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シャングリラ学園つれづれ語り

☆施餓鬼にピッタリ


今年も棚経の日が来ましたけど、スッポンタケのお膳が問題。
死んでいない霊は迎えていなくて、お膳を召し上がる仏様も無し。

シロエ 「あのぅ…。お盆の精神で施餓鬼というのは何ですか?」
ブルー 「文字通り、餓鬼に施すんだけど、お盆だからねえ…」

いつも以上に意味があるよね、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「地獄からも帰って来るというのに、無縁仏様も多くて」
マツカ 「ああ…。お迎えする人が誰もいない仏様ですね?」
ブルー 「そうなんだよ。棚経も無ければ、帰る家も無いし…」

餓鬼でなくても、ホームレスという感じだよね、という話。

ブルー 「帰る家のある仏様をさ、横目で見るしかないわけで…」
スウェナ「それで施餓鬼をするわけね? 食事の無い仏様向けに」
ブルー 「もちろん餓鬼にもお供えするけど、それ以上だよね」

どうぞ沢山お召し上がり下さい、と施餓鬼してこそ、と解説が。

ブルー 「だからスッポンタケのお膳も、施餓鬼にピッタリ!」
シロエ 「無駄になってはいないんですね?」
ブルー 「棚経のお経には変食陀羅尼もあるからね」

お供えしたお膳がドカンと増えて、何人分もの御馳走に…、と。

ブルー 「毎年、大勢の仏様が喜んでくれていると思うよ」
ぶるぅ 「わぁーい、ぼくのお料理、沢山の人が食べるんだね!」

今年も美味しく食べて欲しいな、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「スッポンタケだと一人だけだけど、お客様が一杯!」
シロエ 「そういう仕組みになってたんですか、あの棚経…」
ブルー 「スッポンタケを迎えていないからには、そうなるね」

誰かさんの功徳にはなっているけど、とニコニコニコ。

ブルー 「本人にそのつもりはなくても、善行だしさ」
シロエ 「極楽の蓮がランクアップですか、功徳を積んで」
ブルー 「そう! ただ、本人は…」
スウェナ「喜ぶかどうか、微妙だわねえ…」

極楽の蓮のランクアップは…、と首を傾げる御一同様。
どうなんでしょうね?


2017/08/16 (Wed)

 

☆施餓鬼をすると


お盆の棚経の日なんですけど、スッポンタケの霊は迎えないまま。
供えたお膳はスッポンタケならぬ、他の仏様用になるそうで…。

シロエ 「誰かさんが希望している蓮って、ランク低めですね?」
マツカ 「阿弥陀様から一番遠い蓮を希望だそうですしね…」

阿弥陀様の所に近い蓮ほど上等ですよね、と御曹司の質問。

マツカ 「功徳を積んでランクアップだと、近くなりますよね?」
ブルー 「それはもう! 功徳を積むほど順調に!」
シロエ 「だったら今年も近付くんですね、このお膳の分…」
ブルー 「そうだけど? どのくらいの距離かは謎だけどさ」

単位がセンチかメートルなのかは分からないよ、と銀青様。

ブルー 「ミリ単位なのかもしれないし…。だけど、ミリでも…」
シロエ 「百回もやれば、10センチにはなりますね…」
マツカ 「センチだったら1メートルですし、メートルならば…」
スウェナ「百年も経ったら、百メートルはガチだわねえ…」

それだけ阿弥陀様に近付くわけね、と眺めるお膳。

スウェナ「嫌がりそうねえ、誰かさん…。希望と逆では」
シロエ 「日頃の行いが最悪ですから、差し引きゼロかも…」
ブルー 「どうだろうねえ、お浄土の基準は緩めだからさ」

蜘蛛の糸の話で分かるだろう、という話。

ブルー 「たった1匹の蜘蛛を助けたら、地獄脱出可能なんだよ」
シロエ 「そうでした! あの話は糸が切れちゃいますけど…」
マツカ 「その教訓から学んだ人は、無事に極楽到着ですよね…」

他の人さえ蹴落とさなければ、極楽に登れるんですから、と。

マツカ 「そこまで基準が緩いとなったら、お膳の効果は…」
シロエ 「抜群なのかもしれませんよね、毎年、施餓鬼で」

何メートルほど近付いたでしょう、とシロエ君が傾げる首。

シロエ 「いっそキロ単位なら、もう最高だと思うんですが!」
ブルー 「キロとなったら、やめそうだよね…」

この棚経というヤツを…、と頷く生徒会長。
どうなるんでしょう?


2017/08/17 (Thu)

 

☆距離が縮みます


棚経の日がやって来たものの、スッポンタケの霊のお迎えは無し。
供えたお膳は他の仏様が喜ぶ施餓鬼で、誰かさんが積むのが功徳。

ブルー 「棚経1回につき、阿弥陀様に1キロ近付くんなら…」
シロエ 「極楽が相当広いにしたって、かなり接近しますよね」
マツカ 「百回やれば百キロですから、相当な距離になりますよ」
スウェナ「宇宙規模での広さなら、まだマシそうだけど…」

まさか何光年ってことは…、とスウェナちゃんが言う極楽の距離。

スウェナ「阿弥陀様から、何光年も離れることは無いんでしょ?」
ブルー 「那由多とか阿僧祇とか、普通にお経に入ってるから…」
シロエ 「もしかして、何光年ですか!?」
ブルー 「うん、多分…。でもねえ、相手はお浄土だから…」

何光年でも一瞬だよね、と伝説の高僧、銀青様。

ブルー 「広いお浄土の何処にいたって、阿弥陀様はおいでで…」
シロエ 「見てらっしゃるということですか?」
ブルー 「それが出来なきゃ、阿弥陀様ではないからね!」

お浄土の何処でも、阿弥陀様のお声は聞こえるものだ、と。

ブルー 「日々、有難い説法を聞いて修行なんだよ」
シロエ 「誰かさんの目的は、修行とは違うみたいですけど?」
マツカ 「阿弥陀様から一番遠い蓮を希望する人ですからね…」
スウェナ「何光年も離れていたって、距離は縮むわよ!」

棚経でお膳を供える度に…、とスウェナちゃんが指差すお膳。

スウェナ「今年もコレで縮むわけよね、何センチかは」
シロエ 「キロ単位で縮めて欲しいですけどね…」
マツカ 「それはキースの腕なんでしょうか?」

どのくらい縮められるかは…、という質問。

マツカ 「棚経に来るお坊さんの力によりますか?」
ブルー 「それはまあ…。無関係とは言えないだろうね、法力も」
シロエ 「じゃあ、会長が棚経をしたら…」
スウェナ「キースよりも縮められそうよねえ、阿弥陀様との距離」

1光年でもいけそうだわよ、と言ってますけど。
そうなんですか…?


2017/08/18 (Fri) 

 

☆代わりにお願い


棚経の日を迎えましたが、スッポンタケの霊はお迎えしない現実。
供えたお膳は施餓鬼になって、他の仏様が喜ぶ仕様だそうでして。

スウェナ「伝説の高僧、銀青様なら1光年でも縮められそうよ?」
シロエ 「そうですね…。キース先輩なら1メートルでも…」
マツカ 「ブルーだったら1光年というのは、ありそうですね」

どうなんですか、とマツカ君が見詰める生徒会長、いえ、銀青様。

マツカ 「そのくらいの差は出るんでしょうか? 実際のところ」
ブルー 「うーん…。まるで無いとは言えないねえ…」
シロエ 「だったら、会長にお願いしたいんですけれど!」

今年のスッポンタケの棚経、とシロエ君が土下座。

シロエ 「その展開なら、例の人が逃げて行くでしょうから…」
マツカ 「逃げそうですね…。棚経なんかは放り出して」
スウェナ「やってしまったら、阿弥陀様との距離が縮むものね」

今までは1メートルで済んでいたのが1光年も、と輝く顔。

スウェナ「それで行きましょ、これから毎年、ブルーの役目で!」
シロエ 「スウェナ先輩も土下座ですよ! ぼくと一緒に!」
マツカ 「ブルー、ぼくからもお願いします!」

どうか棚経をやって下さい、と三人揃って土下座MAX。

シロエ 「お願いですから、助けると思って!」
マツカ 「他所のお寺のお坊さんがやっても、いいんですよね?」
ブルー 「基本は菩提寺なんだけどねえ…」

遠方とかでも、お盆より前に来て貰うとか…、という話。

ブルー 「元老寺の檀家さんでも、そういう家はあると思うよ」
シロエ 「棚経が今日じゃない家…ですか?」
ブルー 「そう。檀家さんの家が遠いと、もう七月から…」

卒塔婆書きの合間に出掛けるよね、と解説が。

ブルー 「棚経はそれほど大切なんだよ」
シロエ 「じゃあ、会長が代理でやるのは絶望的ですか?」
ブルー 「絶望的ってこともないけど、今年はキースが…」

来ることになっているからねえ…、とツッコミが。
予約済みですね?


2017/08/19 (Sat)

 

☆ドタキャンしたい


棚経の日が来たわけですけど、スッポンタケの霊は不在だそうで。
お供えしたお膳は施餓鬼になって、誰かさんが功徳を積む仕様。

シロエ 「例の人を排除できると思ったんですが…。棚経から」
マツカ 「ぼくたちだけでやるんだったら、平和ですしね…」
スウェナ「ただの遊びに過ぎないものねえ、抹香臭くても」

今までの棚経とは全然違うわ、とスウェナちゃんも残念そう。

スウェナ「だけどキースが来るのよね…。頼んだからには」
シロエ 「ドタキャンするのはどうなんでしょう?」
マツカ 「そういえば、連絡は可能ですよね…。棚経中でも」

スマホは持っているでしょうから、と御曹司。

マツカ 「それともスマホはアウトでしょうか、棚経には?」
ブルー 「アウトじゃないけど? むしろ去年から隠れた人気」
一同  「「「へ?」」」
ブルー 「ポケモンGOだよ、あらゆる所を回るからねえ!」

棚経でポケモン捕り放題だ、と凄い台詞が。

シロエ 「ぽ、ポケモンって…。棚経中にですか!?」
マツカ 「車の運転とは違いますから、いいんでしょうか…?」
ブルー 「流石にお経を唱えながらは駄目だけどさ…」

移動の合間にポケモンゲット、という返事。

ブルー 「これがけっこう捕れるらしくて、スマホは必須!」
シロエ 「だったら、キース先輩も持っているわけですね?」
スウェナ「ポケモンGO、やっていたかしら?」
マツカ 「やっていないと思いますけど…。始めたとか…?」

お坊さんの間で流行りだったら…、と傾げる首。

マツカ 「やらないと付き合いが悪いでしょうか?」
ブルー 「それはあるねえ、大勢で集まるような時には…」

話題になるのがポケモンGOだ、と銀青様。

ブルー 「自分のお寺がジムになってる人も多いし」
シロエ 「それならキース先輩も、スマホを持って出てますね!」
スウェナ「ポケモンGOはともかく、アウトじゃないなら…」

出先でも連絡がつく筈よ、とスウェナちゃん。
ドタキャンですか?


2017/08/20 (Sun) 

 

☆ドタキャンに決定


棚経の日を迎えたものの、いないらしいのがスッポンタケの霊。
供えたお膳は施餓鬼になって、誰かさんが功徳を積む仕様らしく。

スウェナ「キースに電話しましょうよ! 来なくていい、って!」
シロエ 「そうですね…。キース先輩も一軒減ったら喜びますよ」
マツカ 「今日は一日中、自転車で走るわけですしね…」

この暑い中を、ジョミーをお供に汗ダラダラで…、とマツカ君も。

マツカ 「此処には瞬間移動で来ていますけど、他の所は…」
シロエ 「もれなく自転車で走りまくりで、地獄らしいですし…」
スウェナ「ドタキャンでも絶対、大喜びよ! それに此処のは…」

スッポンタケの棚経だもの、とニコニコニコ。

スウェナ「戒名を後悔してるらしいし、来ずに済んだら万歳よ!」
ブルー 「そうなるだろうね、毎年、ドツボにはまるんだから」

スッポンタケの棚経をさせられて…、と頷く生徒会長。

ブルー 「分かった、ぼくが棚経をするよ。キースの代わりに」
シロエ 「お願いします! で、でも、お布施は…」
スウェナ「べらぼうに高くつくんだったわね、この場合…」

キースとは格が違うから…、と青ざめるスウェナちゃんですけど。

マツカ 「ぼくが出させて頂きます。…おいくらですか?」
ブルー 「お志だし、このくらい…、と言いたい所だけどさ…」

生徒会長、指を1本立てまして…。

ブルー 「だけど、目的が目的だから…。ワンコインでいいよ」
シロエ 「本当ですか!?」
ブルー 「うん。うまい棒が買えるワンコインで充分!」
一同  「「「う、うまい棒…」」」

そんなに安くていいんだろうか、と狂喜乱舞の御一同様。

シロエ 「じゃあ、棚経は会長にお願いするってことで…」
マツカ 「キースの方は断りましょう! ドタキャンで!」
スウェナ「えーっと…。棚経中だと、出られないわよね?」
??? 「ちょっと待ったぁーっ!」

その電話、と現れたのがソルジャー(会話表記はAブルー)。
どうなるんでしょう?


2017/08/21 (Mon) 

 

☆ドタキャンは困る


棚経の日が来ましたけれど、スッポンタケの霊はいないという話。
供えたお膳は施餓鬼になるわけで、誰かさんが功徳を積む仕組み。

Aブルー「待ってよ、キースを断るだなんて! 棚経なのに!」
ブルー 「ぼくが代わりにやるからいいよ。キースは要らない」
シロエ 「そうですよ! 会長が破格のお布施でしてくれますし」
マツカ 「うまい棒が1本分ですからね…。大サービスですよ」

それで充分じゃないですか、と御曹司の笑み。

マツカ 「キースだったらワンコインでは、とても無理です」
シロエ 「ついでに会長が普通にやったら、札束ですよ?」

とても安くてお得ですよ、とシロエ君も。

シロエ 「財布にうんと優しい上に、功徳もバッチリですからね」
スウェナ「キースとは格が別物だものね、有難いわよ」
Aブルー「それが困ると言ってるんだよ、ブルーだなんて!」

ぼくの立場が無いじゃないか、とソルジャー、ワタワタ。

Aブルー「ブルーが棚経をやった時には、極楽の蓮が…」
ブルー 「君が予約をしてる蓮なら、阿弥陀様にグンと近付くよ」

キースの比ではない距離で…、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「有難く思ってくれたまえ。お浄土に功徳を積めるから」
Aブルー「迷惑だってば、阿弥陀様から遠い蓮でないと…」

ぼくが色々と困ることに…、と大慌てな人。

Aブルー「ぼくのハーレイは、見られていると意気消沈でさ…」
ブルー 「前も言ったよ、お浄土はセックス禁止だけれど?」
Aブルー「だから遠いほどいいんだってば! 目が届かなくて!」

いろんな意味で遠い蓮がいい、と必死の形相。

Aブルー「近付くだなんて悲惨すぎるよ、キースでなくちゃ!」
シロエ 「キース先輩でも、棚経をすれば近付くみたいですけど」
Aブルー「日頃の行いと差し引きゼロで、誤差の範囲かと…」
ブルー 「まあねえ、君は普段の心がけってヤツが最低だから」

お念仏の一つも唱えないし…、と冷たい視線。
確かにそういう人ですね?


2017/08/22 (Tue)  

 

☆うまい棒でよろしく


棚経の日を迎えたものの、スッポンタケの霊は迎えていない模様。
供えたお膳は施餓鬼な扱い、ソルジャーが功徳を積むわけで…。

Aブルー「キースが棚経をするんだったら、安全圏だよ!」
ブルー 「それはそうかもしれないけどねえ…。差し引きゼロで」
Aブルー「だからキースに頼みたいんだよ、これから先も!」

それにスッポンタケの供養もしたい、とソルジャー、必死。

Aブルー「死んでないとか、命日が無いとか言われててもさ…」
ブルー 「不毛だとは思わないのかい? 無意味なんだし」
Aブルー「それは無いってば、ご利益の方は絶大だから!」

現にビンビンのガンガンで…、と握り締める拳。

Aブルー「ハーレイが励みまくってくれるし、もう凄くって!」
ブルー 「その先、禁止!」
Aブルー「そう言わずに…。本当に効くんだよ、スッポンタケ!」

法要の度にパワーアップをしていくからね、と信じている人。

Aブルー「今日の棚経も効く筈なんだよ、もう最高に!」
シロエ 「だったら、会長の方がお勧めですよ?」
マツカ 「そうですよね…。より法力が強いんですから…」

とても効くんじゃないですか、と御曹司も。

マツカ 「キースに頼むよりいいですよ。それに安いです」
スウェナ「うまい棒な値段は変えないんでしょ? この人でも」

お布施の額は変更しないわよね、とスウェナちゃんの質問。

スウェナ「私たちだけの特別価格ってことはない筈よ!」
ブルー 「うーん…。相手はブルーなんだから…」
シロエ 「駄目です、値上げなんかしちゃ! お得な価格で!」
マツカ 「出血大サービスな価格でお願いします!」

どうか今年の棚経を…、と頼む面々。

シロエ 「会長がやってくれるだけでも、こう、色々と…」
マツカ 「お得感ってヤツが満載ですから、どうぞよろしく」
ブルー 「うまい棒1本分のお布施ねえ…」
Aブルー「安くないから!」

安物買いの銭失いというヤツだよ、と叫ぶソルジャー。
そうなんですか?


2017/08/23 (Wed) 

 

☆普通は喜びます


スッポンタケの棚経ですけど、肝心の仏様が来ていないのが真相。
供えたお膳はもれなく施餓鬼で、ソルジャーが功徳を積む仕組み。

Aブルー「いくらお布施が安くったって、結果の方が最悪だし!」
ブルー 「最悪って…。失礼なことを言わないでくれたまえ!」
シロエ 「そうですよ。凄い功徳が積めるんですから」
マツカ 「阿弥陀様にグッと近付けるんです、有難いですよ」

キースのお経とは桁違いの距離でいけますからね、と御曹司。

マツカ 「キースだとセンチ単位だとしても、ブルーの場合は…」
シロエ 「メートルどころかキロ単位ですしね、1年ごとに」
スウェナ「1光年って話もあるわよ、素晴らしすぎよ!」

こんないい話を断るなんて…、とスウェナちゃんもプッシュ。

スウェナ「おまけにお布施が安いのよ? 頼まなくっちゃ!」
ブルー 「みんなの希望じゃ、うまい棒1本分でやるしかないね」
シロエ 「ありがとうございます! お願いします!」
Aブルー「ぼくは困ると言ってるんだよ、そんな棚経!」

スッポンタケの供養はしたいけどさ、とオロオロと。

Aブルー「極楽の蓮が阿弥陀様に近くなるなんて…」
ブルー 「普通は其処で喜ぶんだよ、君がおかしいだけだから!」
Aブルー「ぼくは極めて普通だってば、セックスは大事!」

セックス抜きの人生なんて…、とソルジャー、力説。

Aブルー「そんな人生に意味なんか無いし、極楽でも同じ!」
ブルー 「お浄土はセックス禁止なんだと言ってるだろう!」
Aブルー「駄目と言われたら余計に燃えるものなんだよ!」

どんなものだってそうだろう、と食い下がる人。

Aブルー「禁止となったら、余計にやりたくなるもので…」
ブルー 「未成年の飲酒と一緒にしない! お浄土を!」
Aブルー「だけど分かってくれるだろう? 君たちだって」
一同  「「「は?」」」
Aブルー「未成年でも飲酒だってば!」

それと同じで、極楽に行ってもセックスを…、と。
屁理屈ですよねえ…?


2017/08/24 (Thu) 

 

☆一緒にしないで


スッポンタケの棚経なのに、来ていないらしいスッポンタケの霊。
お膳を備えても施餓鬼になって、ソルジャーが功徳を積むわけで。

Aブルー「禁止と言われれば余計にやりたい! 飲酒も同じ!」
シロエ 「あのぅ…。ぼくたち、お酒は飲みませんけど?」
マツカ 「そうですよ。キースくらいじゃないですか?」

飲んでいるのは…、と御曹司。

マツカ 「それも付き合いの時だけで…。大学を卒業してますし」
スウェナ「大学のコンパじゃ飲んでたみたいね、それに今も…」
シロエ 「お坊さん同士で出掛けた時には、少しくらいは…」

飲む筈ですよ、とシロエ君も。

シロエ 「でも、ぼくたちと出掛ける時には飲んでませんから!」
スウェナ「私たち、見た目が高校1年生のままだものね…」
Aブルー「だけど、ぶるぅは飲んでるじゃないか!」

六歳にもなっていないのに、と指差す先にお子様ですけど。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ 三百年以上は生きてるも~ん!」
ブルー 「ぶるぅは特別なんだってば! その子たちと違って!」

チューハイだろうが、ビールだろうが…、と生徒会長。

ブルー 「六歳でも年季が入ってるんだし、一緒にしない!」
シロエ 「会長が言う通りです! ぼくたちは一滴も飲みません」
マツカ 「まず間違いなく、酔っ払いますしね…」
スウェナ「二日酔いどころか、救急搬送だわよ」

急性アルコール中毒になって…、と真面目な意見。

スウェナ「命を落とす人も多いし、飲みたくないわね」
シロエ 「まったくです。キースも苦労したんじゃないですか?」
マツカ 「少しずつ慣れていったんでしょうね、毒と同じで」

それに酒好きでもないでしょう、とキッパリと。

マツカ 「ですから、同列にしないで下さい」
Aブルー「えーっ!? 分かってくれると思ったのに!」
シロエ 「分かりたいとも思いません!」
ブルー 「それより、そろそろ時間じゃないかな?」

キースを断るなら急がないと、という声が。
ドタキャンの件ですね?


2017/08/25 (Fri)

 

☆お得なのがいい


スッポンタケの棚経ですけど、スッポンタケの霊は不在だそうで。
供えたお膳は施餓鬼になる仕組みで、ソルジャーには悲劇。

Aブルー「待ってよ、キースを断らないでよ!」
ブルー 「グダグダ言わない! ぼくの方が格が上なんだから!」

有難く棚経をして貰うといい、と伝説の高僧、銀青様。

ブルー 「札束が欲しい所だけれども、うまい棒1本分だしね」
Aブルー「うまい棒なら、もっと別のが欲しいんだよ!」
一同  「「「へ?」」」
Aブルー「だから、ハーレイのアレだってば! ビンビンのが!」

同じ棒ならそっちの方が、と強烈すぎる発言が。

Aブルー「舐めて美味しくて、突っ込んで貰って満足で…!」
ブルー 「退場!!!」

サッサと出て行け、と生徒会長、もはやブチ切れ。

ブルー 「ぶるぅ、衣を用意して! それとお袈裟も!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ うんと上等のヤツ?」
ブルー 「もちろんだよ! 一番いいお袈裟を出して来て!」

急いでお香も焚き染めて欲しい、と注文が。

ブルー 「サイオンを使っていいからね。いいお香を!」
ぶるぅ 「オッケー! ちょっと待っててねーっ!」
Aブルー「駄目だってば!」

ブルーが棚経をするだなんて、とソルジャー、顔面蒼白。

Aブルー「ランク落ちでも何でもいいから、キースでお願い!」
ブルー 「ぼくと比べたらB級品どころじゃないんだけど?」
シロエ 「そうですよ! …キース先輩には失礼ですけど」
マツカ 「文字通りに月とスッポンですよね、お坊さんのランク」

ブルーの方がお勧めですよ、と御曹司もプッシュ。

マツカ 「キースの方は断るべきです! 間に合う内に!」
スウェナ「いろんな意味で、そっちがお得よ!」

電話しましょ、と取り出すスマホ。

スウェナ「それともLINEがいいかしら?」
ブルー 「読経中だと、電話は迷惑になるからね…」
シロエ 「じゃあ、LINEですね」

既読スルーは無いでしょう、と言ってますけど。
さて、どうなる…?


2017/08/26 (Sat)

 

☆干物なんて嫌だ


スッポンタケの棚経の日ですが、不在だというスッポンタケの霊。
供えたお膳は施餓鬼になって、ソルジャーが功徳を積む仕組み。

スウェナ「じゃあ、キースには断るわよ? 此処の棚経」
シロエ 「ドタキャンになった、で通じるでしょうね」
マツカ 「忙しいでしょうから、短く伝えるべきですよ」

来なくていいという件だけを、と御曹司。

マツカ 「理由は後から説明すればいいんです! お盆の後で!」
ブルー 「その方がいいね、お盆は一年で一番大変だから」
シロエ 「卒塔婆書きから始まりますしね…。この暑いのに」
スウェナ「やっと終わったら棚経だものね、生き地獄だわよ」

今日も猛暑日になりそうよ、と指差す外のカンカン照り。

スウェナ「棚経中なら、クーラーなんかもありそうだけど…」
ブルー 「甘いね、ご高齢の家の場合は団扇なんだよ」

クーラーも扇風機も無しで、と伝説の高僧、銀青様。

ブルー 「和尚さんも暑いだろうと、心をこめて扇いで下さる」
シロエ 「団扇ですか…。扇ぐ人だって暑いでしょうしね」
ブルー 「もう最高のおもてなしだよね、坊主にとっては」

たとえ死ぬほど暑かろうとも…、という話。

ブルー 「お盆の全てが終わった後には、エイの干物で」
一同  「「「エイの干物?」」」
ブルー 「ツイッターで人気を博したんだよ、そういう写真が」

お盆の行事を終えた後の拙僧、と称してUPなエイの干物。

ブルー 「お盆が始まる前の拙僧の写真は、凛とした柴犬」
シロエ 「そこまで違いが出るんですか…」
ブルー 「とても的確な表現だ、とリツイートの嵐!」

だからキースも断ってやれ、と大真面目な顔。

ブルー 「棚経が一軒減れば極楽、干物も少しはマシだから!」
Aブルー「それだと、ぼくがエイの干物になるってば!」
一同  「「「は?」」」
Aブルー「セックスライフが漲らないから、干からびちゃって!」

キースを断らないでくれ、と必死の懇願。
功徳を積みたくないようですね?


2017/08/27 (Sun)

 

☆キャンセルの場合


スッポンタケの棚経が控えているのに、不在なスッポンタケの霊。
供えたお膳はもれなく施餓鬼で、ソルジャーが功徳を積む仕組み。

Aブルー「お願いだから、ぼくを干物にしないでくれたまえ!」
ブルー 「干物でいいと思うけど? 静かになるしね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お袈裟の用意、していい?」
シロエ 「お願いします! その間にキースを断りますから!」

スウェナ先輩、とシロエ君が見詰めるスウェナちゃんのスマホ。

シロエ 「早くLINEで伝えて下さい! 来なくていいと!」
スウェナ「そうねえ、善は急げだから…」
Aブルー「それは困るよ、お膳はとても大切なんだよ!」

たとえ施餓鬼になろうとも…、と慌てるソルジャー。

Aブルー「キースが施餓鬼をするんだったら、差し引きゼロで!」
ブルー 「極楽の蓮が、阿弥陀様に近くならないって?」
Aブルー「分かってるんなら、ぼくはキースに頼みたいんだよ!」

お願いだからキースの方で…、とソルジャー、土下座。

Aブルー「キャンセル料なら支払うから! 君の分を!」
ブルー 「…当日キャンセルだと全額だよ?」

それが常識、と苦々しい顔。

ブルー 「ちゃんと払ってくれるのかい? キャンセル料を」
Aブルー「それはもちろん!」

うまい棒1本分だったよね、と言ってますけど。

ブルー 「そっちは特別料金だってば、出血大サービスの!」
シロエ 「そうですよ! ぼくたちのための料金です!」
Aブルー「じゃ、じゃあ…。本来の君の棚経代は?」
ブルー 「お布施と言ってくれたまえ!」

坊主に支払うお金はお布施、とキッチリ文句が。

Aブルー「う、うん…。そのお布施はいくら要るんだい?」
ブルー 「これだけだね!」

ピッと1本、立てられた指。

ブルー 「うまい棒なら10万本は買えるかな、と…」
Aブルー「それを払えと!?」
ブルー 「キャンセルならね!」

どうするんだい、と立てられたままの人差し指。
キャンセル料、半端ないですね…?


2017/08/28 (Mon) 

 

☆自転車で来ました


スッポンタケの棚経の日なのに、不在だというスッポンタケの霊。
供えたお膳は施餓鬼になって、ソルジャーが功徳を積むそうで…。

Aブルー「そ、それだけのキャンセル料を払えと…?」
ブルー 「ぼくが一旦引き受けたんだし、当然だよね」

キースの方に頼みたいなら、これだけ払え、と銀青様。

ブルー 「払わないなら、ぼくがやるまで! ぶるぅ、用意を!」
ぶるぅ 「オッケー! 法衣と上等のお袈裟で、お香もだね!」

待っててねーっ! と走り去ったわけで、生徒会長、ニヤニヤと。

ブルー 「支度の方も始めたからには、キャンセル料は頂くよ」
Aブルー「そ、そんな…。うまい棒1本分だった筈だろう?」

ぼったくりだよ、と嘆いてますけど、知らん顔なのが生徒会長。

ブルー 「臨時収入が入りそうだし、夜は焼肉を食べに行こうか」
シロエ 「いいですね! キース先輩たちも呼びましょう!」
マツカ 「栄養をつけて欲しいですしね、酷く疲れていますから」

エイの干物になるくらいに…、と御曹司も。

マツカ 「そうと決まれば、それもLINEで連絡ですよ」
ブルー 「うーん…。お盆の間は忙しいから、無理じゃないかな」

坊主組は…、と言った所でチャイムの音が。

スウェナ「あら? お客様かしら?」
ぶるぅ 「はいはーい! あれっ、キースなの!?」
キース 「遅くなってすまん。…棚経に来たぞ」

迎えはどうした、と非難の視線がソルジャーに。

キース 「瞬間移動でショートカットじゃなかったのか?」
ジョミー「そうだよ、迎えに来てくれないから自転車だったよ!」

この暑いのに必死に漕いで…、と汗だくな法衣の二人組。

キース 「まったくもう…。サッサと始めさせて貰うぞ」
ブルー 「君は休憩していていいよ。それにジョミーも」
キース 「はあ?」
ブルー 「今年の棚経、ぼくがすることになったから」
キース 「あんたがか?」

またゴージャスなサービスだな、と言ってますけど。
さて、どうなる…?


2017/08/29 (Tue)

 

☆ごゆっくりどうぞ


スッポンタケの棚経ですけど、不在らしいのがスッポンタケの霊。
供えたお膳は施餓鬼になる仕組みで、ソルジャーが功徳を積む形。

キース 「なんだって、あんたが棚経なんだ? 俺の代わりに」
ブルー 「色々あってね、お浄土に功徳を積みたいらしくて」
キース 「ほう…。それは殊勝な心がけだな、こいつにしては」

やっとお盆を理解したか、と頷いている副住職。

キース 「では、有難く休ませて貰おう。ジョミー、休憩だ」
ジョミー「助かったぁ…。ぶるぅ、冷たい飲み物ちょうだい!」
ぶるぅ 「オッケー、暑いから梅ジュースだよね!」

よく冷えてるよ、とササッと出て来た梅ジュース。

ぶるぅ 「二人とも、ゆっくり休んでて! 涼しい所で!」
キース 「有難い。外は灼熱地獄だからな」
シロエ 「お疲れ様です、キース先輩。ジョミー先輩も」
ジョミー「えーっと…。帰りも自転車で走るしかないかな?」

此処の棚経がキャンセルなら…、と心配そうな顔ですけれど。

ブルー 「連絡が遅れちゃったわけだし、ちゃんと送るよ」
キース 「あんたの瞬間移動でか?」
ブルー 「ぼくか、ぶるぅか、その場のノリで!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お袈裟の用意、出来たよーっ!」

着替えて来てね、と無邪気な声が。

ブルー 「じゃあ、失礼して…。直ぐに戻るよ」
Aブルー「ちょ、ちょっと…! 本気で君が棚経なわけ?」
ブルー 「キャンセル料を貰ってないから、そうなるねえ…」

それじゃ、と部屋を出て行った生徒会長、法衣で戻って…。

ブルー 「みんな、お待たせ。キースとジョミーは休んでて」
キース 「凄いお袈裟だな、棚経にしては」
ブルー 「ぼくも全力投球だからね!」

MAXのパワーで施餓鬼をしたい、とニンマリと。

ブルー 「ブルーが予約している蓮をさ、阿弥陀様にグンと!」
シロエ 「一光年ほど近付けるんだそうです、今日の棚経で」

ですから先輩はごゆっくり、とシロエ君。
キース君たち、休めそうですね…?


2017/08/30 (Wed)  

 

☆乱れ飛ぶお札


スッポンタケの棚経なのに、迎えていないのがスッポンタケの霊。
供えたお膳は施餓鬼になって、ソルジャーが功徳を積むわけで…。

ブルー 「それじゃ、早速…。みんな座って、座って!」
シロエ 「はいっ! あ、キース先輩とジョミー先輩は?」
ブルー 「疲れてるだろうし、のんびり休憩していていいよ」
キース 「恩に着る。俺もジョミーも、心でお参りさせて貰おう」

涼しい部屋で有難く…、と喜ぶ坊主組ですけれど。

Aブルー「ま、待ってよ、払うよ、キャンセル料を!」
一同  「「「へ?」」」
Aブルー「ドタキャンは全額だって言うなら、ちゃんと全額!」

言うなり出ました、分厚い札束。瞬間移動で取り寄せた模様。

Aブルー「こないだ、ノルディに貰ったお小遣いだけど…」
ブルー 「ふうん…? お布施はきちんと包むものでさ…」
キース 「むき出しの札束を渡すというのは論外だぞ」
Aブルー「じゃあ、包むから! ぶるぅ、金封をくれないかな?」

この札束が入るサイズで…、とソルジャー、オロオロ。

Aブルー「でもって、お布施と書いて欲しいんだけど…」
ぶるぅ 「んとんと…。ブルー、どうすればいい?」
ブルー 「金封代を貰いたまえ。墨も磨るから、全部でこれだけ」

うまい棒が千本分だよね、と立てる人差し指。

ブルー 「それから、キースとジョミーにお布施で…」
Aブルー「分かった、ちゃんと払うから! キースでお願い!」
キース 「…俺も今年は高くつくぞ」

振り回された上に、迎えも無しで自転車で走らされたから、と。

キース 「お盆が済んだら、それで焼肉を食いに行かんか?」
シロエ 「いいですね! ぼくたちも、そのつもりでした!」

ゴージャスに焼肉を楽しみましょう、という声が。

Aブルー「なんでもいいから、普通に棚経!」
キース 「俺のお布施は、うまい棒1万本で頼むぞ」
Aブルー「分かったってば!」

持ってけドロボー! と叫ぶソルジャー。
お札が飛ぶ中、これにて中継終了~。


2017/08/31 (Thu)






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☆お盆が近いと


さて、八月。ヒシヒシとお盆が近付く季節で、暑さもMAX。
生徒会長宅でダラダラしている面々の中で、キース君だけ溜息を。

キース 「まだ卒塔婆書きが終わらないんだ…。山ほどあってな」
サム  「自業自得っていうヤツだろ? お盆休みがねえのもさ」
ジョミー「そうだよ、今年は涼しい所で書けるチャンスが…」

あったのにさ、と僧籍な人たちからのツッコミが。

ジョミー「あの時、一緒に帰っていたなら、エアコン完備で…」
シロエ 「お盆休みもあったんですよね、異世界ですから」
マツカ 「棚経は一件だけですからねえ、それも出先で」

いいお話を断っておいて、文句も何も…、と御曹司も。

マツカ 「ぼくたちも、別荘でお盆休みのチャンスがパアです」
ブルー 「まったくだよ。キースさえ留守にしてくれていたら…」
スウェナ「お盆は花火大会に行ける筈だったのよ!」

なのに、どうして此処にいるの、と睨み付ける先に副住職。

スウェナ「他所の世界でも、卒塔婆くらいは書けるじゃないの!」
キース 「それは書けるが、真面目に命の危機でだな…!」
ブルー 「大丈夫だって言ってたじゃないか。航路設定」

普段以上に慎重にやると聞いたけど…、と生徒会長、大真面目。

ブルー 「航路さえきちんと設定したなら、安全だってば!」
キース 「だが、万一があるだろう!」

現にあいつも逃げて帰った、と反論が。

キース 「俺が地縛霊になった場合は、困るとな!」
シロエ 「それなんですけど…。初盆がどうとか言いましたよね」
マツカ 「ええ、来年になってしまうと聞きましたけど…」

どうしてなんです、という質問。

マツカ 「お盆の前に死んだ場合は、初盆でしょう?」
キース 「いや、その時期によりけりで…。お盆が近すぎると…」
シロエ 「どうなるんです?」
キース 「お浄土まで辿り着くよりも前に、お盆になるから…」
ブルー 「来年なんだよ」

初盆はね、と伝説の高僧、銀青様。
そういう仕組みなんですか…?


2017/08/01 (Tue) 

 

☆初盆の仕組み


いよいよお盆の季節な八月、お坊さんにはハードすぎるシーズン。
お盆休みを逃したキース君ですけど、其処で問題なのが初盆。

シロエ 「お浄土に着く前にお盆って…。どういう意味です?」
キース 「そのままの意味だ。四十九日があるだろう?」
シロエ 「ありますけど…。四十九日とどう関係があるんです?」
キース 「お浄土までかかる日数が四十九日なんだ!」

出発してから四十九日でお浄土に着く、という解説。

キース 「だからだな…。四十九日を切った所で亡くなると…」
ブルー 「お盆の季節に帰って来るのが、道の途中からなんだよ」
一同  「「「途中?」」」
キース 「目的地に着いていないからな!」

お浄土を見ないで戻って来るという勘定に…、と副住職。

キース 「お浄土に行っていないんだから、初盆ではない」
スウェナ「えっ、でも…。家には戻って来るのよね?」
ブルー 「それはまあ…。でも、棚経は無いんだよ」
一同  「「「ええっ!?」」」

そうなるのか、と一同、ビックリ仰天。

シロエ 「そ、それじゃ、お盆はどうするんです!?」
ブルー 「他にも仏様がおいでだったら、お坊さんは来るけど…」
キース 「途中で戻って来た仏様には、棚経は無いな」

なにしろ必要無いんだから、とキッパリと。

キース 「お浄土で修行も積んでないし、供養の途中でもあるし」
一同  「「「供養?」」」
ブルー 「四十九日の間は、七日ごとに回向するわけで…」

そっちがあるから棚経なんかは無くっても…、と銀青様。

ブルー 「そんな理屈で、キースが今の季節に死んだら…」
キース 「初盆は来年になってしまって、厄介なんだ!」

俺の無念が晴れないからな、とブツブツブツ。

キース 「お浄土に行けずに途中で戻るだけならいいが…」
シロエ 「地縛霊って言ってましたよね?」
キース 「別の世界から、お浄土に行けるか微妙だからな!」

道に迷ったら終わりだろうが、と呻いてますけど。
そうなのかも…。


2017/08/02 (Wed)

 

☆見落とされる季節


お盆の季節な八月到来、お坊さんには一年で一番厳しいシーズン。
一生、無いのがお盆休みで、キース君にはチャンスがあっても…。

キース 「こっちの世界で死んだんなら、まだいいんだが…」
シロエ 「それだと道には迷わないんですか、回向があれば?」
キース 「仏様から、帰り道を教えて貰えるからな」
一同  「「「へ?」」」

仏様って…、と首を傾げる御一同様。

スウェナ「まだ極楽に着いてないのに、誰が教えてくれるのよ?」
シロエ 「阿弥陀様がいるのが極楽ですよね、他に誰が?」
キース 「十三仏様というのがいらっしゃってな…。その方々だ」
ブルー 「死んだ直後から、交代で面倒を見て下さるんだよ」

四十九日までは七日ごとに担当が変わる仕組み、という説明。

ブルー 「だから、お浄土に着いてなくても大丈夫だけど…」
キース 「別の世界で死んだヤツの場合は、放置ということも…」
シロエ 「目が届かないわけですね?」
ブルー 「ただでも忙しい時期になるしね、お盆を控えて」

仏様だって大忙しだ、と生徒会長、いえ、伝説の高僧、銀青様。

ブルー 「お盆は地獄も休みになるから、もう色々と…」
シロエ 「地獄も仏様の管轄ですか、閻魔様じゃなくて?」
ブルー 「蜘蛛の糸の話は知ってるだろう? 要チェックだよ!」

ついでに、お盆の回向によっては、帰って来る先が違うから、と。

ブルー 「きちんと回向をして貰った人は、お浄土に来るし…」
キース 「仏様の方でも、民族大移動に合わせて忙しいんだ!」
一同  「「「あー…」」」

それじゃ放置になるかもな、と一同、納得。

シロエ 「キース先輩が別の世界で死んだら、見落とされて…」
ジョミー「そのまま放置で、地縛霊になってしまうってこと?」
キース 「そうなるリスクが高すぎるんだ! 時期が時期だけに」
ブルー 「もっと修行を積んでいたなら、セーフだけどね…」

何処で死んでも、お浄土直行便だから、と言ってますけど。
そんなサービスが?


2017/08/03 (Thu)

 

☆チートじゃないです


八月とくればお盆のシーズン、お坊さんには多忙すぎるイベント。
今年のキース君は、別の世界に行けるチャンスがあったのに…。

シロエ 「お浄土直行便って、何なんですか?」
ブルー 「そのまんまだよ、四十九日が要らないわけ」
一同  「「「へ?」」」

それは必須の期間では、と誰もがキョトン。

スウェナ「四十九日かけて極楽に行くんでしょ? 法事もあって」
マツカ 「法事はともかく、四十九日かかる道なんですよね?」

どうやって短縮するんですか、と質問が。

マツカ 「直行便の意味が分かりませんけど、裏技ですか?」
シロエ 「チートなのかもしれませんね…」
ブルー 「あのねえ…。修行を積まないと駄目だと言ったよ」

修行の道にチートも裏技も無い、と伝説の高僧、銀青様。

ブルー 「きちんと修行して、徳も積んだ場合は直行便!」
シロエ 「それって、どういう感じなんです?」
ブルー 「二十五菩薩様がお迎えにいらして、アッと言う間に…」

お浄土の蓮に到着なのだ、という説明。

ブルー 「四十九日までの道は修行でもあるし、それが不要で」
マツカ 「ああ、なるほど…。キースだと修行不足なんですね?」
ブルー 「そういうこと! だから別の世界で死んじゃったら…」

二十五菩薩様は来なくて、十三仏様にもスルーされそう、と。

ブルー 「二十五菩薩様のお迎えリストには入っていないし…」
キース 「今の季節は、十三仏様も御多忙だからな…」

見落とされても仕方ないのだ、とブツブツブツ。

キース 「そんなリスクを背負って行けるか、他所の世界へ!」
シロエ 「誰かさんもドン引きしてましたしね…」

キース先輩の地縛霊なんかは要らないそうで…、と頷く人。

シロエ 「お坊さんだと欲しがるくせに、勝手なものです」
ブルー 「元が我儘MAXだしねえ、仕方ないよ」
サム  「美味しいトコだけ欲しがるタイプの典型だぜ」

でもって今年のお盆も来やがるのな、と溜息が。
来るでしょうねえ…。


2017/08/04 (Fri)

 

☆地獄は休みでも


八月に入ればお盆がリーチで、お坊さんは毎日がカウントダウン。
お盆休みも貰えないわけで、キース君の場合は厄介なオマケも。

サム  「キースが此処にいるってことはよ、今年もよ…」
シロエ 「スッポンタケの棚経ですよね、もう確実に…」
スウェナ「キースがあっちに行ってくれたら、楽だったわよ!」

棚経は無しでお盆休みで…、とスウェナちゃん。

スウェナ「マツカの別荘で、花火大会なんかにも行けて」
シロエ 「まったくです。それを残留されてしまってですね…」
マツカ 「今年のお盆も、いい感じに地獄になりそうですよ」
一同  「「「地獄…」」」

どうして此処で地獄になるのだ、と誰もが嘆きたくなる棚経。

シロエ 「お盆は地獄も休みなんですよね、昔から?」
ブルー 「そうだけど? だからこそ、お盆があるわけで…」
マツカ 「地獄の釜の蓋も開くのに、現世が地獄はキツイですよ」
サム  「全部、キースのせいなんだけどよ…」

とんでもない弟子を取りやがって、とサム君も睨む副住職。

サム  「スッポンタケに院殿号を出すから、こうなったんだぜ」
キース 「それは重々、承知しているが…。アレはだな…」

その場しのぎの戒名だった、と汗がダラダラ。

キース 「現にクジラのパクリなんだし、分かってくれ!」
シロエ 「分かりたい人はいませんよ! 今となっては!」
スウェナ「そうよ、どれだけ迷惑したと思っているの!」

後付けでお葬式までやらされたわ、とツッコミが。

スウェナ「お盆は棚経、お彼岸の度に法要よ? 最悪だわよ」
サム  「…その内に年忌法要も来るぜ」
一同  「「「年忌法要?」」」

なんだそれは、と首を傾げる御一同様。

シロエ 「年忌法要って、何なんです?」
サム  「もう過ぎたけどよ、一周忌とか…。三回忌とか」
ブルー 「過ぎちゃってるねえ、どっちもね…」
一同  「「「うっ…」」」

そういえば…、と誰もが顔面蒼白。
年忌法要、いわゆる法事の定番ですよね…。


2017/08/05 (Sat)

 

☆命日が無いです


いよいよお盆が来るのが八月、お坊さんには厳しすぎるシーズン。
卒塔婆書きを終えたら棚経なわけで、お盆休みもナッシング。

サム  「今でも法要だらけなのによ、年忌法要が来たら…」
シロエ 「そのパターンは地味に泣けますね…」
スウェナ「三回忌の次は七回忌かしら、それは来そうね…」
マツカ 「誰かさんが思い付いたら、確実ですね」

七回忌となれば大変ですよ、と御曹司。

マツカ 「法要だけでは済みませんから…。会食つきで」
一同  「「「あー…」」」

それがあった、と誰もが愕然。

シロエ 「仕出しを取るか、料亭に行くかなんですよね?」
ブルー 「今どきはホテルもアリだけど…。焼肉なんかも」
一同  「「「焼肉!?」」」
ブルー 「せっかく親戚が集まるんだから、こう、賑やかに…」

小さい子供が多い場合は、焼肉店も人気なのだ、という話。

ブルー 「喪服でゾロゾロ入って行っても、個室ならオッケー!」
シロエ 「お坊さんはどうなるんです?」
ブルー 「場合によるね。一緒に行ったり、お膳料だったり」

お施主様と仲が良かった場合は、焼肉もアリ、と銀青様。

ブルー 「もちろん衣で出掛けて行くけど、ご愛敬だよね」
シロエ 「……そんな法事もアリですか……」
サム  「七回忌の方はヤバそうだぜ?」

来るんじゃねえの、と恐ろしい予言を吐いてますけど。

ブルー 「大丈夫じゃないかな、そっちの方は」
一同  「「「え?」」」

何故に、と一同、キョトンとした顔。

ジョミー「大丈夫って…。例の人は法要が大好きで…」
シロエ 「チャンスさえあれば法要ですけど?」
ブルー 「そうなんだけどさ、年忌法要だけは大丈夫!」

やる方法が無いものだから…、と言われましても。

シロエ 「無いって、どういう意味なんです?」
ブルー 「年忌法要の根拠自体が無いからね。…命日が無くて」
一同  「「「…命日…」」」

そういえば無かった、と誰もが頷く命日なるもの。
セーフですか?


2017/08/06 (Sun)

 

☆命日がポイント


お盆に向かってカウントダウンな季節到来、お坊さんにはリーチ。
キース君も当然リーチですけど、棚経が近いと誰もがリーチで…。

シロエ 「スッポンタケに命日はありませんけど…。それが?」
スウェナ「でも、お葬式はやったわよ? 後付けだとかで」
マツカ 「お葬式をやったんですから、年忌法要もありそうです」
ブルー 「後付けって所が問題なんだよ、いつ死んだんだい?」

スッポンタケは、という質問。

ブルー 「誰かがお亡くなりになった場合は、菩提寺に電話で…」
キース 「枕経を頼むのがお約束だな、その日の内に」

菩提寺までが遠かった時は、近くの同じ宗派のお寺、とキース君。

キース 「とにかく坊主が来ないことには、葬式は出来ん」
ブルー 「お通夜の前には枕経だしね、すっ飛ばさない限りは」
一同  「「「すっ飛ばす?」」」
ブルー 「最近流行りの直葬だってば、お葬式はパスの」

もう本当に全部すっ飛ばすヤツ…、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「お浄土も天国も存在しない、という人に人気で」
シロエ 「家族葬とかもありますけれど?」
キース 「そっちのパターンも、坊主は無視の方向なんだが…」
ブルー 「お坊さんを呼んでお葬式を、となれば枕経からで…」

枕経はパスでも、お通夜は必要、と説明が。

ブルー 「お浄土に向かって旅立つ前の、とても大事な法要で…」
キース 「それをパスして葬式というのは、まず無いな」
シロエ 「でも…。スッポンタケのお通夜は無かったですよ?」
ブルー 「死んでないから出来たんだよ! お通夜無しでも!」

枕経だって不要じゃないか、とニヤニヤと。

ブルー 「後付けでお葬式ってことになっても、命日はねえ…」
キース 「普通はあるから、枕経はパスでもお通夜はあるぞ」
シロエ 「だったら、スッポンタケの場合は…」
ブルー 「お葬式ごっこをやっただけだね、命日は抜きで!」

そんな仏様に年忌法要があるもんか、と言ってますけど。
本当に…?


2017/08/07 (Mon)

 

☆案内状も無理


お盆に向かってカウントダウンで、お坊さんには多忙なシーズン。
キース君も当然リーチですけど、お盆といえば棚経がセットで…。

シロエ 「えっとですね…。命日が無いなら、年忌法要が…」
マツカ 「無いそうですけど、でも棚経はありますよ?」
ブルー 「あれも一種のお遊びだってば、死んでないから!」

スッポンタケは存命だから…、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「いつお浄土に行ったのか謎で、命日も無いし…」
キース 「年忌法要は絶対無理だな、数えようがない」
一同  「「「へ?」」」
キース 「いつ死んだのかが分からないなら、そうなる仕組みだ」

死んでから経った年月に合わせる法要が年忌法要だ、と。

キース 「寺の方でも把握してるし、早々に案内を出すからな」
一同  「「「案内?」」」
キース 「お宅は来年、この仏様が何回忌です、とお知らせだ」
ブルー 「年忌法要は忘れる人も多いし、必須なんだよ」

十三回忌でもヤバイくらいだ、という話。

ブルー 「何処の家でも忙しいしねえ、忘れがちだよ」
シロエ 「あー…。十年も経つと、そうかもですね」
キース 「ついでに纏めることも多いし、早めの案内が大切で…」
一同  「「「纏める?」」」

いったい何を纏めるのだ、と一同、キョトンとしてますけれど。

キース 「同じ年に年忌法要だったら、一番早い人に合わせる」
ブルー 「五十回忌の仏様とか、百回忌とかの場合だね」
シロエ 「百回忌って…。忘れる以前に知りませんよ!」

そんな昔の人の命日、とシロエ君。

シロエ 「それはお知らせが欲しいですけど、一番早い人って?」
キース 「年忌法要は、祥月命日よりも遅れてはならん」

そういう縛りがあるものだから、と解説が。

キース 「それで一番早い仏様に合わせて纏めるが…」
ブルー 「スッポンタケの場合は、命日がね…」
キース 「年忌法要の日さえ分からん!」

案内状さえ出しようがない、と副住職。
それじゃ法要は無理ですねえ?


2017/08/08 (Tue) 

 

☆命日が無ければ


もう目前に迫ったのがお盆、お坊さんにはハードすぎるイベント。
キース君も卒塔婆書きに追われてますけど、話題は年忌法要で。

キース 「スッポンタケには、過去帳さえも無いからな…」
ブルー 「それも無いねえ、なにしろ死んでいないんだから」

今の季節は山から消えているだけで…、と銀青様。

ブルー 「これだけ暑くて雨も降らないと、キノコはねえ…」
シロエ 「もれなく乾いて死んでますけど、スッポンタケは…」
ジョミー「本物の命日だけは無いよね、また生えるから」
スウェナ「特定しようがないものねえ…。山ほどありすぎて」

シーズンだったら、毎日が命日のようなものよ、という声が。

スウェナ「どれか1つが力尽きても、別のが生えて来るんだし…」
マツカ 「新しいのがダウンしたって、次々に生えて来ますしね」
シロエ 「そう考えると、本当に毎日が命日ですよ」
キース 「どれも端から枕経なら、命日もあるというわけだが…」

生憎と一件も引き受けていない、と副住職が浮かべる皮肉な笑み。

キース 「いきなり法要をやらされた上に、棚経だぞ?」
ブルー 「後付けでやったお葬式にしても、ただのお祭りだしね」

誰かさんが一人で盛り上がっていただけで…、とバッサリと。

ブルー 「どう転がっても年忌法要だけは無理だよ、アレは」
キース 「過去帳に載っていない以上は、把握出来んからな」
シロエ 「そういう仕組みなんですか?」
ブルー 「やっぱり基本は過去帳だよね」

戒名管理ソフトが出来ても、基本になっているのは過去帳、と。

ブルー 「過去帳もパソコンで管理するけど、元のデータが…」
キース 「全く無いのがスッポンタケだし、どうしようもない」

七回忌もクソもあったもんか、と副住職。

キース 「いくらあいつが百年先まで生きていても、だ…」
ブルー 「百回忌は絶対、無理なんだよ」
シロエ 「いいですねえ!」

命日が無いとそうなるんだ、と喜ぶ御一同様。
法要コンプリートは無いんですね?


2017/08/09 (Wed)

 

☆年忌法要は無理


今や目前に迫っているお盆、お坊さんには一年で一番厳しい季節。
キース君も卒塔婆書きに追われてますけど、棚経を前に朗報が。

シロエ 「年忌法要が無いと聞いたら、ホッとしましたよ」
マツカ 「ですよね、あれが法要の花みたいなものになりますし」
??? 「そうだったのかい?」

知らなかったよ、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。

一同  「「「うわぁぁぁっ!?」」」
Aブルー「失礼な…。人を化け物みたいにさ!」
キース 「そういう扱いに近いと思うが? あんたの場合は」
ブルー 「日頃の行いが悪いからねえ、どう考えても」

化け物扱いも仕方あるまい、と生徒会長、キッパリと。

ブルー 「散々迷惑をかけまくりだし、反省しないし…」
Aブルー「何処に反省する理由があると? それより棚経!」

今年もスッポンタケの棚経をよろしく、とニコニコニコ。

Aブルー「キースはもちろん、他のみんなも来てくれるよね?」
シロエ 「またですか…。もう諦めていますけど…」
Aブルー「そう言わずに! スッポンタケも喜ぶから!」

でも、その前に…、とズズイと前へ。

Aブルー「年忌法要が無いというのは本当なのかい?」
キース 「本当も何も、現に案内状を出していないが」

一周忌も三回忌も過ぎた筈だぞ、と腕組みをする副住職。

キース 「ヤツが登場してから長いし、そのくらいは経つ!」
Aブルー「そ、それじゃ、大事な法要が出来ていないわけ?」
ブルー 「出来るも何も…。話は聞いていたんだろう?」

年忌法要が出来ない理由、と生徒会長、厳しい表情。

ブルー 「棚経が出来るだけでも奇跡なんだよ、この場合は!」
キース 「まったくだ。所詮はごっこ遊びだがな」

棚経だけで我慢しておけ、と突き放し。

キース 「ちゃんと今年も回ってやるから、安心しろ」
ブルー 「棚経があれば上等だからね」
Aブルー「…そ、そんな…」

スッポンタケが可哀相だよ、と言われましても。
死んでませんしね…?


2017/08/10 (Thu) 

 

☆命日を作っても


もう目前に迫ったのがお盆、お坊さんには辛くて厳しいイベント。
卒塔婆書きが終わった途端に棚経、地獄のような季節ですけど。

Aブルー「年忌法要が出来ないだなんて、片手落ちだよ!」
キース 「片手落ちも何も、そもそも死んでいないだろうが!」
ブルー 「まったくだよ。死んでないのに、もう色々と…」

なんて迷惑な仏様なんだろう、と生徒会長、ブツブツブツ。

ブルー 「地縛霊の方がまだしもマシだよ、供養で消えるし」
ジョミー「そうだよね…。ブルーだったら、どんな霊でも…」
サム  「お浄土に送っちまうしよ…。スッポンタケは無理でも」
シロエ 「死んでいませんから、その手が使えないんですね…」

ストーカーのように付きまとわれて…、とシロエ君が抱える頭。

シロエ 「なのに棚経だけはあるって、あんまりですよ!」
Aブルー「何を言うかな、ぼくにしてみれば年忌用法が大切で!」
キース 「それだけは絶対、有り得んからな!」
ブルー 「どう転がっても無理なんだよねえ、命日無しでは」

今から作るというのも駄目、と指をビシィ! と。

ブルー 「死んだら出来ると思ってそうだけど、甘いから!」
キース 「そうだぞ、スッポンタケを採りに行っても無駄だ!」

この日に死んだ、と死骸を持って来たって駄目だ、と副住職。

キース 「とっくの昔に戒名がついているんだからな!」
ブルー 「戒名は二重につけられないから、諦めるんだね」
Aブルー「じゃ、じゃあ…。新しくつけて貰うのは?」

それなら命日も出来そうだから、と食い下がる人。

Aブルー「夏が過ぎたら、すぐに採るから! 山に出掛けて!」
キース 「俺はそれでもかまわんが…。パワーは落ちるぞ」
Aブルー「え?」

なんで、とキョトンとするソルジャー。

Aブルー「スッポンタケだよ、パワーたっぷり!」
キース 「院殿号はもう、出してやらん!」
ブルー 「当然だよね」

居士もつけずに信士で良かろう、と相槌が。
戒名ランクダウンですか…。


2017/08/11 (Fri) 

 

☆パワーを守るには


お盆が目前に迫ってくる中、またまた来たのがソルジャーなる人。
スッポンタケの年忌法要を希望で、けれど無いのが肝心の命日。

Aブルー「えっと…。居士と信士はどう違うんだい?」
キース 「会社で言うなら、幹部クラスか、ヒラ社員かだが」
ブルー 「スッポンタケに新しくつけるとなったら、信士だよね」

大居士どころか居士もつかない、と生徒会長、涼しい顔。

ブルー 「キースはとっくに懲りているから、信士で決定!」
キース 「院殿号も出してやらんし、院号も出さん!」
Aブルー「それでパワーが足りなくなると? 戒名が駄目で…?」
キース 「当然だろうが、ヒラ社員と全く変わらんからな!」

院殿号なら、社長以上の存在だが…、と解説が。

キース 「院殿号をキープするなら、命日も年忌法要も無しだ!」
ブルー 「命日と年忌法要の方を優先するなら、ヒラ社員だね」
Aブルー「そ、そんな…。一気にパワーが落ちるだなんて!」
キース 「それが嫌なら、現状で我慢しておきやがれ!」

棚経くらいは回ってやるから、と副住職が吊り上げる眉。

キース 「今年も棚経をして欲しいのか、年忌法要かを選べ!」
ブルー 「そうだね、早く決めたまえ。どっちだい?」
Aブルー「う、うう…。パワーダウンよりは、今のままかな…」

残念だけど…、とソルジャー、ガックリ。

Aブルー「肝心のパワーが落ちてしまったら、ダメダメだから…」
キース 「よし、分かった。棚経の日は準備しておけよ?」
Aブルー「うん…。みんなもよろしく」
一同  「「「うっ…」」」

やっぱり今年も棚経なのか、と誰もが溜息。

シロエ 「…また朝イチから集合ですか…」
ブルー 「文句を言わない! ぶるぅはお膳も作るんだから!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ みんなで楽しくやろうね!」
一同  「「「はぁーい…」」」
Aブルー「それじゃ、お盆にまた来るからねーっ!」

スッポンタケの棚経だよ! と、姿を消しましたけど。
この夏もですか…。


2017/08/12 (Sat)

 

☆暑い盛りなのに


八月のメインイベントがお盆、とうとう来たのが棚経の日。
スッポンタケのは十四日でして、シャン学メンバーも朝から集合。

シロエ 「なんで毎年、こうなるんです…。暑い盛りなのに」
マツカ 「それを言うなら、ジョミーやサムの方が大変ですよ」
スウェナ「そうよね、今日は一日、自転車で走り回るんだもの…」

おまけにサムは今年もババよ、とスウェナちゃん。

スウェナ「アドス和尚のお供なんでしょ、スクーターを追って」
シロエ 「あれは気の毒すぎますよ…。サム先輩は自転車なのに」
マツカ 「ジョミーが精進しない限りは、あのポジションは…」

サムで固定になるでしょうしね、と御曹司だって同情しきり。

マツカ 「アドス和尚の面子を潰さないよう、サムなんですから」
シロエ 「ジョミー先輩、今年もお経は口パクっぽいですし…」
ブルー 「いつまで経っても覚えないからね、その気が無くて」

でもまあ、その分、ババだって引く…、とニヤニヤと。

ブルー 「キースのお供は楽そうだけどさ、此処の棚経が…」
シロエ 「そうでした! スッポンタケの棚経がセットでしたね」
スウェナ「スッポンタケはキースの弟子だし、そうなるわよね」

キースのお供で棚経に行くなら、スッポンタケも、という話。

スウェナ「どんなに酷い棚経だろうと、逃げられないものね」
ブルー 「今年は無事だといいんだけどねえ、何事も無くて」
シロエ 「思い付きだけで行動するのが、誰かさんですし…」
マツカ 「年忌法要の件でへこんでましたし、大丈夫ですよ」

あの状態ではアイデアだって湧かないでしょう、との声。

マツカ 「どう転がっても、年忌法要は無理なんですし…」
ブルー 「まあ、へこむよね」

自業自得と言うんだけれど…、と突き放し。

ブルー 「棚経があるだけでも、御の字なんだよ」
シロエ 「まったくです」
スウェナ「だからって朝から集合よ?」

酷いわよね、と嘆き節。
お盆は暑さが半端ない時期、キツイですよね…。


2017/08/13 (Sun)

 

☆お迎えしません


八月のメインイベントがお盆、世間一般にはお盆休みのシーズン。
ところが違うのがシャン学メンバー、ここ数年は棚経でして。

シロエ 「どうして毎年、こうなるんでしょう…。お盆なのに」
マツカ 「今年は逃げられる筈だったんですけどね…」

キースさえ別の世界に行ってくれていたら…、と御曹司。

マツカ 「あっちの世界で棚経だったら、無関係ですし」
スウェナ「私たちも休みが取れたわけよね、お盆らしいのが」
シロエ 「そうですよ! マツカ先輩の別荘で花火大会見物で」
ブルー 「残念だよねえ、そこの所は…」

たまにはお盆をエンジョイしたい、と生徒会長までが。

ブルー 「迎え火くらいは焚くけどさ…。お約束だから」
シロエ 「そうでした…。会長のご家族、あの世でしたね」
ブルー 「三百年も前のことだし、とっくに歴史の彼方だけどね」

いったい何人がアルタミラを覚えていることやら…、と。

ブルー 「火山の噴火で沈んだ島でも、忘れられたら終わりだし」
シロエ 「会長だって、棚経はしていませんよねえ…」
ブルー 「向こうのお寺に頼んであるから…。此処じゃ遠いし」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 回向料は届けに行くんだよ!」

ぼくとブルーが瞬間移動で、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「だからウチでは迎え火だけなの!」
マツカ 「そうなんですか…。あれっ、そしたら例のアレには?」
シロエ 「スッポンタケには迎え火が無いわけですね?」

会長の家族のために焚いてる迎え火ならば…、とツッコミが。

シロエ 「お膳の方はスッポンタケ用でも、迎え火の方は…」
ブルー 「まるで全く無関係だけど? どうせ命日も無いからね」

どうして迎える必要があるのだ、と吐かれた正論。

ブルー 「祭壇やお膳は作ってあっても、所詮は他人!」
シロエ 「でもって、おままごとですか…」
ブルー 「お遊びの域を出ないからねえ、あんな代物!」

誰かさんはこだわっているけれど、とブツブツブツ。
迎えていないと?


2017/08/14 (Mon) 

 

☆お膳が無駄です


ついに迎えた棚経の当日、シャン学メンバーもスタンバイですが。
生徒会長が言うには、スッポンタケの霊は迎えていないそうで…。

ブルー 「棚経をやっているのはいいけど、仏様は不在なんだよ」
シロエ 「そうなるんですか…。こうしてお膳もあるんですけど」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 今年も頑張って作ったもんね!」

うんと見栄えのする精進料理、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「少しずつしか盛り付けないけど、美味しいんだよ!」
スウェナ「ぶるぅだものね…。ちゃんと味見もしてるのね?」
ぶるぅ 「うんっ! 手抜きのお膳は作らないも~ん!」

お料理大好き! と得意満面。

ぶるぅ 「でもでもでも…。このお膳、食べて貰えないのかな?」
一同  「「「へ?」」」
ぶるぅ 「んとんと…。スッポンタケはお迎えしていないから…」

此処にいないよね、と指差す祭壇。

ぶるぅ 「いないんだったら、供えても食べてくれないし…」
シロエ 「ああ、それは…。ぶるぅの努力が無駄骨ですか…」
マツカ 「そうみたいですね、せっかく作ったのに…」

スッポンタケが来ていないのなら…、とマツカ君も気の毒そうに。

マツカ 「もう来年から、お膳はやめたらどうでしょう?」
スウェナ「やめたら誰かさんが騒ぐし、買えばいいんじゃない?」

フリーズドライのがあるんでしょ、とスウェナちゃん。

スウェナ「来年からはそれでいいわよ、来もしない仏様なんか」
シロエ 「そうですよ! 今年までの努力は無駄でしたけど」
ブルー 「別に無駄にはなっていないよ?」

スッポンタケが来なくてもね、と生徒会長、ニッコリと。

ブルー 「棚経じゃなくて施餓鬼と思えば、お膳も生きるし!」
一同  「「「施餓鬼?」」」
ブルー 「餓鬼に御馳走するんだよ。それでオッケー!」
シロエ 「えっと…?」
ブルー 「餓鬼も地獄から出て来るわけでさ…。そっち向けに」

これこそがお盆の精神だよね、と伝説の高僧、銀青様。
施餓鬼ですって…?


2017/08/15 (Tue) 






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☆クリスマスはあっても


夏休みとくればお盆がセットで、お坊さんにはハードなイベント。
お寺でクリスマスツリーはアリでも、お盆休みは無いのが実態。

シロエ 「フライドチキンが届くんですか、クリスマスには…」
キース 「気の利く檀家さんがいて、寺に小さい子供がいればな」
スウェナ「凄いわねえ…。フライドチキンは生臭ものでしょ?」
サム  「直球ド真ん中で肉だよなあ…。ニワトリだけどよ」

まあ、托鉢で「すき焼き」のお接待な寺もあるし、と僧籍な人。

サム  「クリスマスくらいは、フライドチキンも許されるよな」
キース 「普段から駄目なわけでもないが? ウチの宗派は」
ブルー 「その辺は緩い宗派だからねえ…。肉も魚もオッケーで」

お供え物だとアウトだけれど、生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「御本尊様に供えるお膳は、精進料理と決まっているし」
シロエ 「クリスマスでも、フライドチキンは駄目なんですね?」
キース 「それは基本の基本だな。お釈迦様の時代は許されたが」
一同  「「「へ?」」」

どういうことだ、と顔を見合わせる御一同様。

シロエ 「ずっと昔は、フライドチキンもオッケーですか?」
キース 「お釈迦様も召し上がっていたと思うぞ、鶏肉を」
マツカ 「ああ…。フライドチキンは、まだ無さそうですね」
キース 「どうなんだか…。調理方法としては、あったのかもな」

お釈迦様の国は料理も色々、とカレーな国の話へと。

キース 「食文化が豊かな国だから…。カレーだけじゃなくて」
ブルー 「他の国へと伝わる途中で変わったんだよ、事情がね」

いつの間にやら肉が禁止に…、と解説が。

ブルー 「お釈迦様も食べたい可能性はあるね、フライドチキン」
シロエ 「そうなんですか…。供えてみたらどうでしょう?」
キース 「それよりも前に、お盆休みが欲しい気分なんだが…」
ブルー 「一生、無理だと思うんだけどね?」

副住職になった以上は、もう無い筈だ、とキッパリと。
お坊さんですしね?


2017/07/16 (Sun) 

 

☆七十歳を超えろ


夏休みになったら来るのがお盆で、お坊さんにはお盆休みも無し。
お盆を控えて卒塔婆書きまで、一年で一番ハードなシーズン。

キース 「副住職になるのを早まったような気がするな…」
ジョミー「もっと遊んでおくべきだったって?」
キース 「そんな所だ。同期には、今もフラフラしてるのが…」

気ままにバックパッカーだとか、とブツブツと。

キース 「サッサと副住職になったら、出世も早いと思ったし…」
シロエ 「そうなんですか?」
キース 「坊主としての経験値が上がれば、僧階も上がる」

きちんとやることをやっていれば、と副住職。

キース 「坊主の世界にも課題は色々、それを早めに片付けて…」
スウェナ「あら? でも、ブルーが言ってた道場には…」
シロエ 「先輩は行っていないんですよね、住職の修行道場は」
キース 「そ、それは…。俺の年だと、急がなくても…」

まだまだ余裕は充分にある、と言ってますけど。

シロエ 「そっちを先に済ませて下さい! サボってないで!」
サム  「だよなあ、僧階とは別の話らしいし、頑張れよな」

出来るだけ早く偉い坊主になってくれ、と僧籍な人も。

サム  「例の弟子をよ、破門できるクラスの坊主でないと…」
シロエ 「存在意義がありませんよね、ハッキリ言って」

スッポンタケさえ消えてくれれば平和なんです、とシロエ君。

シロエ 「会長だったら、破門する資格があるそうですから」
キース 「その件なんだが…。何年ほどかかるものなんだ?」

最短コースで答えてくれ、という質問。

キース 「院殿号の弟子を破門する資格は、何年くらいで…」
ブルー 「手に入るかって?」

さて…、と考え込む生徒会長、いえ、伝説の高僧、銀青様。

ブルー 「緋色の衣は欠かせないから、七十歳超えは必須だね」
一同  「「「七十歳!?」」」
ブルー 「その年までは着られないんだよ、そういう決まり」

どんなにキースが頑張っても、と挙がった年齢の壁。
七十歳超えですか…。


2017/07/17 (Mon)

 

☆七十歳までは長い


夏休みと言えばセットなのがお盆、お坊さんにはハードな季節。
キース君も卒塔婆書きが仕事ですけど、お坊さんの資質が問題で。

シロエ 「キース先輩が七十歳になるまで、無理なんですか?」
マツカ 「最低ラインもクリア出来ないわけですね?」

スッポンタケを破門するための…、と一同、愕然。

スウェナ「それじゃ、絶望的じゃない! 何年かかるのよ!」
サム  「三十年とかで済まねえことは確かだぜ…」
ジョミー「だよねえ、七十歳だしね…」

最低ラインに到達するのが七十歳じゃあ…、と嘆く声。

ジョミー「そこから修行を続けない限り、無理っぽいんだし…」
ブルー 「まあねえ…。緋色の衣になっただけでは駄目だよね」

その程度の坊主は山ほどいるし、とバッサリと。

ブルー 「後はキースの努力次第で、根性次第って所かな」
キース 「な、七十歳を超えて、まだ修行なのか!?」
ブルー 「君も坊主の端くれだったら、分かる筈だけど?」

坊主は一生、修行じゃないか、と涼しい顔。

ブルー 「最高齢での荒行を記録更新する人もいるしね」
キース 「そ、それはそうだが…。そうなんだが…!」
ブルー 「だったら君も同じだよ。もっと修行を積まないと」

院殿号の仏様より偉くなるのが必須の条件、と銀青様。

ブルー 「君の方が上になって初めて、破門もオッケー!」
キース 「り、理屈は分かるが、そう言われても…」
シロエ 「ぼくもガックリしましたよ。先が長すぎて」

せっかく希望が見えたのに、とシロエ君も心底ガッカリな様子。

シロエ 「つまり先輩が七十歳にならない限りは…」
マツカ 「スタートラインにも立てませんからね…」

待ってる間に状況は悪くなる一方ですよ、と御曹司も。

マツカ 「例の人は、長生きしそうですから」
サム  「あー…。ブルーより百歳も若いもんなあ…」
ジョミー「三百歳はとっくに超えてるけどね…」

まだまだ元気で達者だよね、と誰もが思い浮かべている人。
若いですよね?


2017/07/18 (Tue)

 

☆二人三脚は嫌だ


夏休みになれば来るのがお盆で、お坊さんにはハードなイベント。
卒塔婆書きに追われるキース君ですけど、一番弟子の件が問題。

シロエ 「キース先輩が七十歳になるまでに、何が起こるか…」
マツカ 「例の人は充分、健在だろうと思いますしね…」

SD体制の世界か何かは知りませんが、と御曹司。

マツカ 「あれだけしぶとい人なんです。まず死にませんよ」
ブルー 「だろうね、シャングリラの危機がどうとか言ってても」

口先だけで余裕はたっぷり、と生徒会長も見切っている様子。

ブルー 「ぼくとは経験値がまるで違うし、生き残れるよ」
シロエ 「会長もそう思いますか?」
ブルー 「うん。シャングリラが沈むことなんか、無いね!」

ついでに例の人も死なない、とキッパリ、スッパリ。

ブルー 「なんだかんだと出入りするんだよ、こっちの世界に」
一同  「「「うわー…」」」

その展開は嫌すぎる、と誰もが泣きそう。

スウェナ「何十年も続くのね? スッポンタケの法要が…」
シロエ 「お盆の棚経もセットものですよ」
サム  「でもって、秋のキノコ狩りまでセットだぜ?」

スッポンタケ狩りにも付きまとわれる、という指摘。

サム  「梅雨のシーズンは逃げ切れたけどよ、秋はヤバイぜ」
ジョミー「ガチでキノコのシーズンだもんね、秋だけは…」
ブルー 「よほどの異常気象にならない限りは、そうなるね」

秋をすっ飛ばして冬が来るなら別だけど、とブツブツブツ。

ブルー 「ぼくたちの未来は、スッポンタケと二人三脚なんだよ」
一同  「「「に、二人三脚…」」」

あんなモノと、と顔面蒼白の御一同様。

シロエ 「キース先輩だけで済まないでしょうか、二人三脚」
サム  「俺も捻挫とか骨折してでも、逃げ切りたいぜ…。ソレ」
ジョミー「あんなのと足を結ぶよりかは、骨折だよね?」
スウェナ「粉砕骨折してもいいわよ、全治数ヶ月で!」

二人三脚をしないで済むなら、という嫌われっぷり。
無理ないですけど…。


2017/07/19 (Wed) 

 

☆骨折しても無駄


夏休みとくればセットなのがお盆、お坊さんにはキツすぎる季節。
卒塔婆書きに追われるキース君ですけど、今は責められ中で…。

サム  「キースが七十歳になるまで、スッポンタケつきかよ…」
シロエ 「そこがスタートラインです! 先は長いんです!」
マツカ 「延々と続いていくわけですよね、二人三脚が…」

スッポンタケの法要に棚経、季節になったらキノコ狩りも、と。

マツカ 「ぼくも骨折したいです。二人三脚から降りられるなら」
ジョミー「だよねえ、ホントに骨折してリタイヤ出来るなら…」

ちょっと二階から飛び降りてもいい、とジョミー君。

ジョミー「だけど骨折り損だしね…。骨折しても痛いだけでさ」
シロエ 「それは間違いないですね。車椅子でも法要ですよ」
サム  「うんうん、椅子席で参加っていう扱いでよ…」

結ばれた足は解けねえから、とサム君も絶望的な表情。

サム  「あの馬鹿野郎が飽きねえ限りは、二人三脚だぜ」
ブルー 「もっと面子は多いけれどね、二人じゃないから」
??? 「そう! 頼もしい面子が七人もいるし!」

八人かな、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。

Aブルー「ぶるぅを入れたら八人だしねえ、こっちのメンバー!」
キース 「あんた、何処から湧いたんだ!」
Aブルー「え? ぼくのシャングリラから来たんだけど?」

まだまだ安泰そうで良かった、と満面の笑み。

Aブルー「スッポンタケが破門されたら、大変だからね!」
シロエ 「ぼくたちは破門して欲しいんですけど!」
Aブルー「ダメダメ、ぼくの大事な心の癒しだから!」

破門だなんて、とんでもない、とソルジャー、力説。

Aブルー「アレのお蔭で、もう毎日が漲りまくりで!」
ブルー 「分かったから! いいから、サッサと黙りたまえ!」
シロエ 「ぼくたちは迷惑してるんです!」
Aブルー「何を言うかな、開放的な夏こそセックス!」

スッポンタケにも頑張って欲しい、と言われましても。
嫌すぎますよね?


2017/07/20 (Thu)

 

☆幽霊の方がマシ


夏休みと言えばお盆がセットで、お坊さんにはハードなシーズン。
キース君も卒塔婆書きですけれども、只今、別件でもめる面々。

シロエ 「夏か何だか知りませんけど、もう嫌ですよ!」
サム  「うんうん、スッポンタケだけはマジで勘弁だぜ」

幽霊の方がまだマシだ、と霊感持ち。

サム  「見てしまったらゾッとするけど、それだけだしよ…」
ジョミー「幽霊だったら、楽しみ方もあるもんね…。夏の定番!」
シロエ 「ジョミー先輩の好きな、心霊スポット巡りですね?」
ジョミー「そう、それ、それ! 心霊スポットも怖いけどさぁ…」

スッポンタケほど怖くないよね、と言い切る人。

ジョミー「いざとなったら、ブルーが祓ってくれるしさ…」
ブルー 「アテにしてくれても困るんだけど?」
スウェナ「そうよ、君子危うきに近寄らず、って言うじゃない!」
ジョミー「それはそうだけど…。それが通じない相手もいるから」

近寄らなくても、寄って来るのがスッポンタケだ、という指摘。

ジョミー「避けようがなくて、どう転がってもついて来て…」
シロエ 「キース先輩が七十歳になるまで、ストーカーですね…」
マツカ 「七十歳になってくれても、其処がスタートラインです」

戦いの日々は其処からなんです、と少年漫画の打ち切りっぽく。

マツカ 「其処から先が何年かかるか、謎ですよ?」
シロエ 「そうでした…。会長みたいには上手くいかないかも…」
キース 「おい、俺を馬鹿にしてるのか!?」
シロエ 「馬鹿にしたくもなりますよ! この状態じゃ!」

誰がスッポンタケを持ち込んだんです、とブチ切れる人。

シロエ 「お蔭で余計な人も来ますし、散々ですよ!」
Aブルー「余計な人って、ぼくのことかい?」
ブルー 「他に誰がいると!? 君でなければ!」
Aブルー「ずいぶん酷い言いようだねえ…。毎日苦労してるのに」
シロエ 「聞き飽きました!」

SD体制でも強く生きてるじゃないですか、とツッコミが。
間違いないですね?


2017/07/21 (Fri)

 

☆持ち込みは嫌だ


夏休みに入れば来るのがお盆で、お坊さんにはハードなイベント。
今の季節は卒塔婆書きで多忙、そんなキース君が皆の災いの元。

シロエ 「SD体制で苦労してるか知りませんけど…」
ジョミー「その分、ぼくたちに苦労をぶつけて来てるよね…」
スウェナ「苦労だったら、まだ可愛いわよ! 災難よりは!」
一同  「「「あー…」」」

確かに災難よりは可愛い、と誰もが納得する「苦労」。

シロエ 「苦労は買ってでもせよ、とか言うんですよね…」
マツカ 「ええ…。ぼくの父なんかも言ってます」
サム  「マツカみたいな御曹司でもよ、そう言われるけどよ…」

災難の方は、誰も欲しがらねえよな、とサム君も。

サム  「災難除けとか、厄除けだとか、人気だしよ…」
シロエ 「災難なんかを買ってしまったら、大惨事ですよ!」
ブルー 「中身にもよるけど、モノによっては命が無いねえ…」

だけど苦労で死ぬことはない、と生徒会長。

ブルー 「過労死と苦労は明らかに違うし、別物だよね」
Aブルー「ちょっと待ってよ、ぼくが災難を持ち込んでると?」
シロエ 「そうですけど?」

今の流れで分かりませんか、とシロエ君、流石の辛辣さ。

シロエ 「何かと言えば災難ですよ! もう、てんこ盛りで!」
サム  「間違いねえよな、災難を持ち込む所はよ…」
ジョミー「持ち込み料を取っても、持ち込むだろうしね…」
ブルー 「取るだけ無駄だよ、そんな料金!」

余計に増長するだけだ、とキッツイ一言。

ブルー 「料金は払ったんだから、と開き直って災難倍増!」
一同  「「「うわー…」」」

それは困る、と泣きたいキモチの御一同様。

シロエ 「持ち込み料は要りませんから、引き取って下さい!」
スウェナ「いいわね、それ! 持ち込む代わりに回収なのね?」
ブルー 「なるほどねえ…。責任を持って引き取れ、と…」
Aブルー「引き取るって…。何を?」

スッポンタケなら喜んで、と言ってますけど。
もしかして、思う壺ですか…?


2017/07/22 (Sat)

 

☆引き取りを希望


夏休みとくればお盆がセットで、お坊さんにはハードなシーズン。
キース君も卒塔婆書きに追われてますけど、他の面子は話が別で。

Aブルー「スッポンタケなら、喜んで全部、引き取るよ!」
一同  「「「全部?」」」
Aブルー「キノコ狩りで見付けた分はもちろん、世界中のを!」

纏めて引き取り、とソルジャー、笑顔。

Aブルー「でも、そうするにはキースの協力が必須だよねえ?」
一同  「「「へ?」」」
Aブルー「有難いスッポンタケでなければ、意味が無いんだし…」

引き取ったスッポンタケの法要にはキースが必要だろう、と。

Aブルー「キースを貰って行ってもいいかな、この際だから!」
キース 「そ、それはどういう意味なんだ!?」
Aブルー「そのまんまだよ、ぼくのシャングリラに御招待!」

エアコンは完備で、セミもいないし、とニコニコニコ。

Aブルー「卒塔婆書きにはいい環境だよ、間違いなく!」
キース 「し、しかし、道具が…! 筆や硯や、他にもだな…!」
Aブルー「電動卒塔婆削り器だったら、買ってあげるよ!」

ぼくの世界でも動かせるように、調整だって…、という申し出。

Aブルー「来てくれるんなら、部屋もいいのを用意するから」
キース 「は、墓回向はどうなるんだ…!」
シロエ 「墓回向なんて、していないんじゃないですか?」

毎年、お父さん任せでサボリなのでは、と鋭いツッコミ。

シロエ 「丁度いいですから、この夏休みは、消えて下さい!」
ジョミー「それ、いいよね…。キースが消えたら、棚経だって…」
サム  「アドス和尚が一人になるしよ、事情は変わるぜ」

お供の俺たちは要らねえんじゃねえの、とサム君も。

サム  「スクーターを追って自転車で走るの、キツイしよ…」
ジョミー「ぼくもキースと自転車で走るの、キツすぎるしさ…」
Aブルー「なるほど、みんなも喜ぶんだね、キースがいないと!」

そういうことなら貰って行こう、と言ってますけど。
災難の代わりにキース君を?


2017/07/23 (Sun)

 

☆持ち帰りがいいね


夏休みになれば来るのがお盆で、お坊さんにはハードなイベント。
キース君も卒塔婆書きに追われてますけど、それに対して提案が。

Aブルー「キースがこっちに来てくれるんなら、頼もしいしね!」
シロエ 「ぼくたちも、とても助かります! そうなったら!」
ジョミー「お盆の棚経、今年だけでも休めるんなら最高だよ!」
サム  「俺は殆ど覚えちまったし、1回くらいはサボっても…」

将来には特に響かねえよな、と僧籍な人も大賛成。

サム  「今年のお盆は、家でゆっくり朝寝坊するぜ!」
スウェナ「そうよね、棚経は朝が早いし…。6時出発でしょ?」
ジョミー「違うよ、一番最初の家に着くのが6時なんだよ!」

6時から拝み始める以上は、もっと早くに出発だ、という証言。

ジョミー「法衣も着るしさ、起きる時間も早すぎるくらい…」
サム  「御本尊様の前でお勤めしてから、出発だしよ…」
一同  「「「うわー…」」」

いったい何時に起きているんだ、と誰もが驚く棚経の日。

シロエ 「キース先輩が拉致られた時は、棚経はパスですね?」
サム  「そりゃそうだろ。キースが家にいねえんだから」
ジョミー「キースが留守なら、ぼくたちが行く義理は無いしね…」

アドス和尚が一人で回ればいいじゃないか、とジョミー君も。

ジョミー「前は一人で回ってたんだし、出来る筈だよ」
Aブルー「うんうん、みんなが喜ぶコースが持ち帰りだね!」

持ち込みの代わりに「お持ち帰り」か、と眺める先に副住職。

Aブルー「キースさえ貰って帰ってしまえば、棚経も…」
ブルー 「君のシャングリラで出来ると思うよ、バッチリと」

棚経用のお膳なんかも、今どきは売られているからね、との助言。

ブルー 「フリーズドライとか、冷凍だとか、こう、色々と…」
Aブルー「そうなのかい?」
ブルー 「家で作るのは大変だという声が多くて…」
Aブルー「なら、安心だよ!」

今年の棚経は、シャングリラで! と言ってますけど。
マジですか…?


2017/07/24 (Mon)

 

☆別世界で卒塔婆を


夏休みとセットで来るのがお盆で、お坊さんには厳しいシーズン。
卒塔婆書きに追われているキース君を、持ち帰りたい人が約一名。

Aブルー「棚経のお供え物はともかく、お膳は大変そうだしね」
ブルー 「精進料理で、しかも品数が要るからね…」
シロエ 「いつもは、ぶるぅが作っているんですよね、あのお膳」

スッポンタケの棚経の日には…、とシロエ君。

ぶるぅ 「そだよ、小さなお膳に少しずつでも、手抜きは無し!」
スウェナ「ホントに小さいお膳だものねえ…。オモチャみたいに」
マツカ 「ままごとに使えそうですよね…。立派すぎますけど」
ブルー 「ウチのは本物の漆塗りだからね。手入れも大事で…」

漆が剥げてしまわないよう、色々と気を遣うのだ、と生徒会長。

ブルー 「でもまあ、ブルーが用意するなら、普通のでいいね」
Aブルー「何を言うかな、もちろん、いいのを用意するよ!」

キースを持ち帰っていいんだったら、お膳も買う、と立てる親指。

Aブルー「帰りにキースと仏具屋に行って、選んで貰うよ!」
キース 「ま、待て! このまま連れて帰るつもりか!?」
Aブルー「早い方がいいかと思ってさ…。善は急げと言うからね」
キース 「し、しかし…!」

俺のノルマの卒塔婆の山が…、と慌ててますけど。

Aブルー「ぼくのシャングリラで書いてくれればいいんだよ!」
シロエ 「ですよね、電動卒塔婆削り器も提供するんでしょう?」
Aブルー「それも仏具屋で買えるのかなぁ?」
ブルー 「店頭には出ていないだろうけど、頼めば奥から…」

出してくれるよ、と銀青様からの助言。

ブルー 「遠慮しないで、キースを持って帰りたまえ!」
Aブルー「元老寺の方は、放っておいてもいい…のかな?」
ブルー 「ぼくから言い訳しておくよ。何とでもなる筈だから」
キース 「そ、そんな…」
Aブルー「じゃあ、ぼくとシャングリラに帰ろうか!」

その前に仏具屋に寄るんだっけね、とワクワクな人。
拉致で決定なんですか?


2017/07/25 (Tue)

 

☆仏具屋に行くなら


夏休みに入ればお盆もセットで、お坊さんにはハードなイベント。
卒塔婆書きに追われているキース君を、拉致したい人が登場で。

Aブルー「仏具屋は何処にあるんだっけ…。ぼくは詳しくなくて」
ブルー 「その心配は無用だよ! キースがいるなら」
サム  「うんうん、仏具屋は顔パスの筈だぜ。御用達でよ」

璃母恩院とは違って、元老寺の…、とサム君からも太鼓判。

サム  「寺と仏具はセットものだし、店も歓迎してくれるぜ」
Aブルー「それは良かった! じゃあ、早速!」

スッポンタケの棚経用のお膳を買わなくちゃ、と喜ぶソルジャー。

Aブルー「今までは此処で借りていたけど、今年は自前!」
ブルー 「いいのを選んで貰いたまえ。キースはプロだし」
Aブルー「もちろんだよ! 予算をケチるつもりも無いしね」

もっと他にも要るものは…、という質問。

Aブルー「どうせだったら、出来るだけのことをしたいから!」
ブルー 「うーん…。お金に糸目をつけないのなら、お鈴かな…」
Aブルー「おりん?」

それは何だい、とソルジャー、怪訝そうな顔。

Aブルー「おりんというのは初耳だけど、高いのかい?」
ブルー 「チーンと鳴らすヤツのことだよ、アレがお鈴で…」
サム  「あー…。金のヤツとか、あるらしいよなぁ…」
シロエ 「あります、あります! よく広告で見かけますよね!」

大黄金展とかのイベントで…、とシロエ君。

シロエ 「凄い値段でキンピカですけど、アレを買うんですか?」
ジョミー「なんだか成金趣味っぽいけど…?」
ブルー 「そうでもないよ。金のお鈴は音がいいから…」

由緒ある家でも買う時は買う、というのが黄金のお鈴。

ブルー 「取り寄せ品になっちゃうけれどね、買う価値はあるよ」
Aブルー「なるほどねえ…。金というのはポイント高いね」
一同  「「「へ?」」」
Aブルー「なんと言っても、アソコは金だし!」

スッポンタケのために買おう、と乗り気な人。
お膳と、金のお鈴まで…?


2017/07/26 (Wed)

 

☆異世界で卒塔婆を


夏休みとくれば来るのがお盆で、お坊さんにはハードなシーズン。
卒塔婆書きに追われているキース君を、拉致りたい人が颯爽と。

Aブルー「金のお鈴は、スッポンタケにピッタリだよ!」
ブルー 「余計なことは言わなくていいから!」
Aブルー「そう言わずに! セックスに欠かせないのが金でさ…」

その金で出来たお鈴だったら、スッポンタケも大喜びだ、と。

Aブルー「キースがチーンと鳴らしてくれれば、漲るよ!」
キース 「お鈴を馬鹿にするのか、あんた!」
Aブルー「違うよ、褒めているんだよ! 素晴らしいと!」

だから黄金のお鈴もよろしく、とニコニコニコ。

Aブルー「仏具屋さんで注文するから、最高級のを教えてよ」
キース 「た、高いんだが…! なにしろ金で出来ているから…」
Aブルー「でも、いい音がするんだろう? その上、金だし…」

スッポンタケが漲りまくるに違いない、と自説を展開。

Aブルー「とにかく、今から仏具屋にね! まずはお膳から!」
キース 「俺の立場はどうなるんだ!」
Aブルー「ぼくのシャングリラのお客様だよ、特別待遇!」

こっちの世界の食事がいいなら差し入れも…、と満面の笑み。

Aブルー「畳の部屋が要るんだったら、畳も買うから!」
シロエ 「いいですねえ! サッサと持って帰って下さい!」
Aブルー「もちろんだよ! さあ、行こうか!」

君の荷物や卒塔婆も、ぼくが運ぶから…、と張り切る人。

Aブルー「先に元老寺に寄った方がいいね、コース的には」
ブルー 「うん。その前にアドス和尚に電話を…」
キース 「何をする気だ!?」
ブルー 「しばらくウチで預かるから、って」

今年のお盆はウチで修行だ、と伝説の高僧、銀青様。

ブルー 「その名目なら、アドス和尚も納得だからね」
キース 「卒塔婆のノルマはどうなるんだ!?」
ブルー 「要は書ければ問題ないから、オールオッケー!」

ブルーの世界で書いて来たまえ、と突き放し。
拉致で決定みたいですね?


2017/07/27 (Thu) 

 

☆異世界で書くなら


夏休みとセットで来るのがお盆で、お坊さんには厳しいイベント。
キース君も卒塔婆書きに追われてますけど、拉致されそうで。

Aブルー「卒塔婆を書くには、どういう部屋がいいんだい?」
キース 「あんたのシャングリラに無いのは確かだ!」
Aブルー「そう言わずにさ…。ブルー、ちょっと訊くけど…」

こっちにもシャングリラはあるんだっけね、と生徒会長に視線。

Aブルー「ぼくの世界のとそっくりらしいし、君に相談!」
ブルー 「何をだい?」
Aブルー「卒塔婆を書くのに向いている部屋と、棚経用と!」

ピッタリの部屋を教えて欲しい、と質問が。

Aブルー「居住区も基本は同じだろうから、何処がいいかな?」
ブルー 「うーん…。畳は買って帰るんだよね?」
Aブルー「畳でないと気分が出ないだろうし、何枚でもね!」

天体の間に敷き詰めたっていいくらいだよ、と太っ腹な人。

Aブルー「でも、広すぎてもアレだから…。どの辺がお勧め?」
ブルー 「居住区にある会議室かな、ちょっと小さめの」
Aブルー「長老会議に使うヤツかい?」
ブルー 「うん、そのくらいで丁度だと思う」

卒塔婆を干しておくスペースも取れるし、と銀青様。

Aブルー「卒塔婆を干す?」
ブルー 「墨で書くから、きちんと乾かさないと駄目なんだよ」
キース 「余計なことまで教えるな!」
ブルー 「でもさ…。ちゃんとした環境が必要だろう?」

卒塔婆干し用の木の枠も買って貰いたまえ、と更なる入れ知恵。

Aブルー「木の枠って…?」
ブルー 「何本も並べて干す枠なんだよ、お寺には必須!」
Aブルー「それも仏具屋にあるのかい?」
ブルー 「基本だからね!」

頼めば店の奥から出て来る、とレクチャーが。

ブルー 「電動卒塔婆削り器とセットで買うのがいいね」
Aブルー「ありがとう! 畳は畳屋で買えばいいよね」
キース 「そ、そんな…!」
ブルー 「最高だろう?」

今年の夏はエアコン完備で卒塔婆書きだ、とプッシュ。
決定ですか…?


2017/07/28 (Fri)  

 

☆お盆休みをゲット


夏休みとくればお盆がセットで、お坊さんにはハードなシーズン。
キース君も卒塔婆書きに追われてますけど、ソルジャー、乱入。

Aブルー「毎年、みんなに愚痴ってるよね、卒塔婆書き!」
シロエ 「そうなんです。ノルマがどうとか、部屋が暑いとか」
ブルー 「今年は聞かずに済むと思うよ。キースが不在で!」

其処のブルーが連れて帰るからね、と生徒会長、ニコニコニコ。

ブルー 「キースもお盆休みが取れるし、いいんじゃないかな」
キース 「お、お盆休み…?」
ブルー 「欲しいと言っていただろう? 夢の休暇をゲットだよ」

卒塔婆書きからは逃げられなくても、お盆休みは確定だから、と。

ブルー 「棚経に行かずに済むってだけでも、素敵だろう?」
Aブルー「待ってよ、スッポンタケの棚経は!?」
ブルー 「それくらい大した数じゃないから…。1件だしね!」

本当だったら、その日に何軒回ることか、と銀青様。

ブルー 「其処を1件だけで済むから、休暇も同然!」
サム  「だよなあ…。御本尊様にお勤めするのもねえし…」
ジョミー「それまでの間も、毎日のお勤め、サボれるよね?」

アドス和尚はいないし、御本尊様も無いし、という指摘。

ジョミー「涼しい部屋で、卒塔婆だけ書けばいいんだからさ!」
スウェナ「そうよね、最高の贅沢だわよ!」
マツカ 「それで間違いないですね…。キースの夢が実現します」

存分にお盆休みを取って下さい、と御曹司も。

マツカ 「せっかくですから、ぼくたちも何処かに行きますか?」
シロエ 「いいですねえ! マツカ先輩の別荘ですか!」
マツカ 「お盆は何処も一杯ですから、そうなりますね」

ホテルを探すより、ウチにどうぞ、とお誘いが。

マツカ 「別荘も色々ありますけど…」
ジョミー「お盆を満喫できる所がいいな!」
シロエ 「こんなチャンスは、そう無いですしね…」
キース 「き、貴様たち…!」

俺だけ置いて行くつもりか、と叫んでますけど。
先に出発するのでは?


2017/07/29 (Sat)

 

☆お盆休みに期待


夏休みとセットで来るのがお盆で、お坊さんには厳しいイベント。
お盆休みが無いわけですけど、今年のキース君にはありそう。

シロエ 「嫌ですねえ…。キース先輩は別行動でしょう?」
スウェナ「置いて行かれる前に、キースが先に出発だわよ」
Aブルー「その通り! 早く行こうよ、仏具屋は何処だい?」
ブルー 「仏具屋もいいけど、その前に元老寺の方へ頼むよ」

キースの荷物とかがあるから…、と生徒会長。

ブルー 「卒塔婆は後でも充分だけれど、お泊まり用の荷物がね」
Aブルー「なるほどねえ…。着替えだけあればいいけれど?」

他のは船で揃うから、とソルジャー、自信満々で。

Aブルー「合成モノも多いけれどね、大抵の物は置いてるよ!」
ブルー 「それは良かった。じゃあ、アドス和尚に電話をしよう」
キース 「待ってくれ! 本当に俺に行けと言うのか!?」

こいつの世界で卒塔婆を書いて棚経なのか、とガクガクブルブル。

キース 「とても危険な世界だと聞いたが、俺の命は…!?」
Aブルー「心配ないって! ぼくのハーレイは優秀だよ!」

お客様を迎えているとなったら、普段以上に慎重な航路、と。

Aブルー「人類軍に出会わないよう、細心の注意を払うってば!」
ブルー 「そうらしいから、安心して一緒に行きたまえ」
キース 「そ、そんな…」
Aブルー「荷物を持ったら、仏具屋だからね!」

棚経用の上等なお膳と、金のお鈴をよろしく頼む、と注文が。

Aブルー「電動卒塔婆削り器と、卒塔婆干しの枠はプレゼント!」
シロエ 「良かったですねえ、キース先輩!」
サム  「今年のお盆は、思い切りゆっくり休めるぜ!」

んで、俺たちもお盆休みな…、と僧籍な人。

サム  「お盆休みって何年ぶりだか、記憶にねえぜ」
ジョミー「早くから巻き込まれていたもんねえ…」
シロエ 「スッポンタケの棚経だけでも、年単位ですよ!」

やっと普通のお盆が来ます、とシロエ君も感激。
キース君がいないと平和ですよね!


2017/07/30 (Sun)

 

☆地縛霊は嫌だ


夏休みに入れば来るのがお盆で、お坊さんにはハードなシーズン。
お盆休みも無いわけですけど、今年のキース君にはありそう。

Aブルー「それじゃ貰って帰っていいかな、此処のキースを!」
ブルー 「遠慮なくどうぞ。君の世界にキースはいないし」
Aブルー「いたとしたって、坊主じゃないのは確実だしね!」

坊主でなければ意味が無いから、とソルジャー、笑顔。

Aブルー「キースのお蔭で、この夏も充実のセックスライフ!」
シロエ 「ぼくたちは充実のお盆休みを楽しみますよ!」
マツカ 「別荘の用意は任せて下さい。花火大会はどうですか?」
スウェナ「いいわね、みんなで見物しましょ!」

今年は棚経も無いんだから、と盛り上がっている御一同様。

ジョミー「キースがいないと、本当に平和になるんだねえ…」
サム  「坊主の勉強は嫌じゃねえけど、棚経はキツいしよ…」

スクーターを自転車で追うのはハードすぎる、とサム君も。

サム  「ブルー、アドス和尚によろしくな! 俺も休むって!」
ブルー 「もちろんだよ。ジョミーも休みで決定だよね」

さて…、とスマホを取り出しましたが。

キース 「待ってくれ! 俺は命が惜しいんだ!」
ブルー 「アドス和尚なら大丈夫だよ。ぼくが話をつけるから」
キース 「そっちじゃなくて、こいつの世界が問題だ!」

出先で死んだらどうしてくれる、とソルジャーを指して顔面蒼白。

キース 「お浄土があるか怪しいモンだし、時期も微妙だし…」
一同  「「「時期?」」」
キース 「ウッカリ死んだら、俺の初盆は来年なんだ!」
一同  「「「ええっ!?」」」

今年じゃないのか、と誰もがビックリ。

キース 「細かい話は省略するが、来年まで放置プレイになる!」
Aブルー「えーっと…? それじゃ、キースは?」
キース 「最悪、あんたのシャングリラで地縛霊だが」
Aブルー「それは困るよ!」

地縛霊は要らない、とソルジャー、ドン引き。
持ち帰りを諦めそうな所で、中継終了~。


2017/07/31 (Mon)





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☆夏休みにはコレ


さて、七月。夏休みが近いとあって、シャン学メンバーも喜ぶ季節。
出席義務さえ無い特別生だけに、定期試験も我関せずという世界で。

ジョミー「夏休みかぁ…。やっぱりマツカの別荘だよね!」
シロエ 「海の別荘も、山の別荘も外せませんよね!」
マツカ 「いつでも準備は出来ていますよ。でも、その前に…」

行事のある皆さんも多いのでは、と御曹司の問い。

マツカ 「柔道部は強化合宿ですし、ジョミーとサムは…」
スウェナ「そうだったわねえ、璃母恩院の修行体験ツアーよね!」
ブルー 「今年もきちんと申し込んだし、修行に励んでくれたまえ」
ジョミー「うえー…。アレって、基本は二泊三日なのに…」

なんで一週間になるわけ、とブツブツ文句を言っている人。

ジョミー「他の面子は帰って行くのに、ぼくとサムだけ居残りで…」
サム  「お前なあ…。特別待遇に感謝の気持ちはねえのかよ?」
キース 「そうだぞ、ブルーが頼んでくれるからこそだ」

老師に顔が利くからなんだぞ、と副住職も。

キース 「その辺の坊主が頼み込んでも、どうにも出来ん!」
ジョミー「ぼくは、そっちでかまわないから! 普通コースで!」
ブルー 「うーん…。だったら、元老寺から頼んで貰うかい?」
一同  「「「へ?」」」

アドス和尚の紹介になるのか、と誰もがビックリ。

シロエ 「そういうコースもアリなんですか?」
ブルー 「基本はお寺が申し込むんだし、もちろんアリだよ」
ジョミー「じゃあ、それで! それなら普通に行けるっぽいし!」

二泊三日で帰れるんだよね、と弾ける笑顔。

ジョミー「今年のは元老寺から行くよ! 楽そうだから!」
ブルー 「ふうん…? いいけど、キースもセットになるよ」
キース 「なるほどな…。俺が青年会から行けばいいんだな?」
ブルー 「話が早くて助かるよ。君なら任せて安心だしね!」
ジョミー「え、えっと…。青年会って…?」

なんでキースがセットなわけ、と質問が。
どうしてでしょうね…?


2017/07/01 (Sat)

 

☆個人的に指導


夏休みを控えたシャン学メンバー、海へ山へと計画満載ですけれど。
その前にあるのが柔道部の合宿、ついでに璃母恩院の修行体験も。

ジョミー「キースが来るって、どういう意味? 青年会って?」
キース 「俺の宗派の青年会だが…。若手の坊主が入るヤツだな」
ブルー 「修行体験ツアーの時には、お手伝いにも行くんだよ」

お盆を控えて忙しい時期だし、暇な人たちに限定だけど、と銀青様。

ブルー 「卒塔婆書きはプリンターにお任せだとか、そんな感じで」
シロエ 「キース先輩の家は手書きじゃなかったですか?」
キース 「そうなんだが…。璃母恩院の手伝いをするとなったら…」

留守の間のノルマは親父がこなすだろうな、と立てる親指。

キース 「手伝いに行くのは名誉なことだし、親父も喜ぶ」
ジョミー「ちょ、ちょっと…! それでキースが来ちゃったら…」

ぼくの立場はどうなるわけ、と慌てる人。

ジョミー「アドス和尚の紹介で行くなら、二泊三日で済む筈だけど」
キース 「ああ。そこは間違いないんだが…。個人指導だな」
ジョミー「個人指導?」
キース 「紹介した親父の名誉にかけて、俺がビシバシ!」

修行の基本を叩き込むのだ、とニンマリと。

キース 「特別メニューを組み込んでやろう。こう、色々と」
ジョミー「それって食事のことじゃないよね、メニューって…?」
キース 「食事は全員共通だからな。修行の方のオプションだ」

青年会のヤツらと楽しく相談しよう、と酷薄な笑み。

キース 「俺たちが道場でやられたシゴキを、特別に!」
ジョミー「シゴキ?」
キース 「住職の資格を取る道場は、鬼の厳しさで有名だからな」

誰だって他人にやってみたいものだ、と恐ろしい台詞。

キース 「だが、道場の指導係をするには、まだ経験が…」
シロエ 「足りていないというわけですか?」
キース 「そういうことだ。絶好のチャンス到来だな!」

俺の同期にも声を掛けないと、嬉しそうな顔。
ジョミー君、ピンチ…?


2017/07/02 (Sun) 

 

☆シゴキをするなら


夏休みが間近に迫ったシーズン、心が浮き立つシャン学メンバー。
海へ山へとお出掛けですけど、その前に合宿やら修行体験なんかも。

ジョミー「き、キースと、キースの同期って…。それが来るわけ?」
キース 「ああ。修行体験ツアーでボランティアだな」
サム  「マジかよ、そういや毎年、若い坊主がいるけどよ…」

あれは璃母恩院の坊主なんじゃあ…、という質問。

サム  「寺の説明とかも詳しいから、そうだとばかり…」
キース 「もちろん、そういうヤツらもいる。だが、青年会も…」

夏休みの前に募集してるぞ、と副住職。

キース 「璃母恩院の坊主だけでは、人員不足に陥るからな」
ジョミー「そ、それでキースが申し込むわけ!?」
キース 「喜ばれるだろうな、今の時期から新規が増えたら」

ギリギリの人数で回しているだけに…、とニヤニヤと。

キース 「一気に五人ほど増やしてやろうか? 俺と同期とで」
ジョミー「ご、五人…?」
キース 「暇にしているヤツも多いし、もっと来るかもな」

シゴキをやっていいんなら、と冷たい笑み。

キース 「俺たちのキャリアじゃ、まだまだシゴキは…」
ブルー 「出来ないだろうねえ、修行道場は任せて貰えないし」
キース 「あっちはプロ中のプロが仕事をする場所だしな…」

未来の住職を育てるだけに、とフウと溜息。

キース 「ボランティアとして登録したって、下働きだ」
シロエ 「そういう世界なんですか?」
キース 「坊主の世界は、基本が年功序列だからな!」

どんなにデキる坊主であっても、縛りが多い、と顰める顔。

キース 「紫の衣を着てもいいのは四十歳とか、そういうのだな」
サム  「あー…。あったっけな」

そんな縛りも、とサム君も。

サム  「それで修行道場の手伝いは無理、と…」
キース 「下働きなら出来るんだが…。シゴキは無理だ」
ジョミー「シゴキに来るって!?」

修行道場の代わりにシゴキなのか、とガクガクブルブル。
さて、どうなる…?


2017/07/03 (Mon)

 

☆シゴキのチャンス


夏休みが来たら海へ山へと、お出掛けするのがシャン学メンバー。
その前にあるのが修行体験ツアーで、ジョミー君とサム君だけ参加。

ジョミー「しゅ、修行道場並みのシゴキをする気…?」
キース 「当然だろうが! そのためにタダで働くんだしな!」
サム  「ボランティアは完全にタダ働きかよ?」
キース 「そうなるが? 璃母恩院のお役に立てる名誉な機会だ」

タダ飯を食わせて貰えるだけでも充分だろう、という返事。

キース 「総本山で毎日お勤めが出来て、寝泊まり出来る名誉職だ」
ブルー 「坊主の間じゃ、もう最高の待遇だからねえ…」

タダ働きでも、璃母恩院で暮らせるのなら、と伝説の高僧、銀青様。

ブルー 「たったの二泊三日だけでも、気分はお浄土体験かな」
サム  「あー…。宗祖様のお膝元だもんなあ、御廟もあるしよ」
ブルー 「そういうこと! 功徳を積めるいいチャンスだよね」

誰でも暇なら行きたがるよ、とニコニコと。

ブルー 「おまけに公認でシゴキをやってもいいとなるとね!」
ジョミー「そのシゴキって…。どんなヤツなわけ?」
キース 「修行道場と同じだと思え! 失敗したら罰礼だな!」
ジョミー「罰礼?」

もしかして、キースがやってるヤツ、と青ざめているジョミー君。

ジョミー「お念仏に合わせて五体投地の、アレのこと…?」
キース 「他にどういう罰礼がある?」

失敗した時は、アレを三百回が修行道場だ、とキッパリと。

キース 「素人さんは百回で膝が笑うが、修行道場はプロが相手だ」
ジョミー「ぼ、ぼくはプロとかじゃないんだけど…!」
キース 「銀青様の紹介を蹴るようなヤツは、セミプロだろうが!」

それに相応しく扱ってやる、と惨い台詞が。

キース 「ウチの寺からの紹介なんだし、どうとでも出来る!」
サム  「犠牲者はジョミーだけだよな?」
キース 「もちろん、他は対象外に決まっている!」

性根を叩き直すだけだ、と言ってますけど。
犠牲者は一人だけですか…。


2017/07/04 (Tue)

 

☆行くなら一人で


じきに夏休みが来るんですけど、ジョミー君には修行体験ツアーも。
期間短縮を希望というので、元老寺からの紹介で出掛ける話が。

ジョミー「な、なんで、ぼくだけシゴキになるわけ? サムは?」
キース 「サムはお前の巻き添えなだけで、模範生だからな!」
サム  「その話だけどよ…。俺は別行動でもいいんじゃねえかと」
キース 「別行動だと?」

どういう意味だ、とキース君、怪訝そうな顔。

キース 「別行動で何をするんだ、班分けを別にしろってか?」
サム  「そうじゃなくてよ…。せっかくブルーの紹介なんだし…」

俺は普通に行きてえんだけど、という申し出。

サム  「いつもと同じで、一週間で。その方が勉強になるからよ」
ブルー 「なるほどねえ…。流石はサムだよ、いい心がけだよね」
キース 「ふむ…。だったらサムはジョミーと完全に別行動だな?」
サム  「ブルーが紹介してくれるんなら、喜んで行くぜ!」

ぼっち参加でも辛くねえし、と殊勝な人。

サム  「何処かでジョミーと期間が重なるだろうけど…」
キース 「心配するな。馬鹿とは班を分けてやるから」

その辺の仕切りも、俺たちボランティアの仕事だ、とキッパリと。

キース 「サムは真面目な寺の跡継ぎと一緒でいいよな」
サム  「マジかよ、ジョミーと分けてくれるのかよ!?」
キース 「馬鹿に合わせる必要は無いし、大いに修行に励んでくれ」

その間に俺はジョミーの性根を叩き直す、と燃えている人。

キース 「帰ったら早速、親父に頼んでツアーを申し込ませよう」
ジョミー「ま、待ってよ、本気でキースが来るって!?」
キース 「俺だけじゃないぞ、道場仲間も呼んでやるから」

何人くらい集まるだろう、と追ってゆく指。

キース 「確実に暇にしているヤツは、と…」
シロエ 「卒塔婆プリンターのお寺の人ですか?」
キース 「気ままに旅をしてるのもいるぞ」

住職になったら自由が無いし、と今の間に旅だとか。
お寺は無休ですもんね…。


2017/07/05 (Wed)

 

☆ブラックな感じ


夏休み恒例の行事になっているのが、璃母恩院での修行体験ツアー。
参加者はサム君とジョミー君のみ、嫌がるジョミー君ですけれど。

キース 「住職は年中無休な上に、忙しい時は半端ないからな…」
サム  「あー…。午前も葬式、午後も葬式とかいうヤツな…」
キース 「それに加えて、枕経が入る日だってあるぞ」
シロエ 「枕経だと、下手をしたら夜はお通夜じゃないですか!」

亡くなった仏様を拝みに行くのが枕経ですよね、とシロエ君。

シロエ 「待ったなしだと聞いてますけど、お葬式の合間にも…?」
キース 「行ける時間が取れるようなら、もちろんだ!」
一同  「「「うわー…」」」

一日の間に葬儀が二つと、枕経でお通夜な激しすぎるコンボ。

シロエ 「下手なブラック企業よりもハードじゃないですか?」
マツカ 「どうなんでしょう? 暇な時は暇なのがお寺ですしね」
キース 「それはそうだが、テンパった時はブラックすぎだ!」

それで霊場会を脱退した寺があるほどだ、と妙な台詞が。

一同  「「「霊場会?」」」
キース 「ソレイド八十八ヶ所の寺だ、それの一つが抜けたんだ!」
一同  「「「ええっ!?」」」

揃ってこその八十八ヶ所、一つが抜けたら大変な感じ。

サム  「許されるのかよ、抜けるなんてよ…」
キース 「住職が過労死しそうになったというのが理由らしいが」
ブルー 「あそこは年中無休に加えて、御朱印も出すしね…」

普通のお寺よりも業務が多くて、と銀青様。

ブルー 「それで儲けが出ないとなったら、抜けたくもなるよ」
スウェナ「だったら、八十七ヶ所になったのかしら?」

一つ抜けたら八十七よね、と質問が。

スウェナ「御利益が減っていそうだけれど…」
キース 「今も御朱印は受け付けている。開門時間が違うだけでな」
ブルー 「遅めに開けて、早く閉めるんだよ」
キース 「寺のキツさが分かったか?」

若い間に遊んでおくヤツがいる理由も、と。
そういう人たちを呼ぶんですね…?


2017/07/06 (Thu)

 

☆やりたいシゴキ


今や夏休みの恒例行事な、ジョミー君たちの璃母恩院での修行体験。
今年は二泊三日にしたいという声、其処から話は酷い方へと。

キース 「若い間は遊ぶヤツでも、道場の厳しさは覚えているし…」
シロエ 「それを誰かにやってみたいというわけですね?」
キース 「そんな所だ。ジョミーが相手なら、何でも出来るぞ」

ただの修行体験ツアーの面子じゃないし、とニンマリと。

キース 「ウチの寺からの紹介な上に、修行体験ツアーの常連だ」
サム  「俺と一緒に、毎年行っているもんなあ…」
ブルー 「老師にも顔が売れているしね、ぼくの弟子だから」

大いにシゴキをするといい、と生徒会長もシゴキをプッシュ。

ブルー 「老師公認でシゴキが出来るよ、ぼくが伝えておくからね」
キース 「本当か? ビシバシとやっていいんだな?」
ブルー 「うん。いつか修行道場で指導をする日に備えて!」

腕を磨いておきたまえ、と伝説の高僧、銀青様。

ブルー 「君の知り合いも大勢呼んで、厳しくやってくれればね!」
キース 「有難い。皆、腕が鳴ることだろう」
ジョミー「待ってよ、それをぼくだけが? 他の人たちは?」

本当に除外されるわけ、とガクガクブルブル。

ジョミー「ぼく一人だけが五体投地を三百回とか、そういう修行?」
キース 「そうなるな。ウチの寺からの参加とはいえ…」
ブルー 「一般人とは別扱いでいいと思うよ、ジョミーのためにも」

立派な坊主を目指すためには、いい勉強になるだろう、との仰せ。

ブルー 「高校生で本格的な修行をするのは、まず無理だしね」
ジョミー「修行じゃなくって、シゴキだってば!」
キース 「やかましい! シゴキも修行の内なんだ!」

シゴキは修行の華なんだぞ、と握り締める拳。

キース 「キツいシゴキに耐えてなんぼの世界だからな!」
ブルー 「そうだよ、頑張ってくるんだね!」
ジョミー「そ、そんな…!」

シゴキなんかは求めていない、と真っ青な顔。
さて、どうなる…?


2017/07/07 (Fri)

 

☆中身が濃ければ


夏休みの恒例行事になっているのが、璃母恩院での修行体験ツアー。
参加するのはジョミー君とサム君だけでも、すっかり名物でして。

ジョミー「元老寺からの紹介で行くと、キースがシゴキを…!?」
キース 「当然だろうが! ウチの寺のメンツもあるからな!」
サム  「あー…。ヘボいのを紹介したらマズイよな、うん」
ブルー 「もっと早い時期だったら、特に問題ないんだけどね…」

今だと申し込みの期限を過ぎているから、と伝説の高僧、銀青様。

ブルー 「特別枠での参加になると、お寺の子弟に限られるかな」
キース 「其処を特別に入れてやるんだ、有難く思え!」
ジョミー「その話は聞いていないから!」

普通に行けると思ってたから、と懸命な逃げ。

ジョミー「アドス和尚の弟子じゃないしさ、息子でもないし!」
キース 「その辺は、親父がどうとでもする!」
ブルー 「住み込みで修行を志願中とか、理由は色々つけられるよ」
シロエ 「いいですね! キース先輩の家の見習いですか…」

昔だったら書生でしょうか、とシロエ君も楽しそうな顔。

シロエ 「ジョミー先輩、修行のチャンスです! 此処で一気に!」
マツカ 「二泊三日でも中身が濃ければ、最高の修行になりますよ」
スウェナ「いつも窶れて帰ってくるけど、今年も期待できそうね」
キース 「多分、雑巾並みだと思うぞ」

見る影もなくズタボロになるであろう、という予言。

キース 「俺も今から楽しみだ。ジョミーを雑巾にするのがな!」
シロエ 「キース先輩のシゴキは激しそうですからねえ…」
ブルー 「アドス和尚が半端ないから、キースも半端ないってば」

身内には容赦しない筈だ、と生徒会長、断言。

ブルー 「まあ、頑張ってくるんだね。二泊三日で」
ジョミー「生きて帰れそうにないんだけど…!」
キース 「そう悲観するな」
ブルー 「うん。死んだら、お浄土直行便だよ」

宗祖様のお膝元だしね、と言ってますけど。
お浄土直行便でいいんですか…?


2017/07/08 (Sat)

 

☆破門して欲しい


今や夏休みの恒例行事な、璃母恩院での修行体験ツアーなるもの。
一週間はキツすぎる、と二泊三日を希望したのがジョミー君で…。

ジョミー「お浄土直行便なんて…! それって本末転倒だから!」
キース 「どの辺がだ? お前も坊主の端くれだろうが!」
ジョミー「なりたくてなったわけじゃないから、ぼくの場合は!」

全部ブルーにはめられたんだ、と喚く人。

ジョミー「勝手に坊主の名前までつけて、弟子にしちゃって…」
サム  「有難い話だと思うぜ、俺は。銀青様の直弟子なんてよ」
ブルー 「そうだよ、ぼくは弟子なんかは取らない主義で…」

君とサムとは特別なのだ、と恩着せがましい物言いが。

ブルー 「それに文句をつけるなんてね、どうかと思うよ」
ジョミー「だったら破門でかまわないから! ぼくなら出来るし!」
 一同  「「「破門?」」」
ジョミー「そう! ブルーが破門と言ったら破門で、坊主卒業!」

僧籍剥奪でいいと思う、と罰当たりな台詞。

ジョミー「どうせ立派な名前でもないし、破門は簡単だと思う!」
シロエ 「あのぅ…。立派な名前って、アレのことですか?」

あまり言いたくないんですけど、とシロエ君。

シロエ 「キース先輩が弟子にしちゃって、破門出来ないアレ…」
ジョミー「うん! あっちは凄い名前だけどさ…」

ぼくのは普通、と比べているのがスッポンタケの戒名で。

ジョミー「ぼくを破門にするくらいなら、楽勝だよね?」
ブルー 「理屈の上ではそうだけど…。決めるのは、ぼく!」

大事な愛弟子を破門するなど、とんでもない、と銀青様。

ブルー 「スッポンタケなら、容赦なく破門するけどね!」
サム  「破門って…。出来るのかよ!?」

院殿号の仏様だぜ、と慌てるサム君。

サム  「破門できねえから、キースの弟子のままで…」
ブルー 「キースの修行が足りないからだよ!」
一同  「「「え?」」」

もしかして破門は可能なのか、と一同、仰天。
破門、オッケーだと…?


2017/07/09 (Sun)

 

☆破門できない人


夏休みになれば恒例行事な、璃母恩院での有難い修行体験ツアー。
今年は二泊三日にしたい、とジョミー君が文句をつけましたけど。

シロエ 「す、スッポンタケの破門は可能なんですか?」
サム  「キースじゃ駄目でも、ブルーだったら出来るのかよ?」
ブルー 「そりゃねえ…。ダテに修行は積んでいないよ」

銀青の名前もダテじゃないし、とニンマリしている伝説の高僧。

ブルー 「こっちの方が偉いんだからさ、破門は楽勝!」
ジョミー「で、でも…。ブルーの名前って、銀青だよね?」
ブルー 「そうだけど?」
ジョミー「院殿号なんか、何処にもついていないっぽいし…」

どの辺がアレより偉いわけ、と比較対象はスッポンタケの戒名。

ジョミー「倫王院殿法界善根大居士だよね…?」
シロエ 「覚えたんですか、ジョミー先輩!?」
ジョミー「あれだけ連呼されちゃったらさ…。嫌でも頭に…」

グイグイ入って来ちゃうんだよね、と嘆き節。

ジョミー「ブルーは大居士もついていないし、ただの銀青だし…」
ブルー 「甘いね、フルネームはもっと長いから!」
一同  「「「へ?」」」
ブルー 「修行を積んだ度合に応じて、字が増えるんだよ!」

それに必須の道場もある、とキッパリと。

ブルー 「住職の資格が全てじゃないから、もう一段階!」
スウェナ「それって、キースも受けなきゃ駄目なのかしら?」
ブルー 「いずれはね!」

璃母恩院に籠って修行するのだ、という住職向けの道場。

ブルー 「これがキツくて、先延ばしにする人も多くてねえ…」
サム  「キースは受けていねえんだな?」
キース 「あ、ああ…」

日にちが上手く合わなくて、と悪い顔色。

キース 「副住職なら、まだ要らないかと…」
ブルー 「これだから、スッポンタケも破門出来ないってね!」
シロエ 「修行不足が原因ですか…」
ブルー 「そう! ぼくなら破門可能だよ!」

だけどジョミーは破門しない、と話はループ。
ジョミー君、どうなるんでしょう?


2017/07/10 (Mon)

 

☆逃げたいシゴキ


今や夏休みの恒例行事な、璃母恩院での一週間の修行体験ツアー。
二泊三日にしたいジョミー君、自らドツボにはまった感が満載で。

ブルー 「ジョミーも修行を積まないと…。二泊三日でもね!」
キース 「任せておけ。住職としての修行は足りんが」
シロエ 「スッポンタケは破門できなくても、シゴキですね?」

修行道場の体験に基づくキツイのですね、とシロエ君。

シロエ 「そっちで先輩も徳を積んで下さい! 将来に向けて!」
マツカ 「そうですよね…。スッポンタケを破門できるくらいに」
スウェナ「日々の積み重ねが大切だものね、お坊さんの修行は」

頑張って偉くなってちょうだい、とスウェナちゃんも。

スウェナ「つまりジョミーは人柱ね! 今年の修行体験ツアー!」
サム  「だよなあ、それでキースの覚えがめでたくなったらよ」
ブルー 「なると思うよ、老師も喜ぶだろうから」

今の時期からプロの坊主の手伝いがドンと増えるんだから、と。

ブルー 「たったの二泊三日間でも、璃母恩院には有難いしね」
キース 「ああ。頑張って人を集めよう」

では早速…、と取り出すスマホ。

キース 「最近は便利になったからなぁ、まずはLINEで」
ジョミー「ちょ、LINEって!?」
キース 「同期の坊主のLINEがあるんだ、さてと…」
ジョミー「そんな連絡、要らないから!」

LINEを見た人も既読スルーでいいから、と大慌て。

ジョミー「二泊三日のコースで行ったら、殺されそうだよ!」
サム  「でもよ…。お前が自分で決めたんじゃねえか」
ジョミー「い、一週間の方でいいから!」

今年も普通にサムと行くんだ、と必死の逃げ。

ジョミー「そっちの方が、まだマシだから!」
ブルー 「ふうん? 散々、文句を言ってたくせに」
ジョミー「死んだら元も子も無いし!」
キース 「つまらんな…。せっかくのチャンスだったのに…」

来年以降に期待するか、と残念そうな副住職。
シゴキはお預け、今年も普通の夏休み…。


2017/07/11 (Tue) 

 

☆お盆が近いです


夏休みと言えば恒例行事な、璃母恩院の修行体験ツアーなるもの。
ジョミー君も結局、一週間コースで出掛けることになりまして…。

ジョミー「し、死んだ…。今年も一週間、キツかったよ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ おかえりなさい、修行、お疲れ様ぁ!」
ブルー 「お疲れ様。まあ、キースにシゴキをされるよりはね?」
サム  「遥かにマシってモンだと思うぜ、一週間でもよ」

麦飯ばかりの飯の日々でも、とサム君の方はケロリとした顔。

サム  「ジョミーも早く慣れねえと…。じきにお盆だぜ?」
シロエ 「そうでした…。来月は棚経なんですよね」
ジョミー「忘れてた…。やっぱりキースとセットなのかな?」
サム  「アドス和尚の方がいいなら、代わってやるぜ?」

キース以上にキツイけどな、とニヤニヤニヤ。

サム  「あっちはスクーターだしよ…。キースと違って」
スウェナ「そうらしいわよね、それを自転車で追うんでしょ?」
シロエ 「サム先輩、体力が半端ないですよね…」
マツカ 「ただでも夏の一番暑い時期なのに、凄いですよ…」

朝の間は涼しいでしょうが、と御曹司。

マツカ 「じきに猛暑で、炎天下を走るわけですからね…」
サム  「それで良ければ俺と代われよ。そっちの方がよ…」

スッポンタケとの縁が切れるしな、とチラつかせる餌。

サム  「キースのお供で回る限りは、アレの棚経だぜ?」
ジョミー「うーん…。それも嫌だけど、アドス和尚もキツそう…」
キース 「当然だろうが、俺の親父を舐めるなよ?」

怒らせたらタダでは済まないからな、と副住職。

キース 「そうでなくても、お盆の頃には既に瞬間湯沸かし器だ」
一同  「「「へ?」」」

何故に瞬間湯沸かし器、と首を傾げる御一同様。

シロエ 「暑さでイライラしてるんですか?」
キース 「馬鹿野郎! 墓回向に加えて卒塔婆書きだぞ、お盆は」
一同  「「「あー…」」」

ソレがあった、と誰もが納得。
お盆の前には卒塔婆を書くんですよね…。


2017/07/12 (Wed)

 

☆卒塔婆書きの季節


夏休みに入ると近付くのがお盆、お坊さんにはハードなシーズン。
山と積まれた卒塔婆と格闘、来る日も来る日も卒塔婆書きで…。

シロエ 「今年のノルマも半端ないんですか、キース先輩?」
キース 「親父と分担してはいるがだ、凄い数だぞ」

仏具屋から届いた包みを見ただけで気が遠くなる、とブツブツと。

キース 「五十枚セットとかの束がだ、こうドッカンと…」
サム  「庫裏に積まれているのかよ?」
キース 「そんな所だ。書くぞ、と気合は入るんだがな…」

それと現実は別物だよな、と仰ぐ天井。

キース 「今日はこれだけ、と決めていたって、進まんし…」
ブルー 「集中力が足りていないんだと思うけれどね?」
キース 「クソ暑いのにエアコン無しだぞ、それだけでキツイ!」

おまけに昼間はセミが鳴くし、と嘆く環境。

キース 「風鈴の音もかき消されるんだ、セミの大合唱で!」
ぶるぅ 「えとえと…。だったら、ここで書けば?」
シロエ 「ですよね、ぶるぅの言う通りです」
マツカ 「和室で書いたらいいと思いますが…」

阿弥陀様のお厨子もありますよ、とマツカ君。

マツカ 「お香でも焚けば、いい環境になりそうですけど」
キース 「そうは思うが、それに馴染んだら後が地獄だ!」

夜だって卒塔婆書きなんだ、と呻くほど凄いのがノルマ。

キース 「何処の寺でも、今は地獄だ。ツイッターで分かるぞ」
一同  「「「へ?」」」
キース 「#坊さんあるある2017盆、でヒットする筈だ」

あちこちの寺の坊主が呟くからな、とハッシュタグの話。

キース 「早い寺だと、先月の末から呟き始める」
サム  「お盆の時期の関係じゃねえの?」

七月にお盆の地域もあるだろ、と言ってますけど。

キース 「甘いな、八月のお盆に備えてだ!」
シロエ 「六月の末から卒塔婆書きですか?」
キース 「今年も来ました、という感じだな…」

今年はこれだけ書くんです、と卒塔婆の写真をUPするとか。
大変そうですね…?


2017/07/13 (Thu) 

 

☆卒塔婆書きの実態


夏休みとセットでやって来るのが、お坊さんにはハードなお盆。
卒塔婆書きから始まるわけで、キース君は今年も既に戦いの日々。

キース 「卒塔婆プリンターが完備の寺なら、楽なんだが…」
サム  「あー…。親父さんだと、ソレ、絶対に入れねえよな?」
ジョミー「頑固だもんねえ、アドス和尚は…」
キース 「卒塔婆プリンターどころか、電動卒塔婆削り器もだ…」

ウチの寺ではアウトだからな、と垂れている文句。

スウェナ「だけど、家にはあるんでしょ? 電動の卒塔婆削り器」
マツカ 「前に使って、バレたと言ってませんでしたか?」
キース 「あるにはあるが、アレは親父の私物に近い!」

親父は使えても、俺は使わせて貰えないから、と深い溜息。

キース 「なんだかんだで親父の方が、卒塔婆の数は多いしな…」
一同  「「「ええっ!?」」」

まさか、と一同、ビックリ仰天。

サム  「マジかよ、なんで親父さんの方が多いんだよ!?」
ジョミー「絶対、キースに丸投げなんだと思ってたけど…!」
キース 「よく考えろよ、あの親父だぞ?」

俺なんかに借りを作るもんか、と顰める顔。

キース 「自分が優位に立ってなんぼだ、卒塔婆書きもな!」
シロエ 「でも…。先輩に押し付けている印象が…」
スウェナ「そうよね、いきなり追加で五十本とか普通でしょ?」
マツカ 「ノルマが増えたと、毎年、聞いている気がしますが…」

アドス和尚がサボッた分で、との指摘ですけど。

キース 「それでも親父の方が遥かに多いんだ! 元の数がな!」
サム  「うーん…。つまりは頭が上がらねえのな?」

どんなにハードな卒塔婆書きでも、とサム君、気の毒そうに。

サム  「エアコン禁止で、電動卒塔婆削り器も禁止でもよ…」
キース 「そうなるな。親父はエアコンを使っているが…」
シロエ 「沢山書くんじゃ、仕方ないですね…」
キース 「要は効率だからな!」

山ほど書くなら、いい環境が必要だとか。
確かに効率優先ですよね…。


2017/07/14 (Fri) 

 

☆お盆休みは無いです


夏休みと言えば来るのがお盆で、お坊さんにはハードなシーズン。
懸命に卒塔婆を書くわけですけど、キース君より凄いアドス和尚。

キース 「正直、親父と同じだけ書くとなったらキツイぞ」
シロエ 「そんなに沢山あるんですか? 卒塔婆」
キース 「もう数えたくもない感じだな。何処の寺もだが」

「#坊さんあるある2017盆」で検索してくれ、と副住職。

キース 「あちこちの坊主が呟く季節だ、卒塔婆の山の写真もな」
サム  「うへえ…。写真付きかよ?」
キース 「これだけ書いた、と書き上げた山と、真っ白なのと…」

対比を見せているヤツもいる、と現場で暮らす人の証言。

キース 「そうかと思えば、掛け声しか上げないヤツとかな」
一同  「「「掛け声?」」」
キース 「自分に発破をかけると言うか…。さあやるぞ、と」

「今すぐやるぞ」とか「今日こそ書く」とか、それのリピート。

キース 「でもって、真面目に詰んで来るとだ…。もう悲鳴だな」
サム  「人生終わったとか、そんなのかよ?」
キース 「お盆休みを取ってみたいとか、現実逃避に走るんだ」
一同  「「「お盆休み…」」」

それは無理では、と誰もが承知な、お寺の事情。

シロエ 「どう転がっても休めませんよね、お盆なんて?」
キース 「寺に生まれたら、お盆休みは一生無いな」

クリスマスの方が現実的だ、とキッパリと。

キース 「俺の家には無かったんだが、ツリーを飾る寺も多いし」
ブルー 「クリスマスに法要は無いからね…。何処の宗派も」

時間があるならクリスマスだってオッケーだ、と銀青様。

ブルー 「流石に境内でイルミネーションとかは無理だけど…」
キース 「庫裏でパーティーはアリだしな」

檀家さんからフライドチキンの差し入れが来たり、と証言が。

キース 「ウチには来ないが、他所の寺だと定番だぞ」
一同  「「「フライドチキン…」」」

なんだか凄い、と誰もが驚くクリスマス。
でも、お盆休みは無いんですね?


2017/07/15 (Sat)








 

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☆看板が必要です


梅雨の季節はキノコの天国、スッポンタケも生えてくる可能性が大。
キース君を御用達にして回避しようと、皆で検討中でしたけれど。

Aブルー「キースが赤字になったとしても、正しいんだよね?」
ブルー 「御用達としての姿勢のことかい?」
Aブルー「そう、それ! スッポンタケの方が偉いんだろう?」

キースよりも、と全てを聞いていたらしいのがソルジャー。

Aブルー「キースはスッポンタケの下僕で、言いなりだよねえ?」
ブルー 「極端な言い方をするんだったら、それで合ってる」
Aブルー「だったら、やっぱりイイネをしなくちゃ!」

スッポンタケの御用達の件、大いに「イイネ!」と立てる親指。

Aブルー「是非とも、キースを御用達に! 今後のためにも!」
シロエ 「ワンコインで法要が出来る所がポイントですか?」
Aブルー「それもあるけど、他にもメリット多そうだしねえ…」

尻拭い役までしてくれるんだろう、とニコニコニッコリ。

Aブルー「スッポンタケが何をやっても、キースの責任!」
ブルー 「まあ、そうだろうね…。赤字だろうが、何であろうが」
Aブルー「最高じゃないか! こんな素晴らしい話は無いよ!」

御用達になって貰わないと、と強烈なプッシュ。

Aブルー「どうすればいいのかな、御用達になって貰うには?」
シロエ 「そうでした! 御用達の看板、要るんでしたね…」
サム  「誰が発行するんだよ? スッポンタケかよ?」

キノコは字なんか書けねえぜ、とサム君の指摘。

サム  「御用達の看板がねえと、御用達とは言えねえし…」
スウェナ「そういえば…。何処のお店も飾っているわね」

店の表や中とかに…、という看板。

スウェナ「キースを御用達にするなら、看板が要るわよ」
ジョミー「スッポンタケの御用達なら、スッポンタケが書くわけ?」
サム  「キノコなのにかよ?」
一同  「「「うーん…」」」

肝心の看板が無理っぽいかも、と暗礁に乗り上げた気分。
計画、頓挫しますかね…?


2017/06/16 (Fri)

 

☆看板が無理です


梅雨の季節に生えて来るキノコ、もちろんスッポンタケも生える筈。
厄介なブツはキース君に押し付けよう、と御用達にしたいのに…。

シロエ 「看板の無い御用達って、あるんでしょうか?」
ブルー 「お店を構えているわけじゃなければ、飾らないけどさ…」
サム  「飾らねえだけで、看板そのものはあるってことかよ?」
ブルー 「看板と言うか、お免状と言うか…。それは欠かせないね」

御用達に任命された証の文書、と生徒会長。

ブルー 「看板という形だったり、巻物だったり、色々あるけど…」
スウェナ「とにかく、文字の形なわけね? 言葉じゃなくて」
ブルー 「口約束では、御用達の重みが無いからねえ…」

何らかの証拠は存在するよ、と言われましても。

シロエ 「じゃあ、このケースはどうなるんです! その文書は?」
ジョミー「スッポンタケは字が書けないもんね…」
マツカ 「文書以前の問題ですよね、アイウエオだって無理ですよ」

幼稚園児の方がマシです、と御曹司も深い溜息を。

マツカ 「自分の名前くらいだったら、書ける子だって多いですし」
サム  「あー…。サインも出来ねえのがスッポンタケかよ…」

ついでにハンコも押せねえよな、と絶望的な今の状況。

サム  「看板も文書も作れねえなら、無理ってことかよ…」
シロエ 「激しく絶望的ですね…。いい話だと思ったんですが…」
マツカ 「人間だったら、代理も立てられますけどね…」

意思能力が無くても、それなりに…、と御曹司ならではの発言。

マツカ 「後見人とか、やり方はあると思いますけど…」
スウェナ「スッポンタケだと、それも無理よね…」

誰が代理になれると言うのよ、とスウェナちゃんも。

スウェナ「相手はキノコよ、後見人なんか何処で探すのよ!」
ブルー 「何処も相手にしないだろうね、法律のプロは」
シロエ 「やっぱりですか…」
ブルー 「常識で考えれば分かるだろう?」

そもそもキノコに人権は無い、という話。
正しいですね?


2017/06/17 (Sat)

 

☆人権が無いです


梅雨の季節はキノコの天国、スッポンタケも生えてくるシーズン。
キース君を御用達にして押し付けたいのに、看板というハードルが。

ブルー 「スッポンタケがキノコな以上は、人権は無いよ」
シロエ 「そうでしたね…。人間にしか無いのが人権でしたね」
スウェナ「おまけに愛護団体も無いわよ、動物でさえないんだから」
ジョミー「犬とか猫なら、相続だって出来るんだっけ?」

全財産を貰うペットがたまにいるよね、とジョミー君。

ジョミー「一人暮らしのお金持ちとかが、全部ペットに譲るって…」
サム  「あー…。たまに聞くよな、大金持ちの猫とかよ…」
ブルー 「あれは外国だよ、この国じゃ無理!」
マツカ 「法律が違いますからね…。書き遺しても無理でしたっけ」

犬や猫は相続出来ませんよ、と御曹司も。

マツカ 「遺産管理をする人を立てれば、世話はして貰えますけど」
ジョミー「直接貰うのは無理なわけ?」
ブルー 「残念だけれど、法律にそれが無いからねえ…」

ペットでソレなら、スッポンタケなんかは論外だ、とキッパリと。

ブルー 「犬や猫なら、まだしも理解の範疇だけどさ…」
サム  「スッポンタケは鳴きもしねえしなあ…。動かねえしよ」
シロエ 「財産があっても、使う方法さえ無いですしね…」

餌代も、ワクチン代とかも要りませんから…、とブツブツブツ。

シロエ 「つまり、スッポンタケには後見人がつかないわけで…」
サム  「御用達の看板、発行できねえってことになるのかよ…」
ブルー 「字も書けない上に、ハンコも押せないキノコだからねえ」

人権も無ければ意思能力も無いというヤツで…、との悲しい解説。

ブルー 「意思能力が無くても、人権があればセーフだけどさ…」
シロエ 「人権も持っていない以上は、どうしようもないですね…」
スウェナ「御用達の看板は作れないわけね…」
ブルー 「そういうことになってくるよね」

残念だけど…、と生徒会長、深い溜息。
御用達は絶望的ですか…。


2017/06/18 (Sun)

 

☆サインする方法


キノコの天国な梅雨のシーズン、生えて来そうなのがスッポンタケ。
この際、キース君を御用達にしたいというのに、作れないのが看板。

ブルー 「御用達は文書で宣言するものだから…。このケースは…」
シロエ 「代理人さえいませんからねえ、スッポンタケは…」
ジョミー「ただのキノコで、その辺に生えてるだけだもんね…」

代理人以前の問題だよね、とジョミー君も嘆く現実。

ジョミー「サインが出来てハンコが押せたら、それでいいのにさ…」
ブルー 「御用達にする文書だけなら、ぼくが代筆出来るけど…」
スウェナ「詰めの所が出来ないわけね、ハンコが無理で」
ブルー 「スッポンタケのサインもだよ!」

記名押印は基本の基本、と生徒会長、苦々しい顔。

ブルー 「まるで関係ない人が書いても、効果はゼロだし…」
サム  「じゃあよ、スッポンタケで書いたらどうなるんだよ?」
一同  「「「へ?」」」
サム  「スッポンタケだよ、筆みてえな形をしてるじゃねえか!」

アレを使ってサインを書いたらオッケーなんじゃ、というアイデア。

サム  「ハンコを押すのも、スッポンタケを握った手でよ…」
シロエ 「それならいけるかもしれませんね!」
スウェナ「スッポンタケが書いたサインにはなりそうね…」

スッポンタケ「で」書いたサインでも…、とスウェナちゃんも。

スウェナ「無関係だとは言えないんだもの、有効よ、それ!」
ジョミー「でも、誰がスッポンタケで書くわけ…?」

そのポジションは嫌すぎるけど、とジョミー君。

ジョミー「ぼくは頼まれても逃げそうだよ! サインする係!」
シロエ 「字が上手いのは会長ですよね?」

会長が書けばいいんじゃあ…、と視線の先に生徒会長。

シロエ 「銀青様として鍛えた腕で、お願いします!」
ブルー 「ちょ、ちょっと…! なんでぼくが…!」
シロエ 「思い切り、適任だからですよ! 達筆ですから!」

御用達の看板を書いて下さい、という依頼。
生徒会長が、ですか…?


2017/06/19 (Mon) 

 

☆筆だと言われても


梅雨の季節はキノコの天国、スッポンタケも生えて来るのは確実で。
キース君を御用達にしようと思い付いたものの、問題はサイン。

シロエ 「会長は書道が上手いですから…。絶対、いけます!」
ブルー 「で、でも、それは筆で書くからで…。それ以外では…」
シロエ 「有名な言葉があるじゃないですか! 筆を選ばず、と!」
サム  「あー…。ソレイド八十八ヶ所を開いた御大師様な」

三筆っていうほど有名だよな、というのが書の達人の御大師様。

サム  「どんな筆でも、綺麗に書くのが名人だしよ…」
ジョミー「ブルーも書けるわけだよね! スッポンタケでも!」
ブルー 「筆じゃないから! キノコだから!」

あくまで筆を選ばないだけで、筆以外のは入らない、と慌てる人。

ブルー 「筆なら何でも書けるけど…。ペンでもいいけど…」
Aブルー「何を言うかな、スッポンタケだって立派に筆だよ!」
一同  「「「へ?」」」
Aブルー「だから、筆だってば! あの姿を見て分からないかい?」

筆でなければ何だと言うのだ…、とソルジャー、自信満々ですけど。

ブルー 「あのねえ…。どの辺が、どう筆だって?」
Aブルー「全体的に! こう、しっかりと!」
ブルー 「…視力検査をした方がいいと思うけれどね?」

ノルディの病院で調べて貰いたまえ、と生徒会長、マジレス。

ブルー 「物が歪んで見えるとなったら、早い間に治療が必要!」
Aブルー「歪んでないよ!」
ブルー 「スッポンタケが筆に見えるのなら、歪んでるってば!」
Aブルー「見えない方が変だと思うけどねえ…?」

あの形だよ、と揺らがない態度。

Aブルー「こう、昔から言うらしいじゃないか! 筆だって!」
シロエ 「…何処かの地方で、そんな名前があるんですか?」
ブルー 「ローカルな名前かぁ…。それなら変なのもあるかもね」
Aブルー「そんなのじゃなくて、ズバリそのもの!」

アレは本当に筆そのものだ、と言われましても。
視力の方は大丈夫…?


2017/06/20 (Tue)

 

☆筆だと言い張る人


キノコの天国な梅雨のシーズン、生えて来そうなのがスッポンタケ。
それをキース君に押し付けようと、御用達にしたい所へ看板が問題。

Aブルー「要は、スッポンタケが筆ならいいんだろう?」
ブルー 「そりゃね、サインが出来れば御用達の看板だって…」

出せるだろうけど、と生徒会長、ブツブツと。

ブルー 「でもねえ、アレはキノコだから! 筆じゃないから!」
Aブルー「筆そのものだと言ってるじゃないか!」
シロエ 「念のために訊きますけれど…。名前じゃないんですね?」

何処かの方言でフデタケとかいう名前なオチでは、と確認が。

シロエ 「そういう筆じゃ駄目なんですよ! 会長には!」
ブルー 「ぼくが求めるのは、あくまで筆! 本物のヤツで!」

書道に使う筆でなければ話にならない、と生徒会長。

ブルー 「同じ筆でもピンキリだから、その辺は選ばないけどね」
サム  「やっぱり選ばねえのかよ! 流石はブルー!」
ブルー 「どんな筆でも綺麗に書けなきゃ、修行不足だよ」

坊主としても失格だろう、と伝説の高僧、銀青様。

ブルー 「だけど、スッポンタケは論外! どう考えても!」
Aブルー「あれほど見事な筆なのに…。君の方こそ視力検査だよ!」

スッポンタケが筆に見えないなんて、という反論。

Aブルー「ほら、昔から言うんだろう? この辺りじゃさ…」
一同  「「「へ?」」」
Aブルー「知らないかなあ、筆おろしって!」
一同  「「「筆おろし?」」」

はて…、と顔を見合わせる御一同様。

シロエ 「えっと…。初めて筆を使う時のことでしょうか?」
ジョミー「それっぽいよね、新しい服とかでも、おろすって…」
マツカ 「使い初めですね、ぼくもそれだと思いますけど…」
サム  「でもよ…。それでスッポンタケなんかを、使うのかよ?」
スウェナ「そうよね、モノがモノだったわね…」
一同  「「「えーっと…?」」」

スッポンタケで筆の使い初めとは…、と深まる謎。
理解不能ですね?


2017/06/21 (Wed)

 

☆筆だと言えば筆


梅雨の季節はキノコの天国、スッポンタケも生えて来るのは確実で。
それをキース君に押し付けるべく、御用達にしたいのに、難問が。

シロエ 「スッポンタケの筆で、使い初めなんて無いでしょう?」
サム  「そもそもが筆じゃねえからよ…。おろすも何も…」
ジョミー「おろす以前の問題だよね、御用達の看板は欲しいけど…」

スッポンタケさえサインしたなら、キースが御用達なのに、と。

ジョミー「ブルーでもアレじゃ書けないって言うし、厄介だよね」
シロエ 「どの辺が筆か、もう本当に謎ですよ!」
マツカ 「視力検査をして貰った方がいいと思いますね…」

自分じゃ意識していない内に、症状が進むケースだって、と御曹司。

マツカ 「緑内障なんかは怖いそうですよ、気付いた時は手遅れで」
スウェナ「そうらしいわよね…。視界が欠けて気が付くのよね」
シロエ 「それで慌てて眼科に行ったら、もう失明の危機で…」

そのままアウトなケースも多いんですよね、とシロエ君もブルブル。

シロエ 「スッポンタケが筆に見えるんなら、検査すべきです」
サム  「悪いことは言わねえから、行った方がいいぜ」
Aブルー「何を言うかな、ぼくの視力は正常だから!」

それにスッポンタケは筆だ、とソルジャー、胸を張りまして。

Aブルー「そもそも、筆おろしの意味を間違えてるから!」
一同  「「「へ?」」」
Aブルー「筆おろしと言うのは、こう、初めてのセックスで!」
ブルー 「その先、禁止!」

直ぐに黙れ、と生徒会長。

ブルー 「余計な知識は要らないんだよ、この子たちには!」
Aブルー「覚えておいて損は無いから! 常識だから!」

筆おろしは知っておくべきだ、と開き直る人。

Aブルー「男が童貞を捨てることをね、筆おろしと!」
一同  「「「え?」」」
Aブルー「だから、スッポンタケも筆! あの形だから!」
一同  「「「うわー…」」」

なんてこった、と誰もが抱えている頭。
そういう理由で筆でしたか…。


2017/06/22 (Thu)

 

☆強度が足りない


キノコの天国な梅雨のシーズン、生えて来そうなのがスッポンタケ。
それをキース君に押し付けようと、御用達にする企画が妙な方向へ。

Aブルー「これで分かってくれたかな? スッポンタケは筆だと!」
一同  「「「………」」」
Aブルー「分かってくれたみたいだね! じゃあ、御用達で!」

スッポンタケの筆で御用達の看板を書いて欲しい、と注文が。

Aブルー「字が上手いのはブルーらしいし、看板、よろしく!」
ブルー 「お断りだよ! 君が言うのは詭弁だから!」

どう転がっても、スッポンタケは筆じゃない、と生徒会長、反論。

ブルー 「見た目だけで話を進められても…。現実を見たまえ!」
Aブルー「現実?」
ブルー 「そう! スッポンタケの強度を考えたのかい?」

キノコは硬くないんだけれど、と指をビシィ! と。

ブルー 「サルノコシカケとか、硬いキノコもあるけどね…」
サム  「そういや、普通はヤワだよなぁ…。その辺のキノコ」
シロエ 「ちょっと蹴ったら砕けますよね、粉々に」
マツカ 「スッポンタケも、そっち系ですよね?」

脆いキノコの筈ですよ、と御曹司も。

マツカ 「ですから、料理のバリエーションも多かったかと…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 柔らかいから、詰め物が出来るよ!」

硬いキノコじゃ無理だよね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「ひき肉を詰めて蒸してもいいし、煮込んでも…」
Aブルー「いいよね、スッポンタケの肉詰め! ビジュアル最高!」
ブルー 「そんな話はしなくていいから!」
Aブルー「えーっ!? 臨戦態勢のアレ風のヤツが絶品なのに!」

食べて美味しくて、目で漲って…、と瞳がキラキラ。

Aブルー「ぼくのハーレイも漲りまくりの、素敵メニューだよ!」
ブルー 「あのねえ…。とにかく、アレでは書けないから!」
Aブルー「筆なのに?」
ブルー 「あんなのは筆と言わないよ!」

一文字でも書けたら上等だろう、というキノコの脆さ。
看板なんかは無理ですね…?


2017/06/23 (Fri)

 

☆作れない看板


梅雨の季節はキノコの天国、スッポンタケも顔を出すのは確実。
キース君を御用達にして押し付けたいのに、無理そうなのが看板で。

ブルー 「御用達の看板が書けない以上は、御用達も無理!」
Aブルー「そ、そんな…。とってもいい話なのに!」
シロエ 「キース先輩に全てを押し付けるには、最高ですけど…」

肝心の看板が作れないのでは…、とシロエ君も溜息。

シロエ 「何処まで悪運が強いんでしょうね、キース先輩…」
サム  「半端ねえよな、あいつのリアルラックはよ…」
ジョミー「なんだかんだで今日まで無事だし、憎らしいよね…」
スウェナ「私たちがババを引いてばかりよ、キースのせいで!」

なのにケロリとしているなんて、と睨み付ける先に副住職。

スウェナ「ワンコインで法要をさせられるのが、お似合いなのに…」
キース 「そんなコースは御免蒙る! 大赤字だ!」

法衣のクリーニング代も出ないぞ、とギャーギャーと。

キース 「持ち出しどころか、俺が破産をしかねないんだ!」
シロエ 「それ以上の迷惑を蒙ってるのが、ぼくたちですけど?」
マツカ 「ええ…。キースのお蔭で、ロクな目に遭っていませんね」

とっくにストーカーですよ、と御曹司が言うスッポンタケ。

マツカ 「いつから追い掛けられているのか、覚えてません」
サム  「棚経、何回やらされたっけか…。ジョミーだけどよ」
ジョミー「キースと一緒に、二回は来たんじゃないのかな…」

その前のことは覚えていない、とジョミー君。

ジョミー「スイカに卒塔婆が刺さってたのが去年だっけ?」
一同  「「「えーっと…?」」」

誰もが首を捻るくらいに、曖昧になっている記憶。

シロエ 「シーズンオフにも追われてますから、忘れますよね…」
スウェナ「やっぱりキースに押し付けるべきよ!」
ジョミー「でもさ、看板の問題が…。作れないんだよ?」
一同  「「「うーん…」」」

それが一番の問題だった、と誰もがガックリ。
御用達には、必須アイテム…。


2017/06/24 (Sat) 

 

☆人権が問題です


キノコの天国な梅雨のシーズン、スッポンタケも出て来るのは確実。
それをキース君に押し付けようと、御用達にしたいのに無理な看板。

シロエ 「御用達の話は美味しいですけど、看板が無理じゃ…」
サム  「企画倒れになるしかねえよな、いい話なのによ…」
キース 「どの辺が、いい話なんだ!」
ジョミー「キース以外は全員、いい話だと思っているよ!」

スッポンタケを崇める誰かさんもね、と視線がソルジャーに。

ジョミー「いい話だよね、キースが御用達って?」
Aブルー「それはもう! ワンコインで法要が出来るだなんてね!」

こんな美味しい話があるだろうか、と輝く瞳。

Aブルー「お小遣いには困ってないけど、同じ使うなら有意義に!」
ブルー 「その先は喋らなくてもいいから!」
Aブルー「でもねえ…。漢方薬にアダルトグッズに、他にも色々!」

ラブホテルだって行きたいからね、とウキウキと。

Aブルー「法要の費用が浮いた分でさ、もう好きなだけ!」
ブルー 「はいはい、分かった! だけど、所詮は夢だよ、それは」
シロエ 「御用達の看板が作れませんしね…」

スッポンタケには人権も何もありませんから、とシロエ君。

シロエ 「人権を持ってくれていたなら、まだマシでしたけど…」
スウェナ「後見人とか、きっと方法があったわよね…」
Aブルー「うーん…。後見人って、誰がなれるわけ?」
一同  「「「へ?」」」

なれるも何も…、と一同、キョトン。

シロエ 「あのですね…。後見人をつけるには、まず人権が…」
サム  「この国じゃ、ペットの遺産相続だって無理なんだぜ?」
Aブルー「そうらしいけど…。養子の場合は?」
一同  「「「養子?」」」

なんのこっちゃ、と見合わせる顔。

Aブルー「そう、養子! スッポンタケが養子だったら?」
ブルー 「誰がキノコを養子にすると!?」
シロエ 「養子以前の問題ですよ!」

人権が無いのに、養子縁組は出来ません、と正論が。
有り得ませんよね?


2017/06/25 (Sun)

 

☆養子だそうです


梅雨の季節はキノコの天国、スッポンタケだって出て来るのは確実。
キース君を御用達にしておきたいのに、肝心の看板が作れないオチ。

シロエ 「いったい誰が、スッポンタケと養子縁組するんですか!」
スウェナ「絶対に無理よね、人権も戸籍も無いんだから」
Aブルー「でも…。養子縁組なら、もう済んでるよ?」
一同  「「「へ?」」」

なんの話だ、と顔を見合わせる御一同様。

シロエ 「スッポンタケと養子縁組って…。何処のキノコですか?」
マツカ 「ベニテングダケか何かでしょうか? キヌガサタケとか」
ブルー 「ビジュアルだけなら、アミガサタケでも行けそうだけど」

でも…、と生徒会長も怪訝な顔付き。

ブルー 「キノコ同士で養子縁組だなんて、聞かないけどねえ?」
シロエ 「そもそも、無効っぽいですよ! キノコですから!」
ジョミー「だよねえ…。どっちも人権が無いんだからさ」

養子縁組をする意味が無いんじゃあ…、とジョミー君も。

ジョミー「誰かが代理でやったとしたって、パフォーマンスだよ」
サム  「あー…。干支の引き継ぎみたいなヤツかもなぁ…」

ネズミと牛が対面するだけで、台詞は人間が喋るヤツ、という解釈。

サム  「でもよ、誰がスッポンタケなんかを持ち出すんだよ?」
シロエ 「やりそうな人がいませんよねえ?」
Aブルー「それがいるんだな、君たちは忘れているようだけど!」

スッポンタケを養子にした人がいる、とソルジャー、自信満々。

Aブルー「ぼくのハーレイが、ちゃんと養子にしたんだよ!」
一同  「「「ええっ!?」」」
Aブルー「前に山の中で、とても立派なスッポンタケに出会って…」

その場で養子に迎えたんだけれど…、という話。

Aブルー「スッポンタケに、ちゃんと挨拶をしてね!」
シロエ 「そうでしたっけ?」
ジョミー「覚えてないけど…」
Aブルー「君たちも現場に立ち会っただろう!?」

忘れ去らないでくれたまえ、と言われましても。
いつの話ですか…?


2017/06/26 (Mon) 

 

☆戸籍はありません


キノコの天国な梅雨のシーズン、間違いなく出るのがスッポンタケ。
それをキース君に押し付けようと、御用達を計画しているものの…。

Aブルー「なんで忘れるかな、あんな劇的で大事な場面を!」
シロエ 「それって、いつの話です? ぼくは知りませんよ?」
サム  「覚えてねえよな、キノコ狩りなら行ってる筈だけどよ…」
Aブルー「そのキノコ狩りの時だってば!」

ぼくのハーレイも来ていた時だ、とソルジャー、力説。

Aブルー「スッポンタケの出そうな山に出掛けて、見付けてさ…」
シロエ 「養子縁組したんですか?」
Aブルー「そう! あの時から、ハーレイの養子になったんだよ!」

だから、スッポンタケには人格がある、とキッパリと。

Aブルー「なんと言っても、ぼくのハーレイの養子!」
ブルー 「…戸籍はどうなっているんだい?」
Aブルー「戸籍?」
ブルー 「養子にしたなら、戸籍に入っているだろう?」

その辺の証拠はあるんだろうね、と生徒会長。

ブルー 「口約束だと話にならないよ? 御用達が絡むんだしね」
Aブルー「戸籍って…。そもそも、ぼくの戸籍が無いけど」
一同  「「「へ?」」」
Aブルー「ぼくもハーレイも、ミュウだからね!」

ミュウと判断された時点で、戸籍は抹消されている、と威張る人。

Aブルー「実験用に必要だから、データはあると思うけど…」
キース 「あんた、無戸籍だったのか!?」
Aブルー「そうだけど? ミュウに人権は無いからねえ…」

SD体制の異分子だけに、とソルジャー、深い溜息。

Aブルー「だから癒しも必要で…。スッポンタケとか」
ブルー 「必要だからって、なんで養子に!」

口約束でも、相手はキノコに過ぎないのに、とツッコミが。

ブルー 「何のメリットも無さそうだけど!」
Aブルー「それがあるんだな、ハーレイ・ジュニアで!」
一同  「「「ハーレイ・ジュニア?」」」

いったい何が言いたいのだ、と首を傾げる御一同様。
ジュニアですって…?


2017/06/27 (Tue) 

 

☆息子だそうです


梅雨のシーズンはキノコの天国、スッポンタケも何処かにいる季節。
キース君に押し付けるべく、御用達にしたいというのに看板が問題。

シロエ 「ハーレイ・ジュニアって…。何なんですか?」
Aブルー「そのままだけど? ウィリアム・ハーレイ・ジュニア!」

そういう名前で養子にしたのだ、とソルジャー、得意げ。

Aブルー「なんと言っても、あのハーレイの息子だからねえ…」
一同  「「「息子?」」」

スッポンタケはオスだったのか、と一同、驚愕。

ジョミー「アレって、性別、あったんだ…。オスだったって?」
サム  「キノコのオスって、俺は聞いたことねえけどなあ…」
マツカ 「両性具有じゃないんですか? キノコですから」
スウェナ「花とは仕組みが違うわよねえ、どれもオスなの?」

知らなかったわ、と元ジャーナリスト志望のスウェナちゃんも。

スウェナ「だけどオスでも、戸籍も無いのに養子だなんて…」
Aブルー「きちんと縁組したからねえ! 息子同士で!」
一同  「「「息子同士?」」」

なんのこっちゃ、と誰もがキョロキョロ。

サム  「キャプテンって、息子がいたっけか?」
シロエ 「知りませんけど…」
マツカ 「会ったことさえ無いですよね…」
Aブルー「失礼な! ちゃんと立派な息子がいるから!」

それに君たちも会っているから、とソルジャー、反論。

Aブルー「スッポンタケに激似の息子が、ちゃんといるってば!」
一同  「「「激似?」」」

スッポンタケに似てるだなんて、と蜂の巣をつついたような騒ぎに。

ジョミー「ちょっと想像つかない顔だよ、会ったっけ?」
サム  「会ってたんなら、二度と忘れそうにねえけどよ…」

人外だぜ、という声が。

サム  「あんな人間、実在するわけねえだろう!」
シロエ 「ですよね、人間の姿じゃないですもんね…」
Aブルー「何を言うかな、ちゃんと立派に人間だから!」

ぼくのハーレイは人間だ、と言ってますけど。
問題がズレていませんか…?


2017/06/28 (Wed) 

 

☆息子は息子でも


キノコの天国な梅雨のシーズン、きっと出ているのがスッポンタケ。
それをキース君に押し付けようと、御用達にしたいのに看板が問題。

Aブルー「ぼくのハーレイは人間なんだし、息子も人間!」
シロエ 「でも、スッポンタケに激似なんでしょう?」
サム  「あんな姿の人間はいねえぜ、どう考えてもよ…」
Aブルー「ちゃんといるってば、ハーレイの息子なんだから!」

いつもハーレイの股間にいるから、と妙な台詞が。

一同  「「「へ?」」」
Aブルー「息子なんだと言っただろう! アレのことだよ!」
ブルー 「やめたまえ!」
Aブルー「アレと言ったら、アレしかないよね! 股間だから!」

セックスに欠かせないヤツで…、とソルジャー、ニコニコ。

Aブルー「スッポンタケと瓜二つの筈だよ、ハーレイの息子!」
一同  「「「………」」」
Aブルー「先っぽ同士で挨拶をしてさ、無事に養子に!」

君たちも立ち会ってくれただろう、と言われて蘇るイヤンな記憶。

シロエ 「…そういえば…」
ジョミー「なんか、あったような…」
Aブルー「思い出してくれた? だから人権はあるんだよ!」

スッポンタケの代理が要るなら、ぼくのハーレイ、と笑顔。

Aブルー「羽根ペンで日誌も書いているから、達筆だしね!」
キース 「ま、待て、看板が出来るのか!?」
Aブルー「定型文さえ教えてくれれば、キッチリ書くから!」

御用達の看板を貰ってくれたまえ、と溢れる自信。

Aブルー「どんな感じの看板なのかな、筆で書くのかい?」
ブルー 「まあ、そうだけど…」
Aブルー「だったら、少し練習させて…。それからだね!」

同じ書くなら上手な文字を、と欲張る人。

Aブルー「ブルーにも負けない、最高の字が書けるといいねえ…」
ブルー 「まあいいけどね、代理がお祖父さんでも」
Aブルー「お祖父さんだって?」
ブルー 「息子同士で養子縁組したんだろう?」

君のハーレイは祖父じゃないか、とツッコミが。
確かにそうかも…。


2017/06/29 (Thu)

 

☆息子が書けばいい


梅雨の季節はキノコの天国、スッポンタケだって顔を出している筈。
キース君を御用達にして押し付けるには、看板が必要ですけれど。

Aブルー「ぼくのハーレイが、お祖父さんって…。酷くないかい?」
ブルー 「でも、事実だしね? 養子縁組なら大丈夫だよ!」
シロエ 「孫と縁組するケースは多いそうですし…。相続対策で」

どうぞ縁組して下さい、とプッシュの声が。

シロエ 「キース先輩さえ御用達になれば、何でもいいです!」
サム  「だよなあ、スッポンタケと縁が切れるんならよ」
Aブルー「お祖父さんは酷すぎるから! あんまりだから!」
ブルー 「それなら、息子を出すしかないね」

スッポンタケと養子縁組した息子の出番、と生徒会長。

ブルー 「君の理論なら筆らしいしね、ソレで書いたら?」
一同  「「「へ?」」」」
ブルー 「練習するのは大変だろうけど、問題の方は解決だよ!」

息子が自分で書けばよろしい、と涼しい顔。

ブルー 「墨をたっぷりつけて書いたら、もうバッチリ!」
キース 「そんな看板は嫌すぎるんだが!」
Aブルー「え、えっと…。ハーレイのアソコで看板を書けと?」
ブルー 「芸域が広がっていいと思うよ」

腰使いも上手くなるであろう、とレッドカードにスレスレの発言。

ブルー 「テクニシャンになったら、君も大満足だろう?」
Aブルー「そ、それは…。だけど、その前に腰を傷めそうだよ!」
ブルー 「ギックリ腰のリスクは高いだろうねえ…」

それでも祖父が嫌なら頑張れ、と激励の言葉。

ブルー 「成果を楽しみにしてるから! 努力あるのみ!」
Aブルー「ハーレイの腰が壊れちゃ、話にならないよ!」

御用達以前の問題だから、とソルジャー、ワタワタ。

Aブルー「お祖父さんも嫌だし、腰を傷めたらもっと嫌だし…」
キース 「そう思うんなら、諦めてくれ!」
Aブルー「せっかく美味しい話なのに…!」

どうして夢が砕け散るのだ、と嘆いてますけど。
今月、これにて中継終了~。


2017/06/30 (Fri)





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