来るなんて…」
シロエ 「斜め上にも程がありましたよね…」
路線バスの中で応援だなんて…、とシロエ君、ブツブツと。
シロエ 「ああ言われたら、こっちも詰みになりますし…」
サム 「悪知恵の回るヤツだけによ…」
キース 「最終兵器クラスだったな…」
全力で拒否りたくなるヤツだ、とキース君が言う通り。
キース 「衆人環視の路線バスの中で、チアをしろとは…」
シロエ 「バスの中では無理なんです、と返したら…」
ジョミー「バス停でやれ、って言い出したもんね…」
あんまりだってば、と愚痴ってますけど。
相手が悪すぎ…。
2025/02/08 (Sat)
☆引き受けて修行を
今年も節分は七福神巡りになって、バス停に集う御一同様。
別の所へ行けそうだったのに、迷惑な人がパアにした展開。
サム 「チアは勘弁して欲しいしよ…」
シロエ 「今年も結局、七福神巡りになるんですよね…」
何も無ければいいんですけど、とシロエ君の不安そうな顔。
シロエ 「なにしろ、例の人たちですし…」
キース 「俺に回してくれるなよ?」
ジョミー「えっ、回すって発想、無かったんだけど?」
そんなの想定していたわけ、とジョミー君の目が真ん丸に。
ジョミー「キースがババは、あるあるだけどさ…」
シロエ 「ぼくも、思いもしませんでした」
サム 「俺も、全然」
スウェナ「私だって、考えなかったわよ」
でも、回せるなら回したいわね、とスウェナちゃん。
スウェナ「全部、キースに丸投げ出来たら、安心だもの」
シロエ 「言えてますよね、覚悟はあるようですから」
キース 「逆だ!」
回して来るなと言っただろうが、とキース君の眉間に皺が。
キース 「いいな、俺には回すんじゃない!」
シロエ 「そう言わないで、快くですね…」
サム 「引き受けてくれたら、株が上がるぜ?」
それに、それでこそ坊主だよな、とサム君の言。
サム 「他人様の嫌がることも、進んでよ…」
シロエ 「やってこそだと思いますけど?」
キース 「なんで、そうなる!」
俺の親父は知ってるだろう、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「面倒なことは纏めて、俺に押し付けるんだが!」
ジョミー「知ってる。だからブルーには…」
サム 「まるで頭が上がらねえよな」
普段は威張り散らしててもよ、とサム君の指摘。
サム 「親父さんを超えたかったら、修行を積まねえと」
ジョミー「例の人たちを引き受けるのも、その一つでさ…」
シロエ 「功徳を積めるというものでしょう?」
スウェナ「此処は頑張るべきだわよ」
キース 「しかしだな…!」
あんな連中を引き受けろと、と呻いてますけど。
修行ですか…?
2025/02/09 (Sun)
☆聞いた件は貸しで
今年も節分は七福神巡りで、バス停に集った面々ですけど。
迷惑な人たちがやって来るわけで、キース君に丸投げ希望。
キース 「あんなヤツらを引き受けるのは…」
??? 「御免蒙る、と言いたいのかい?」
聞こえてたよ、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「君も一緒に聞いていたよね?」
??? 「はい、確かに」
聞こえました、とキャプテン(会話表記はA船長)も。
A船長 「おはようございます。今日はよろしく」
Aブルー「よかったよねえ、特別休暇が間に合って…」
A船長 「ギリギリでしたが、追い上げました」
年に一度のお参りですし…、とキャプテン、頑張った模様。
A船長 「ぶるぅの邪魔が入っていたら、詰みでしたね」
Aブルー「ホントにね…。節分には連れて来ないから…」
いつか暴れるような気がする、とソルジャーが竦める肩。
Aブルー「今の所は、留守番をさせていられるけど…」
A船長 「来ると言い出したら、悲劇ですよ…」
お参りをパアにされてしまって、とキャプテンも深い溜息。
A船長 「こちらでも、その危機だったそうですが…」
Aブルー「そうなんだよねえ…」
危うくクーデターだったし、とソルジャーの瞳に物騒な光。
Aブルー「ぶるぅを御せなくなる日も、近いのかも…」
A船長 「さっきの台詞を貸しにしますか?」
Aブルー「えっと…?」
A船長 「聞こえたヤツです、其処のキースが…」
引き受けるという話ですよ、とキャプテンが指すキース君。
A船長 「ぶるぅの相手は慣れていますし…」
Aブルー「あー、その時が来たら、押し付けると!」
いいと思う、とソルジャー、親指をグッと。
Aブルー「今日だけ、何かをして貰っても…」
A船長 「さほど得ではありませんから、貸しにして…」
Aブルー「利息もつくから、将来的には丸投げだね!」
キース 「ちょっと待て!」
Aブルー「何か?」
貸しにするより、払いたいと、と質問ですけど。
難問かも…。
2025/02/10 (Mon)
☆オススメは貸し
節分はお寺で七福神巡り、朝イチでバス停に集合ですけど。
迷惑な人たちはキース君に丸投げな案が、聞こえたそうで。
Aブルー「ぼくとしては、貸しにしたいんだけど?」
A船長 「その方が、断然お得ですしね」
ぶるぅを丸投げ出来るのですし、とキャプテンのプッシュ。
A船長 「ヤツのパワーは、年々、アップしていますから」
Aブルー「サイオンじゃなくて、悪戯がね…」
発想も破壊力も上がる一方、とソルジャーが広げる両手。
Aブルー「節分の時に押し掛けられたら、どうしようも…」
A船長 「現状でさえ、大惨事が予想されるかと…」
ですから貸しがオススメですよ、とキャプテン、目がマジ。
A船長 「貸し付けておけば、先になるほど得なヤツです」
Aブルー「たとえ1回限りでもね…」
最初の年を丸投げ出来るのは大きい、とソルジャーも同意。
Aブルー「何をやらかすのか、方向性さえ謎なだけにさ」
A船長 「そうでしょう? 最初が一番、危険ですとも」
人類軍にも言えることですが、とキャプテンの真剣な表情。
A船長 「最新鋭の兵器で来られた場合、初手を躱せば…」
Aブルー「立て直しをする時間が取れるからねえ…」
迎撃態勢を整えられるよ、とソルジャーも。
Aブルー「ぶるぅの悪戯にしても、同じことだね」
A船長 「だからこそ、貸しにしておくべきです」
Aブルー「同感だよ。何年先かは分からないけど…」
一筆書いて貰えればね、とソルジャー、ズイと。
Aブルー「キース、サインだけでも充分だから…」
A船長 「是非とも、ぶるぅの件でよろしく」
今、文面を考えますから、とキャプテンが取り出すメモ帳。
A船長 「こういったことには、アナログがいいんですよ」
シロエ 「分かります。データは破損しますからね」
Aブルー「仕上げ用には、きちんとした紙が欲しいけど…」
ぶるぅ 「取って来る!」
キース 「だから、待てと!」
まだ俺は返事していない、と叫んでますけど。
どうしたいと?
2025/02/11 (Tue)
☆取り下げるのなら
節分は七福神巡りでお寺へ、今年も行くしかない御一同様。
朝イチでバス停に集合、迷惑な人たちもやって来まして…。
Aブルー「貸しにされるのは嫌なのかい?」
キース 「先延ばしになるほど、詰むヤツだからな!」
ぶるぅがパワーアップするんだろうが、とキース君の叫び。
キース 「そんなブツを、引き受けるのは御免蒙りたい!」
Aブルー「うーん…。でもねえ、お得なコースはさ…」
A船長 「貸しにしておく方なんですよ」
そちらでお願い出来ませんか、とキャプテンが指すメモ帳。
A船長 「文書は、すぐに作りますので…」
Aブルー「君はサインをするだけだしね」
キース 「現時点では、そうなるが…」
いつか返って来た時が怖い、とキース君の悪い顔色。
キース 「頼むから、今日で済まさせてくれ!」
Aブルー「そう言われても…。せっかくの名案なのに…」
A船長 「まったくです。取り下げるのは惜しすぎますよ」
よほど美味しい話でも出て来ない限りは、とキャプテンも。
A船長 「今年のお参りの御利益が、倍になるとかですね」
Aブルー「ソレだよ、頼むの、アリじゃないかな」
元はシロエが言い出したけど、とソルジャー、ニンマリ。
Aブルー「全員でやるって話だったし、丸投げでさ」
一同 「「「ええっ!?」」」
アレをキース君に丸投げなのか、と誰もがガクブル。
Aブルー「どうかしたかい?」
シロエ 「い、いえ、何でもありません!」
ジョミー「あのさ、ソレって、キースに限定だよね…?」
Aブルー「そうだね、丸投げ前提だから」
キース限定ってことになるけど、とソルジャー、即答。
Aブルー「君たちも異存は無いだろう?」
一同 「「「は、はいっ!」」」
そうであります、と一同、揃って最敬礼。
Aブルー「だってさ、これで決まりだね」
A船長 「いったい何が決まったんです?」
Aブルー「御利益が倍になるヤツだよ!」
二倍どころか三倍かもね、と笑顔ですけど。
本当に…?
2025/02/12 (Wed)
☆御利益を増やすには
今年も節分は七福神巡りでお寺へ、朝イチでバス停に集合。
迷惑な人たちもやって来まして、話を聞かれていたわけで。
A船長 「キースに頼めば、御利益が倍になるのですか?」
Aブルー「そう! 三倍以上も夢じゃないかも!」
A船長 「それと交換に、ぶるぅの件を取り下げる、と…」
よろしいでしょう、とキャプテン、メモ帳をポケットに。
A船長 「ところで、どういうヤツなのです?」
Aブルー「何がだい?」
A船長 「どんな具合に、キースが御利益を増やすのか…」
其処の所が謎なんです、とキャプテンが傾げる首。
A船長 「なにしろキースは、仏様ではありませんから」
Aブルー「まあねえ、厄病仏とは言われてるけど…」
一般人には違いないね、とソルジャーの視線がキース君に。
Aブルー「だけど、一般人でもいけるヤツがさ…」
A船長 「こっちの世界には、存在しているんですか?」
Aブルー「ピンポーン!」
ズバリ、応援というヤツだね、とソルジャー、笑顔全開。
Aブルー「キース、全力で応援お願いするよ!」
キース 「俺に、アレをやれと!?」
Aブルー「大丈夫! ぼくが頼みたいのは、七福神様で…」
バスの乗客じゃないからさ、と謎の台詞が。
Aブルー「七福神様の前でやったら、アウトらしいし…」
A船長 「何なんです、ソレは?」
Aブルー「ミニスカートを履いて、ポンポンを持って…」
踊りまくるつもりだったらしいよ、とソルジャーの暴露話。
Aブルー「しかもポンポン、派手なピンクでラメ入りで…」
A船長 「神様が怒りそうではありますね…」
Aブルー「だから代わりに、行きのバスでさ…」
A船長 「謹んで、お断りします!」
晒し物になるのは御免ですから、とキャプテン、即答。
A船長 「あなたは良くても、私には無理です!」
Aブルー「うーん…。でも、七福神様の方だから…」
A船長 「アウトなんでしょう?」
私も遠慮したいですね、と言ってますけど。
そうでしょうねえ…。
2025/02/13 (Thu)
☆応援アイテムは不要
節分は七福神巡りでお寺へ、朝イチでバス停に集った面々。
迷惑な人たちも登場、話を聞かれていたせいでピンチな今。
Aブルー「七福神様に叱られるのは、ぼくも困るんだよ」
A船長 「ならば、応援どころじゃないですから!」
やはり貸しにしておかないと、とキャプテンの手にメモ帳。
A船長 「ぶるぅを引き受けて貰う方が、お得ですよ!」
Aブルー「そうかもだけど、御利益を増やすコースもさ…」
安心安全なヤツなんだよ、とソルジャーが立てる人指し指。
Aブルー「ミニスカートもポンポンも、不要なんだし」
一同 「「「は?」」」
応援と言ったらソレなのでは、と誰もがキョトン。
シロエ 「えっと…? 言い出しっぺは、ぼくですけど…」
ジョミー「ポンポンは応援にセットものだよ?」
サム 「ミニスカートまで、つけた筈だぜ?」
断られるのを前提にしてよ、とサム君も。
サム 「断る代わりに、バスでやれって言い出してよ…」
シロエ 「全力で逃げた結果が、七福神巡りに同行して…」
お参りを強制されることに…、とシロエ君が振り返る過去。
シロエ 「キース先輩だけの場合は、不要なんですか?」
ジョミー「なんかズルイと思うんだけど…」
キースは大目に見るだなんて、とジョミー君も不満そう。
ジョミー「ミニスカートとか、目の暴力でもさ…」
シロエ 「此処は、やらせるべきですよね…」
キース 「勝手に話を進めやがって!」
Aブルー「ホントにねえ…」
説明が終わっていないのにさ、とソルジャーの深い溜息。
Aブルー「キースにしか出来ない応援なんだよ」
A船長 「そうなのですか?」
しかも御利益が増えるとは…、とキャプテンも不思議そう。
A船長 「詳しく聞かせて頂きたいのですが…」
Aブルー「オッケー! いいかい、キースはお坊さんで…」
A船長 「その件が関係していると?」
Aブルー「ピンポーン!」
お坊さんだからこそだよね、と笑顔ですけど。
どう関係が…?
2025/02/14 (Fri)
☆お坊さんの本気
節分はお寺で七福神巡り、バス停に来ている面々ですけど。
迷惑な人たちも登場でして、キース君に応援させるとかで。
A船長 「お坊さんだと、どんな応援が出来るんです?」
Aブルー「理屈は、ぼくにも分からないけど…」
なにしろ行先はお寺だし、とソルジャーの視線が副住職に。
Aブルー「一般人と違って、プロならではのお参りが…」
A船長 「なるほど、お経を唱えるとか…」
Aブルー「お経にしても、素人とは比較にならないし…」
七福神様の覚えも、めでたそうだよ、という指摘。
Aブルー「聞こえ方が違うと思うんだよね」
A船長 「ありそうです。耳の遠い方もおいでですから…」
Aブルー「そう! 恵比須様だったかな?」
キースが本気で頼んでくれれば、小声でも、と真剣な人。
Aブルー「キース、どうかな、ぼくの考えで合っている?」
キース 「それはまあ…」
Aブルー「ほらね、だからキースに頼んで貰って…」
御利益を増やす方向で、とソルジャー、やる気満々で。
Aブルー「やってくれるんなら、ぶるぅの話は白紙でさ…」
キース 「俺は拝むだけでいいんだな?」
Aブルー「キッチリ、本気モードでね!」
服装もソレじゃダメだろう、とキース君の服をジロジロと。
Aブルー「瞬間移動で送迎するから、お坊さんので!」
キース 「バスに間に合わないと思うんだが!」
じきに来るぞ、とキース君が指差す時刻表。
キース 「そうなれば、困るのは、あんたの方で…」
Aブルー「大丈夫! バスに乗るのは、ぼくたちだけで!」
君は現地で合流だよね、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「時間がたっぷり取れるわけだし、じっくりと…」
キース 「袈裟を選べと?」
輪袈裟はダメとか言われても…、とキース君の悪い顔色。
キース 「お袈裟は、クリーニング代が高くて…」
Aブルー「そのくらい、払ってあげるから!」
キース 「し、しかし…!」
悪目立ちしてしまうんだが、と焦ってますけど。
正装だけに…。
2025/02/15 (Sat)
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