シャングリラ学園つれづれ語り
☆学校と雛祭り
さて、3月。今月も初日の1日が土曜日、月曜日は雛祭り。
とはいえ、雛祭りは無関係な面々、スルーで早くも週末で。
シロエ 「うちの学校、雛祭りは何もしませんよねえ…」
サム 「俺たちだって、毎年、何もしてねえぜ?」
対象がスウェナしかいねえんだし、とサム君の正論。
サム 「どうしようもねえじゃねえかよ」
シロエ 「でもですね…。うちの学校、お祭り好きで…」
ジョミー「雛祭りがあっても、不思議じゃないけど…」
何もしないね、とジョミー君が傾げる首。
ジョミー「生徒だったら、半々くらいで女子がいるのに…」
ブルー 「残り半分は、男子なんだよ?」
シロエ 「何か問題あるんですか?」
ブルー 「大ありだね!」
雛祭りをやった場合は、男子用のも、と生徒会長。
ブルー 「鯉のぼりを飾るのは、いつだったかな?」
シロエ 「えっと…? あっ、もしかしなくても…」
GWの最終日では…、とシロエ君が気付いた端午の節句。
シロエ 「雛祭りと違って、祝日でしたね…」
ブルー 「ピンポーン!」
平日になる年が皆無なヤツ、と生徒会長が指すカレンダー。
ブルー 「雛祭りの方は、今年も月曜で、平日でさ…」
ジョミー「そっちで何かイベをやったら、GWの方のが…」
シロエ 「登校日になってしまうとかですか…?」
ブルー 「なにしろ、うちの学校だしねえ…」
5月5日を登校日にして、何処かで振り替え、と怖い発言。
ブルー 「休日の数さえ合えばオッケー、って!」
一同 「「「うわー…」」」
マジでありそう、と一同、悪い顔色。
ジョミー「GWが一日、短縮なんだ…」
ブルー 「振り替え休日で6日まででも、5日だけはさ…」
学校に来い、と言いそうだよね、と生徒会長が竦める肩。
ブルー 「雛祭りをやるなら、公平でないと」
シロエ 「やらなくていいです!」
ブルー 「分かったかい?」
一同 「「「はい…」」」
雛祭りのイベは要らない、と誰もが納得ですけど。
確かに…。
2025/03/01 (Sat)
☆潰したくない祝日
雛祭りだった週の土曜日、生徒会長宅に来ている御一同様。
シャングリラ学園には、雛祭りのイベントが無いという話。
ジョミー「強制的に登校日とか、やりそうだよね…」
シロエ 「遊びには違いないだろう、とか言いそうですよ」
サム 「お祭りイベなのは確かだしよ…」
雛祭りのイベは無くて正解、とサム君が広げる両手。
サム 「女子の場合は、遊べる日が増える勘定でもよ…」
シロエ 「男子は、そうはいきませんしね…」
5月5日が休みじゃなくなるなんて、とシロエ君も。
シロエ 「GWの最終日だけに、痛さも倍増ですよ」
ジョミー「ホントにね…」
サム 「振り替え休日で、6日まで休みな時でもよ…」
5日が登校日だと連休じゃねえし、とサム君が竦める肩。
サム 「雛祭りイベは、マジで要らねえよな…」
スウェナ「女子の私だって、同じだわよ…」
たとえケーキが出るイベでもね、とスウェナちゃん。
スウェナ「雛祭りケーキ食べ放題でも、お断りだわ」
ジョミー「端午の節句だと、柏餅かな?」
シロエ 「柏餅と粽、食べ放題じゃないですか?」
それでも要りませんけどね、とシロエ君が顰める顔。
シロエ 「普通に祝日の方がいいですってば」
ジョミー「そう思う…」
キース 「俺の場合は、もれなく潰れる祝日が…」
年に二回は確実なんだが、とキース君。
キース 「物心ついた時には、既に潰れていた有様で…」
一同 「「「は?」」」
子供なのに、と皆がキョトンと見開く瞳。
シロエ 「あのですね…。幼稚園でも、祝日とかは…」
サム 「休む筈だぜ、保育園までは知らねえけど」
ジョミー「共働きでサービス業だと、出勤日だしね…」
祝日でも預かってくれるのかも、とジョミー君。
ジョミー「でもさ、家が休みの子は休むよねえ?」
シロエ 「あちこち混むのは、そのせいでしょうし…」
サム 「子供の休日、潰れねえだろ?」
どういう家で育ったんだよ、と聞いてますけど。
はてさて…?
2025/03/02 (Sun)
☆お楽しみと祝日
雛祭りが終わった週末ですけど、生徒会長宅で過ごす面々。
シャングリラ学園には無い、雛祭りイベントが話題でして。
サム 「子供は祝日、好きな筈だぜ」
シロエ 「大人の場合は、人によるでしょうけど…」
元日なんかは特に、とシロエ君が挙げる例。
シロエ 「なにしろ準備が大変ですし…」
ジョミー「おせちはいいけど、お雑煮は家で作るしね…」
サム 「第一、大掃除がセットだしよ…」
スウェナ「大忙しな人も、多いわけよね…」
来なくていい、と思う人もいるわよ、とスウェナちゃんも。
スウェナ「お祭りだったら、クリスマスだけで充分だもの」
シロエ 「クリスマスの方だと、準備も楽しめますよ」
ジョミー「だよね、ツリーを飾るとかさ」
サム 「大掃除もセットで来たりしねえし…」
ツリーを飾るスペース作り程度だよな、とサム君の相槌。
サム 「まあ、クリスマスは祝日じゃねえけど」
シロエ 「其処の所が大きいかもです」
適当にやっても叱られませんし、とシロエ君。
シロエ 「作法はこうだ、と言われることが無いですしね」
ジョミー「お楽しみだけのイベだよねえ…」
サム 「祝日じゃなくても、楽しみな日だぜ?」
なのに祝日を潰すとかはねえよ、とサム君、目がマジ。
サム 「キース、どういう育ちなんだよ?」
キース 「俺の場合は、クリスマス自体、無かったんだが」
今年の元日が真面目に初だ、とキース君。
キース 「おふくろと親父のせいで、とんだ目に遭って…」
一同 「「「あー…」」」
南国仕様のサンタだっけ、と皆が思い出した元日の出来事。
シロエ 「キース先輩の家、お寺でしたね…」
キース 「クリスマスは、過去に一度も無かったな…」
ツリーもケーキも無縁だった、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「此処まで聞いたら、分かるだろう?」
一同 「「「えっと…?」」」
キース 「祝日の件だ」
潰れる理由というヤツだが、と言ってますけど。
理由って…?
2025/03/03 (Mon)
☆忙しくなる祝日
雛祭りが終わった週の土曜日、生徒会長宅に集う御一同様。
シャングリラ学園には無い、雛祭りイベから祝日の話題へ。
シロエ 「えっと…? 祝日が潰れる理由ですか?」
ジョミー「キースの家に限定だよね?」
普通の家では潰れないしさ、とジョミー君。
ジョミー「アドス和尚のせいかな、頑固だから…」
シロエ 「クリスマスをやらなかった人ですしね…」
スウェナ「何か、こだわりあるのかしら?」
サム 「分かんねえけど、ああいう親父さんだしよ…」
自分ルールで潰しそうだぜ、とサム君が竦める肩。
サム 「その日は自分が忙しいから、巻き添えとかよ…」
シロエ 「ありそうです、ソレ…」
ジョミー「璃母恩院の行事に行く時とかさ…」
スウェナ「家じゃ偉そうだけど、璃母恩院だと違うわよね」
緋の衣っていうわけじゃないし、とスウェナちゃんも。
スウェナ「それに、キースが子供の頃だと、今よりも…」
シロエ 「立ち位置は下になりますよね…」
サム 「下っ端扱いだったかもな…」
こき使われる日じゃかなわねえよ、とサム君も納得な模様。
サム 「キースが祝日で遊んでるのに、自分だけはよ…」
ジョミー「ババな日なんだし、八つ当たりコースだよね…」
シロエ 「ついでに、キース先輩が遊んでいられるの…」
アドス和尚が仕事しているからですし、とシロエ君。
シロエ 「なんで俺だけ、と思いそうです」
ジョミー「キースが祝日で休みは、許せないから、って…」
スウェナ「巻き添えにして、祝日、潰してたわけね…」
サム 「年に二回っていうのがよ…」
キツいけどよ、とサム君、うんうん、と。
サム 「宗祖様の誕生日と祥月命日、祝日だっけか?」
ジョミー「ぼくに聞かれても、困るんだけど…」
ブルー 「違うね、掠りもしてないよ」
サム 「だったら、璃母恩院だけのヤツかな…」
キース 「おい。お前、それでも僧籍なのか?」
ジョミーだったら仕方ないが、と顔を顰めてますけど。
何の日…?
2025/03/04 (Tue)
☆年に二回は潰れる
雛祭りも済んだ土曜日、生徒会長宅で過ごす面々ですけど。
シャングリラ学園には無い雛祭りイベ、其処から祝日の話。
サム 「そう言われてもよ、璃母恩院の方までは…」
シロエ 「なかなか把握出来ませんよね」
道場入りもしてませんし、とシロエ君、気の毒そうな表情。
サム 「行事の案内とかも、まだ貰えねえわけで…」
スウェナ「知らなくても、仕方ないわよね…」
ジョミー「ぼくと比べるとか、サムに悪いよ…」
いつも頑張っているのにさ、とジョミー君も。
ジョミー「お勤めの練習だって、真面目にやってるし…」
シロエ 「アドス和尚も、評価してますよ?」
棚経のお供は、サム先輩で固定ですしね、とシロエ君。
シロエ 「ジョミー先輩は、指名以前の問題ですから…」
スウェナ「キースが連れて回ってるんでしょ?」
キース 「それはそうだが、今の話は基本でだな…」
僧籍でなくても気付きそうだ、とキース君の仏頂面。
キース 「熱心な檀家さんでも、潰れるんだぞ?」
一同 「「「えっ…?」」」
まさか、と誰もが見合わせる顔。
シロエ 「檀家さんって、一般人のことですよね?」
キース 「そうなるな。役職がついた人だと、確実に…」
年に二回は潰れるんだが…、とキース君が繰る数珠レット。
キース 「全て承知で受けて下さるだけに、感謝しかない」
一同 「「「えっと…?」」」
キース 「何処の寺でも、事情は全く同じなんだが?」
宗派を問わずに共通だぞ、とキース君、サム君をジロリ。
キース 「まだ、気付かないのか?」
サム 「すまねえ、璃母恩院でも分からねえんだし…」
シロエ 「お寺の事情は、もっと謎ですよね…」
お寺育ちじゃないんですから、とシロエ君も同情モード。
シロエ 「サム先輩を、苛めないであげて下さいよ」
キース 「しかし、普通ならピンと来る筈で…」
サム 「マジで悪いと思うんだけどよ…」
無理なモノは無理、と呻くサム君ですけど。
可哀相では…?
2025/03/05 (Wed)
☆潰されると聞いても
雛祭りが終わった週の土曜日、生徒会長宅に来ている面々。
シャングリラ学園には無い雛祭りイベから、祝日の話な今。
キース 「サムもそうだが、お前たちもだぞ」
一同 「「「は?」」」
キース 「此処まで言っても、分からないのか?」
散々、潰されて来たくせに、とキース君が見回す顔ぶれ。
キース 「年に二回も潰され続けて、何年目なんだ?」
シロエ 「そんな祝日、ありましたっけ?」
ジョミー「さあ…? シロエはどう?」
シロエ 「いつのことだか、ぼくにもサッパリ…」
まるで見当がつきませんよ、とシロエ君、お手上げポーズ。
シロエ 「祝日、もれなく休みですよね?」
サム 「それ以外でも、定番の休みがあるんだぜ?」
現に先月もあったじゃねえか、とサム君が指すカレンダー。
サム 「二月三日は節分でよ…」
ジョミー「毎年、欠席届けだよねえ?」
シロエ 「ぼくたちにとっては、祝日みたいなヤツですよ」
スウェナ「難アリでも、学校には行かないものねえ…」
今年は迷惑度数が低めだったわ、とスウェナちゃん。
スウェナ「正座でお参りな羽目になったのは、御愛嬌よね」
シロエ 「言えてます! 行きのバスの中、普通でしたし」
サム 「アレは真面目にラッキーだったぜ」
ツイてたよな、とサム君も。
サム 「キースが法衣で来たのは、災難だったけどよ…」
ジョミー「でも、福豆を貰えちゃったしさ…」
シロエ 「全部のお寺で、くれましたからね」
福豆コンプリートでした、とシロエ君も異議は無い節分。
シロエ 「御利益パワーも、関係者向けでアップですし」
スウェナ「正座した分、回収だわよ」
福をドッサリ頂けたもの、とスウェナちゃんの笑顔。
スウェナ「だけど、潰れる祝日なんて、あったかしら?」
シロエ 「無いですよねえ?」
ジョミー「そんなの、あるとは思えないけど…」
キース 「お前たちというヤツは…」
この流れでも気付かないのか、と顔を顰めてますけど。
何に…?
2025/03/06 (Thu)
☆節分と言われても
雛祭りが済んだ週末ですけど、雛祭りイベが無いのが学校。
それが切っ掛けで祝日の話、生徒会長宅で怪訝そうな面々。
シロエ 「この流れっていうのは、節分でしょうか?」
キース 「当然だろう?」
ジョミー「節分は、祝日っぽいのが増える方でさ…」
潰れる話とは真逆だよね、とジョミー君が傾げる首。
ジョミー「グレイブ先生だって、いつも不機嫌そうに…」
シロエ 「いい御身分だな、諸君、ですしね」
サム 「欠席届けを出しに行ったら、定番だよな…」
突き返されることはねえけどよ…、とサム君も。
サム 「実際、俺たちが真面目なだけの話でよ…」
シロエ 「欠席届けなんか無くても、休めますから…」
ジョミー「そういう意味でも、休み放題なんだよ?」
特別生になっているんだしさ、とジョミー君。
ジョミー「出席義務なんか、無いんだし…」
シロエ 「その気になったら、毎日、祝日で行けます」
サム 「無敵みたいなモンなんだぜ?」
潰れる祝日があるわけがねえ、とサム君、自信満々。
サム 「家が寺だと、事情は違いそうだけどよ…」
キース 「さっきも言ったぞ、僧籍とも思えん、と」
なんでサムまで、そうなるんだ、とキース君の深い溜息。
キース 「今年の節分がツイていたのは、どの点がだ?」
シロエ 「迷惑度数が低かった、という所ですよ」
決まってるでしょう、とシロエ君が立てる人差し指。
シロエ 「キース先輩は、お寺で合流でしたから…」
サム 「恩恵を蒙っていねえだけでよ…」
ジョミー「バスの座席が埋まっていたのは、最高だったよ」
例年、アレで酷い目に、とジョミー君が言う後部座席の件。
ジョミー「座り方、最悪すぎるしさ…」
スウェナ「他人のふりも出来ないのよね…」
向こうから話し掛けてくるせいで、と嘆くスウェナちゃん。
スウェナ「それが今年は無かったのよ?」
キース 「その迷惑は、あいつらが…」
いるせいなんだが、とキース君、腕組みですけど。
それで…?
2025/03/07 (Fri)
☆専門用語だと困る
雛祭りが終わった週の土曜日、生徒会長宅に来ている面々。
シャングリラ学園には無い雛祭りイベから、祝日の方へと。
サム 「そりゃまあ、そうなんだけどよ」
シロエ 「さっきまでの話と、どう繋がるんです?」
ぼくにはサッパリ分かりませんが…、とシロエ君。
シロエ 「サム先輩と違って、僧籍じゃないですけどね」
キース 「お前でも分かりそうなものだが…」
シロエ 「だったら、ヒントを下さいよ」
節分だけでは無理すぎです、とシロエ君の注文が。
シロエ 「もっと簡単な仕様ので、お願いしたいですね」
スウェナ「そうよ、私でもピンと来るヤツを…」
出しなさいよ、とスウェナちゃんも、キース君をまじっと。
スウェナ「遠回しに言われても、どうしようもないわ」
ジョミー「ホントにね…。プロのお坊さんとは違うんだよ」
ぼくの場合は名前だけだし、とジョミー君からも。
ジョミー「年に二回も潰れる祝日、心当たりがゼロで…」
サム 「俺もゼロっていうのがよ…」
情けねえけど現実で、とサム君、お手上げのポーズ。
サム 「ヒントでいいから、分かるヤツをよ…」
シロエ 「ぼくたちに出して貰えませんか?」
単語だけでも、とシロエ君が畳み掛け。
シロエ 「専門用語は困りますけど…」
キース 「そう言われても、専門用語しか…」
一同 「「「は?」」」
キース 「それしか思い付かないんだが…」
多分、分かると思うんだがな、とキース君の困り顔。
キース 「他に何かと言われても…」
一同 「「「ええ…」」」
専門用語は真面目に困る、と困惑しかない御一同様。
シロエ 「キース先輩、言い換えるとかは…」
キース 「既に翻訳済みだけに…」
これ以上、どう言い換えろと、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「他の言い方など、俺は知らんし…」
シロエ 「マジですか?」
キース 「そのままで通っているからな…」
いや、待てよ、と何か閃いた様子ですけど。
言い換え方とか…?
2025/03/08 (Sat)
☆潰される日はコレ
雛祭りが済んだ週末、生徒会長宅に来ている面々ですけど。
シャングリラ学園には無い雛祭りイベ、其処から祝日の話。
サム 「何か、いいのがあったのかよ?」
キース 「そのものズバリと言うべきだろうな」
一同 「「「は?」」」
言い換え方が見付かったにしても…、と一同、キョトン。
シロエ 「専門用語だと言いませんでしたか?」
キース 「その通りだが?」
シロエ 「だったら、そのものズバリな方もですね…」
専門用語の世界でしょう、とシロエ君の鋭いツッコミ。
シロエ 「分かりやすいのを、と希望してます」
サム 「専門的なヤツで言い換えられてもよ…」
スウェナ「難解になるだけでしょ、ソレ…」
これだからプロは困るのよ、とスウェナちゃんの深い溜息。
スウェナ「いい? プロの世界の常識なんかは…」
シロエ 「一般人には通じないんですよ?」
サム 「俺でもピンと来ねえのに、シロエとかには…」
無理すぎるぜ、とサム君も。
サム 「もっと普通に言えねえのかよ?」
キース 「聞けば分かると思うわけだ」
小学生でもな、とキース君が指すカレンダー。
キース 「今月にも、一つあるんだが?」
一同 「「「えっと…?」」」
キース 「3月20日の所を、よく見てみろ」
赤い字になっているんだぞ、と言う日付の色。
一同 「「「あっ!?」」」
キース 「気が付いたか?」
シロエ 「…春分でしたか…」
キース 「ああ。秋に来るのが、秋分だな」
そのものズバリの日だろうが、とキース君、腕組み。
キース 「どちらも、太陽が真西に沈む日になるわけで…」
サム 「お浄土に思いを馳せる日だったっけな…」
忘れてたぜ、と愕然とするサム君。
サム 「でもって、お彼岸のお中日でよ…」
シロエ 「年に二回は潰れる祝日、納得ですよ…」
ジョミー「確かに毎年、潰されてるよね…」
キース 「気付かないとは…」
喉元過ぎれば忘れやがって、と睨んでますけど。
お彼岸…。
2025/03/09 (Sun)
☆抹香臭くなるヤツ
雛祭りが終わった週末ですけど、イベが無かった御一同様。
シャングリラ学園には無いわけでして、祝日の話ですけど。
サム 「忘れちまってても、仕方ねえって気がするぜ…」
シロエ 「喉元過ぎればと言うより、忘れたいんですよ…」
ジョミー「記憶を消したくなるヤツだしさ…」
迷惑度数は低めでもね、とジョミー君が広げる両手。
ジョミー「外じゃないから、晒し者にはならないけど…」
シロエ 「もれなく正座がセットですしね…」
スウェナ「ついでに、抹香臭いのよ?」
お線香だけじゃ済まないんだもの、とスウェナちゃん。
スウェナ「お焼香用の香炉、半端ないでしょ?」
シロエ 「匂いが本格的で強いんですよ、アレは…」
ジョミー「髪の毛とか服に、しみつくよね…」
キースのノートには負けるけどさ、とジョミー君も。
ジョミー「キースのノート、今は借りたりしないけど…」
サム 「入学した年に、お世話になったのかよ?」
ジョミー「うん。定期テストは、ぶるぅの手形で満点で…」
いけたんだけれど、宿題とかが…、と思い返している様子。
ジョミー「レポートにしても、普段にやっていないから…」
シロエ 「テストで満点が取れる分だけ、サボリですね?」
ジョミー「そう! 寝ちゃってたことも多くってさ…」
宿題とかがカバー出来なくて、と今ならではの昔話。
ジョミー「宿題は、今日の授業から、って言われると…」
サム 「詰んじまうよな…」
ジョミー「サムとシロエは別のクラスで、真面目にさ…」
やっていたけど…、とジョミー君の嘆き節。
ジョミー「サムに借りるとか、違うクラスじゃね…」
サム 「当たり前だろ、授業の時間割が違うんだしよ」
ノートを借りても意味がねえぜ、とサム君も苦笑い。
サム 「キースに頼み込むしかねえよな」
ジョミー「だから頼んで借りてたんだけど…」
キース 「抹香臭くて悪かったな!」
俺の家を何だと思ってやがる、と睨んでますけど。
お寺ですよね…。
2025/03/10 (Mon)
☆抹香臭くなる環境
雛祭りが済んだ週末の土曜日、生徒会長宅に来ている面々。
シャングリラ学園には無い雛祭りイベ、其処から祝日の話。
サム 「寺の息子じゃ、抹香臭いのも仕方ねえぜ」
ジョミー「ノートまで、お線香の匂いじゃね…」
キース 「いいか、朝から晩まで線香という環境だぞ?」
それこそ生まれた直後からだ、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「病院で生まれて、家に帰って来たら一番に…」
シロエ 「お線香の煙を浴びせられるんですか?」
キース 「御本尊様に、跡取りが生まれた報告だしな」
無事に生まれました、と感謝の御挨拶だぞ、とキース君。
キース 「当然、蝋燭と線香は…」
サム 「御本尊様にお供えだよなあ…」
シロエ 「もしかして、お焼香もするんですか?」
生まれたばかりの赤ちゃんでも…、とシロエ君の問い。
シロエ 「お香を握らせてから、香炉に入れるとか…」
キース 「其処まではいかないが、普段とは…」
違うイベントが起きるわけだ、とキース君、フウと溜息。
キース 「初めて本堂に入る節目で、生まれたてだし…」
サム 「線香の煙が多めとかかよ?」
スウェナ「そういえば、お参りの人が多いお寺だと…」
本堂の前のお線香立て、人気だわね、とスウェナちゃん。
スウェナ「お線香の煙を浴びたら、無病息災か何かで…」
シロエ 「言われてみれば、やってますよね」
ジョミー「お年寄りの人、群がってる時もあるしさ…」
アレを個人の家でやるわけ、とジョミー君、興味津々。
ジョミー「元老寺だと、お線香立て、本堂の前には…」
サム 「置いてねえけど、御本尊様の前にあるヤツ…」
シロエ 「普通よりかは、かなり大きいですよ」
お線香もビッグサイズですしね、とシロエ君も。
シロエ 「ドッサリ立てたら、煙がモクモクでしょう」
サム 「それをキースに浴びせるってか?」
ジョミー「なんか、スモークされそうだよね…」
抹香臭くするのが目的かも、と言ってますけど。
お寺だけに…。
2025/03/11 (Tue)
☆お線香とスモーク
雛祭りイベが無いシャングリラ学園、生徒会長宅で話題に。
其処から祝日の方へ進んで、お彼岸のお中日も春分と秋分。
キース 「スモークするとは言わないんだが…」
シロエ 「お線香が多めなんですね?」
赤ちゃんが生まれた節目ですし…、とシロエ君。
シロエ 「自分でお焼香が出来ない分だけ、多そうです」
サム 「気持ちだけでも、っていうヤツな…」
スウェナ「イライザさんが代理は、難しそうだもの」
だって、赤ちゃん、抱いてるのよ、とスウェナちゃんの言。
スウェナ「片手だけで抱いて、お焼香とか、危なすぎだわ」
ジョミー「バランスを崩しちゃったら、落っことすし…」
シロエ 「転んだ場合も、怪我しそうですよ…」
イライザさんも、赤ん坊のキース先輩も、とシロエ君も。
シロエ 「特に赤ちゃん、打ち所が悪いと大変ですから…」
一同 「「「あー…」」」
大怪我だよね、と誰もが肩をブルッと。
ジョミー「救急車で済んだら、マシな方かも…」
サム 「命はあっても、後遺症が残るのも有りそうだぜ」
スウェナ「そうでしょ、ちゃんと両手で抱っこしないと」
シロエ 「待って下さい、そうなるとイライザさんも…」
お焼香はパスになりますよね、とシロエ君が顎に当てる手。
シロエ 「お線香、二人分をプラスな勘定でしょうか?」
サム 「かもなあ、お寺用のデカい線香をよ…」
ジョミー「二本も増やせば、煙も半端ないかもね…」
抹香臭さの方もアップで…、とジョミー君が竦める肩。
ジョミー「やっぱり、気分はスモークだよ…」
キース 「ソレに近いかもしれないな…」
サム 「線香多めで、煙多めなイベになるのな…」
赤ちゃんが生まれたイベなのによ、とサム君の苦笑い。
サム 「ノートまで抹香臭くなる家は、凄すぎるぜ…」
キース 「煙には違いないんだが、線香ではない」
一同 「「「えっと…?」」」
キース 「煙の話だ」
スモークと言えないこともない、と真顔ですけど。
煙ですよね?
2025/03/12 (Wed)
☆赤ん坊でも出来る
雛祭りが済んだ週の土曜日、生徒会長宅で過ごす御一同様。
シャングリラ学園には無い雛祭りイベ、其処から祝日の話。
サム 「線香じゃねえなら、お香なのかよ?」
キース 「その通りだが?」
シロエ 「でも、キース先輩も、イライザさんも…」
お焼香は出来ないのでは、とシロエ君の問い。
シロエ 「スウェナ先輩も言いましたけど、危険すぎです」
サム 「それとも、寺じゃ気にしねえのかよ?」
ジョミー「修行と同じで、クリアするしかないって?」
お寺だしね、とジョミー君も。
ジョミー「そのくらい出来ないと、お寺のお嫁さんは…」
サム 「務まらねえってか?」
キース 「違う、どちらかと言えば、むしろ逆だな」
両手はきちんと空いている、とキース君。
キース 「ついでに、赤ん坊でも出来るイベでだ…」
一同 「「「ええっ!?」」」
生まれたての赤ちゃんでもか、と誰もがポカーン。
シロエ 「煙だけでもキツそうですけど…」
ジョミー「第一、どうやって覚えるのさ…」
ぼくでも所作を覚えられないのに、とジョミー君。
ジョミー「お焼香とか、赤ん坊にはハードル高いよ…」
シロエ 「お菓子で釣るにも、小さすぎますし…」
キース 「まあ、母親か誰かの手は要るんだが…」
要は抱っこで越えるだけだ、と謎な発言。
キース 「煙の中をくぐりさえすれば、それで終わりで…」
ジョミー「まさか、香炉の上にかざすわけ!?」
サム 「マジでスモークコースじゃねえかよ!」
赤ん坊を香炉で燻すなんてよ、とサム君の引き攣った顔。
サム 「可哀相すぎるぜ…」
シロエ 「お香の煙でむせそうですよ…」
お寺に生まれなくて良かったです、とシロエ君、ガクブル。
シロエ 「まさか、スモークされるだなんて…」
キース 「くぐるんだから、一瞬だけだ」
一同 「「「一瞬?」」」
キース 「ああ。本堂に入る直前、お香の煙を…」
くぐればいいという仕組みだな、と説明ですけど。
どうやって…?
2025/03/13 (Thu)
☆特別な時だけ登場
雛祭りが終わった週の土曜日、生徒会長宅に集う御一同様。
シャングリラ学園には無い雛祭りイベ、その話から祝日へ。
サム 「お香の煙って、本堂の前に線香立てはねえぜ?」
シロエ 「特別なイベだと言ってましたし、その日だけ…」
出して来るんじゃないでしょうか、とシロエ君。
シロエ 「お寺によっては、大きいのを置いていますから」
スウェナ「煙を浴びたい人が集まる、アレよね」
ジョミー「元老寺にも、実はあったわけ?」
特別な時だけの登場で…、とジョミー君も。
ジョミー「人生の節目の時しか出さないとか?」
キース 「いや、大きさは普通なんだが…」
それに線香ではなくて、お香だ、とキース君の苦笑い。
キース 「象香炉と言って、象の形をしている香炉で…」
サム 「そんなの、俺は見たことねえけど?」
キース 「特別な時しか出さないからな」
だが、専用の香炉なんだ、とキース君の説明が。
キース 「お堂の入口に置いて、その上を跨ぐためので…」
一同 「「「は?」」」
キース 「香炉を跨いで通れば、自然と煙をくぐれるし…」
清めになるという仕組み、と手で作ってみせる大きさ。
キース 「サイズ的には、こんなものだな」
サム 「お焼香用の香炉よりかは、デカいよな…」
シロエ 「でも、跨いで通れるサイズではありますね…」
赤ちゃんを抱いていてもいけそうです、とシロエ君。
シロエ 「躓いて転ぶ心配は無さそうですし…」
キース 「俺も、そいつで清められてから、本堂で…」
生まれましたの報告だった、とキース君、回想モード。
キース 「もっとも、記憶は残っていないんだが…」
??? 「その程度なら普通だよ!」
あるあるだし、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「成人検査で消されたわけじゃないしね!」
キース 「あんた、何しに現れたんだ!?」
Aブルー「さっきの祝日の話だってば!」
ちょうどいいしね、と親指を立ててますけど。
なんで祝日…?
2025/03/14 (Fri)
☆別の世界にも祝日
雛祭りが済んだ週の土曜ですけど、生徒会長宅に集う面々。
シャングリラ学園には無い雛祭りイベ、祝日の話な方向へ。
キース 「そう言われても、あんたの世界の祝日なんぞ…」
シロエ 「聞いたことさえ無いですよね?」
あるんですか、とシロエ君の質問が。
シロエ 「機械が記憶を消すような世界じゃ、祝日も…」
サム 「あるような気がしねえよな…」
Aブルー「あのねえ…」
君たち、考えたことがあるのかい、とソルジャーの溜息。
Aブルー「クリスマスは、ぼくもこっちに来てるけど…」
キース 「もしかして、クリスマスは祝日なのか?」
Aブルー「そうじゃないけど、近い感じではあるね」
休みになってる人も多いし、という答え。
Aブルー「本物の祝日、すぐに来るから」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「ぼくの船でも、其処はお祭り騒ぎだけど?」
ニューイヤーでさ、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「年末年始は、成人検査とかも休みなんだよ?」
一同 「「「あー…」」」
そういえば…、と誰もが思い出す、別の世界の事情。
シロエ 「敵も味方も無いんでしたね…」
Aブルー「そもそも、出会わない仕様だってば!」
人類軍の船も来ないからね、とソルジャー、親指をグッと。
Aブルー「成人検査をやっていないし、こっちからもさ…」
キース 「行く理由が無いというわけか…」
Aブルー「ピンポーン!」
つまり祝日はあるってね、とソルジャーが指すカレンダー。
Aブルー「春分とかは、やっていないけど…」
シロエ 「それは、暦が星の数だけあるからですね?」
Aブルー「うん。ニューイヤーは、地球の標準時で…」
計算している新年なんだよ、と説明が。
Aブルー「そんなヤツより、地球ならではの祝日をさ…」
キース 「満喫したいと言うんだな?」
Aブルー「そう! 君たちが言ってた、年に二回の…」
シロエ 「待って下さい!」
まさか春分と秋分なのでは、と焦ってますけど。
お彼岸…。
2025/03/15 (Sat)
さて、3月。今月も初日の1日が土曜日、月曜日は雛祭り。
とはいえ、雛祭りは無関係な面々、スルーで早くも週末で。
シロエ 「うちの学校、雛祭りは何もしませんよねえ…」
サム 「俺たちだって、毎年、何もしてねえぜ?」
対象がスウェナしかいねえんだし、とサム君の正論。
サム 「どうしようもねえじゃねえかよ」
シロエ 「でもですね…。うちの学校、お祭り好きで…」
ジョミー「雛祭りがあっても、不思議じゃないけど…」
何もしないね、とジョミー君が傾げる首。
ジョミー「生徒だったら、半々くらいで女子がいるのに…」
ブルー 「残り半分は、男子なんだよ?」
シロエ 「何か問題あるんですか?」
ブルー 「大ありだね!」
雛祭りをやった場合は、男子用のも、と生徒会長。
ブルー 「鯉のぼりを飾るのは、いつだったかな?」
シロエ 「えっと…? あっ、もしかしなくても…」
GWの最終日では…、とシロエ君が気付いた端午の節句。
シロエ 「雛祭りと違って、祝日でしたね…」
ブルー 「ピンポーン!」
平日になる年が皆無なヤツ、と生徒会長が指すカレンダー。
ブルー 「雛祭りの方は、今年も月曜で、平日でさ…」
ジョミー「そっちで何かイベをやったら、GWの方のが…」
シロエ 「登校日になってしまうとかですか…?」
ブルー 「なにしろ、うちの学校だしねえ…」
5月5日を登校日にして、何処かで振り替え、と怖い発言。
ブルー 「休日の数さえ合えばオッケー、って!」
一同 「「「うわー…」」」
マジでありそう、と一同、悪い顔色。
ジョミー「GWが一日、短縮なんだ…」
ブルー 「振り替え休日で6日まででも、5日だけはさ…」
学校に来い、と言いそうだよね、と生徒会長が竦める肩。
ブルー 「雛祭りをやるなら、公平でないと」
シロエ 「やらなくていいです!」
ブルー 「分かったかい?」
一同 「「「はい…」」」
雛祭りのイベは要らない、と誰もが納得ですけど。
確かに…。
2025/03/01 (Sat)
☆潰したくない祝日
雛祭りだった週の土曜日、生徒会長宅に来ている御一同様。
シャングリラ学園には、雛祭りのイベントが無いという話。
ジョミー「強制的に登校日とか、やりそうだよね…」
シロエ 「遊びには違いないだろう、とか言いそうですよ」
サム 「お祭りイベなのは確かだしよ…」
雛祭りのイベは無くて正解、とサム君が広げる両手。
サム 「女子の場合は、遊べる日が増える勘定でもよ…」
シロエ 「男子は、そうはいきませんしね…」
5月5日が休みじゃなくなるなんて、とシロエ君も。
シロエ 「GWの最終日だけに、痛さも倍増ですよ」
ジョミー「ホントにね…」
サム 「振り替え休日で、6日まで休みな時でもよ…」
5日が登校日だと連休じゃねえし、とサム君が竦める肩。
サム 「雛祭りイベは、マジで要らねえよな…」
スウェナ「女子の私だって、同じだわよ…」
たとえケーキが出るイベでもね、とスウェナちゃん。
スウェナ「雛祭りケーキ食べ放題でも、お断りだわ」
ジョミー「端午の節句だと、柏餅かな?」
シロエ 「柏餅と粽、食べ放題じゃないですか?」
それでも要りませんけどね、とシロエ君が顰める顔。
シロエ 「普通に祝日の方がいいですってば」
ジョミー「そう思う…」
キース 「俺の場合は、もれなく潰れる祝日が…」
年に二回は確実なんだが、とキース君。
キース 「物心ついた時には、既に潰れていた有様で…」
一同 「「「は?」」」
子供なのに、と皆がキョトンと見開く瞳。
シロエ 「あのですね…。幼稚園でも、祝日とかは…」
サム 「休む筈だぜ、保育園までは知らねえけど」
ジョミー「共働きでサービス業だと、出勤日だしね…」
祝日でも預かってくれるのかも、とジョミー君。
ジョミー「でもさ、家が休みの子は休むよねえ?」
シロエ 「あちこち混むのは、そのせいでしょうし…」
サム 「子供の休日、潰れねえだろ?」
どういう家で育ったんだよ、と聞いてますけど。
はてさて…?
2025/03/02 (Sun)
☆お楽しみと祝日
雛祭りが終わった週末ですけど、生徒会長宅で過ごす面々。
シャングリラ学園には無い、雛祭りイベントが話題でして。
サム 「子供は祝日、好きな筈だぜ」
シロエ 「大人の場合は、人によるでしょうけど…」
元日なんかは特に、とシロエ君が挙げる例。
シロエ 「なにしろ準備が大変ですし…」
ジョミー「おせちはいいけど、お雑煮は家で作るしね…」
サム 「第一、大掃除がセットだしよ…」
スウェナ「大忙しな人も、多いわけよね…」
来なくていい、と思う人もいるわよ、とスウェナちゃんも。
スウェナ「お祭りだったら、クリスマスだけで充分だもの」
シロエ 「クリスマスの方だと、準備も楽しめますよ」
ジョミー「だよね、ツリーを飾るとかさ」
サム 「大掃除もセットで来たりしねえし…」
ツリーを飾るスペース作り程度だよな、とサム君の相槌。
サム 「まあ、クリスマスは祝日じゃねえけど」
シロエ 「其処の所が大きいかもです」
適当にやっても叱られませんし、とシロエ君。
シロエ 「作法はこうだ、と言われることが無いですしね」
ジョミー「お楽しみだけのイベだよねえ…」
サム 「祝日じゃなくても、楽しみな日だぜ?」
なのに祝日を潰すとかはねえよ、とサム君、目がマジ。
サム 「キース、どういう育ちなんだよ?」
キース 「俺の場合は、クリスマス自体、無かったんだが」
今年の元日が真面目に初だ、とキース君。
キース 「おふくろと親父のせいで、とんだ目に遭って…」
一同 「「「あー…」」」
南国仕様のサンタだっけ、と皆が思い出した元日の出来事。
シロエ 「キース先輩の家、お寺でしたね…」
キース 「クリスマスは、過去に一度も無かったな…」
ツリーもケーキも無縁だった、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「此処まで聞いたら、分かるだろう?」
一同 「「「えっと…?」」」
キース 「祝日の件だ」
潰れる理由というヤツだが、と言ってますけど。
理由って…?
2025/03/03 (Mon)
☆忙しくなる祝日
雛祭りが終わった週の土曜日、生徒会長宅に集う御一同様。
シャングリラ学園には無い、雛祭りイベから祝日の話題へ。
シロエ 「えっと…? 祝日が潰れる理由ですか?」
ジョミー「キースの家に限定だよね?」
普通の家では潰れないしさ、とジョミー君。
ジョミー「アドス和尚のせいかな、頑固だから…」
シロエ 「クリスマスをやらなかった人ですしね…」
スウェナ「何か、こだわりあるのかしら?」
サム 「分かんねえけど、ああいう親父さんだしよ…」
自分ルールで潰しそうだぜ、とサム君が竦める肩。
サム 「その日は自分が忙しいから、巻き添えとかよ…」
シロエ 「ありそうです、ソレ…」
ジョミー「璃母恩院の行事に行く時とかさ…」
スウェナ「家じゃ偉そうだけど、璃母恩院だと違うわよね」
緋の衣っていうわけじゃないし、とスウェナちゃんも。
スウェナ「それに、キースが子供の頃だと、今よりも…」
シロエ 「立ち位置は下になりますよね…」
サム 「下っ端扱いだったかもな…」
こき使われる日じゃかなわねえよ、とサム君も納得な模様。
サム 「キースが祝日で遊んでるのに、自分だけはよ…」
ジョミー「ババな日なんだし、八つ当たりコースだよね…」
シロエ 「ついでに、キース先輩が遊んでいられるの…」
アドス和尚が仕事しているからですし、とシロエ君。
シロエ 「なんで俺だけ、と思いそうです」
ジョミー「キースが祝日で休みは、許せないから、って…」
スウェナ「巻き添えにして、祝日、潰してたわけね…」
サム 「年に二回っていうのがよ…」
キツいけどよ、とサム君、うんうん、と。
サム 「宗祖様の誕生日と祥月命日、祝日だっけか?」
ジョミー「ぼくに聞かれても、困るんだけど…」
ブルー 「違うね、掠りもしてないよ」
サム 「だったら、璃母恩院だけのヤツかな…」
キース 「おい。お前、それでも僧籍なのか?」
ジョミーだったら仕方ないが、と顔を顰めてますけど。
何の日…?
2025/03/04 (Tue)
☆年に二回は潰れる
雛祭りも済んだ土曜日、生徒会長宅で過ごす面々ですけど。
シャングリラ学園には無い雛祭りイベ、其処から祝日の話。
サム 「そう言われてもよ、璃母恩院の方までは…」
シロエ 「なかなか把握出来ませんよね」
道場入りもしてませんし、とシロエ君、気の毒そうな表情。
サム 「行事の案内とかも、まだ貰えねえわけで…」
スウェナ「知らなくても、仕方ないわよね…」
ジョミー「ぼくと比べるとか、サムに悪いよ…」
いつも頑張っているのにさ、とジョミー君も。
ジョミー「お勤めの練習だって、真面目にやってるし…」
シロエ 「アドス和尚も、評価してますよ?」
棚経のお供は、サム先輩で固定ですしね、とシロエ君。
シロエ 「ジョミー先輩は、指名以前の問題ですから…」
スウェナ「キースが連れて回ってるんでしょ?」
キース 「それはそうだが、今の話は基本でだな…」
僧籍でなくても気付きそうだ、とキース君の仏頂面。
キース 「熱心な檀家さんでも、潰れるんだぞ?」
一同 「「「えっ…?」」」
まさか、と誰もが見合わせる顔。
シロエ 「檀家さんって、一般人のことですよね?」
キース 「そうなるな。役職がついた人だと、確実に…」
年に二回は潰れるんだが…、とキース君が繰る数珠レット。
キース 「全て承知で受けて下さるだけに、感謝しかない」
一同 「「「えっと…?」」」
キース 「何処の寺でも、事情は全く同じなんだが?」
宗派を問わずに共通だぞ、とキース君、サム君をジロリ。
キース 「まだ、気付かないのか?」
サム 「すまねえ、璃母恩院でも分からねえんだし…」
シロエ 「お寺の事情は、もっと謎ですよね…」
お寺育ちじゃないんですから、とシロエ君も同情モード。
シロエ 「サム先輩を、苛めないであげて下さいよ」
キース 「しかし、普通ならピンと来る筈で…」
サム 「マジで悪いと思うんだけどよ…」
無理なモノは無理、と呻くサム君ですけど。
可哀相では…?
2025/03/05 (Wed)
☆潰されると聞いても
雛祭りが終わった週の土曜日、生徒会長宅に来ている面々。
シャングリラ学園には無い雛祭りイベから、祝日の話な今。
キース 「サムもそうだが、お前たちもだぞ」
一同 「「「は?」」」
キース 「此処まで言っても、分からないのか?」
散々、潰されて来たくせに、とキース君が見回す顔ぶれ。
キース 「年に二回も潰され続けて、何年目なんだ?」
シロエ 「そんな祝日、ありましたっけ?」
ジョミー「さあ…? シロエはどう?」
シロエ 「いつのことだか、ぼくにもサッパリ…」
まるで見当がつきませんよ、とシロエ君、お手上げポーズ。
シロエ 「祝日、もれなく休みですよね?」
サム 「それ以外でも、定番の休みがあるんだぜ?」
現に先月もあったじゃねえか、とサム君が指すカレンダー。
サム 「二月三日は節分でよ…」
ジョミー「毎年、欠席届けだよねえ?」
シロエ 「ぼくたちにとっては、祝日みたいなヤツですよ」
スウェナ「難アリでも、学校には行かないものねえ…」
今年は迷惑度数が低めだったわ、とスウェナちゃん。
スウェナ「正座でお参りな羽目になったのは、御愛嬌よね」
シロエ 「言えてます! 行きのバスの中、普通でしたし」
サム 「アレは真面目にラッキーだったぜ」
ツイてたよな、とサム君も。
サム 「キースが法衣で来たのは、災難だったけどよ…」
ジョミー「でも、福豆を貰えちゃったしさ…」
シロエ 「全部のお寺で、くれましたからね」
福豆コンプリートでした、とシロエ君も異議は無い節分。
シロエ 「御利益パワーも、関係者向けでアップですし」
スウェナ「正座した分、回収だわよ」
福をドッサリ頂けたもの、とスウェナちゃんの笑顔。
スウェナ「だけど、潰れる祝日なんて、あったかしら?」
シロエ 「無いですよねえ?」
ジョミー「そんなの、あるとは思えないけど…」
キース 「お前たちというヤツは…」
この流れでも気付かないのか、と顔を顰めてますけど。
何に…?
2025/03/06 (Thu)
☆節分と言われても
雛祭りが済んだ週末ですけど、雛祭りイベが無いのが学校。
それが切っ掛けで祝日の話、生徒会長宅で怪訝そうな面々。
シロエ 「この流れっていうのは、節分でしょうか?」
キース 「当然だろう?」
ジョミー「節分は、祝日っぽいのが増える方でさ…」
潰れる話とは真逆だよね、とジョミー君が傾げる首。
ジョミー「グレイブ先生だって、いつも不機嫌そうに…」
シロエ 「いい御身分だな、諸君、ですしね」
サム 「欠席届けを出しに行ったら、定番だよな…」
突き返されることはねえけどよ…、とサム君も。
サム 「実際、俺たちが真面目なだけの話でよ…」
シロエ 「欠席届けなんか無くても、休めますから…」
ジョミー「そういう意味でも、休み放題なんだよ?」
特別生になっているんだしさ、とジョミー君。
ジョミー「出席義務なんか、無いんだし…」
シロエ 「その気になったら、毎日、祝日で行けます」
サム 「無敵みたいなモンなんだぜ?」
潰れる祝日があるわけがねえ、とサム君、自信満々。
サム 「家が寺だと、事情は違いそうだけどよ…」
キース 「さっきも言ったぞ、僧籍とも思えん、と」
なんでサムまで、そうなるんだ、とキース君の深い溜息。
キース 「今年の節分がツイていたのは、どの点がだ?」
シロエ 「迷惑度数が低かった、という所ですよ」
決まってるでしょう、とシロエ君が立てる人差し指。
シロエ 「キース先輩は、お寺で合流でしたから…」
サム 「恩恵を蒙っていねえだけでよ…」
ジョミー「バスの座席が埋まっていたのは、最高だったよ」
例年、アレで酷い目に、とジョミー君が言う後部座席の件。
ジョミー「座り方、最悪すぎるしさ…」
スウェナ「他人のふりも出来ないのよね…」
向こうから話し掛けてくるせいで、と嘆くスウェナちゃん。
スウェナ「それが今年は無かったのよ?」
キース 「その迷惑は、あいつらが…」
いるせいなんだが、とキース君、腕組みですけど。
それで…?
2025/03/07 (Fri)
☆専門用語だと困る
雛祭りが終わった週の土曜日、生徒会長宅に来ている面々。
シャングリラ学園には無い雛祭りイベから、祝日の方へと。
サム 「そりゃまあ、そうなんだけどよ」
シロエ 「さっきまでの話と、どう繋がるんです?」
ぼくにはサッパリ分かりませんが…、とシロエ君。
シロエ 「サム先輩と違って、僧籍じゃないですけどね」
キース 「お前でも分かりそうなものだが…」
シロエ 「だったら、ヒントを下さいよ」
節分だけでは無理すぎです、とシロエ君の注文が。
シロエ 「もっと簡単な仕様ので、お願いしたいですね」
スウェナ「そうよ、私でもピンと来るヤツを…」
出しなさいよ、とスウェナちゃんも、キース君をまじっと。
スウェナ「遠回しに言われても、どうしようもないわ」
ジョミー「ホントにね…。プロのお坊さんとは違うんだよ」
ぼくの場合は名前だけだし、とジョミー君からも。
ジョミー「年に二回も潰れる祝日、心当たりがゼロで…」
サム 「俺もゼロっていうのがよ…」
情けねえけど現実で、とサム君、お手上げのポーズ。
サム 「ヒントでいいから、分かるヤツをよ…」
シロエ 「ぼくたちに出して貰えませんか?」
単語だけでも、とシロエ君が畳み掛け。
シロエ 「専門用語は困りますけど…」
キース 「そう言われても、専門用語しか…」
一同 「「「は?」」」
キース 「それしか思い付かないんだが…」
多分、分かると思うんだがな、とキース君の困り顔。
キース 「他に何かと言われても…」
一同 「「「ええ…」」」
専門用語は真面目に困る、と困惑しかない御一同様。
シロエ 「キース先輩、言い換えるとかは…」
キース 「既に翻訳済みだけに…」
これ以上、どう言い換えろと、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「他の言い方など、俺は知らんし…」
シロエ 「マジですか?」
キース 「そのままで通っているからな…」
いや、待てよ、と何か閃いた様子ですけど。
言い換え方とか…?
2025/03/08 (Sat)
☆潰される日はコレ
雛祭りが済んだ週末、生徒会長宅に来ている面々ですけど。
シャングリラ学園には無い雛祭りイベ、其処から祝日の話。
サム 「何か、いいのがあったのかよ?」
キース 「そのものズバリと言うべきだろうな」
一同 「「「は?」」」
言い換え方が見付かったにしても…、と一同、キョトン。
シロエ 「専門用語だと言いませんでしたか?」
キース 「その通りだが?」
シロエ 「だったら、そのものズバリな方もですね…」
専門用語の世界でしょう、とシロエ君の鋭いツッコミ。
シロエ 「分かりやすいのを、と希望してます」
サム 「専門的なヤツで言い換えられてもよ…」
スウェナ「難解になるだけでしょ、ソレ…」
これだからプロは困るのよ、とスウェナちゃんの深い溜息。
スウェナ「いい? プロの世界の常識なんかは…」
シロエ 「一般人には通じないんですよ?」
サム 「俺でもピンと来ねえのに、シロエとかには…」
無理すぎるぜ、とサム君も。
サム 「もっと普通に言えねえのかよ?」
キース 「聞けば分かると思うわけだ」
小学生でもな、とキース君が指すカレンダー。
キース 「今月にも、一つあるんだが?」
一同 「「「えっと…?」」」
キース 「3月20日の所を、よく見てみろ」
赤い字になっているんだぞ、と言う日付の色。
一同 「「「あっ!?」」」
キース 「気が付いたか?」
シロエ 「…春分でしたか…」
キース 「ああ。秋に来るのが、秋分だな」
そのものズバリの日だろうが、とキース君、腕組み。
キース 「どちらも、太陽が真西に沈む日になるわけで…」
サム 「お浄土に思いを馳せる日だったっけな…」
忘れてたぜ、と愕然とするサム君。
サム 「でもって、お彼岸のお中日でよ…」
シロエ 「年に二回は潰れる祝日、納得ですよ…」
ジョミー「確かに毎年、潰されてるよね…」
キース 「気付かないとは…」
喉元過ぎれば忘れやがって、と睨んでますけど。
お彼岸…。
2025/03/09 (Sun)
☆抹香臭くなるヤツ
雛祭りが終わった週末ですけど、イベが無かった御一同様。
シャングリラ学園には無いわけでして、祝日の話ですけど。
サム 「忘れちまってても、仕方ねえって気がするぜ…」
シロエ 「喉元過ぎればと言うより、忘れたいんですよ…」
ジョミー「記憶を消したくなるヤツだしさ…」
迷惑度数は低めでもね、とジョミー君が広げる両手。
ジョミー「外じゃないから、晒し者にはならないけど…」
シロエ 「もれなく正座がセットですしね…」
スウェナ「ついでに、抹香臭いのよ?」
お線香だけじゃ済まないんだもの、とスウェナちゃん。
スウェナ「お焼香用の香炉、半端ないでしょ?」
シロエ 「匂いが本格的で強いんですよ、アレは…」
ジョミー「髪の毛とか服に、しみつくよね…」
キースのノートには負けるけどさ、とジョミー君も。
ジョミー「キースのノート、今は借りたりしないけど…」
サム 「入学した年に、お世話になったのかよ?」
ジョミー「うん。定期テストは、ぶるぅの手形で満点で…」
いけたんだけれど、宿題とかが…、と思い返している様子。
ジョミー「レポートにしても、普段にやっていないから…」
シロエ 「テストで満点が取れる分だけ、サボリですね?」
ジョミー「そう! 寝ちゃってたことも多くってさ…」
宿題とかがカバー出来なくて、と今ならではの昔話。
ジョミー「宿題は、今日の授業から、って言われると…」
サム 「詰んじまうよな…」
ジョミー「サムとシロエは別のクラスで、真面目にさ…」
やっていたけど…、とジョミー君の嘆き節。
ジョミー「サムに借りるとか、違うクラスじゃね…」
サム 「当たり前だろ、授業の時間割が違うんだしよ」
ノートを借りても意味がねえぜ、とサム君も苦笑い。
サム 「キースに頼み込むしかねえよな」
ジョミー「だから頼んで借りてたんだけど…」
キース 「抹香臭くて悪かったな!」
俺の家を何だと思ってやがる、と睨んでますけど。
お寺ですよね…。
2025/03/10 (Mon)
☆抹香臭くなる環境
雛祭りが済んだ週末の土曜日、生徒会長宅に来ている面々。
シャングリラ学園には無い雛祭りイベ、其処から祝日の話。
サム 「寺の息子じゃ、抹香臭いのも仕方ねえぜ」
ジョミー「ノートまで、お線香の匂いじゃね…」
キース 「いいか、朝から晩まで線香という環境だぞ?」
それこそ生まれた直後からだ、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「病院で生まれて、家に帰って来たら一番に…」
シロエ 「お線香の煙を浴びせられるんですか?」
キース 「御本尊様に、跡取りが生まれた報告だしな」
無事に生まれました、と感謝の御挨拶だぞ、とキース君。
キース 「当然、蝋燭と線香は…」
サム 「御本尊様にお供えだよなあ…」
シロエ 「もしかして、お焼香もするんですか?」
生まれたばかりの赤ちゃんでも…、とシロエ君の問い。
シロエ 「お香を握らせてから、香炉に入れるとか…」
キース 「其処まではいかないが、普段とは…」
違うイベントが起きるわけだ、とキース君、フウと溜息。
キース 「初めて本堂に入る節目で、生まれたてだし…」
サム 「線香の煙が多めとかかよ?」
スウェナ「そういえば、お参りの人が多いお寺だと…」
本堂の前のお線香立て、人気だわね、とスウェナちゃん。
スウェナ「お線香の煙を浴びたら、無病息災か何かで…」
シロエ 「言われてみれば、やってますよね」
ジョミー「お年寄りの人、群がってる時もあるしさ…」
アレを個人の家でやるわけ、とジョミー君、興味津々。
ジョミー「元老寺だと、お線香立て、本堂の前には…」
サム 「置いてねえけど、御本尊様の前にあるヤツ…」
シロエ 「普通よりかは、かなり大きいですよ」
お線香もビッグサイズですしね、とシロエ君も。
シロエ 「ドッサリ立てたら、煙がモクモクでしょう」
サム 「それをキースに浴びせるってか?」
ジョミー「なんか、スモークされそうだよね…」
抹香臭くするのが目的かも、と言ってますけど。
お寺だけに…。
2025/03/11 (Tue)
☆お線香とスモーク
雛祭りイベが無いシャングリラ学園、生徒会長宅で話題に。
其処から祝日の方へ進んで、お彼岸のお中日も春分と秋分。
キース 「スモークするとは言わないんだが…」
シロエ 「お線香が多めなんですね?」
赤ちゃんが生まれた節目ですし…、とシロエ君。
シロエ 「自分でお焼香が出来ない分だけ、多そうです」
サム 「気持ちだけでも、っていうヤツな…」
スウェナ「イライザさんが代理は、難しそうだもの」
だって、赤ちゃん、抱いてるのよ、とスウェナちゃんの言。
スウェナ「片手だけで抱いて、お焼香とか、危なすぎだわ」
ジョミー「バランスを崩しちゃったら、落っことすし…」
シロエ 「転んだ場合も、怪我しそうですよ…」
イライザさんも、赤ん坊のキース先輩も、とシロエ君も。
シロエ 「特に赤ちゃん、打ち所が悪いと大変ですから…」
一同 「「「あー…」」」
大怪我だよね、と誰もが肩をブルッと。
ジョミー「救急車で済んだら、マシな方かも…」
サム 「命はあっても、後遺症が残るのも有りそうだぜ」
スウェナ「そうでしょ、ちゃんと両手で抱っこしないと」
シロエ 「待って下さい、そうなるとイライザさんも…」
お焼香はパスになりますよね、とシロエ君が顎に当てる手。
シロエ 「お線香、二人分をプラスな勘定でしょうか?」
サム 「かもなあ、お寺用のデカい線香をよ…」
ジョミー「二本も増やせば、煙も半端ないかもね…」
抹香臭さの方もアップで…、とジョミー君が竦める肩。
ジョミー「やっぱり、気分はスモークだよ…」
キース 「ソレに近いかもしれないな…」
サム 「線香多めで、煙多めなイベになるのな…」
赤ちゃんが生まれたイベなのによ、とサム君の苦笑い。
サム 「ノートまで抹香臭くなる家は、凄すぎるぜ…」
キース 「煙には違いないんだが、線香ではない」
一同 「「「えっと…?」」」
キース 「煙の話だ」
スモークと言えないこともない、と真顔ですけど。
煙ですよね?
2025/03/12 (Wed)
☆赤ん坊でも出来る
雛祭りが済んだ週の土曜日、生徒会長宅で過ごす御一同様。
シャングリラ学園には無い雛祭りイベ、其処から祝日の話。
サム 「線香じゃねえなら、お香なのかよ?」
キース 「その通りだが?」
シロエ 「でも、キース先輩も、イライザさんも…」
お焼香は出来ないのでは、とシロエ君の問い。
シロエ 「スウェナ先輩も言いましたけど、危険すぎです」
サム 「それとも、寺じゃ気にしねえのかよ?」
ジョミー「修行と同じで、クリアするしかないって?」
お寺だしね、とジョミー君も。
ジョミー「そのくらい出来ないと、お寺のお嫁さんは…」
サム 「務まらねえってか?」
キース 「違う、どちらかと言えば、むしろ逆だな」
両手はきちんと空いている、とキース君。
キース 「ついでに、赤ん坊でも出来るイベでだ…」
一同 「「「ええっ!?」」」
生まれたての赤ちゃんでもか、と誰もがポカーン。
シロエ 「煙だけでもキツそうですけど…」
ジョミー「第一、どうやって覚えるのさ…」
ぼくでも所作を覚えられないのに、とジョミー君。
ジョミー「お焼香とか、赤ん坊にはハードル高いよ…」
シロエ 「お菓子で釣るにも、小さすぎますし…」
キース 「まあ、母親か誰かの手は要るんだが…」
要は抱っこで越えるだけだ、と謎な発言。
キース 「煙の中をくぐりさえすれば、それで終わりで…」
ジョミー「まさか、香炉の上にかざすわけ!?」
サム 「マジでスモークコースじゃねえかよ!」
赤ん坊を香炉で燻すなんてよ、とサム君の引き攣った顔。
サム 「可哀相すぎるぜ…」
シロエ 「お香の煙でむせそうですよ…」
お寺に生まれなくて良かったです、とシロエ君、ガクブル。
シロエ 「まさか、スモークされるだなんて…」
キース 「くぐるんだから、一瞬だけだ」
一同 「「「一瞬?」」」
キース 「ああ。本堂に入る直前、お香の煙を…」
くぐればいいという仕組みだな、と説明ですけど。
どうやって…?
2025/03/13 (Thu)
☆特別な時だけ登場
雛祭りが終わった週の土曜日、生徒会長宅に集う御一同様。
シャングリラ学園には無い雛祭りイベ、その話から祝日へ。
サム 「お香の煙って、本堂の前に線香立てはねえぜ?」
シロエ 「特別なイベだと言ってましたし、その日だけ…」
出して来るんじゃないでしょうか、とシロエ君。
シロエ 「お寺によっては、大きいのを置いていますから」
スウェナ「煙を浴びたい人が集まる、アレよね」
ジョミー「元老寺にも、実はあったわけ?」
特別な時だけの登場で…、とジョミー君も。
ジョミー「人生の節目の時しか出さないとか?」
キース 「いや、大きさは普通なんだが…」
それに線香ではなくて、お香だ、とキース君の苦笑い。
キース 「象香炉と言って、象の形をしている香炉で…」
サム 「そんなの、俺は見たことねえけど?」
キース 「特別な時しか出さないからな」
だが、専用の香炉なんだ、とキース君の説明が。
キース 「お堂の入口に置いて、その上を跨ぐためので…」
一同 「「「は?」」」
キース 「香炉を跨いで通れば、自然と煙をくぐれるし…」
清めになるという仕組み、と手で作ってみせる大きさ。
キース 「サイズ的には、こんなものだな」
サム 「お焼香用の香炉よりかは、デカいよな…」
シロエ 「でも、跨いで通れるサイズではありますね…」
赤ちゃんを抱いていてもいけそうです、とシロエ君。
シロエ 「躓いて転ぶ心配は無さそうですし…」
キース 「俺も、そいつで清められてから、本堂で…」
生まれましたの報告だった、とキース君、回想モード。
キース 「もっとも、記憶は残っていないんだが…」
??? 「その程度なら普通だよ!」
あるあるだし、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「成人検査で消されたわけじゃないしね!」
キース 「あんた、何しに現れたんだ!?」
Aブルー「さっきの祝日の話だってば!」
ちょうどいいしね、と親指を立ててますけど。
なんで祝日…?
2025/03/14 (Fri)
☆別の世界にも祝日
雛祭りが済んだ週の土曜ですけど、生徒会長宅に集う面々。
シャングリラ学園には無い雛祭りイベ、祝日の話な方向へ。
キース 「そう言われても、あんたの世界の祝日なんぞ…」
シロエ 「聞いたことさえ無いですよね?」
あるんですか、とシロエ君の質問が。
シロエ 「機械が記憶を消すような世界じゃ、祝日も…」
サム 「あるような気がしねえよな…」
Aブルー「あのねえ…」
君たち、考えたことがあるのかい、とソルジャーの溜息。
Aブルー「クリスマスは、ぼくもこっちに来てるけど…」
キース 「もしかして、クリスマスは祝日なのか?」
Aブルー「そうじゃないけど、近い感じではあるね」
休みになってる人も多いし、という答え。
Aブルー「本物の祝日、すぐに来るから」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「ぼくの船でも、其処はお祭り騒ぎだけど?」
ニューイヤーでさ、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「年末年始は、成人検査とかも休みなんだよ?」
一同 「「「あー…」」」
そういえば…、と誰もが思い出す、別の世界の事情。
シロエ 「敵も味方も無いんでしたね…」
Aブルー「そもそも、出会わない仕様だってば!」
人類軍の船も来ないからね、とソルジャー、親指をグッと。
Aブルー「成人検査をやっていないし、こっちからもさ…」
キース 「行く理由が無いというわけか…」
Aブルー「ピンポーン!」
つまり祝日はあるってね、とソルジャーが指すカレンダー。
Aブルー「春分とかは、やっていないけど…」
シロエ 「それは、暦が星の数だけあるからですね?」
Aブルー「うん。ニューイヤーは、地球の標準時で…」
計算している新年なんだよ、と説明が。
Aブルー「そんなヤツより、地球ならではの祝日をさ…」
キース 「満喫したいと言うんだな?」
Aブルー「そう! 君たちが言ってた、年に二回の…」
シロエ 「待って下さい!」
まさか春分と秋分なのでは、と焦ってますけど。
お彼岸…。
2025/03/15 (Sat)
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☆正装だった場合
節分は七福神巡りでお寺へ、迷惑な人たちが来るのも恒例。
それをキース君に丸投げ、ソルジャーも文句は無いそうで。
Aブルー「悪目立ちするって、行先はお寺なのに?」
A船長 「同業者の方が、揃っておられますが?」
キース 「だが、服装が違い過ぎるんだ!」
あちらは作務衣と略式だぞ、とキース君の反論。
キース 「お袈裟まで着けている人を、見たとでも?」
シロエ 「言われてみれば、そうかもですね…」
サム 「七福神様のトコにいる人、輪袈裟だよなあ?」
それぞれの寺の御住職だぜ、とサム君も。
サム 「本式の袈裟の人は、見たことねえような…」
シロエ 「中でやってる法要の方なら、いるかもですよ」
ジョミー「あー…。豆まきの前に、やるらしいよね」
そっちまでは回っていないからさ…、とジョミー君。
ジョミー「キースが正装で行った場合は、目立つのかも…」
キース 「正解だ。関係者と間違われはしないだろうが…」
見た目の年がコレだからな、とキース君が指す自分の顔。
キース 「とはいえ、何処かの寺から来ているわけで…」
Aブルー「何か問題あるとでも?」
キース 「もしかしたら、外からお参りでは済まなくて…」
お堂に上がる羽目になりそうな気が…、と繰る数珠レット。
キース 「そうなれば、更に悪目立ちで…」
シロエ 「でも、キース先輩だけでしょう?」
ぼくたちは外でいいんですよね、とシロエ君の問い。
シロエ 「お堂だったら、正座が必須ですから…」
ジョミー「嫌すぎるよ、ソレ!」
Aブルー「ぼくも嫌だよ、キースだけかい?」
正座することになるのはさ、とソルジャーも。
Aブルー「法要の時なら、耐えられるけど…」
シロエ 「毎回、巻き込んでくれてますよね…」
節分までは遠慮します、とシロエ君。
シロエ 「正座するのは、誰になるんです?」
キース 「俺にも謎だ」
一同 「「「ええっ!?」」」
まさか正座でお参りなのか、と引いてますけど。
謎だと…?
2025/02/16 (Sun)
☆行くまでは謎
節分はお寺で七福神巡り、今年も避けられなかったわけで。
迷惑な人たちをキース君に丸投げ、それでいけそうなのに。
シロエ 「謎というのは、何故なんですか?」
サム 「同じ寺だし、分かるんじゃねえのかよ?」
違う宗派の寺にしたって、とサム君の指摘。
サム 「座禅の寺には違いねえけど…」
スウェナ「お堂に上がるかどうかも、違ってくるわけ?」
座禅だけに…、とスウェナちゃんが傾げる首。
スウェナ「だけど、座禅が必須とかじゃないでしょ?」
シロエ 「ですよね、それだと困る人たちが多そうで…」
ジョミー「法事の時でも座禅スタイルとか、無理ゲーだよ」
マツカ 「服装自体が、向いていないと思いますけど…」
法事に出るなら喪服ですし、とマツカ君も。
マツカ 「座禅が出来る服じゃないです」
サム 「スーツのズボンが破れそうだぜ…」
スウェナ「男はいいけど、女性の場合はどうなるのよ?」
喪服はスカートが正式だわよ、とスウェナちゃん。
スウェナ「スカートで座禅の座り方は、いくら何でも…」
シロエ 「酷いなんてレベルじゃありませんよね…」
マツカ 「ぼくも、そのように思いますから…」
お堂に上がるなら正座でしょうね、とマツカ君の見解。
マツカ 「座り方だけは、座禅よりマシな気がします」
ジョミー「マシかもだけど、正座なんだよ?」
Aブルー「足が痺れて痛くなるヤツで…」
お堂に上がるかどうかは、重要だよ、とソルジャーの言。
Aブルー「プロなのに謎とか、有り得ないから!」
シロエ 「それとも、キース先輩の勉強不足ですか?」
キース 「違う、向こうの気持ち次第で…」
どう転ぶかが謎なだけだ、とキース君が繰る数珠レット。
キース 「皆さんで上がってお参りを、と言われるか…」
シロエ 「代表の方だけ中へどうぞ、かが謎なんですね?」
キース 「そういうことだ、まるで分からん」
一同 「「「あー…」」」
出たトコ勝負というヤツか、と納得の理由。
確かに謎…。
2025/02/17 (Mon)
☆門の外で待てば
節分は七福神巡りでお寺へ、迷惑な人たちも来るのが恒例。
それをキース君に丸投げしたのに、巻き添えを食らいそう。
シロエ 「あのですね…。その場で臨機応変に…」
ジョミー「何をするわけ?」
シロエ 「他人のふりというヤツですよ」
お堂に上がるパターンだったら、とシロエ君の案。
シロエ 「キース先輩は、あくまで単独行動で…」
サム 「俺たちは、たまたま近くにいただけってか?」
スウェナ「いけそうだわね、行列とかでもそうなんだもの」
前後の人と一緒に来たとは限らないわ、とスウェナちゃん。
スウェナ「次の方どうぞ、で何人動くかは不明だわよ」
ジョミー「そっか、キースが上がる羽目になっても…」
サム 「知らん顔でいれば、いいってことな?」
シロエ 「そうなりますね、回れ右でもいいくらいです」
サッサとお参りしてしまって…、とシロエ君が推すコース。
シロエ 「門の外まで出れば、中から見えませんから…」
サム 「外でキースを待つだけかよ」
ジョミー「どうせ寒いの、変わらないしね」
ソレで行こう、とジョミー君、親指をグッと。
ジョミー「あっ、バスが来たから、キースはさ…」
Aブルー「分かった、瞬間移動で送るから!」
いい袈裟を選んでくれたまえ、と青いサイオンがキラリ。
Aブルー「はい、送った!」
A船長 「正装に着替えて、お寺で合流ですね」
御利益が増えるのが嬉しいですよ、とキャプテンの笑顔。
A船長 「では、乗りましょうか」
Aブルー「うんっ! …あれっ?」
いつもの席が空いてないよ、とソルジャーの目が真ん丸に。
Aブルー「一番後ろの、広い席がさ…」
A船長 「本当ですね…」
待っている内に空くでしょうか、とキャプテンも困り顔。
A船長 「あの席でないと、いつもの座り方が…」
Aブルー「出来ないんだけど…」
シロエ 「諦めるしかないでしょうね」
Aブルー「そんな…!」
バスの御利益を逃しそうだよ、と言ってますけど。
諦めるしか…。
2025/02/18 (Tue)
☆空いていない席
節分はお寺で七福神巡り、今年も避けられなかったわけで。
迷惑な人たちと路線バスで出発、其処で想定外の事態発生。
Aブルー「諦めるしかないって、どうしてさ?」
A船長 「待っていれば、その内に空きそうですよ」
なにしろ路線バスですから、とキャプテンは空くのを期待。
A船長 「それまでは、他の座席で我慢しましょう」
Aブルー「そうだね、お寺に着くまでに空きさえすれば…」
シロエ 「残念ですけど、空かないでしょうね」
座っている人たちを、ちゃんと見て下さい、とシロエ君。
シロエ 「何処から見たって、ご老人の団体様です」
サム 「近くの座席も、同じ団体みたいだぜ?」
ジョミー「老人会で、揃ってお出掛けかな?」
シロエ 「ええ、多分。でもって、今日は節分ですし…」
行先は、きっと同じですよ、とシロエ君が言った所で。
老人A 「今年は豆まきの時間まで、いようと思うんじゃ」
老人B 「いいですなあ、福豆を授かって帰れますし」
老人C 「帰りに、その辺で、早めの晩飯も良さそうで…」
老人D 「ちょっと一杯、頂いて温まって…」
ゆっくり家路に着くとしますか、と賑やかに始まった相談。
老人A 「どうですかな、そっちの皆さん方は?」
老人E 「大いに賛成、恵方巻も食えますしな」
老人F 「その案でいいと思いますぞ」
老人A 「では、これで決まりでよろしいな?」
老人一同「「「さんせーい!」」」
帰りに一杯、と盛り上がっている御老人たち。
シロエ 「どうです、言った通りでしょう?」
Aブルー「そ、そんな…!」
A船長 「バスで御利益を頂くどころか…」
Aブルー「乗って行くだけ…?」
酷すぎる、と嘆いてみても、席は空かないわけでして。
Aブルー「仕方ないよね、空いている席に座るしか…」
A船長 「その分、キースに期待ですよ」
Aブルー「全力でお参りして貰うしか…」
A船長 「きっと効きます!」
合流出来たら運が向きます、と慰めてますけど。
どうだか…。
2025/02/19 (Wed)
☆いないとツキが
節分は七福神巡りでお寺へ、路線バスで行くのが毎年恒例。
後部座席でソルジャー夫妻が座る方法も、お約束ですけど。
シロエ 「当たりでしたね、今年は」
ジョミー「あの座り方だけは、嫌すぎるしね…」
キャプテンの膝に、ソルジャーが座ってゆくスタイル。
ジョミー「あそこの席が埋まっていたら、出来ないしさ」
サム 「マジで俺たち、ツイてるよな」
シロエ 「キース先輩、いませんしね」
一同 「「「は?」」」
ソレとどういう関係があると、と誰もがキョトン。
スウェナ「キースがいないと、得をするとかあるかしら?」
サム 「七福神巡りに行ったら、正座の危機だぜ?」
ジョミー「キースが法衣を着て来るせいだよ?」
ちっともツイていないんだけど、とジョミー君が傾げる首。
ジョミー「いない今だけ、お得だとか?」
シロエ 「いえ、此処にいないというのがいいんですよ」
なにしろ厄病仏ですから、とシロエ君が立てる人差し指。
シロエ 「いないだけでも、厄を持ち込む心配がですね…」
サム 「あー、要らねえって理屈なのな!」
シロエ 「そうなんです。お蔭で、バスの座席の方も…」
あんな具合に埋まりましたよ、と解説が。
シロエ 「此処から先も、合流するまでは大丈夫そうです」
一同 「「「イイネ!」」」
いっそ合流するのも無しで、と盛り上がるわけで。
ジョミー「どうせ、他人のふりをするかもなんだし…」
サム 「最初から無視でスルーだってか?」
シロエ 「ぼくたちだけで、行っちゃいますか?」
福笹を頂いたら直ぐに、大急ぎで、とシロエ君。
シロエ 「お参りは省略出来ませんけど…」
スウェナ「急ぎ足禁止とは、書いてないわよね」
サッサと済ませちゃいましょうよ、とスウェナちゃんも。
スウェナ「キースがいないと、ツイてるわけだもの」
Aブルー「困るんだけど!」
A船長 「皆さんも、どうぞご一緒に!」
揃ってお参りしてこそです、と言われましても。
ソレが迷惑…。
2025/02/20 (Thu)
☆ついて来るだけで
節分はお寺で七福神巡り、行きの路線バスで起こった事件。
後部座席が埋まっていたため、ソルジャー夫妻の福がパア。
Aブルー「頼むよ、バスの中では、この有様で…」
A船長 「福を逃してしまいましたし、その分、余計に…」
七福神様にお願いしたいわけです、とキャプテンの言。
A船長 「やはり面子が揃っていないと、厳しいかと…」
Aブルー「誠意をお見せしないとさ…」
キースだけでは足りないかも、とソルジャーも必死の形相。
Aブルー「ついて来てくれるだけで、充分だから!」
A船長 「お願い事を叫んでくれとは、申しませんから」
この通りです、とキャプテン、土下座せんばかり。
A船長 「来て下さったら、嬉しいのですが…」
Aブルー「ホントに、それでオッケーだってば!」
顔ぶれさえ例年通りになるのなら、と揃ってペコペコ。
A船長 「どうか、皆さん、ご一緒に…」
Aブルー「お参りに行って欲しいんだけど…」
シロエ 「あのですね…。ぼくたちは、今はツイていて…」
ジョミー「多分、キースがいないからでさ…」
このままツイてツキまくりたいよ、とジョミー君。
ジョミー「一緒に行っても、ツキが落ちるだけで…」
サム 「回って来るとは思えねえしよ」
Aブルー「そう言われても…!」
A船長 「なんとか、お願い出来ませんでしょうか…」
出来ることなら致しますので、とキャプテンも真剣でして。
A船長 「帰り道に、何か奢らせて頂いても…」
シロエ 「ぼくたちの方には、マツカ先輩がいますから…」
節分限定の食事も出来るわけです、とシロエ君の反論。
シロエ 「マツカ先輩、高級店でも行けますよね?」
マツカ 「お得意様向けの枠なら、あると思います」
思い立った時の飛び込み用に、とマツカ君。
マツカ 「何処にしますか?」
Aブルー「待ってよ、ぼくたちがババを引き受けるから!」
A船長 「何ですって!?」
ババというのは、とキャプテンが青ざめてますけど。
何がババ…?
2025/02/21 (Fri)
☆ババを引きたい人
節分は七福神巡りでお寺へ、迷惑な人たちと一緒ですけど。
行きのバスでの嫌すぎる座り方は、回避出来たわけでして。
Aブルー「ババと言ったら、そのままだけど?」
A船長 「そんなの引いたら、福を逃すじゃないですか!」
ババなんですし、とキャプテンの悪い顔色。
A船長 「七福神巡りに行く意味が無いですよ!」
Aブルー「その点だったら大丈夫! むしろ、逆にさ…」
福をドッサリ呼び込めるかもね、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「他のみんなに分けはしないで、二人占めで!」
一同 「「「二人占め?」」」
なんだソレは、と顔を見合わせる御一同様。
A船長 「あの…。二人占めとは、何のことです?」
Aブルー「ぼくと君とで二人いるから、二人占めだよ!」
一人占めとは違ってね、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「なにしろ、ババを引き受けるんだし!」
A船長 「ババで福など、呼べるんですか?」
Aブルー「普通のババとは、別物だから!」
ぼくと君とは、座るだけだよ、とソルジャーが立てる親指。
Aブルー「中へどうぞ、と言われた時にね!」
一同 「「「あっ!?」」」
もしかして…、と閃いた面々。
シロエ 「お堂に上がる羽目になったら、ですか?」
Aブルー「ピンポーン!」
ぼくとハーレイだけで、お堂へね、とソルジャーの説明。
Aブルー「君たちは、さっき相談していた通りにさ…」
サム 「他人のふりして、行っちまったらいいわけな?」
Aブルー「そう! 門の外に出て待っててくれれば…」
それでオッケー! とソルジャーが出して来た案。
Aブルー「正直、正座は嫌なんだけどね…」
A船長 「御利益を沢山、頂けそうではありますね」
他の皆さんが来ない分だけ、とキャプテンも乗り気。
A船長 「そのババ、喜んで引きますとも!」
Aブルー「そうだろう? 他のみんなは?」
一同 「「「イイネ!」」」
是非ともババを引いて下さい、と一致した意見。
ババは正座…。
2025/02/22 (Sat)
☆聞かれたらヤバい
節分はお寺で七福神巡り、行きの路線バスで決まった方針。
お堂に上がる羽目になったら、ソルジャー夫妻だけが同行。
シロエ 「正座しないで済むのは、助かりますよ」
ジョミー「しかも自分から言ってくれたしさ…」
サム 「今年の俺たち、ツイてるぜ!」
行く前から福が来てるしよ、とサム君も嬉しそうな顔。
サム 「もっと沢山、来てくれねえかな」
スウェナ「欲張らない方が、いいんじゃないかしら…」
キースが許してくれるかしらね、とスウェナちゃん。
スウェナ「だってそうでしょ、キースだけがババだもの」
シロエ 「どういう意味です?」
スウェナ「キースは、法衣で来る羽目になって…」
其処の二人を引率なのよ、とスウェナちゃんの冷静な分析。
スウェナ「他人のふりして逃げるコースも、筒抜けで…」
一同 「「「あっ!」」」
二人しか行かない時点でバレる、と誰もが顔面蒼白。
シロエ 「そ、そうでした…!」
ジョミー「お前たち、どうして来ないんだ、って…」
サム 「あいつ、聞くよな、絶対に…」
Aブルー「その辺は、君たちの運次第かな…」
聞かれた場合は、ぼくが正直に…、とソルジャーの笑み。
Aブルー「ぼくたちがババを引き受けました、と…」
シロエ 「喋る気、満々なわけですね…」
Aブルー「ピンポーン!」
聞かれない方に賭けるしかないね、とニコニコと。
Aブルー「あっ、そろそろかな?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 次のバス停だよ!」
Aブルー「オッケー、キースの着替えも済んでるし…」
着いたら瞬間移動で呼んで合流、と親指をグッ。
Aブルー「次、降りまーす!」
A船長 「降車ボタンは、コレでしたよね」
キャプテンがボタンを押すまでもなく、ご老人たちが。
老人A 「さて、次じゃ」
老人B 「福をしっかり頂かんと」
Aブルー「あの席、欲しかったんだけどなあ…」
A船長 「福ならババで来ますから!」
山ほど頂いて帰りましょう、と笑顔ですけど。
どうなる…?
2025/02/23 (Sun)
☆請求額だけで充分
節分は七福神巡りでお寺へ、路線バスで到着した御一同様。
法衣で来る羽目になったキース君も、瞬間移動で山門前へ。
Aブルー「今日はよろしく頼むよ、キース!」
A船長 「私からも、よろしくお願い致します」
キース 「まあ、いいが…。お袈裟のクリーニング代は…」
本当に払ってくれるんだろうな、とキース君の念押しが。
キース 「俺が着られる、最高のを選んで来たんだぞ?」
Aブルー「もちろんだよ! 請求書を回してくれたまえ」
キース 「ピッタリの額しか払わない気か?」
先渡しで、釣りはいらないとかは…、とキース君の渋面。
キース 「小遣いは山ほど持ってるくせに…」
Aブルー「アレは、ノルディの貢ぎ物だよ?」
そんなお金でも欲しいのかい、とソルジャーの問い。
Aブルー「エロドクターだっけか、嫌われてるよねえ…」
キース 「うっ…!」
嫌すぎるぞ、とキース君が震わせる肩。
キース 「分かった、請求額だけで充分だ!」
Aブルー「振り込みも、ぼくがしておこうか?」
キース 「そうしてくれ!」
触りたくもない金だからな、とキース君の引き攣った顔。
キース 「行くぞ、お参りするんだろう?」
Aブルー「そうだね、福笹、ゲットして来る!」
A船長 「絵馬に書くのは、いつものですね?」
Aブルー「夫婦和合に決まってるよ!」
キースも頼んでくれるしね、と急いで福笹ゲットでして。
Aブルー「はい、書けた! 準備オッケー!」
A船長 「私の絵馬も出来上がりました」
Aブルー「他のみんなは?」
シロエ 「福笹の絵馬は飾りですから、書きません!」
干支の絵だけでいいんですし、とシロエ君。
シロエ 「キース先輩、そうですよね?」
キース 「ああ。みんな、福笹は持ったようだな」
では行くぞ、と法衣でスタスタ。
Aブルー「いいねえ、福をドッサリ呼べそうだよ!」
A船長 「プロのお坊さんなのが、有難いですね」
本職ですから、と喜んでいる人たちですけど。
効果は…?
2025/02/24 (Mon)
☆誤魔化せたババ
節分はお寺で七福神巡り、福笹を頂いて、いよいよお参り。
法衣のキース君が先頭に立って、まずは最初の所の境内へ。
Aブルー「お堂の中に入れるトコかな?」
A船長 「入りたいんですか? ババで正座ですよ」
福笹を持った人たちの会話で、キース君が振り返った背後。
キース 「おい。ババというのは、何の話だ?」
一同 (((ヤバい…)))
正座させられる以前にバレるヤツだ、と一同、顔面蒼白。
キース 「お前たちも、顔色が悪いようだが?」
シロエ 「いいえ、何でもありません!」
Aブルー「そうだよ、内輪の話だからね」
ハーレイと御利益二人占めだし、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「君は気にしないでくれたまえ」
キース 「ババで正座と聞こえたが?」
A船長 「私個人の話なんです、慣れてませんから」
法要には来ていませんので、とキャプテンが出した助け舟。
A船長 「キツイ座り方なのは、存じておりますし…」
キース 「なるほどな。個人的にババだ、と」
A船長 「はい…。不甲斐ないとは思うのですが…」
Aブルー「御利益のためなら、ババでも我慢だってば!」
正座でオッケー! とソルジャーが突き上げる拳。
Aブルー「福をドッサリ呼び込みたいしね!」
キース 「言い方が悪いと思うんだが…」
まあいいだろう、とキース君、納得した模様。
キース 「行くぞ、ご住職がお待ちかねのようだしな」
一同 「「「はいっ!」」」
出来れば外からお参りで、と受付の方へ。
受付の人「はい、どうぞ。こちらがお札ですので…」
Aブルー「福笹に結べばいいんだよね?」
住職 「そうです、お好きな所にどうぞ」
ところで…、と住職の視線がキース君に。
住職 「こちらの皆さんは、お連れ様ですか?」
キース 「お参りしたい、と頼まれましたので」
住職 「それでわざわざ、お袈裟まで、と…」
キース 「そうなんです」
失礼があってはいけませんから、と深々とお辞儀。
この後は…?
2025/02/25 (Tue)
☆バレた顔ぶれ
七福神巡りがスタートですけど、最初のお寺で住職が登場。
法衣のキース君がお辞儀で、其処から先が気になるわけで。
住職 「左様でしたか、璃母恩院の方のお寺からですね」
キース 「はい。こちらに比べて、緩いですから…」
この髪型で失礼します、とキース君が繰る本式の長い数珠。
キース 「御本尊様に、お参りさせて頂きますので…」
住職 「ありがとうございます。よろしかったら…」
お堂の方へ、と住職、合掌。
住職 「お経が違うくらいは、全く問題ございません」
キース 「ご厚意、有難くお受け致します」
では、とキース君が振り返る、後ろの面々。
キース 「お堂に上げて頂けるそうで、皆さんは…」
シロエ 「外の方からお参りですね」
住職 「そう仰らずに、皆様もどうぞ」
お連れ様はお二人とばかり…、と住職が見回す顔ぶれ。
住職 「そちらの、小さなお子様も、お連れ様で?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ いつも来てるよ!」
節分の日は七福神巡り! と飛び跳ねる無邪気なお子様。
住職 「なるほど、それは気が付きませんで…」
ぶるぅ 「ううん、ちっとも!」
住職 「いい子ですなあ、是非、中に入ってお参りを…」
ぶるぅ 「ありがとう! みんな、行こうよ!」
お堂だって、と大喜びで元気一杯に声掛け。
ぶるぅ 「シロエもジョミーも、みんな行けるし!」
一同 (((うわー…)))
なんてこったい、と誰もが内心、泣きそうな展開。
ぶるぅ 「早く、早くぅーっ!」
住職 「遠慮なさらず、おいで下さい」
一同 (((…最悪…)))
しかも、ぶるぅ、と文句の言いようもない御一同様。
キース 「どうした、何を固まっているんだ?」
シロエ 「いえ、有難すぎる話ですから…」
Aブルー「本当にね! お堂だってさ、御利益たっぷり!」
住職 「福を沢山頂いて、お帰り下さいね」
キース 「感謝いたします」
皆も失礼が無いように、と念を押してますけど。
お堂コース…。
2025/02/26 (Wed)
☆福豆だそうです
七福神巡りを始めた最初のお寺で、お堂に上がるコースに。
しかも「そるじゃぁ・ぶるぅ」が大喜びで、回避は不可能。
住職 「こちらの方から、お上がり下さい」
キース 「恐れ入ります」
住職 「なんの、このくらいはさせて頂きませんと」
せっかくのお参りですからな、と住職の人のいい笑顔。
住職 「では、私は受付の方へ戻りますので…」
キース 「すみません、お手間をお掛けしました」
住職 「いえいえ、お帰りの際には、お声掛けを」
福豆を御用意いたしますので、とニコニコと。
Aブルー「えっ、福豆!?」
住職 「本来でしたら、豆まきの法要の方で…」
手に入れて頂くしかないのですが、と説明が。
住職 「しかし、毎年、奪い合いでして…」
キース 「そう聞いております、時間も午後ですし…」
毎年、その前に帰っておりまして、とキース君、お詫び。
キース 「いるべきだとは思うのですけれど…」
住職 「いやいや、寒いですからなあ…」
お帰りになるのが賢明ですよ、と住職も苦笑する寒さ。
住職 「それでは、ごゆっくり、お参りを」
キース 「ありがとうございます」
合掌し合って一礼の後、住職は戻ってゆきまして。
キース 「行くぞ、お堂でお参りだしな」
シロエ 「そのようですね…」
サム 「なんで連れだとバレるんだよ…」
ジョミー「ぶるぅに言われちゃ、どうしようもさ…」
逃げるわけにもいかないし、とジョミー君、泣きそう。
ジョミー「せめて、お経は短めで…」
キース 「省略したなら、すぐにバレるぞ」
サム 「マジかよ、宗派が違うんだぜ?」
キース 「基本の部分は共通だしな」
すっ飛ばしたらバレる仕様だ、とキース君の睨み。
キース 「分かったら上がって、サッサと座れ!」
一同 「「「はーい…」」」
Aブルー「福豆だってさ、有難いねえ…」
A船長 「特別に下さるわけですし…」
福が来るのは間違いないです、と喜んでますけど。
正座でお参り…。
2025/02/27 (Thu)
☆福を呼べる福豆
七福神巡り、最初のお寺で、お堂コースになった御一同様。
しかも「そるじゃぁ・ぶるぅ」が原因、責められない展開。
キース 「よし、座ったな。では、始めるぞ」
Aブルー「お経も、福が来るように、全力でね!」
キース 「璃母恩院のメンツにかけても、失敗は出来ん」
多少、勝手が違うんだがな、と言いつつ、お経スタートで。
キース 「願我~心浄~ 如香炉~…」
一同 (((此処から先が長いんだ…)))
足が痺れる、と思っても無駄で、ようやく締めの部分に。
キース 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
一同 (((やっと終わりだ…)))
法話が無い分、少しマシかも、と南無阿弥陀仏で読経終了。
キース 「南無阿弥陀仏…。さて、次へ行くとするか」
Aブルー「その前に、福豆を貰わないと…」
あの人だよね、とソルジャー、お堂を出るなり突撃でして。
Aブルー「お参り、終わりました!」
住職 「聞こえてましたよ、いい声の御方ですな」
御本尊様も喜ばれます、と住職が取り出す福豆の袋。
住職 「皆様、お一つずつどうぞ」
一同 「「「ありがとうございます!」」」
正座はともかく福豆は嬉しい、と誰もが大喜び。
キース 「御住職、お世話になりました」
住職 「いえいえ、他の塔頭には負けられません」
うちのが一番効く筈ですぞ、と住職の太鼓判。
住職 「召し上がって福を頂いて下さい」
一同 「「「はいっ!」」」
恵方巻とセットで夜に食べます、と一礼、出発ですけど。
Aブルー「此処のが一番効くよね、きっと!」
キース 「恐らく、何処も自信たっぷりで福豆だろう」
ブルー 「関係者用の枠だし、御祈祷がね…」
より念入りになってる仕様、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「残りも正座で頑張りたまえ」
シロエ 「マジですか…」
キース 「御利益勝負に出るだろうしな」
一同 「「「うわー…」」」
全部お堂か、と嘆いてますけど。
今月、これにて中継終了~。
2025/02/28 (Fri)
節分は七福神巡りでお寺へ、迷惑な人たちが来るのも恒例。
それをキース君に丸投げ、ソルジャーも文句は無いそうで。
Aブルー「悪目立ちするって、行先はお寺なのに?」
A船長 「同業者の方が、揃っておられますが?」
キース 「だが、服装が違い過ぎるんだ!」
あちらは作務衣と略式だぞ、とキース君の反論。
キース 「お袈裟まで着けている人を、見たとでも?」
シロエ 「言われてみれば、そうかもですね…」
サム 「七福神様のトコにいる人、輪袈裟だよなあ?」
それぞれの寺の御住職だぜ、とサム君も。
サム 「本式の袈裟の人は、見たことねえような…」
シロエ 「中でやってる法要の方なら、いるかもですよ」
ジョミー「あー…。豆まきの前に、やるらしいよね」
そっちまでは回っていないからさ…、とジョミー君。
ジョミー「キースが正装で行った場合は、目立つのかも…」
キース 「正解だ。関係者と間違われはしないだろうが…」
見た目の年がコレだからな、とキース君が指す自分の顔。
キース 「とはいえ、何処かの寺から来ているわけで…」
Aブルー「何か問題あるとでも?」
キース 「もしかしたら、外からお参りでは済まなくて…」
お堂に上がる羽目になりそうな気が…、と繰る数珠レット。
キース 「そうなれば、更に悪目立ちで…」
シロエ 「でも、キース先輩だけでしょう?」
ぼくたちは外でいいんですよね、とシロエ君の問い。
シロエ 「お堂だったら、正座が必須ですから…」
ジョミー「嫌すぎるよ、ソレ!」
Aブルー「ぼくも嫌だよ、キースだけかい?」
正座することになるのはさ、とソルジャーも。
Aブルー「法要の時なら、耐えられるけど…」
シロエ 「毎回、巻き込んでくれてますよね…」
節分までは遠慮します、とシロエ君。
シロエ 「正座するのは、誰になるんです?」
キース 「俺にも謎だ」
一同 「「「ええっ!?」」」
まさか正座でお参りなのか、と引いてますけど。
謎だと…?
2025/02/16 (Sun)
☆行くまでは謎
節分はお寺で七福神巡り、今年も避けられなかったわけで。
迷惑な人たちをキース君に丸投げ、それでいけそうなのに。
シロエ 「謎というのは、何故なんですか?」
サム 「同じ寺だし、分かるんじゃねえのかよ?」
違う宗派の寺にしたって、とサム君の指摘。
サム 「座禅の寺には違いねえけど…」
スウェナ「お堂に上がるかどうかも、違ってくるわけ?」
座禅だけに…、とスウェナちゃんが傾げる首。
スウェナ「だけど、座禅が必須とかじゃないでしょ?」
シロエ 「ですよね、それだと困る人たちが多そうで…」
ジョミー「法事の時でも座禅スタイルとか、無理ゲーだよ」
マツカ 「服装自体が、向いていないと思いますけど…」
法事に出るなら喪服ですし、とマツカ君も。
マツカ 「座禅が出来る服じゃないです」
サム 「スーツのズボンが破れそうだぜ…」
スウェナ「男はいいけど、女性の場合はどうなるのよ?」
喪服はスカートが正式だわよ、とスウェナちゃん。
スウェナ「スカートで座禅の座り方は、いくら何でも…」
シロエ 「酷いなんてレベルじゃありませんよね…」
マツカ 「ぼくも、そのように思いますから…」
お堂に上がるなら正座でしょうね、とマツカ君の見解。
マツカ 「座り方だけは、座禅よりマシな気がします」
ジョミー「マシかもだけど、正座なんだよ?」
Aブルー「足が痺れて痛くなるヤツで…」
お堂に上がるかどうかは、重要だよ、とソルジャーの言。
Aブルー「プロなのに謎とか、有り得ないから!」
シロエ 「それとも、キース先輩の勉強不足ですか?」
キース 「違う、向こうの気持ち次第で…」
どう転ぶかが謎なだけだ、とキース君が繰る数珠レット。
キース 「皆さんで上がってお参りを、と言われるか…」
シロエ 「代表の方だけ中へどうぞ、かが謎なんですね?」
キース 「そういうことだ、まるで分からん」
一同 「「「あー…」」」
出たトコ勝負というヤツか、と納得の理由。
確かに謎…。
2025/02/17 (Mon)
☆門の外で待てば
節分は七福神巡りでお寺へ、迷惑な人たちも来るのが恒例。
それをキース君に丸投げしたのに、巻き添えを食らいそう。
シロエ 「あのですね…。その場で臨機応変に…」
ジョミー「何をするわけ?」
シロエ 「他人のふりというヤツですよ」
お堂に上がるパターンだったら、とシロエ君の案。
シロエ 「キース先輩は、あくまで単独行動で…」
サム 「俺たちは、たまたま近くにいただけってか?」
スウェナ「いけそうだわね、行列とかでもそうなんだもの」
前後の人と一緒に来たとは限らないわ、とスウェナちゃん。
スウェナ「次の方どうぞ、で何人動くかは不明だわよ」
ジョミー「そっか、キースが上がる羽目になっても…」
サム 「知らん顔でいれば、いいってことな?」
シロエ 「そうなりますね、回れ右でもいいくらいです」
サッサとお参りしてしまって…、とシロエ君が推すコース。
シロエ 「門の外まで出れば、中から見えませんから…」
サム 「外でキースを待つだけかよ」
ジョミー「どうせ寒いの、変わらないしね」
ソレで行こう、とジョミー君、親指をグッと。
ジョミー「あっ、バスが来たから、キースはさ…」
Aブルー「分かった、瞬間移動で送るから!」
いい袈裟を選んでくれたまえ、と青いサイオンがキラリ。
Aブルー「はい、送った!」
A船長 「正装に着替えて、お寺で合流ですね」
御利益が増えるのが嬉しいですよ、とキャプテンの笑顔。
A船長 「では、乗りましょうか」
Aブルー「うんっ! …あれっ?」
いつもの席が空いてないよ、とソルジャーの目が真ん丸に。
Aブルー「一番後ろの、広い席がさ…」
A船長 「本当ですね…」
待っている内に空くでしょうか、とキャプテンも困り顔。
A船長 「あの席でないと、いつもの座り方が…」
Aブルー「出来ないんだけど…」
シロエ 「諦めるしかないでしょうね」
Aブルー「そんな…!」
バスの御利益を逃しそうだよ、と言ってますけど。
諦めるしか…。
2025/02/18 (Tue)
☆空いていない席
節分はお寺で七福神巡り、今年も避けられなかったわけで。
迷惑な人たちと路線バスで出発、其処で想定外の事態発生。
Aブルー「諦めるしかないって、どうしてさ?」
A船長 「待っていれば、その内に空きそうですよ」
なにしろ路線バスですから、とキャプテンは空くのを期待。
A船長 「それまでは、他の座席で我慢しましょう」
Aブルー「そうだね、お寺に着くまでに空きさえすれば…」
シロエ 「残念ですけど、空かないでしょうね」
座っている人たちを、ちゃんと見て下さい、とシロエ君。
シロエ 「何処から見たって、ご老人の団体様です」
サム 「近くの座席も、同じ団体みたいだぜ?」
ジョミー「老人会で、揃ってお出掛けかな?」
シロエ 「ええ、多分。でもって、今日は節分ですし…」
行先は、きっと同じですよ、とシロエ君が言った所で。
老人A 「今年は豆まきの時間まで、いようと思うんじゃ」
老人B 「いいですなあ、福豆を授かって帰れますし」
老人C 「帰りに、その辺で、早めの晩飯も良さそうで…」
老人D 「ちょっと一杯、頂いて温まって…」
ゆっくり家路に着くとしますか、と賑やかに始まった相談。
老人A 「どうですかな、そっちの皆さん方は?」
老人E 「大いに賛成、恵方巻も食えますしな」
老人F 「その案でいいと思いますぞ」
老人A 「では、これで決まりでよろしいな?」
老人一同「「「さんせーい!」」」
帰りに一杯、と盛り上がっている御老人たち。
シロエ 「どうです、言った通りでしょう?」
Aブルー「そ、そんな…!」
A船長 「バスで御利益を頂くどころか…」
Aブルー「乗って行くだけ…?」
酷すぎる、と嘆いてみても、席は空かないわけでして。
Aブルー「仕方ないよね、空いている席に座るしか…」
A船長 「その分、キースに期待ですよ」
Aブルー「全力でお参りして貰うしか…」
A船長 「きっと効きます!」
合流出来たら運が向きます、と慰めてますけど。
どうだか…。
2025/02/19 (Wed)
☆いないとツキが
節分は七福神巡りでお寺へ、路線バスで行くのが毎年恒例。
後部座席でソルジャー夫妻が座る方法も、お約束ですけど。
シロエ 「当たりでしたね、今年は」
ジョミー「あの座り方だけは、嫌すぎるしね…」
キャプテンの膝に、ソルジャーが座ってゆくスタイル。
ジョミー「あそこの席が埋まっていたら、出来ないしさ」
サム 「マジで俺たち、ツイてるよな」
シロエ 「キース先輩、いませんしね」
一同 「「「は?」」」
ソレとどういう関係があると、と誰もがキョトン。
スウェナ「キースがいないと、得をするとかあるかしら?」
サム 「七福神巡りに行ったら、正座の危機だぜ?」
ジョミー「キースが法衣を着て来るせいだよ?」
ちっともツイていないんだけど、とジョミー君が傾げる首。
ジョミー「いない今だけ、お得だとか?」
シロエ 「いえ、此処にいないというのがいいんですよ」
なにしろ厄病仏ですから、とシロエ君が立てる人差し指。
シロエ 「いないだけでも、厄を持ち込む心配がですね…」
サム 「あー、要らねえって理屈なのな!」
シロエ 「そうなんです。お蔭で、バスの座席の方も…」
あんな具合に埋まりましたよ、と解説が。
シロエ 「此処から先も、合流するまでは大丈夫そうです」
一同 「「「イイネ!」」」
いっそ合流するのも無しで、と盛り上がるわけで。
ジョミー「どうせ、他人のふりをするかもなんだし…」
サム 「最初から無視でスルーだってか?」
シロエ 「ぼくたちだけで、行っちゃいますか?」
福笹を頂いたら直ぐに、大急ぎで、とシロエ君。
シロエ 「お参りは省略出来ませんけど…」
スウェナ「急ぎ足禁止とは、書いてないわよね」
サッサと済ませちゃいましょうよ、とスウェナちゃんも。
スウェナ「キースがいないと、ツイてるわけだもの」
Aブルー「困るんだけど!」
A船長 「皆さんも、どうぞご一緒に!」
揃ってお参りしてこそです、と言われましても。
ソレが迷惑…。
2025/02/20 (Thu)
☆ついて来るだけで
節分はお寺で七福神巡り、行きの路線バスで起こった事件。
後部座席が埋まっていたため、ソルジャー夫妻の福がパア。
Aブルー「頼むよ、バスの中では、この有様で…」
A船長 「福を逃してしまいましたし、その分、余計に…」
七福神様にお願いしたいわけです、とキャプテンの言。
A船長 「やはり面子が揃っていないと、厳しいかと…」
Aブルー「誠意をお見せしないとさ…」
キースだけでは足りないかも、とソルジャーも必死の形相。
Aブルー「ついて来てくれるだけで、充分だから!」
A船長 「お願い事を叫んでくれとは、申しませんから」
この通りです、とキャプテン、土下座せんばかり。
A船長 「来て下さったら、嬉しいのですが…」
Aブルー「ホントに、それでオッケーだってば!」
顔ぶれさえ例年通りになるのなら、と揃ってペコペコ。
A船長 「どうか、皆さん、ご一緒に…」
Aブルー「お参りに行って欲しいんだけど…」
シロエ 「あのですね…。ぼくたちは、今はツイていて…」
ジョミー「多分、キースがいないからでさ…」
このままツイてツキまくりたいよ、とジョミー君。
ジョミー「一緒に行っても、ツキが落ちるだけで…」
サム 「回って来るとは思えねえしよ」
Aブルー「そう言われても…!」
A船長 「なんとか、お願い出来ませんでしょうか…」
出来ることなら致しますので、とキャプテンも真剣でして。
A船長 「帰り道に、何か奢らせて頂いても…」
シロエ 「ぼくたちの方には、マツカ先輩がいますから…」
節分限定の食事も出来るわけです、とシロエ君の反論。
シロエ 「マツカ先輩、高級店でも行けますよね?」
マツカ 「お得意様向けの枠なら、あると思います」
思い立った時の飛び込み用に、とマツカ君。
マツカ 「何処にしますか?」
Aブルー「待ってよ、ぼくたちがババを引き受けるから!」
A船長 「何ですって!?」
ババというのは、とキャプテンが青ざめてますけど。
何がババ…?
2025/02/21 (Fri)
☆ババを引きたい人
節分は七福神巡りでお寺へ、迷惑な人たちと一緒ですけど。
行きのバスでの嫌すぎる座り方は、回避出来たわけでして。
Aブルー「ババと言ったら、そのままだけど?」
A船長 「そんなの引いたら、福を逃すじゃないですか!」
ババなんですし、とキャプテンの悪い顔色。
A船長 「七福神巡りに行く意味が無いですよ!」
Aブルー「その点だったら大丈夫! むしろ、逆にさ…」
福をドッサリ呼び込めるかもね、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「他のみんなに分けはしないで、二人占めで!」
一同 「「「二人占め?」」」
なんだソレは、と顔を見合わせる御一同様。
A船長 「あの…。二人占めとは、何のことです?」
Aブルー「ぼくと君とで二人いるから、二人占めだよ!」
一人占めとは違ってね、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「なにしろ、ババを引き受けるんだし!」
A船長 「ババで福など、呼べるんですか?」
Aブルー「普通のババとは、別物だから!」
ぼくと君とは、座るだけだよ、とソルジャーが立てる親指。
Aブルー「中へどうぞ、と言われた時にね!」
一同 「「「あっ!?」」」
もしかして…、と閃いた面々。
シロエ 「お堂に上がる羽目になったら、ですか?」
Aブルー「ピンポーン!」
ぼくとハーレイだけで、お堂へね、とソルジャーの説明。
Aブルー「君たちは、さっき相談していた通りにさ…」
サム 「他人のふりして、行っちまったらいいわけな?」
Aブルー「そう! 門の外に出て待っててくれれば…」
それでオッケー! とソルジャーが出して来た案。
Aブルー「正直、正座は嫌なんだけどね…」
A船長 「御利益を沢山、頂けそうではありますね」
他の皆さんが来ない分だけ、とキャプテンも乗り気。
A船長 「そのババ、喜んで引きますとも!」
Aブルー「そうだろう? 他のみんなは?」
一同 「「「イイネ!」」」
是非ともババを引いて下さい、と一致した意見。
ババは正座…。
2025/02/22 (Sat)
☆聞かれたらヤバい
節分はお寺で七福神巡り、行きの路線バスで決まった方針。
お堂に上がる羽目になったら、ソルジャー夫妻だけが同行。
シロエ 「正座しないで済むのは、助かりますよ」
ジョミー「しかも自分から言ってくれたしさ…」
サム 「今年の俺たち、ツイてるぜ!」
行く前から福が来てるしよ、とサム君も嬉しそうな顔。
サム 「もっと沢山、来てくれねえかな」
スウェナ「欲張らない方が、いいんじゃないかしら…」
キースが許してくれるかしらね、とスウェナちゃん。
スウェナ「だってそうでしょ、キースだけがババだもの」
シロエ 「どういう意味です?」
スウェナ「キースは、法衣で来る羽目になって…」
其処の二人を引率なのよ、とスウェナちゃんの冷静な分析。
スウェナ「他人のふりして逃げるコースも、筒抜けで…」
一同 「「「あっ!」」」
二人しか行かない時点でバレる、と誰もが顔面蒼白。
シロエ 「そ、そうでした…!」
ジョミー「お前たち、どうして来ないんだ、って…」
サム 「あいつ、聞くよな、絶対に…」
Aブルー「その辺は、君たちの運次第かな…」
聞かれた場合は、ぼくが正直に…、とソルジャーの笑み。
Aブルー「ぼくたちがババを引き受けました、と…」
シロエ 「喋る気、満々なわけですね…」
Aブルー「ピンポーン!」
聞かれない方に賭けるしかないね、とニコニコと。
Aブルー「あっ、そろそろかな?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 次のバス停だよ!」
Aブルー「オッケー、キースの着替えも済んでるし…」
着いたら瞬間移動で呼んで合流、と親指をグッ。
Aブルー「次、降りまーす!」
A船長 「降車ボタンは、コレでしたよね」
キャプテンがボタンを押すまでもなく、ご老人たちが。
老人A 「さて、次じゃ」
老人B 「福をしっかり頂かんと」
Aブルー「あの席、欲しかったんだけどなあ…」
A船長 「福ならババで来ますから!」
山ほど頂いて帰りましょう、と笑顔ですけど。
どうなる…?
2025/02/23 (Sun)
☆請求額だけで充分
節分は七福神巡りでお寺へ、路線バスで到着した御一同様。
法衣で来る羽目になったキース君も、瞬間移動で山門前へ。
Aブルー「今日はよろしく頼むよ、キース!」
A船長 「私からも、よろしくお願い致します」
キース 「まあ、いいが…。お袈裟のクリーニング代は…」
本当に払ってくれるんだろうな、とキース君の念押しが。
キース 「俺が着られる、最高のを選んで来たんだぞ?」
Aブルー「もちろんだよ! 請求書を回してくれたまえ」
キース 「ピッタリの額しか払わない気か?」
先渡しで、釣りはいらないとかは…、とキース君の渋面。
キース 「小遣いは山ほど持ってるくせに…」
Aブルー「アレは、ノルディの貢ぎ物だよ?」
そんなお金でも欲しいのかい、とソルジャーの問い。
Aブルー「エロドクターだっけか、嫌われてるよねえ…」
キース 「うっ…!」
嫌すぎるぞ、とキース君が震わせる肩。
キース 「分かった、請求額だけで充分だ!」
Aブルー「振り込みも、ぼくがしておこうか?」
キース 「そうしてくれ!」
触りたくもない金だからな、とキース君の引き攣った顔。
キース 「行くぞ、お参りするんだろう?」
Aブルー「そうだね、福笹、ゲットして来る!」
A船長 「絵馬に書くのは、いつものですね?」
Aブルー「夫婦和合に決まってるよ!」
キースも頼んでくれるしね、と急いで福笹ゲットでして。
Aブルー「はい、書けた! 準備オッケー!」
A船長 「私の絵馬も出来上がりました」
Aブルー「他のみんなは?」
シロエ 「福笹の絵馬は飾りですから、書きません!」
干支の絵だけでいいんですし、とシロエ君。
シロエ 「キース先輩、そうですよね?」
キース 「ああ。みんな、福笹は持ったようだな」
では行くぞ、と法衣でスタスタ。
Aブルー「いいねえ、福をドッサリ呼べそうだよ!」
A船長 「プロのお坊さんなのが、有難いですね」
本職ですから、と喜んでいる人たちですけど。
効果は…?
2025/02/24 (Mon)
☆誤魔化せたババ
節分はお寺で七福神巡り、福笹を頂いて、いよいよお参り。
法衣のキース君が先頭に立って、まずは最初の所の境内へ。
Aブルー「お堂の中に入れるトコかな?」
A船長 「入りたいんですか? ババで正座ですよ」
福笹を持った人たちの会話で、キース君が振り返った背後。
キース 「おい。ババというのは、何の話だ?」
一同 (((ヤバい…)))
正座させられる以前にバレるヤツだ、と一同、顔面蒼白。
キース 「お前たちも、顔色が悪いようだが?」
シロエ 「いいえ、何でもありません!」
Aブルー「そうだよ、内輪の話だからね」
ハーレイと御利益二人占めだし、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「君は気にしないでくれたまえ」
キース 「ババで正座と聞こえたが?」
A船長 「私個人の話なんです、慣れてませんから」
法要には来ていませんので、とキャプテンが出した助け舟。
A船長 「キツイ座り方なのは、存じておりますし…」
キース 「なるほどな。個人的にババだ、と」
A船長 「はい…。不甲斐ないとは思うのですが…」
Aブルー「御利益のためなら、ババでも我慢だってば!」
正座でオッケー! とソルジャーが突き上げる拳。
Aブルー「福をドッサリ呼び込みたいしね!」
キース 「言い方が悪いと思うんだが…」
まあいいだろう、とキース君、納得した模様。
キース 「行くぞ、ご住職がお待ちかねのようだしな」
一同 「「「はいっ!」」」
出来れば外からお参りで、と受付の方へ。
受付の人「はい、どうぞ。こちらがお札ですので…」
Aブルー「福笹に結べばいいんだよね?」
住職 「そうです、お好きな所にどうぞ」
ところで…、と住職の視線がキース君に。
住職 「こちらの皆さんは、お連れ様ですか?」
キース 「お参りしたい、と頼まれましたので」
住職 「それでわざわざ、お袈裟まで、と…」
キース 「そうなんです」
失礼があってはいけませんから、と深々とお辞儀。
この後は…?
2025/02/25 (Tue)
☆バレた顔ぶれ
七福神巡りがスタートですけど、最初のお寺で住職が登場。
法衣のキース君がお辞儀で、其処から先が気になるわけで。
住職 「左様でしたか、璃母恩院の方のお寺からですね」
キース 「はい。こちらに比べて、緩いですから…」
この髪型で失礼します、とキース君が繰る本式の長い数珠。
キース 「御本尊様に、お参りさせて頂きますので…」
住職 「ありがとうございます。よろしかったら…」
お堂の方へ、と住職、合掌。
住職 「お経が違うくらいは、全く問題ございません」
キース 「ご厚意、有難くお受け致します」
では、とキース君が振り返る、後ろの面々。
キース 「お堂に上げて頂けるそうで、皆さんは…」
シロエ 「外の方からお参りですね」
住職 「そう仰らずに、皆様もどうぞ」
お連れ様はお二人とばかり…、と住職が見回す顔ぶれ。
住職 「そちらの、小さなお子様も、お連れ様で?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ いつも来てるよ!」
節分の日は七福神巡り! と飛び跳ねる無邪気なお子様。
住職 「なるほど、それは気が付きませんで…」
ぶるぅ 「ううん、ちっとも!」
住職 「いい子ですなあ、是非、中に入ってお参りを…」
ぶるぅ 「ありがとう! みんな、行こうよ!」
お堂だって、と大喜びで元気一杯に声掛け。
ぶるぅ 「シロエもジョミーも、みんな行けるし!」
一同 (((うわー…)))
なんてこったい、と誰もが内心、泣きそうな展開。
ぶるぅ 「早く、早くぅーっ!」
住職 「遠慮なさらず、おいで下さい」
一同 (((…最悪…)))
しかも、ぶるぅ、と文句の言いようもない御一同様。
キース 「どうした、何を固まっているんだ?」
シロエ 「いえ、有難すぎる話ですから…」
Aブルー「本当にね! お堂だってさ、御利益たっぷり!」
住職 「福を沢山頂いて、お帰り下さいね」
キース 「感謝いたします」
皆も失礼が無いように、と念を押してますけど。
お堂コース…。
2025/02/26 (Wed)
☆福豆だそうです
七福神巡りを始めた最初のお寺で、お堂に上がるコースに。
しかも「そるじゃぁ・ぶるぅ」が大喜びで、回避は不可能。
住職 「こちらの方から、お上がり下さい」
キース 「恐れ入ります」
住職 「なんの、このくらいはさせて頂きませんと」
せっかくのお参りですからな、と住職の人のいい笑顔。
住職 「では、私は受付の方へ戻りますので…」
キース 「すみません、お手間をお掛けしました」
住職 「いえいえ、お帰りの際には、お声掛けを」
福豆を御用意いたしますので、とニコニコと。
Aブルー「えっ、福豆!?」
住職 「本来でしたら、豆まきの法要の方で…」
手に入れて頂くしかないのですが、と説明が。
住職 「しかし、毎年、奪い合いでして…」
キース 「そう聞いております、時間も午後ですし…」
毎年、その前に帰っておりまして、とキース君、お詫び。
キース 「いるべきだとは思うのですけれど…」
住職 「いやいや、寒いですからなあ…」
お帰りになるのが賢明ですよ、と住職も苦笑する寒さ。
住職 「それでは、ごゆっくり、お参りを」
キース 「ありがとうございます」
合掌し合って一礼の後、住職は戻ってゆきまして。
キース 「行くぞ、お堂でお参りだしな」
シロエ 「そのようですね…」
サム 「なんで連れだとバレるんだよ…」
ジョミー「ぶるぅに言われちゃ、どうしようもさ…」
逃げるわけにもいかないし、とジョミー君、泣きそう。
ジョミー「せめて、お経は短めで…」
キース 「省略したなら、すぐにバレるぞ」
サム 「マジかよ、宗派が違うんだぜ?」
キース 「基本の部分は共通だしな」
すっ飛ばしたらバレる仕様だ、とキース君の睨み。
キース 「分かったら上がって、サッサと座れ!」
一同 「「「はーい…」」」
Aブルー「福豆だってさ、有難いねえ…」
A船長 「特別に下さるわけですし…」
福が来るのは間違いないです、と喜んでますけど。
正座でお参り…。
2025/02/27 (Thu)
☆福を呼べる福豆
七福神巡り、最初のお寺で、お堂コースになった御一同様。
しかも「そるじゃぁ・ぶるぅ」が原因、責められない展開。
キース 「よし、座ったな。では、始めるぞ」
Aブルー「お経も、福が来るように、全力でね!」
キース 「璃母恩院のメンツにかけても、失敗は出来ん」
多少、勝手が違うんだがな、と言いつつ、お経スタートで。
キース 「願我~心浄~ 如香炉~…」
一同 (((此処から先が長いんだ…)))
足が痺れる、と思っても無駄で、ようやく締めの部分に。
キース 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
一同 (((やっと終わりだ…)))
法話が無い分、少しマシかも、と南無阿弥陀仏で読経終了。
キース 「南無阿弥陀仏…。さて、次へ行くとするか」
Aブルー「その前に、福豆を貰わないと…」
あの人だよね、とソルジャー、お堂を出るなり突撃でして。
Aブルー「お参り、終わりました!」
住職 「聞こえてましたよ、いい声の御方ですな」
御本尊様も喜ばれます、と住職が取り出す福豆の袋。
住職 「皆様、お一つずつどうぞ」
一同 「「「ありがとうございます!」」」
正座はともかく福豆は嬉しい、と誰もが大喜び。
キース 「御住職、お世話になりました」
住職 「いえいえ、他の塔頭には負けられません」
うちのが一番効く筈ですぞ、と住職の太鼓判。
住職 「召し上がって福を頂いて下さい」
一同 「「「はいっ!」」」
恵方巻とセットで夜に食べます、と一礼、出発ですけど。
Aブルー「此処のが一番効くよね、きっと!」
キース 「恐らく、何処も自信たっぷりで福豆だろう」
ブルー 「関係者用の枠だし、御祈祷がね…」
より念入りになってる仕様、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「残りも正座で頑張りたまえ」
シロエ 「マジですか…」
キース 「御利益勝負に出るだろうしな」
一同 「「「うわー…」」」
全部お堂か、と嘆いてますけど。
今月、これにて中継終了~。
2025/02/28 (Fri)
☆三連休な人たち
さて、2月。初っ端から土曜日で、学校は休みな御一同様。
生徒会長宅で過ごすのが一番、けれど明後日は節分でして。
シロエ 「三連休になっちゃいましたね」
サム 「だよな、今年は日の並びがよ…」
ジョミー「土日を挟んで、節分だしね」
グレイブ先生の嫌味、半端なかったよ、とジョミー君。
ジョミー「欠席届けを出しに行ったら、今年もか、って…」
シロエ 「そりゃ言われますよ、休み続けて長いですから」
マツカ 「休日だった年を除けば、全部、欠席ですからね」
もはや年中行事ですよ、とマツカ君も。
マツカ 「それで、今年は何処にお参りするんでしょう?」
ジョミー「何処がいいかな、毎年、悩んじゃうけどさ…」
シロエ 「行先の方も、縛りが出来ていますしね…」
検討するだけ無駄なのでは…、とシロエ君の深い溜息。
シロエ 「ぼくたちだけなら、変えられますけど…」
サム 「絶対、あいつら、来るんだぜ?」
??? 「ピンポーン!」
大当たり! とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「今年も、いつものトコで頼むよ!」
シロエ 「七福神巡りのお寺ですよね…」
Aブルー「そう! ぼくのハーレイも来る気満々でさ…」
仕事の追い上げ中だよね、とソルジャー、親指をグッと。
Aブルー「特別休暇を取りかったら、頑張らないと!」
サム 「あんただけだと、ダメなのかよ?」
Aブルー「代理で済むようなモノじゃないしさ…」
夫婦揃ってお参りしてこそ、と心掛けだけは殊勝な人。
Aブルー「もしも、ハーレイが休暇を取れなかったら…」
シロエ 「ソルジャー公認で、サボリですか?」
Aブルー「残念ながら、ぼくに、其処までの権限は…」
与えられてはいないんだよ、とソルジャー、残念そう。
Aブルー「乱用するのが見えているから、厳しくってさ…」
一同 「「「あー…」」」
Aブルー「みんな、ホントにうるさくて…」
特にエラが、と名前を挙げてますけど。
そうでしょうねえ…。
2025/02/01 (Sat)
☆代参を頼んだら
今年は2月1日が土曜で、節分は2月3日になりますけど。
節分の時は欠席届けな御一同様、三連休になるわけでして。
シロエ 「こっちの世界でも、エラ先生、厳しいですしね」
サム 「融通が利かねえってトコは、一番だよな…」
ジョミー「グレイブ先生の方が、まだしも理解あるよね…」
遊び心も持っているしさ、とジョミー君。
ジョミー「エラ先生の前じゃ、冗談なんか言えないよ」
Aブルー「やっぱり似て来るモノなんだねえ…」
ぶるぅは全く逆なんだけど…、とソルジャーが竦める肩。
Aブルー「もしも、ぶるぅがいい子だったら…」
ブルー 「節分の代参、頼むのかい?」
Aブルー「頼めるような気がするよ…」
きっと全力で祈ってくれるし、とソルジャー、遠い目。
Aブルー「だけど現実は、祈るどころかパアにしそうで…」
一同 「「「あー…」」」
それはありそう、と頷くしかない御一同様。
シロエ 「お参りの作法からして、守る気しないですよ…」
サム 「柏手とか、打つ気しねえしよ…」
ジョミー「打つと思うよ、ただし、連打で!」
二礼二拍手一礼じゃなくて、とジョミー君が顎に当てる手。
ジョミー「二礼した後、拍手喝采で跳ね回るとかさ…」
シロエ 「やるかもですねえ、ポンポンを持って」
一同 「「「ポンポン?」」」
シロエ 「チアガールが持ってるヤツですよ」
でもって応援モードなんです、とシロエ君の斜め上な発想。
シロエ 「神様に向かって踊りまくって、応援ですね」
サム 「そういう応援、アリなのかよ?」
シロエ 「無いでしょうけど、ぶるぅですから…」
よろしくとばかり、踊りそうです、とクスクス笑い。
シロエ 「パアにするなら、そのくらいの勢いでしょう」
ジョミー「破壊力だけは半端ないよね、ソレ…」
Aブルー「そんな代参、お断りだし!」
シロエ 「普通、そうだと思います」
Aブルー「嫌すぎだよ!」
君たちだけの方が、まだマシ、と言ってますけど。
当然かと…。
2025/02/02 (Sun)
☆ポンポンで応援
今年の2月は1日が土曜で、日曜日を挟んで節分ですけど。
節分は欠席なシャン学メンバー、三連休になる勘定でして。
シロエ 「つまり応援は、お断りなんですね?」
Aブルー「破壊されるなんて、御免だから!」
年に一度のチャンスなのに、とソルジャーが握り締める拳。
Aブルー「夫婦和合をお願い出来るの、節分だけだし!」
シロエ 「分かりました、それじゃ、ぼくたちも…」
別行動にさせて頂きますね、とシロエ君。
シロエ 「でないと、全力で応援ですよ」
Aブルー「えっ!?」
それはどういう…、とソルジャーの問い。
Aブルー「まさか君たちが、ぶるぅみたいに…?」
シロエ 「ポンポンを持って、応援ですけど?」
それでいいなら、ご一緒します、とシロエ君、ニッコリ。
シロエ 「今から作れば間に合いますしね」
Aブルー「嫌すぎだから!」
そんな応援、とソルジャーの悲鳴。
Aブルー「祈願どころか、台無しじゃないか!」
シロエ 「いいえ、ぶるぅじゃないですから…」
破壊する気はありませんよ、とシロエ君の涼しい顔。
シロエ 「どう受け取るかは、神様次第かと」
Aブルー「アウトに決まっているだろう!」
サム 「俺的にも、遠慮しておきたいぜ…」
ポンポンを持って応援とかよ、とサム君もドン引き。
サム 「晒し物だぜ、SNSとかに上げられてよ…」
ジョミー「だよね、でもって拡散だよ…」
スウェナ「やるなら、一人でやりなさいよ!」
シロエが代表でいいじゃないの、とスウェナちゃん。
スウェナ「シロエだけでも、破壊力は充分あるでしょ!」
シロエ 「でもですね…。此処は足並みを揃えないと…」
例年通りに同行ですし、とシロエ君の真剣な表情。
シロエ 「いいですか? 却下されたら、別行動ですよ?」
ジョミー「あっ、そうか、別行動になるんなら…」
シロエ 「応援も何も無いですよね?」
一同 「「「イイネ!」」」
ポンポンを持って応援しよう、と皆が賛成ですけど。
応援…。
2025/02/03 (Mon)
☆断ったら別行動
初日が土曜な今年の2月、節分の日は月曜で三連休な面々。
欠席届けを出せばオッケー、けれど行先が選べないわけで。
Aブルー「君たちの応援、断った時は別行動だって?」
シロエ 「そうなりますけど?」
応援されたら困るんでしょう、とシロエ君、ピシャリと。
シロエ 「行くとなったら、応援させて頂きますから」
サム 「おう、全力で応援だぜ!」
ジョミー「ポンポン、急いで作らないとね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 材料、買いに行って来るよ!」
何色のポンポンがいいのかな、と家事万能なお子様。
ぶるぅ 「お揃いでないとダメだし、相談してね」
一同 「「「オッケー!」」」
色を決めよう、と一致団結、すぐに相談。
ジョミー「定番の色って、あるんだっけ?」
シロエ 「学校とかのカラーとかなら、ありますけど…」
サム 「俺たちの場合は、特にねえしよ…」
キース 「悪趣味な色がいいと思うぞ」
個人的に恨みがあるからな、とキース君の提案が。
キース 「ショッキングピンクで、ラメ入りはどうだ?」
シロエ 「あー、この前のエプロンの恨みですね…」
キース 「その件は、忘れろと言った筈だが?」
シロエ 「は、はいっ! 失礼しました!」
派手なピンクを推すんですね、とシロエ君が切り替える話。
シロエ 「ぼくに異存はありませんけど」
サム 「その方向でいいんでねえの?」
ジョミー「ラメ入りだと、見た目も強烈だしね」
ぶるぅ 「分かった、ピンクでラメ入りだね!」
一番派手なの買って来る、と張り切るお子様。
ぶるぅ 「んーと、全員分だから…」
Aブルー「おっと、買い出しに行く前に…」
ちょっとお願いしてもいいかな、とソルジャーが横から。
Aブルー「君たちが応援してくれるんなら、欲張って…」
シロエ 「何をです?」
Aブルー「応援だってば、この流れだしさ」
シロエ 「ミニスカートとかを、ご希望ですか?」
チアの定番ですからね、とシロエ君、平然。
断られますしね…。
2025/02/04 (Tue)
☆車内で立つのは
今年の2月は初日が土曜で、節分は欠席する面々は三連休。
いつも選べない行先ですけど、今年は選べそうな流れな今。
Aブルー「ミニスカートねえ…。履いてくれるのかい?」
シロエ 「チアな以上は、もちろんです!」
そうですよね、とシロエ君、皆を見回して確認。
シロエ 「断る人って、誰かいますか?」
サム 「いねえんでねえの?」
ジョミー「パンツが見えそうなミニでもオッケー!」
キース 「俺も断る理由は無いな」
マツカはどうだ、とキース君の視線がマツカ君に。
キース 「嫌なら、正直に言ってくれ」
マツカ 「断りませんよ、応援ですから」
スウェナ「私もだわね」
断る人は誰もいなくて、ミニスカートになりそうな応援。
Aブルー「だったら、お願いしようかな…」
一同 「「「イイネ!」」」
これで節分は自由の身だ、と誰もが突き上げる拳。
シロエ 「では、全力で応援させて頂きますね!」
Aブルー「ありがとう! ときに、車内は…」
立っていたって叱られないかな、とソルジャーの問い。
Aブルー「チアをするなら、立ちっぱなしだしさ…」
一同 「「「は?」」」
何の話だ、と首を傾げる御一同様。
シロエ 「社内って、何処の会社なんです?」
キース 「あんた、社長をやっていたのか?」
ノルディが持ってる会社なのか、とキース君も怪訝そう。
キース 「社長になっても、得をするとは思えないが…」
Aブルー「違うよ、車内は車だってば!」
一同 「「「車?」」」
ますます謎だ、と顔を見合わせるしかないわけでして。
キース 「車で、しかも立ちっぱなしとは…」
シロエ 「普通の車じゃないですよね…」
トラックの荷台か何かでしょうか、とシロエ君。
シロエ 「人を乗せたまま走ると、違反だったと思います」
キース 「その筈だ」
Aブルー「そうじゃなくって、乗れる車で!」
一同 「「「???」」」
節分に車は無関係では、と謎は深まるばかりですけど。
車内って…?
2025/02/05 (Wed)
☆応援して欲しい
初日が土曜な今年の2月、節分の日は欠席な面々は三連休。
例年は強制イベな行先の方も、好きに選ぶことが出来そう。
シロエ 「節分の行事に車って、ありましたっけ?」
キース 「知らないが…。お焚き上げをする所なら…」
あるいは出番があるのかも、とキース君が顎に当てる手。
キース 「古いお札がドッサリ来るから、その準備で」
ジョミー「でもさ、関係者しか乗れないんじゃあ?」
スウェナ「お参りの人は、お札を納めに行くだけでしょ」
キース 「そうだな、俺たちの出番は無さそうだ」
車内で立つとか、ソレ以前に…、とキース君。
キース 「こいつが何を言っているのか、真面目に謎だな」
Aブルー「忘れたのかい、毎年、乗っているのにさ…」
他人のふりをしているせいなのかな、とソルジャーの言。
Aブルー「ぼくとハーレイ、絶対、見ようとしないよね」
一同 「「「は?」」」
ますます謎だ、と誰もがキョトン。
シロエ 「他人のふりって、何なんでしょう?」
サム 「いつも巻き添えにしてるだろ?」
お参りも一緒にさせられるしよ、とサム君、ブツブツと。
サム 「年によっては、お願い事を叫ばされてよ…」
シロエ 「ありましたよねえ、悲惨すぎるの…」
Aブルー「君たち、わざとスルーじゃないだろうね?」
節分に行くには路線バスだよ、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「後部座席で、ぼくとハーレイが密着座りで!」
一同 「「「あー…」」」
アレか、と思い当たった面々、たちまち顔面蒼白。
シロエ 「ま、待って下さい、もしかしてですね…!」
キース 「車内で立つとは、路線バスの中で応援か!?」
Aブルー「ピンポーン!」
御利益を貰えた年もあったしね、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「行きのバスから、応援をして貰いたくって!」
シロエ 「ポンポンを持って、ミニスカートで…ですか?」
Aブルー「もちろんだよ!」
君たちの方から言い出したよね、と確認ですけど。
その通り…。
2025/02/06 (Thu)
☆交換条件で白紙
今年の2月は初日が土曜で、節分の日を欠席すれば三連休。
行先も好きに選べそうな流れで、喜んでいた面々ですけど。
Aブルー「同じ応援するんだったら、行きのバスから!」
一同 「「「ひぃぃっ!」」」
ソレは困る、と一同、ドン引き。
シロエ 「あのですね…! 車内で立つのはアウトかと…」
ジョミー「そうだよ、運転手さんに叱られるヤツで…」
サム 「混んでる時なら仕方ねえけどよ…」
キース 「その代わり、応援どころではないな」
寿司詰めのバスでチアは論外、とキース君の苦い顔付き。
キース 「あんたの希望は理解出来るが、不可能かと」
Aブルー「うーん…。だったら、バスの乗り降りの時に…」
バス停で応援をしてくれればね、とソルジャー、譲らず。
Aブルー「せっかく提案してくれたんだし、最大限に!」
シロエ 「お断りさせて頂きます!」
キース 「現場に限定だったからこそ、俺も乗ったんだ」
七福神巡りの時に限るぞ、とキース君の切り返し。
キース 「いいから、サッサと断ってくれ!」
ジョミー「ぼくたちが応援するっていうのをさ!」
そしたら他所に行けるんだし、とジョミー君も。
ジョミー「行きたいトコなら、他にあるから!」
Aブルー「ダメだよ、一緒に来て貰わないと!」
面子が欠けたら、七福神様に失礼だしさ、と食い下がる人。
Aブルー「来てくれるんなら、さっきの応援の件は…」
キース 「白紙撤回するんだな?」
Aブルー「君たちのチアも、白紙撤回で!」
交換条件ということでどうかな、とソルジャーの案。
Aブルー「例年通り、真面目にお参り!」
一同 「「「はいっ!」」」
その条件で結構です、と誰もがハハーッ! と。
シロエ 「ミニスカートもポンポンも、無しでいいです!」
キース 「俺も全力で祈らせて貰う」
ジョミー「ぼくも文句は言わないから!」
Aブルー「七福神巡りで、決定だね?」
もちろんハーレイも来るからさ、と笑顔ですけど。
仕方ないかと…。
2025/02/07 (Fri)
☆斜め上すぎた条件
初日が土曜だった2月ですけど、月曜日も休みな御一同様。
節分の日は欠席届けを出して欠席、その節分が本日でして。
シロエ 「おはようございます! 寒いですよね…」
サム 「バス停なんだし、仕方ねえよな」
ジョミー「風を避けられるトコじゃないもんね…」
道路の側から吹きっ晒しで、とジョミー君。
ジョミー「でもさ、身体が風で寒いよりもさ…」
シロエ 「心の方が冷えていますよ…」
どうせ今年もロクなことには…、とシロエ君の遠い目。
シロエ 「違う所にお参り出来たら、別でしたけれど…」
サム 「分かるぜ、痛いくらいによ…」
キース 「気分は最低最悪だしな…」
天国から地獄だっただけに、とキース君が繰る数珠レット。
キース 「俺の場合は、天国と言うより極楽になるが…」
ジョミー「途中まではさ、いけそうな感じだったのに…」
シロエ 「ものの見事にコケましたしね…」
ガッカリ度が半端ないんですよ、とシロエ君、深い溜息。
シロエ 「いい手だと思ったんですが…」
キース 「俺も乗り気でいたのにな…」
チアなぞしたいとも思わないが…、とキース君も。
キース 「あの馬鹿が避けてくれるのなら、とだな…」
ジョミー「ミニスカートまで、後付けしたのにね…」
ポンポンだけじゃなくってさ、とジョミー君も悔しそう。
ジョミー「あんな条件を出して来るなんて…」
シロエ 「斜め上にも程がありましたよね…」
路線バスの中で応援だなんて…、とシロエ君、ブツブツと。
シロエ 「ああ言われたら、こっちも詰みになりますし…」
サム 「悪知恵の回るヤツだけによ…」
キース 「最終兵器クラスだったな…」
全力で拒否りたくなるヤツだ、とキース君が言う通り。
キース 「衆人環視の路線バスの中で、チアをしろとは…」
シロエ 「バスの中では無理なんです、と返したら…」
ジョミー「バス停でやれ、って言い出したもんね…」
あんまりだってば、と愚痴ってますけど。
相手が悪すぎ…。
2025/02/08 (Sat)
☆引き受けて修行を
今年も節分は七福神巡りになって、バス停に集う御一同様。
別の所へ行けそうだったのに、迷惑な人がパアにした展開。
サム 「チアは勘弁して欲しいしよ…」
シロエ 「今年も結局、七福神巡りになるんですよね…」
何も無ければいいんですけど、とシロエ君の不安そうな顔。
シロエ 「なにしろ、例の人たちですし…」
キース 「俺に回してくれるなよ?」
ジョミー「えっ、回すって発想、無かったんだけど?」
そんなの想定していたわけ、とジョミー君の目が真ん丸に。
ジョミー「キースがババは、あるあるだけどさ…」
シロエ 「ぼくも、思いもしませんでした」
サム 「俺も、全然」
スウェナ「私だって、考えなかったわよ」
でも、回せるなら回したいわね、とスウェナちゃん。
スウェナ「全部、キースに丸投げ出来たら、安心だもの」
シロエ 「言えてますよね、覚悟はあるようですから」
キース 「逆だ!」
回して来るなと言っただろうが、とキース君の眉間に皺が。
キース 「いいな、俺には回すんじゃない!」
シロエ 「そう言わないで、快くですね…」
サム 「引き受けてくれたら、株が上がるぜ?」
それに、それでこそ坊主だよな、とサム君の言。
サム 「他人様の嫌がることも、進んでよ…」
シロエ 「やってこそだと思いますけど?」
キース 「なんで、そうなる!」
俺の親父は知ってるだろう、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「面倒なことは纏めて、俺に押し付けるんだが!」
ジョミー「知ってる。だからブルーには…」
サム 「まるで頭が上がらねえよな」
普段は威張り散らしててもよ、とサム君の指摘。
サム 「親父さんを超えたかったら、修行を積まねえと」
ジョミー「例の人たちを引き受けるのも、その一つでさ…」
シロエ 「功徳を積めるというものでしょう?」
スウェナ「此処は頑張るべきだわよ」
キース 「しかしだな…!」
あんな連中を引き受けろと、と呻いてますけど。
修行ですか…?
2025/02/09 (Sun)
☆聞いた件は貸しで
今年も節分は七福神巡りで、バス停に集った面々ですけど。
迷惑な人たちがやって来るわけで、キース君に丸投げ希望。
キース 「あんなヤツらを引き受けるのは…」
??? 「御免蒙る、と言いたいのかい?」
聞こえてたよ、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「君も一緒に聞いていたよね?」
??? 「はい、確かに」
聞こえました、とキャプテン(会話表記はA船長)も。
A船長 「おはようございます。今日はよろしく」
Aブルー「よかったよねえ、特別休暇が間に合って…」
A船長 「ギリギリでしたが、追い上げました」
年に一度のお参りですし…、とキャプテン、頑張った模様。
A船長 「ぶるぅの邪魔が入っていたら、詰みでしたね」
Aブルー「ホントにね…。節分には連れて来ないから…」
いつか暴れるような気がする、とソルジャーが竦める肩。
Aブルー「今の所は、留守番をさせていられるけど…」
A船長 「来ると言い出したら、悲劇ですよ…」
お参りをパアにされてしまって、とキャプテンも深い溜息。
A船長 「こちらでも、その危機だったそうですが…」
Aブルー「そうなんだよねえ…」
危うくクーデターだったし、とソルジャーの瞳に物騒な光。
Aブルー「ぶるぅを御せなくなる日も、近いのかも…」
A船長 「さっきの台詞を貸しにしますか?」
Aブルー「えっと…?」
A船長 「聞こえたヤツです、其処のキースが…」
引き受けるという話ですよ、とキャプテンが指すキース君。
A船長 「ぶるぅの相手は慣れていますし…」
Aブルー「あー、その時が来たら、押し付けると!」
いいと思う、とソルジャー、親指をグッと。
Aブルー「今日だけ、何かをして貰っても…」
A船長 「さほど得ではありませんから、貸しにして…」
Aブルー「利息もつくから、将来的には丸投げだね!」
キース 「ちょっと待て!」
Aブルー「何か?」
貸しにするより、払いたいと、と質問ですけど。
難問かも…。
2025/02/10 (Mon)
☆オススメは貸し
節分はお寺で七福神巡り、朝イチでバス停に集合ですけど。
迷惑な人たちはキース君に丸投げな案が、聞こえたそうで。
Aブルー「ぼくとしては、貸しにしたいんだけど?」
A船長 「その方が、断然お得ですしね」
ぶるぅを丸投げ出来るのですし、とキャプテンのプッシュ。
A船長 「ヤツのパワーは、年々、アップしていますから」
Aブルー「サイオンじゃなくて、悪戯がね…」
発想も破壊力も上がる一方、とソルジャーが広げる両手。
Aブルー「節分の時に押し掛けられたら、どうしようも…」
A船長 「現状でさえ、大惨事が予想されるかと…」
ですから貸しがオススメですよ、とキャプテン、目がマジ。
A船長 「貸し付けておけば、先になるほど得なヤツです」
Aブルー「たとえ1回限りでもね…」
最初の年を丸投げ出来るのは大きい、とソルジャーも同意。
Aブルー「何をやらかすのか、方向性さえ謎なだけにさ」
A船長 「そうでしょう? 最初が一番、危険ですとも」
人類軍にも言えることですが、とキャプテンの真剣な表情。
A船長 「最新鋭の兵器で来られた場合、初手を躱せば…」
Aブルー「立て直しをする時間が取れるからねえ…」
迎撃態勢を整えられるよ、とソルジャーも。
Aブルー「ぶるぅの悪戯にしても、同じことだね」
A船長 「だからこそ、貸しにしておくべきです」
Aブルー「同感だよ。何年先かは分からないけど…」
一筆書いて貰えればね、とソルジャー、ズイと。
Aブルー「キース、サインだけでも充分だから…」
A船長 「是非とも、ぶるぅの件でよろしく」
今、文面を考えますから、とキャプテンが取り出すメモ帳。
A船長 「こういったことには、アナログがいいんですよ」
シロエ 「分かります。データは破損しますからね」
Aブルー「仕上げ用には、きちんとした紙が欲しいけど…」
ぶるぅ 「取って来る!」
キース 「だから、待てと!」
まだ俺は返事していない、と叫んでますけど。
どうしたいと?
2025/02/11 (Tue)
☆取り下げるのなら
節分は七福神巡りでお寺へ、今年も行くしかない御一同様。
朝イチでバス停に集合、迷惑な人たちもやって来まして…。
Aブルー「貸しにされるのは嫌なのかい?」
キース 「先延ばしになるほど、詰むヤツだからな!」
ぶるぅがパワーアップするんだろうが、とキース君の叫び。
キース 「そんなブツを、引き受けるのは御免蒙りたい!」
Aブルー「うーん…。でもねえ、お得なコースはさ…」
A船長 「貸しにしておく方なんですよ」
そちらでお願い出来ませんか、とキャプテンが指すメモ帳。
A船長 「文書は、すぐに作りますので…」
Aブルー「君はサインをするだけだしね」
キース 「現時点では、そうなるが…」
いつか返って来た時が怖い、とキース君の悪い顔色。
キース 「頼むから、今日で済まさせてくれ!」
Aブルー「そう言われても…。せっかくの名案なのに…」
A船長 「まったくです。取り下げるのは惜しすぎますよ」
よほど美味しい話でも出て来ない限りは、とキャプテンも。
A船長 「今年のお参りの御利益が、倍になるとかですね」
Aブルー「ソレだよ、頼むの、アリじゃないかな」
元はシロエが言い出したけど、とソルジャー、ニンマリ。
Aブルー「全員でやるって話だったし、丸投げでさ」
一同 「「「ええっ!?」」」
アレをキース君に丸投げなのか、と誰もがガクブル。
Aブルー「どうかしたかい?」
シロエ 「い、いえ、何でもありません!」
ジョミー「あのさ、ソレって、キースに限定だよね…?」
Aブルー「そうだね、丸投げ前提だから」
キース限定ってことになるけど、とソルジャー、即答。
Aブルー「君たちも異存は無いだろう?」
一同 「「「は、はいっ!」」」
そうであります、と一同、揃って最敬礼。
Aブルー「だってさ、これで決まりだね」
A船長 「いったい何が決まったんです?」
Aブルー「御利益が倍になるヤツだよ!」
二倍どころか三倍かもね、と笑顔ですけど。
本当に…?
2025/02/12 (Wed)
☆御利益を増やすには
今年も節分は七福神巡りでお寺へ、朝イチでバス停に集合。
迷惑な人たちもやって来まして、話を聞かれていたわけで。
A船長 「キースに頼めば、御利益が倍になるのですか?」
Aブルー「そう! 三倍以上も夢じゃないかも!」
A船長 「それと交換に、ぶるぅの件を取り下げる、と…」
よろしいでしょう、とキャプテン、メモ帳をポケットに。
A船長 「ところで、どういうヤツなのです?」
Aブルー「何がだい?」
A船長 「どんな具合に、キースが御利益を増やすのか…」
其処の所が謎なんです、とキャプテンが傾げる首。
A船長 「なにしろキースは、仏様ではありませんから」
Aブルー「まあねえ、厄病仏とは言われてるけど…」
一般人には違いないね、とソルジャーの視線がキース君に。
Aブルー「だけど、一般人でもいけるヤツがさ…」
A船長 「こっちの世界には、存在しているんですか?」
Aブルー「ピンポーン!」
ズバリ、応援というヤツだね、とソルジャー、笑顔全開。
Aブルー「キース、全力で応援お願いするよ!」
キース 「俺に、アレをやれと!?」
Aブルー「大丈夫! ぼくが頼みたいのは、七福神様で…」
バスの乗客じゃないからさ、と謎の台詞が。
Aブルー「七福神様の前でやったら、アウトらしいし…」
A船長 「何なんです、ソレは?」
Aブルー「ミニスカートを履いて、ポンポンを持って…」
踊りまくるつもりだったらしいよ、とソルジャーの暴露話。
Aブルー「しかもポンポン、派手なピンクでラメ入りで…」
A船長 「神様が怒りそうではありますね…」
Aブルー「だから代わりに、行きのバスでさ…」
A船長 「謹んで、お断りします!」
晒し物になるのは御免ですから、とキャプテン、即答。
A船長 「あなたは良くても、私には無理です!」
Aブルー「うーん…。でも、七福神様の方だから…」
A船長 「アウトなんでしょう?」
私も遠慮したいですね、と言ってますけど。
そうでしょうねえ…。
2025/02/13 (Thu)
☆応援アイテムは不要
節分は七福神巡りでお寺へ、朝イチでバス停に集った面々。
迷惑な人たちも登場、話を聞かれていたせいでピンチな今。
Aブルー「七福神様に叱られるのは、ぼくも困るんだよ」
A船長 「ならば、応援どころじゃないですから!」
やはり貸しにしておかないと、とキャプテンの手にメモ帳。
A船長 「ぶるぅを引き受けて貰う方が、お得ですよ!」
Aブルー「そうかもだけど、御利益を増やすコースもさ…」
安心安全なヤツなんだよ、とソルジャーが立てる人指し指。
Aブルー「ミニスカートもポンポンも、不要なんだし」
一同 「「「は?」」」
応援と言ったらソレなのでは、と誰もがキョトン。
シロエ 「えっと…? 言い出しっぺは、ぼくですけど…」
ジョミー「ポンポンは応援にセットものだよ?」
サム 「ミニスカートまで、つけた筈だぜ?」
断られるのを前提にしてよ、とサム君も。
サム 「断る代わりに、バスでやれって言い出してよ…」
シロエ 「全力で逃げた結果が、七福神巡りに同行して…」
お参りを強制されることに…、とシロエ君が振り返る過去。
シロエ 「キース先輩だけの場合は、不要なんですか?」
ジョミー「なんかズルイと思うんだけど…」
キースは大目に見るだなんて、とジョミー君も不満そう。
ジョミー「ミニスカートとか、目の暴力でもさ…」
シロエ 「此処は、やらせるべきですよね…」
キース 「勝手に話を進めやがって!」
Aブルー「ホントにねえ…」
説明が終わっていないのにさ、とソルジャーの深い溜息。
Aブルー「キースにしか出来ない応援なんだよ」
A船長 「そうなのですか?」
しかも御利益が増えるとは…、とキャプテンも不思議そう。
A船長 「詳しく聞かせて頂きたいのですが…」
Aブルー「オッケー! いいかい、キースはお坊さんで…」
A船長 「その件が関係していると?」
Aブルー「ピンポーン!」
お坊さんだからこそだよね、と笑顔ですけど。
どう関係が…?
2025/02/14 (Fri)
☆お坊さんの本気
節分はお寺で七福神巡り、バス停に来ている面々ですけど。
迷惑な人たちも登場でして、キース君に応援させるとかで。
A船長 「お坊さんだと、どんな応援が出来るんです?」
Aブルー「理屈は、ぼくにも分からないけど…」
なにしろ行先はお寺だし、とソルジャーの視線が副住職に。
Aブルー「一般人と違って、プロならではのお参りが…」
A船長 「なるほど、お経を唱えるとか…」
Aブルー「お経にしても、素人とは比較にならないし…」
七福神様の覚えも、めでたそうだよ、という指摘。
Aブルー「聞こえ方が違うと思うんだよね」
A船長 「ありそうです。耳の遠い方もおいでですから…」
Aブルー「そう! 恵比須様だったかな?」
キースが本気で頼んでくれれば、小声でも、と真剣な人。
Aブルー「キース、どうかな、ぼくの考えで合っている?」
キース 「それはまあ…」
Aブルー「ほらね、だからキースに頼んで貰って…」
御利益を増やす方向で、とソルジャー、やる気満々で。
Aブルー「やってくれるんなら、ぶるぅの話は白紙でさ…」
キース 「俺は拝むだけでいいんだな?」
Aブルー「キッチリ、本気モードでね!」
服装もソレじゃダメだろう、とキース君の服をジロジロと。
Aブルー「瞬間移動で送迎するから、お坊さんので!」
キース 「バスに間に合わないと思うんだが!」
じきに来るぞ、とキース君が指差す時刻表。
キース 「そうなれば、困るのは、あんたの方で…」
Aブルー「大丈夫! バスに乗るのは、ぼくたちだけで!」
君は現地で合流だよね、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「時間がたっぷり取れるわけだし、じっくりと…」
キース 「袈裟を選べと?」
輪袈裟はダメとか言われても…、とキース君の悪い顔色。
キース 「お袈裟は、クリーニング代が高くて…」
Aブルー「そのくらい、払ってあげるから!」
キース 「し、しかし…!」
悪目立ちしてしまうんだが、と焦ってますけど。
正装だけに…。
2025/02/15 (Sat)
さて、2月。初っ端から土曜日で、学校は休みな御一同様。
生徒会長宅で過ごすのが一番、けれど明後日は節分でして。
シロエ 「三連休になっちゃいましたね」
サム 「だよな、今年は日の並びがよ…」
ジョミー「土日を挟んで、節分だしね」
グレイブ先生の嫌味、半端なかったよ、とジョミー君。
ジョミー「欠席届けを出しに行ったら、今年もか、って…」
シロエ 「そりゃ言われますよ、休み続けて長いですから」
マツカ 「休日だった年を除けば、全部、欠席ですからね」
もはや年中行事ですよ、とマツカ君も。
マツカ 「それで、今年は何処にお参りするんでしょう?」
ジョミー「何処がいいかな、毎年、悩んじゃうけどさ…」
シロエ 「行先の方も、縛りが出来ていますしね…」
検討するだけ無駄なのでは…、とシロエ君の深い溜息。
シロエ 「ぼくたちだけなら、変えられますけど…」
サム 「絶対、あいつら、来るんだぜ?」
??? 「ピンポーン!」
大当たり! とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「今年も、いつものトコで頼むよ!」
シロエ 「七福神巡りのお寺ですよね…」
Aブルー「そう! ぼくのハーレイも来る気満々でさ…」
仕事の追い上げ中だよね、とソルジャー、親指をグッと。
Aブルー「特別休暇を取りかったら、頑張らないと!」
サム 「あんただけだと、ダメなのかよ?」
Aブルー「代理で済むようなモノじゃないしさ…」
夫婦揃ってお参りしてこそ、と心掛けだけは殊勝な人。
Aブルー「もしも、ハーレイが休暇を取れなかったら…」
シロエ 「ソルジャー公認で、サボリですか?」
Aブルー「残念ながら、ぼくに、其処までの権限は…」
与えられてはいないんだよ、とソルジャー、残念そう。
Aブルー「乱用するのが見えているから、厳しくってさ…」
一同 「「「あー…」」」
Aブルー「みんな、ホントにうるさくて…」
特にエラが、と名前を挙げてますけど。
そうでしょうねえ…。
2025/02/01 (Sat)
☆代参を頼んだら
今年は2月1日が土曜で、節分は2月3日になりますけど。
節分の時は欠席届けな御一同様、三連休になるわけでして。
シロエ 「こっちの世界でも、エラ先生、厳しいですしね」
サム 「融通が利かねえってトコは、一番だよな…」
ジョミー「グレイブ先生の方が、まだしも理解あるよね…」
遊び心も持っているしさ、とジョミー君。
ジョミー「エラ先生の前じゃ、冗談なんか言えないよ」
Aブルー「やっぱり似て来るモノなんだねえ…」
ぶるぅは全く逆なんだけど…、とソルジャーが竦める肩。
Aブルー「もしも、ぶるぅがいい子だったら…」
ブルー 「節分の代参、頼むのかい?」
Aブルー「頼めるような気がするよ…」
きっと全力で祈ってくれるし、とソルジャー、遠い目。
Aブルー「だけど現実は、祈るどころかパアにしそうで…」
一同 「「「あー…」」」
それはありそう、と頷くしかない御一同様。
シロエ 「お参りの作法からして、守る気しないですよ…」
サム 「柏手とか、打つ気しねえしよ…」
ジョミー「打つと思うよ、ただし、連打で!」
二礼二拍手一礼じゃなくて、とジョミー君が顎に当てる手。
ジョミー「二礼した後、拍手喝采で跳ね回るとかさ…」
シロエ 「やるかもですねえ、ポンポンを持って」
一同 「「「ポンポン?」」」
シロエ 「チアガールが持ってるヤツですよ」
でもって応援モードなんです、とシロエ君の斜め上な発想。
シロエ 「神様に向かって踊りまくって、応援ですね」
サム 「そういう応援、アリなのかよ?」
シロエ 「無いでしょうけど、ぶるぅですから…」
よろしくとばかり、踊りそうです、とクスクス笑い。
シロエ 「パアにするなら、そのくらいの勢いでしょう」
ジョミー「破壊力だけは半端ないよね、ソレ…」
Aブルー「そんな代参、お断りだし!」
シロエ 「普通、そうだと思います」
Aブルー「嫌すぎだよ!」
君たちだけの方が、まだマシ、と言ってますけど。
当然かと…。
2025/02/02 (Sun)
☆ポンポンで応援
今年の2月は1日が土曜で、日曜日を挟んで節分ですけど。
節分は欠席なシャン学メンバー、三連休になる勘定でして。
シロエ 「つまり応援は、お断りなんですね?」
Aブルー「破壊されるなんて、御免だから!」
年に一度のチャンスなのに、とソルジャーが握り締める拳。
Aブルー「夫婦和合をお願い出来るの、節分だけだし!」
シロエ 「分かりました、それじゃ、ぼくたちも…」
別行動にさせて頂きますね、とシロエ君。
シロエ 「でないと、全力で応援ですよ」
Aブルー「えっ!?」
それはどういう…、とソルジャーの問い。
Aブルー「まさか君たちが、ぶるぅみたいに…?」
シロエ 「ポンポンを持って、応援ですけど?」
それでいいなら、ご一緒します、とシロエ君、ニッコリ。
シロエ 「今から作れば間に合いますしね」
Aブルー「嫌すぎだから!」
そんな応援、とソルジャーの悲鳴。
Aブルー「祈願どころか、台無しじゃないか!」
シロエ 「いいえ、ぶるぅじゃないですから…」
破壊する気はありませんよ、とシロエ君の涼しい顔。
シロエ 「どう受け取るかは、神様次第かと」
Aブルー「アウトに決まっているだろう!」
サム 「俺的にも、遠慮しておきたいぜ…」
ポンポンを持って応援とかよ、とサム君もドン引き。
サム 「晒し物だぜ、SNSとかに上げられてよ…」
ジョミー「だよね、でもって拡散だよ…」
スウェナ「やるなら、一人でやりなさいよ!」
シロエが代表でいいじゃないの、とスウェナちゃん。
スウェナ「シロエだけでも、破壊力は充分あるでしょ!」
シロエ 「でもですね…。此処は足並みを揃えないと…」
例年通りに同行ですし、とシロエ君の真剣な表情。
シロエ 「いいですか? 却下されたら、別行動ですよ?」
ジョミー「あっ、そうか、別行動になるんなら…」
シロエ 「応援も何も無いですよね?」
一同 「「「イイネ!」」」
ポンポンを持って応援しよう、と皆が賛成ですけど。
応援…。
2025/02/03 (Mon)
☆断ったら別行動
初日が土曜な今年の2月、節分の日は月曜で三連休な面々。
欠席届けを出せばオッケー、けれど行先が選べないわけで。
Aブルー「君たちの応援、断った時は別行動だって?」
シロエ 「そうなりますけど?」
応援されたら困るんでしょう、とシロエ君、ピシャリと。
シロエ 「行くとなったら、応援させて頂きますから」
サム 「おう、全力で応援だぜ!」
ジョミー「ポンポン、急いで作らないとね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 材料、買いに行って来るよ!」
何色のポンポンがいいのかな、と家事万能なお子様。
ぶるぅ 「お揃いでないとダメだし、相談してね」
一同 「「「オッケー!」」」
色を決めよう、と一致団結、すぐに相談。
ジョミー「定番の色って、あるんだっけ?」
シロエ 「学校とかのカラーとかなら、ありますけど…」
サム 「俺たちの場合は、特にねえしよ…」
キース 「悪趣味な色がいいと思うぞ」
個人的に恨みがあるからな、とキース君の提案が。
キース 「ショッキングピンクで、ラメ入りはどうだ?」
シロエ 「あー、この前のエプロンの恨みですね…」
キース 「その件は、忘れろと言った筈だが?」
シロエ 「は、はいっ! 失礼しました!」
派手なピンクを推すんですね、とシロエ君が切り替える話。
シロエ 「ぼくに異存はありませんけど」
サム 「その方向でいいんでねえの?」
ジョミー「ラメ入りだと、見た目も強烈だしね」
ぶるぅ 「分かった、ピンクでラメ入りだね!」
一番派手なの買って来る、と張り切るお子様。
ぶるぅ 「んーと、全員分だから…」
Aブルー「おっと、買い出しに行く前に…」
ちょっとお願いしてもいいかな、とソルジャーが横から。
Aブルー「君たちが応援してくれるんなら、欲張って…」
シロエ 「何をです?」
Aブルー「応援だってば、この流れだしさ」
シロエ 「ミニスカートとかを、ご希望ですか?」
チアの定番ですからね、とシロエ君、平然。
断られますしね…。
2025/02/04 (Tue)
☆車内で立つのは
今年の2月は初日が土曜で、節分は欠席する面々は三連休。
いつも選べない行先ですけど、今年は選べそうな流れな今。
Aブルー「ミニスカートねえ…。履いてくれるのかい?」
シロエ 「チアな以上は、もちろんです!」
そうですよね、とシロエ君、皆を見回して確認。
シロエ 「断る人って、誰かいますか?」
サム 「いねえんでねえの?」
ジョミー「パンツが見えそうなミニでもオッケー!」
キース 「俺も断る理由は無いな」
マツカはどうだ、とキース君の視線がマツカ君に。
キース 「嫌なら、正直に言ってくれ」
マツカ 「断りませんよ、応援ですから」
スウェナ「私もだわね」
断る人は誰もいなくて、ミニスカートになりそうな応援。
Aブルー「だったら、お願いしようかな…」
一同 「「「イイネ!」」」
これで節分は自由の身だ、と誰もが突き上げる拳。
シロエ 「では、全力で応援させて頂きますね!」
Aブルー「ありがとう! ときに、車内は…」
立っていたって叱られないかな、とソルジャーの問い。
Aブルー「チアをするなら、立ちっぱなしだしさ…」
一同 「「「は?」」」
何の話だ、と首を傾げる御一同様。
シロエ 「社内って、何処の会社なんです?」
キース 「あんた、社長をやっていたのか?」
ノルディが持ってる会社なのか、とキース君も怪訝そう。
キース 「社長になっても、得をするとは思えないが…」
Aブルー「違うよ、車内は車だってば!」
一同 「「「車?」」」
ますます謎だ、と顔を見合わせるしかないわけでして。
キース 「車で、しかも立ちっぱなしとは…」
シロエ 「普通の車じゃないですよね…」
トラックの荷台か何かでしょうか、とシロエ君。
シロエ 「人を乗せたまま走ると、違反だったと思います」
キース 「その筈だ」
Aブルー「そうじゃなくって、乗れる車で!」
一同 「「「???」」」
節分に車は無関係では、と謎は深まるばかりですけど。
車内って…?
2025/02/05 (Wed)
☆応援して欲しい
初日が土曜な今年の2月、節分の日は欠席な面々は三連休。
例年は強制イベな行先の方も、好きに選ぶことが出来そう。
シロエ 「節分の行事に車って、ありましたっけ?」
キース 「知らないが…。お焚き上げをする所なら…」
あるいは出番があるのかも、とキース君が顎に当てる手。
キース 「古いお札がドッサリ来るから、その準備で」
ジョミー「でもさ、関係者しか乗れないんじゃあ?」
スウェナ「お参りの人は、お札を納めに行くだけでしょ」
キース 「そうだな、俺たちの出番は無さそうだ」
車内で立つとか、ソレ以前に…、とキース君。
キース 「こいつが何を言っているのか、真面目に謎だな」
Aブルー「忘れたのかい、毎年、乗っているのにさ…」
他人のふりをしているせいなのかな、とソルジャーの言。
Aブルー「ぼくとハーレイ、絶対、見ようとしないよね」
一同 「「「は?」」」
ますます謎だ、と誰もがキョトン。
シロエ 「他人のふりって、何なんでしょう?」
サム 「いつも巻き添えにしてるだろ?」
お参りも一緒にさせられるしよ、とサム君、ブツブツと。
サム 「年によっては、お願い事を叫ばされてよ…」
シロエ 「ありましたよねえ、悲惨すぎるの…」
Aブルー「君たち、わざとスルーじゃないだろうね?」
節分に行くには路線バスだよ、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「後部座席で、ぼくとハーレイが密着座りで!」
一同 「「「あー…」」」
アレか、と思い当たった面々、たちまち顔面蒼白。
シロエ 「ま、待って下さい、もしかしてですね…!」
キース 「車内で立つとは、路線バスの中で応援か!?」
Aブルー「ピンポーン!」
御利益を貰えた年もあったしね、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「行きのバスから、応援をして貰いたくって!」
シロエ 「ポンポンを持って、ミニスカートで…ですか?」
Aブルー「もちろんだよ!」
君たちの方から言い出したよね、と確認ですけど。
その通り…。
2025/02/06 (Thu)
☆交換条件で白紙
今年の2月は初日が土曜で、節分の日を欠席すれば三連休。
行先も好きに選べそうな流れで、喜んでいた面々ですけど。
Aブルー「同じ応援するんだったら、行きのバスから!」
一同 「「「ひぃぃっ!」」」
ソレは困る、と一同、ドン引き。
シロエ 「あのですね…! 車内で立つのはアウトかと…」
ジョミー「そうだよ、運転手さんに叱られるヤツで…」
サム 「混んでる時なら仕方ねえけどよ…」
キース 「その代わり、応援どころではないな」
寿司詰めのバスでチアは論外、とキース君の苦い顔付き。
キース 「あんたの希望は理解出来るが、不可能かと」
Aブルー「うーん…。だったら、バスの乗り降りの時に…」
バス停で応援をしてくれればね、とソルジャー、譲らず。
Aブルー「せっかく提案してくれたんだし、最大限に!」
シロエ 「お断りさせて頂きます!」
キース 「現場に限定だったからこそ、俺も乗ったんだ」
七福神巡りの時に限るぞ、とキース君の切り返し。
キース 「いいから、サッサと断ってくれ!」
ジョミー「ぼくたちが応援するっていうのをさ!」
そしたら他所に行けるんだし、とジョミー君も。
ジョミー「行きたいトコなら、他にあるから!」
Aブルー「ダメだよ、一緒に来て貰わないと!」
面子が欠けたら、七福神様に失礼だしさ、と食い下がる人。
Aブルー「来てくれるんなら、さっきの応援の件は…」
キース 「白紙撤回するんだな?」
Aブルー「君たちのチアも、白紙撤回で!」
交換条件ということでどうかな、とソルジャーの案。
Aブルー「例年通り、真面目にお参り!」
一同 「「「はいっ!」」」
その条件で結構です、と誰もがハハーッ! と。
シロエ 「ミニスカートもポンポンも、無しでいいです!」
キース 「俺も全力で祈らせて貰う」
ジョミー「ぼくも文句は言わないから!」
Aブルー「七福神巡りで、決定だね?」
もちろんハーレイも来るからさ、と笑顔ですけど。
仕方ないかと…。
2025/02/07 (Fri)
☆斜め上すぎた条件
初日が土曜だった2月ですけど、月曜日も休みな御一同様。
節分の日は欠席届けを出して欠席、その節分が本日でして。
シロエ 「おはようございます! 寒いですよね…」
サム 「バス停なんだし、仕方ねえよな」
ジョミー「風を避けられるトコじゃないもんね…」
道路の側から吹きっ晒しで、とジョミー君。
ジョミー「でもさ、身体が風で寒いよりもさ…」
シロエ 「心の方が冷えていますよ…」
どうせ今年もロクなことには…、とシロエ君の遠い目。
シロエ 「違う所にお参り出来たら、別でしたけれど…」
サム 「分かるぜ、痛いくらいによ…」
キース 「気分は最低最悪だしな…」
天国から地獄だっただけに、とキース君が繰る数珠レット。
キース 「俺の場合は、天国と言うより極楽になるが…」
ジョミー「途中まではさ、いけそうな感じだったのに…」
シロエ 「ものの見事にコケましたしね…」
ガッカリ度が半端ないんですよ、とシロエ君、深い溜息。
シロエ 「いい手だと思ったんですが…」
キース 「俺も乗り気でいたのにな…」
チアなぞしたいとも思わないが…、とキース君も。
キース 「あの馬鹿が避けてくれるのなら、とだな…」
ジョミー「ミニスカートまで、後付けしたのにね…」
ポンポンだけじゃなくってさ、とジョミー君も悔しそう。
ジョミー「あんな条件を出して来るなんて…」
シロエ 「斜め上にも程がありましたよね…」
路線バスの中で応援だなんて…、とシロエ君、ブツブツと。
シロエ 「ああ言われたら、こっちも詰みになりますし…」
サム 「悪知恵の回るヤツだけによ…」
キース 「最終兵器クラスだったな…」
全力で拒否りたくなるヤツだ、とキース君が言う通り。
キース 「衆人環視の路線バスの中で、チアをしろとは…」
シロエ 「バスの中では無理なんです、と返したら…」
ジョミー「バス停でやれ、って言い出したもんね…」
あんまりだってば、と愚痴ってますけど。
相手が悪すぎ…。
2025/02/08 (Sat)
☆引き受けて修行を
今年も節分は七福神巡りになって、バス停に集う御一同様。
別の所へ行けそうだったのに、迷惑な人がパアにした展開。
サム 「チアは勘弁して欲しいしよ…」
シロエ 「今年も結局、七福神巡りになるんですよね…」
何も無ければいいんですけど、とシロエ君の不安そうな顔。
シロエ 「なにしろ、例の人たちですし…」
キース 「俺に回してくれるなよ?」
ジョミー「えっ、回すって発想、無かったんだけど?」
そんなの想定していたわけ、とジョミー君の目が真ん丸に。
ジョミー「キースがババは、あるあるだけどさ…」
シロエ 「ぼくも、思いもしませんでした」
サム 「俺も、全然」
スウェナ「私だって、考えなかったわよ」
でも、回せるなら回したいわね、とスウェナちゃん。
スウェナ「全部、キースに丸投げ出来たら、安心だもの」
シロエ 「言えてますよね、覚悟はあるようですから」
キース 「逆だ!」
回して来るなと言っただろうが、とキース君の眉間に皺が。
キース 「いいな、俺には回すんじゃない!」
シロエ 「そう言わないで、快くですね…」
サム 「引き受けてくれたら、株が上がるぜ?」
それに、それでこそ坊主だよな、とサム君の言。
サム 「他人様の嫌がることも、進んでよ…」
シロエ 「やってこそだと思いますけど?」
キース 「なんで、そうなる!」
俺の親父は知ってるだろう、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「面倒なことは纏めて、俺に押し付けるんだが!」
ジョミー「知ってる。だからブルーには…」
サム 「まるで頭が上がらねえよな」
普段は威張り散らしててもよ、とサム君の指摘。
サム 「親父さんを超えたかったら、修行を積まねえと」
ジョミー「例の人たちを引き受けるのも、その一つでさ…」
シロエ 「功徳を積めるというものでしょう?」
スウェナ「此処は頑張るべきだわよ」
キース 「しかしだな…!」
あんな連中を引き受けろと、と呻いてますけど。
修行ですか…?
2025/02/09 (Sun)
☆聞いた件は貸しで
今年も節分は七福神巡りで、バス停に集った面々ですけど。
迷惑な人たちがやって来るわけで、キース君に丸投げ希望。
キース 「あんなヤツらを引き受けるのは…」
??? 「御免蒙る、と言いたいのかい?」
聞こえてたよ、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「君も一緒に聞いていたよね?」
??? 「はい、確かに」
聞こえました、とキャプテン(会話表記はA船長)も。
A船長 「おはようございます。今日はよろしく」
Aブルー「よかったよねえ、特別休暇が間に合って…」
A船長 「ギリギリでしたが、追い上げました」
年に一度のお参りですし…、とキャプテン、頑張った模様。
A船長 「ぶるぅの邪魔が入っていたら、詰みでしたね」
Aブルー「ホントにね…。節分には連れて来ないから…」
いつか暴れるような気がする、とソルジャーが竦める肩。
Aブルー「今の所は、留守番をさせていられるけど…」
A船長 「来ると言い出したら、悲劇ですよ…」
お参りをパアにされてしまって、とキャプテンも深い溜息。
A船長 「こちらでも、その危機だったそうですが…」
Aブルー「そうなんだよねえ…」
危うくクーデターだったし、とソルジャーの瞳に物騒な光。
Aブルー「ぶるぅを御せなくなる日も、近いのかも…」
A船長 「さっきの台詞を貸しにしますか?」
Aブルー「えっと…?」
A船長 「聞こえたヤツです、其処のキースが…」
引き受けるという話ですよ、とキャプテンが指すキース君。
A船長 「ぶるぅの相手は慣れていますし…」
Aブルー「あー、その時が来たら、押し付けると!」
いいと思う、とソルジャー、親指をグッと。
Aブルー「今日だけ、何かをして貰っても…」
A船長 「さほど得ではありませんから、貸しにして…」
Aブルー「利息もつくから、将来的には丸投げだね!」
キース 「ちょっと待て!」
Aブルー「何か?」
貸しにするより、払いたいと、と質問ですけど。
難問かも…。
2025/02/10 (Mon)
☆オススメは貸し
節分はお寺で七福神巡り、朝イチでバス停に集合ですけど。
迷惑な人たちはキース君に丸投げな案が、聞こえたそうで。
Aブルー「ぼくとしては、貸しにしたいんだけど?」
A船長 「その方が、断然お得ですしね」
ぶるぅを丸投げ出来るのですし、とキャプテンのプッシュ。
A船長 「ヤツのパワーは、年々、アップしていますから」
Aブルー「サイオンじゃなくて、悪戯がね…」
発想も破壊力も上がる一方、とソルジャーが広げる両手。
Aブルー「節分の時に押し掛けられたら、どうしようも…」
A船長 「現状でさえ、大惨事が予想されるかと…」
ですから貸しがオススメですよ、とキャプテン、目がマジ。
A船長 「貸し付けておけば、先になるほど得なヤツです」
Aブルー「たとえ1回限りでもね…」
最初の年を丸投げ出来るのは大きい、とソルジャーも同意。
Aブルー「何をやらかすのか、方向性さえ謎なだけにさ」
A船長 「そうでしょう? 最初が一番、危険ですとも」
人類軍にも言えることですが、とキャプテンの真剣な表情。
A船長 「最新鋭の兵器で来られた場合、初手を躱せば…」
Aブルー「立て直しをする時間が取れるからねえ…」
迎撃態勢を整えられるよ、とソルジャーも。
Aブルー「ぶるぅの悪戯にしても、同じことだね」
A船長 「だからこそ、貸しにしておくべきです」
Aブルー「同感だよ。何年先かは分からないけど…」
一筆書いて貰えればね、とソルジャー、ズイと。
Aブルー「キース、サインだけでも充分だから…」
A船長 「是非とも、ぶるぅの件でよろしく」
今、文面を考えますから、とキャプテンが取り出すメモ帳。
A船長 「こういったことには、アナログがいいんですよ」
シロエ 「分かります。データは破損しますからね」
Aブルー「仕上げ用には、きちんとした紙が欲しいけど…」
ぶるぅ 「取って来る!」
キース 「だから、待てと!」
まだ俺は返事していない、と叫んでますけど。
どうしたいと?
2025/02/11 (Tue)
☆取り下げるのなら
節分は七福神巡りでお寺へ、今年も行くしかない御一同様。
朝イチでバス停に集合、迷惑な人たちもやって来まして…。
Aブルー「貸しにされるのは嫌なのかい?」
キース 「先延ばしになるほど、詰むヤツだからな!」
ぶるぅがパワーアップするんだろうが、とキース君の叫び。
キース 「そんなブツを、引き受けるのは御免蒙りたい!」
Aブルー「うーん…。でもねえ、お得なコースはさ…」
A船長 「貸しにしておく方なんですよ」
そちらでお願い出来ませんか、とキャプテンが指すメモ帳。
A船長 「文書は、すぐに作りますので…」
Aブルー「君はサインをするだけだしね」
キース 「現時点では、そうなるが…」
いつか返って来た時が怖い、とキース君の悪い顔色。
キース 「頼むから、今日で済まさせてくれ!」
Aブルー「そう言われても…。せっかくの名案なのに…」
A船長 「まったくです。取り下げるのは惜しすぎますよ」
よほど美味しい話でも出て来ない限りは、とキャプテンも。
A船長 「今年のお参りの御利益が、倍になるとかですね」
Aブルー「ソレだよ、頼むの、アリじゃないかな」
元はシロエが言い出したけど、とソルジャー、ニンマリ。
Aブルー「全員でやるって話だったし、丸投げでさ」
一同 「「「ええっ!?」」」
アレをキース君に丸投げなのか、と誰もがガクブル。
Aブルー「どうかしたかい?」
シロエ 「い、いえ、何でもありません!」
ジョミー「あのさ、ソレって、キースに限定だよね…?」
Aブルー「そうだね、丸投げ前提だから」
キース限定ってことになるけど、とソルジャー、即答。
Aブルー「君たちも異存は無いだろう?」
一同 「「「は、はいっ!」」」
そうであります、と一同、揃って最敬礼。
Aブルー「だってさ、これで決まりだね」
A船長 「いったい何が決まったんです?」
Aブルー「御利益が倍になるヤツだよ!」
二倍どころか三倍かもね、と笑顔ですけど。
本当に…?
2025/02/12 (Wed)
☆御利益を増やすには
今年も節分は七福神巡りでお寺へ、朝イチでバス停に集合。
迷惑な人たちもやって来まして、話を聞かれていたわけで。
A船長 「キースに頼めば、御利益が倍になるのですか?」
Aブルー「そう! 三倍以上も夢じゃないかも!」
A船長 「それと交換に、ぶるぅの件を取り下げる、と…」
よろしいでしょう、とキャプテン、メモ帳をポケットに。
A船長 「ところで、どういうヤツなのです?」
Aブルー「何がだい?」
A船長 「どんな具合に、キースが御利益を増やすのか…」
其処の所が謎なんです、とキャプテンが傾げる首。
A船長 「なにしろキースは、仏様ではありませんから」
Aブルー「まあねえ、厄病仏とは言われてるけど…」
一般人には違いないね、とソルジャーの視線がキース君に。
Aブルー「だけど、一般人でもいけるヤツがさ…」
A船長 「こっちの世界には、存在しているんですか?」
Aブルー「ピンポーン!」
ズバリ、応援というヤツだね、とソルジャー、笑顔全開。
Aブルー「キース、全力で応援お願いするよ!」
キース 「俺に、アレをやれと!?」
Aブルー「大丈夫! ぼくが頼みたいのは、七福神様で…」
バスの乗客じゃないからさ、と謎の台詞が。
Aブルー「七福神様の前でやったら、アウトらしいし…」
A船長 「何なんです、ソレは?」
Aブルー「ミニスカートを履いて、ポンポンを持って…」
踊りまくるつもりだったらしいよ、とソルジャーの暴露話。
Aブルー「しかもポンポン、派手なピンクでラメ入りで…」
A船長 「神様が怒りそうではありますね…」
Aブルー「だから代わりに、行きのバスでさ…」
A船長 「謹んで、お断りします!」
晒し物になるのは御免ですから、とキャプテン、即答。
A船長 「あなたは良くても、私には無理です!」
Aブルー「うーん…。でも、七福神様の方だから…」
A船長 「アウトなんでしょう?」
私も遠慮したいですね、と言ってますけど。
そうでしょうねえ…。
2025/02/13 (Thu)
☆応援アイテムは不要
節分は七福神巡りでお寺へ、朝イチでバス停に集った面々。
迷惑な人たちも登場、話を聞かれていたせいでピンチな今。
Aブルー「七福神様に叱られるのは、ぼくも困るんだよ」
A船長 「ならば、応援どころじゃないですから!」
やはり貸しにしておかないと、とキャプテンの手にメモ帳。
A船長 「ぶるぅを引き受けて貰う方が、お得ですよ!」
Aブルー「そうかもだけど、御利益を増やすコースもさ…」
安心安全なヤツなんだよ、とソルジャーが立てる人指し指。
Aブルー「ミニスカートもポンポンも、不要なんだし」
一同 「「「は?」」」
応援と言ったらソレなのでは、と誰もがキョトン。
シロエ 「えっと…? 言い出しっぺは、ぼくですけど…」
ジョミー「ポンポンは応援にセットものだよ?」
サム 「ミニスカートまで、つけた筈だぜ?」
断られるのを前提にしてよ、とサム君も。
サム 「断る代わりに、バスでやれって言い出してよ…」
シロエ 「全力で逃げた結果が、七福神巡りに同行して…」
お参りを強制されることに…、とシロエ君が振り返る過去。
シロエ 「キース先輩だけの場合は、不要なんですか?」
ジョミー「なんかズルイと思うんだけど…」
キースは大目に見るだなんて、とジョミー君も不満そう。
ジョミー「ミニスカートとか、目の暴力でもさ…」
シロエ 「此処は、やらせるべきですよね…」
キース 「勝手に話を進めやがって!」
Aブルー「ホントにねえ…」
説明が終わっていないのにさ、とソルジャーの深い溜息。
Aブルー「キースにしか出来ない応援なんだよ」
A船長 「そうなのですか?」
しかも御利益が増えるとは…、とキャプテンも不思議そう。
A船長 「詳しく聞かせて頂きたいのですが…」
Aブルー「オッケー! いいかい、キースはお坊さんで…」
A船長 「その件が関係していると?」
Aブルー「ピンポーン!」
お坊さんだからこそだよね、と笑顔ですけど。
どう関係が…?
2025/02/14 (Fri)
☆お坊さんの本気
節分はお寺で七福神巡り、バス停に来ている面々ですけど。
迷惑な人たちも登場でして、キース君に応援させるとかで。
A船長 「お坊さんだと、どんな応援が出来るんです?」
Aブルー「理屈は、ぼくにも分からないけど…」
なにしろ行先はお寺だし、とソルジャーの視線が副住職に。
Aブルー「一般人と違って、プロならではのお参りが…」
A船長 「なるほど、お経を唱えるとか…」
Aブルー「お経にしても、素人とは比較にならないし…」
七福神様の覚えも、めでたそうだよ、という指摘。
Aブルー「聞こえ方が違うと思うんだよね」
A船長 「ありそうです。耳の遠い方もおいでですから…」
Aブルー「そう! 恵比須様だったかな?」
キースが本気で頼んでくれれば、小声でも、と真剣な人。
Aブルー「キース、どうかな、ぼくの考えで合っている?」
キース 「それはまあ…」
Aブルー「ほらね、だからキースに頼んで貰って…」
御利益を増やす方向で、とソルジャー、やる気満々で。
Aブルー「やってくれるんなら、ぶるぅの話は白紙でさ…」
キース 「俺は拝むだけでいいんだな?」
Aブルー「キッチリ、本気モードでね!」
服装もソレじゃダメだろう、とキース君の服をジロジロと。
Aブルー「瞬間移動で送迎するから、お坊さんので!」
キース 「バスに間に合わないと思うんだが!」
じきに来るぞ、とキース君が指差す時刻表。
キース 「そうなれば、困るのは、あんたの方で…」
Aブルー「大丈夫! バスに乗るのは、ぼくたちだけで!」
君は現地で合流だよね、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「時間がたっぷり取れるわけだし、じっくりと…」
キース 「袈裟を選べと?」
輪袈裟はダメとか言われても…、とキース君の悪い顔色。
キース 「お袈裟は、クリーニング代が高くて…」
Aブルー「そのくらい、払ってあげるから!」
キース 「し、しかし…!」
悪目立ちしてしまうんだが、と焦ってますけど。
正装だけに…。
2025/02/15 (Sat)
☆サンタには必須
雪の元老寺でクリスマスという、元日の夜のトンデモ企画。
庫裏の座敷にチキンなどが並んで、ジングルベルが大音量。
アドス 「メリークリスマス!」
イライザ「さあ、サンタさんの出番ですわよ!」
拍手でお迎えしましょう、とイライザさんが始めた手拍子。
アドス 「キース、サッサと入って来んか!」
イライザ「逃げたら、分かっているでしょうね?」
キース 「メリークリスマス!」
座敷の襖がガラリと開いて、Tシャツに海パンのキース君。
キース 「これでお役目、終了だな!?」
アドス 「何を言うんじゃ、プレゼントはどうした?」
キース 「はあ?」
アドス 「サンタは、プレゼントを配るモンじゃろう!」
持っておらんように見えるが…、とアドス和尚のツッコミ。
アドス 「確かに、衣装はサンタなんじゃが…」
イライザ「Tシャツも二枚披露ですけど、プレゼントを…」
持たずに来るのはアウトですわね、とイライザさんも。
イライザ「そんなことだと思いましたし…」
アドス 「用意しておいて良かったわい」
入れ、とアドス和尚が指をパチンと。
宿坊の人「プレゼント、お持ちしました!」
一同 「「「えっ?」」」
宿坊の人「作務衣で失礼いたします。メリークリスマス!」
プレゼントをどうぞ、と大きな袋から箱を幾つも。
宿坊の人「日持ちしますから、お持ち帰り下さい」
ぶるぅ 「わぁーい、お菓子だよね!?」
アドス 「生憎、クリスマスのは、無かったんですがな…」
イライザ「クッキーと焼き菓子の詰め合わせですの」
遠慮なくお持ち下さいね、とイライザさんの笑み。
イライザ「サンタがいるなら、プレゼントは必須ですもの」
シロエ 「いいんですか? この店、高いんですけど…」
サム 「貰っちまってかまわねえって?」
アドス 「もちろんですとも、ツケはキースに…」
イライザ「回しますのよ、支払いの方は、キース次第で…」
好みで選んで貰いますの、と言ってますけど。
どう支払うと…?
2025/01/16 (Thu)
☆支払いとコース
雪の元老寺でクリスマスな元日の夜、キース君がサンタに。
武闘派なサンタのTシャツを披露、海パンも装備ですけど。
キース 「どうして、そういうことになるんだ!」
アドス 「プレゼントを用意せんからじゃ!」
そんなサンタはおらんじゃろう、とアドス和尚の厳しい顔。
アドス 「ツケは払って貰うからな!」
イライザ「請求書は、お部屋に置いておきましたからね」
好きな方法で払ってちょうだい、とイライザさん。
イライザ「現金払いでかまわないわよ」
キース 「ちょ、ちょっと失礼する…!」
南国のサンタなキース君、飛び出して行って、直ぐ戻って。
キース 「何なんだ、あの請求書は!?」
イライザ「プレゼントにかかった費用でしょ」
お財布は後にしなさいね、とイライザさんの注文が。
イライザ「お行儀が悪いし、皆さんの前では失礼だし…」
アドス 「まったくじゃ。明日にしておけ」
皆さんがお帰りになってからでいい、とアドス和尚も。
アドス 「お母さんに渡しておくんじゃぞ」
キース 「あんな大金、どうしろと!?」
俺の小遣いよりも高いんだぞ、とキース君が握り締める拳。
キース 「まさか、この先、小遣い無しとか…」
アドス 「おお、そのコースは思い付かなかったわい」
イライザ「本当に。…そのコースで支払いもアリですわよ」
払えないのは承知ですもの、とイライザさんの笑み。
イライザ「分割払いは、考えてましたから」
アドス 「払い終わるまでのローンで、選べるんじゃぞ」
半年でもいいし、一年でも…、と分割払いの提案。
アドス 「他に、労働コースもあるんじゃが…」
イライザ「冬休みの間、働いて貰うコースになるわね」
お出掛けするんでしょうし、朝の間だけ、とイライザさん。
イライザ「庫裏の掃除と、洗濯をすればいいのよ」
キース 「冬休みの間、毎朝か!?」
アドス 「嫌なら、分割払いで返すことじゃな」
小遣い無しのコースでもいい、と迫ってますけど。
選べと…?
2025/01/17 (Fri)
☆働いて返すなら
元日の夜にクリスマスな元老寺、キース君が陥ったピンチ。
武闘派なサンタTシャツで登場ですけど、プレゼント無し。
キース 「あんな金額、分割払いでもキツイんだが!」
アドス 「なら、働けば良かろうが」
イライザ「庫裏の掃除と、洗濯だけでいいんですからね」
しかも冬休みの間だけじゃない、とイライザさん、ズイと。
イライザ「それが嫌なら、お小遣いから返して貰います」
キース 「……仕方ない……」
働くコースの方でお願いしたい、とキース君のチョイス。
キース 「冬休みの間だけで済むと言うなら…」
アドス 「手抜きした時は、延長じゃぞ」
イライザ「特に掃除は、お正月だけに丁寧になさい」
本堂の掃除もするんですよ、とイライザさん。
イライザ「そっちは、普段の仕事ですからね」
アドス 「正月なんじゃし、綺麗に掃除するんじゃな」
延長されたくなかったら、とアドス和尚も。
アドス 「働くと言えば、今夜のパーティーの方も…」
イライザ「皆さんに、サービスしないといけませんよ」
プレゼントが無かったサンタでしょう、とダメ押しが。
イライザ「そちらの方も、プレゼントに代わりに働いて…」
アドス 「喜んで頂くべきじゃぞ、その格好でな」
キース 「お、おい…!」
まさか、この格好で最後までか、とキース君、愕然。
キース 「部屋で着替えて来るというのは…」
アドス 「駄目に決まっておるじゃろう!」
イライザ「Tシャツを、機関銃からボクサーに…」
着替えるのなら許しますわよ、とイライザさんの睨み。
イライザ「他は一切、認めません!」
アドス 「いいな、パーティーを盛り上げてこそじゃ」
記念撮影にも応じるように、と恐ろしすぎる命令が。
アドス 「どうぞ皆さん、サンタと記念撮影を!」
イライザ「御遠慮なく、お撮り下さいね」
一同 「「「イイネ!」」」
キース 「待て、それだけは困るんだが!」
写真は後に残るからな、と慌ててますけど。
逃げられますか…?
2025/01/18 (Sat)
☆記念撮影は困る
元日の夜は元老寺でクリスマスパーティー、カオスな新年。
サンタTシャツなキース君、プレゼント無しを責められ中。
アドス 「残るも何も、皆さんの記憶に残るんじゃぞ」
イライザ「写真が無くても、クッキリですよ」
キース 「その方向では駄目なのか!?」
写真は無しで…、とキース君、必死。
キース 「その分、他でサービスを努力する!」
ブルー 「そうなのかい?」
キース 「写真よりかは、マシだからな!」
あんたからも口添えしてくれ、と生徒会長に土下座で。
キース 「銀青様の仰せとなれば、親父たちも…」
アドス 「聞かないわけにはいきませんなあ…」
ブルー 「オッケー、記念撮影は無しということで…」
頼めるかな、と生徒会長、いえ、銀青様のお言葉。
ブルー 「キースの雄姿は、目だけで楽しむことにするよ」
アドス 「銀青様が仰るのなら…」
イライザ「分かりましたわ、残念ですけど」
その代わり…、とイライザさんの視線がキース君に。
イライザ「他のサービス、頑張りなさいね」
キース 「もちろんだ!」
ブルー 「それじゃ、今夜は下僕三昧!」
キース 「下僕!?」
俺に下僕になれと言うのか…、とキース君の顔が真っ青。
キース 「パーティーの間中、こき使われろ、と!?」
ブルー 「サービスを頑張るわけだよね?」
まずは、宿坊の人の下僕で、と生徒会長、ニッコリと。
ブルー 「プレゼントを届けに来てくれた分、仕事がさ…」
アドス 「滞ったかもしれませんなあ…」
宿坊の人「そうですね、お部屋に布団を敷くとかの…」
夜の業務が遅れてますが…、という答え。
ブルー 「らしいよ、キース、行ってきたまえ!」
キース 「この格好でか!?」
それこそ写真の危機なんだが…、とキース君、ガクブル。
キース 「お客様に撮影されて、SNSで拡散で…」
ブルー 「そうだろうねえ…」
キース 「嫌すぎる!」
親父の下僕になる方がマシだ、と絶叫ですけど。
アドス和尚の…?
2025/01/19 (Sun)
☆下僕をやるなら
元日の夜にクリスマスパーティー、カオスな元老寺の新年。
サンタなキース君、記念撮影を拒否、その代わり、下僕に。
アドス 「ほほう…。ワシの下僕をやりたい、と?」
キース 「宿坊には行きたくないからな!」
止めても隠し撮りがある、とキース君の引き攣った顔。
キース 「お客様の中には、一人くらい…!」
シロエ 「撮る人、いるのが普通ですよね…」
サム 「でもって、内輪だけに見せてた筈のがよ…」
流出するのも定番だぜ、とサム君も。
サム 「今の格好で宿坊に行ったら、マジで詰むヤツ…」
ジョミー「明日の夜には、拡散だよね…」
キース 「真面目に、そうなる危機なんだ!」
親父の下僕にしておいてくれ、とキース君、合掌ですけど。
シロエ 「致命的に似合っていない気がします…」
スウェナ「サンタTシャツに海パンだものね…」
アドス 「御本尊様も、お笑いになっておられるかと…」
合掌も、お念仏も似合わんわい、とアドス和尚の深い溜息。
アドス 「こんな下僕を貰ってものう…」
イライザ「正直、困りますわよね…」
アドス 「そうじゃ、お前が下僕にじゃな…」
イライザ「いいですわね!」
パーティーを手伝って貰いますわ、とイライザさんの笑み。
イライザ「ちょっと待ってて下さいね」
一同 「「「は?」」」
イライザ「取って来る物がありますのよ」
お手伝いには必須ですの、と何かを取りに出て行きまして。
イライザ「お待たせしました、はい、キース」
キース 「…なんだ?」
イライザ「広げてみれば分かるでしょ」
どうぞ、とイライザさんが手渡す、ピンクの花柄の布。
キース 「…広げろ、と? げっ!?」
シロエ 「花柄のエプロンじゃないですか!」
サム 「しかもフリルがついてやがるぜ、女物だよな?」
ジョミー「まさか、キースが腰にエプロンするわけ?」
イライザ「海パンは隠れますけど、Tシャツは見えますわ」
下僕ならつけて下さいな、と注文ですけど。
最悪かも…。
2025/01/20 (Mon)
☆エプロンで下僕
雪の元日な元老寺の夜、庫裏でクリスマスパーティーな今。
サンタTシャツのキース君、イライザさんの下僕に決定で。
キース 「待て、海パンの上に、このエプロンでは…」
イライザ「何か問題がありますの?」
キース 「前から見た時、最悪なんだが…!」
エプロンの丈は膝上だぞ、とキース君、顔面蒼白。
キース 「笑われるしかない格好で…」
アドス 「エプロンの下に見えるのは、足じゃからのう…」
イライザ「写真撮影は禁止なんだし、よろしいでしょ?」
皆さんの記憶に残るだけよ、とイライザさんはスルー。
イライザ「サッサとエプロン、つけなさいな」
アドス 「Tシャツがあるだけ、マシなんじゃぞ?」
ジョミー「あー…。もしも、海パンだけだったら…」
サム 「最低な格好になっちまうよな…」
早くエプロンつけちまえよ、とサム君が指差す腰エプロン。
サム 「でないと、変質者にしか見えねえヤツだぜ?」
ブルー 「誰かさんなら、喜びそうだけどねえ…」
キース 「うっ…!」
グッと詰まったキース君。
キース 「分かった、この件、他言するなよ?」
一同 「「「はーい!」」」
黙っています、と揃った声。
シロエ 「誰かさんが知ったら、悲惨ですしね…」
サム 「マジで詰みだぜ」
アドス 「どなたのことかは、存じませんが…」
イライザ「話は決まりましたわね」
早くなさい、とイライザさんが急かして、エプロン装着。
キース 「つけたぞ、これでいいんだな!?」
イライザ「そうよ、頑張ってお手伝いしなさいな」
下僕なんだし、とイライザさん、顎で使う気。
イライザ「キース、このお皿は下げて、次のをね」
キース 「はいっ!」
裏方の方で頑張ります、とキース君が給仕などを。
ジョミー「アドス和尚の下僕をやるより、キツいかも…」
アドス 「なあに、せがれの自業自得で…」
イライザ「パーティー、楽しんで下さいな」
いい元日になりましたわね、と笑顔ですけど。
厄日なのでは…?
2025/01/21 (Tue)
☆延長だった正月
元日にクリスマスだった今年の正月、終わった後は冬休み。
プレゼント代を働いて払ったキース君、大忙しだった模様。
キース 「やっと正月が終わってくれた…」
シロエ 「とうに終わっていますけど?」
冬休みも終わって長いですよ、とシロエ君が傾げる首。
シロエ 「三連休も終わりましたし、今日は今月最終の…」
サム 「土曜だよなあ、お決まりのコースでよ」
ブルーの家に来て過ごすヤツな、とサム君も。
サム 「ついでに言うなら、先週の時点で、同じでよ…」
ジョミー「通常営業だったよね?」
お寺の場合は違うわけ、とジョミー君の問い。
ジョミー「旧暦でやるから、遅くまでとか?」
キース 「違う、プレゼント代の労働期間が延長戦で…」
俺の正月は続いてたんだ、とキース君の深い溜息。
キース 「庫裏の掃除と洗濯だけだが、甘かった…」
シロエ 「何か失敗したんですか?」
キース 「言う気にもなれんが、色々とな…」
今朝も働いて、やっと借金を返し終わった、と悲惨な激白。
キース 「おふくろも親父も、容赦ないしな…」
??? 「うん、知ってる!」
凄いよね、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「特に、お母さんが凄くってさ…」
キース 「何の話だ!?」
Aブルー「もちろん、お正月のパーティーだよ!」
ホントに素晴らしいセンスだったし、とソルジャーの称賛。
Aブルー「キースに、裸エプロンもどき!」
一同 「「「げっ!」」」
知ってたのか、と一同、ドン引き。
キース 「あ、あんた、もしかしなくても、アレを…」
Aブルー「参加出来なくて残念だったね…」
ニューイヤーのパーティーがあったしさ、と愚痴る人。
Aブルー「あっちじゃ、貴重なお祭り騒ぎで…」
キース 「それが無ければ、来ていたと!?」
Aブルー「当たり前だよ、アドス和尚と、お母さんなら…」
シロエ 「記憶操作ですね…」
知り合いのふりが出来そうです、と言ってますけど。
確かに…。
2025/01/22 (Wed)
☆肉眼で見たい人
来週には1月が終わる土曜日、生徒会長宅に来ている面々。
キース君が愚痴な所へ、ソルジャーが登場したわけでして。
Aブルー「知り合いどころか、親友でもオッケー!」
シロエ 「先輩方のポジションですか?」
Aブルー「そうなるね。先輩なコースもいけたかも!」
柔道部の先輩は無理があるけどさ…、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「お世話になった先輩とかなら、記憶操作で…」
ジョミー「入り込めてた、って?」
Aブルー「こっちのブルーと、双子でもいいねえ!」
ブルー 「あのねえ…」
こんな兄弟は要らないし、と生徒会長、即答。
ブルー 「その場で否定で、放り出すから!」
Aブルー「困るよ、来なくて正解だったヤツ…」
ところで、キース、とソルジャー、ズズイと。
Aブルー「もう一度、やってくれないかな?」
キース 「はあ?」
Aブルー「例のサンタを、見たくってねえ!」
是非とも肉眼で拝見したい、とソルジャーの怖すぎる希望。
Aブルー「見せてくれるなら、ぶるぅは呼ばないから!」
キース 「ぶるぅだと!?」
どうしてヤツが出て来るんだ、とキース君の悪い顔色。
キース 「あいつは、イベの時しか来ない筈だぞ!」
Aブルー「うん、今日も悪戯三昧で…」
ぼくの不在も気付いてないね、とソルジャーが広げる両手。
Aブルー「今、泣いてるのは、厨房にいる面子だけど」
一同 「「「うわー…」」」
気の毒すぎる、と誰もが同情。
シロエ 「盗み食いとか、そういうのですね…」
Aブルー「基本はソレだね、片っ端から食べまくり!」
でなきゃ大酒、とソルジャー、クスッと。
Aブルー「キースがエプロンだった時にも、大酒で…」
サム 「酔っぱらってて、見ていねえとか?」
Aブルー「ピンポーン! 知っているのは、ぼくだけで…」
キース 「あんた、ぶるぅにバラすつもりか!?」
Aブルー「その辺のことは、君次第かなあ…」
もう一度やってくれないかい、と注文ですけど。
あのサンタを…?
2025/01/23 (Thu)
☆嫌なら思い出話
1月最後の土曜日ですけど、生徒会長宅で過ごす御一同様。
其処へソルジャー登場でして、キース君に恐ろしい注文が。
キース 「俺に、アレをやれと!?」
Aブルー「嫌なら、それでいいんだよ?」
無理強いしようとは思わないしさ…、とソルジャーの笑み。
Aブルー「ぼくは見たから、みんなと楽しく思い出話で…」
シロエ 「その後、ぶるぅに話すんですね?」
Aブルー「ピンポーン!」
こっちのぶるぅに、お土産を貰って帰ってさ、とニヤニヤ。
Aブルー「ぶるぅに渡して、今日の思い出話を…」
サム 「キースの件を含めて、まるっと全部な…」
Aブルー「もちろんだよ! ぶるぅが見損ねた元日のさ…」
あれやこれやを話すわけだね、とソルジャー、得意げ。
Aブルー「ぶるぅのことだし、そうなった時は…」
シロエ 「次のイベの時に、リクエストでしょうか?」
Aブルー「だろうね、節分の時は来ないから…」
ジョミー「次と言ったら、お花見だっけ?」
お彼岸の法要も来てないし…、とジョミー君。
ジョミー「お花見だったら、会場、マツカの別荘だしさ…」
シロエ 「料理も出ますし、仕事内容、元日の時と…」
被りますよね、とシロエ君が顎に当てる手。
シロエ 「サンタに桜は似合いませんけど…」
サム 「あいつ、そんなの、気にするタイプかよ?」
ジョミー「違う気がするけど…」
Aブルー「そうだ、夏まで待つっていうのもアリかも!」
南国のサンタなんだろう、とソルジャー、親指をグッと。
Aブルー「海の別荘で、サーフボードも用意して…」
スウェナ「本来、そういうサンタだわねえ…」
Aブルー「ぶるぅも、そっちを見たいかもだし…」
ぼくからオススメしておくよ、と笑顔全開。
Aブルー「今年の夏は、キースがサンタTシャツ!」
一同 「「「イイネ!」」」
キース 「何処がイイネだ!!!」
Aブルー「でもさ、ぶるぅに喋ったら…」
夏はサンタになると思う、と目がマジですけど。
どうなる…?
2025/01/24 (Fri)
☆やるなら今の内
1月の最後の土曜日、生徒会長宅に集うシャン学メンバー。
ソルジャーも来まして、キース君のサンタをリクエストで。
シロエ 「でしょうね、同じサンタを見るんだったら…」
サム 「花見よりかは、海の方だぜ」
ジョミー「南国のサンタを再現するには、最高だしね」
サーフィンもやらされるんじゃないかな、とジョミー君。
ジョミー「マツカの別荘のビーチは、向いてないけど」
シロエ 「波が高くはないですからね」
他所のビーチになりそうですよ、とシロエ君の相槌。
シロエ 「マツカ先輩、別荘の近くにありますか?」
マツカ 「あの辺の海だと、普段から波が穏やかですし…」
サム 「他を当たるしかねえってか?」
マツカ 「ヘリで良ければ、最適な場所へ御案内出来ます」
サーファーに人気のビーチですよ、とマツカ君の説明が。
マツカ 「遊泳には、少し危険だそうで…」
サム 「子供とかだと、波が高すぎるのな?」
マツカ 「そうらしいです、ですから、余計に人気ですね」
接触事故が起きませんから、とマツカ君、穏やかな笑み。
マツカ 「遊泳する人がいないというのは、大きいですよ」
シロエ 「巻き込む心配、要りませんしね…」
ジョミー「思う存分、出来るもんね…」
ビッグウェーブに乗りまくってさ、とジョミー君も。
ジョミー「キースはサーフィン、出来たっけ?」
シロエ 「どうなんでしょう、ぼくは知りませんけど…」
サム 「今の場合は、出来るとしても言わねえぜ?」
やらされちまうの、分かってるしよ、とサム君の言。
サム 「もっとも、相手は、ぶるぅだしよ…」
シロエ 「練習してでも、やらされますよね…」
Aブルー「ピンポーン!」
当たり前だよ、とソルジャー、笑顔全開。
Aブルー「どうするんだい、キース?」
キース 「今の間にやっておいたら、喋らないのか?」
Aブルー「そう! ぶるぅも、今なら興味無いしさ…」
最初で最後のチャンスだと思う、と言ってますけど。
やれと…?
2025/01/25 (Sat)
☆傷が浅い間に
1月最後の土曜ですけど、生徒会長宅に来ている御一同様。
ソルジャーも来まして、元日のサンタの再現を希望でして。
シロエ 「キース先輩、やっておいたらどうですか?」
ジョミー「最初で最後のチャンスらしいしね…」
サム 「あっちのぶるぅに、知れた後では遅いんだぜ?」
海の別荘でサンタでよ…、とサム君が竦める肩。
サム 「しかもサーフィン、ついてくるしよ…」
スウェナ「どう考えても、そのコースだわね…」
Aブルー「ぼくからも、ぶるぅにオススメするから…」
外せないのがサーフィンだよ、とソルジャーの怖い台詞が。
Aブルー「それでいいなら、今日の所はスルーして…」
シロエ 「お土産だけ、持って帰るわけですね?」
Aブルー「除夜の鐘の話は、語れないしさ…」
今年も煩悩ゲットをしに来たけどね、とニヤニヤと。
Aブルー「ぼくのハーレイと、ホテルに泊まって…」
ブルー 「その先、禁止!」
Aブルー「ほらね、こうして止めに入るし…」
もう帰るよ、とアッサリ引き下がる姿勢。
Aブルー「というわけで、ぶるぅ、持ち帰り用に…」
ぶるぅ 「お菓子とか、詰めればいいんだね!」
ちょっと待ってて、とキッチンへ跳ねてゆく元気なお子様。
ぶるぅ 「ぶるぅの分も、いっぱい入れるから!」
Aブルー「ついでに、ハーレイの分も、よろしく!」
ぶるぅ 「オッケー!」
じきに戻るね、と扉を開けようとした瞬間。
キース 「待ってくれ!!!」
ぶるぅ 「えっと…?」
キース 「要はサンタだ、もう一度やればいいんだろう!」
持ち帰り用は用意しなくてもいい、とキース君の叫び。
キース 「やりさえすれば、蒸し返さないんだな?」
Aブルー「もちろんだよ!」
其処の所は約束する、とソルジャー、即答。
Aブルー「あのサンタ、やってくれるって?」
キース 「仕方なかろう、傷が浅い間にやっておく!」
一同 「「「イイネ!」」」
またクリスマス、と盛り上がってますけど。
三回目…。
2025/01/26 (Sun)
☆旧暦で行くなら
1月の最後の土曜日、生徒会長宅に来ていた面々ですけど。
ソルジャー登場で流れが変わって、キース君のサンタ再び。
ジョミー「やったね、三度目のクリスマスだよ!」
シロエ 「ちょっぴり遅れてますけどね」
サム 「あー、13日遅れだってトコでも、とっくに…」
終わってるしよ、とサム君が眺める壁のカレンダー。
サム 「仕方ねえよな、1月25日ではよ…」
シロエ 「いえ、12月26日ですよ」
一同 「「「はあ?」」」
何の話だ、と誰もが見合わせる顔。
スウェナ「何なのよ、ソレ?」
シロエ 「由緒正しい暦ですけど?」
キース先輩なら分かる筈です、とシロエ君。
シロエ 「お寺の場合は、必須なのでは?」
キース 「…なんで貴様が知っているんだ!」
シロエ 「たまたまですよ、普段は気にしていませんしね」
月を使った暦なんて、とシロエ君のクスクス笑い。
シロエ 「12月1日が、一月遅れの1日とセットで…」
ジョミー「そうだったんだ?」
シロエ 「ええ。11月1日とキッチリ合ったそうです」
それ以来、たまに見るんですよね、という太陰暦。
シロエ 「そっちの方なら、今日は12月26日で…」
サム 「まだクリスマスの期間じゃねえの?」
ブルー 「そうだね、国によっては祝日だよ」
12月26日と言えば特別、と生徒会長。
ブルー 「アフタヌーンティーの国がそうだね」
シロエ 「そうなんですか?」
ブルー 「うん。だから、コアラの国でも祝日!」
メープルシロップの国も祝日、と披露される豆知識。
ブルー 「ボクシングデーっていう名前でさ…」
一同 「「「ボクシングデー?」」」
どんな祝日、と首を傾げる御一同様。
シロエ 「まさか、殴り合いをする日ですか!?」
ブルー 「贈り物だよ、箱はボックス」
Aブルー「それじゃ、プレゼントが貰えるわけ?」
ブルー 「スポーツ観戦とか、セールだとか…」
贈り物の他にも色々とね、と笑顔ですけど。
旧暦だと祝日…。
2025/01/27 (Mon)
☆祝日だそうです
1月最後の土曜は25日、生徒会長宅に来ている御一同様。
ソルジャーも来まして、キース君のサンタが再びですけど。
Aブルー「いいねえ、祝日だなんて最高だよ!」
シロエ 「そっちの方は、知りませんでしたけど…」
丁度いい日になりましたね、とシロエ君が立てる親指。
シロエ 「お祭り騒ぎで良さそうですし」
ブルー 「うん。キースのTシャツも、別バージョンを…」
披露するのがいいと思うよ、と生徒会長。
ブルー 「元日の時は、肩に羽織っただけの方をね」
ジョミー「あー、ボクサーのサンタ!」
シロエ 「ボクシングデーだからですか?」
ブルー 「そう! 英語の綴り、ボクシングと同じでさ…」
ボクシングを絡めたカードとかもあるね、という台詞。
ブルー 「贈り物に添えるカードに、ボクシングを…」
Aブルー「描いてあるんだ?」
ブルー 「ハッピー・ボクシングデー、と景気よく!」
パンチしているサンタもアリで、とニコニコと。
ブルー 「なにしろ、クリスマスの翌日だから…」
シロエ 「サンタを引き摺っているわけですね?」
ブルー 「贈り物をするって所も、重なってるしね!」
Tシャツはボクサー柄にすべきだと思う、と提案が。
ブルー 「みんな、そっちも見たいだろうし…」
Aブルー「ぼくもだよ!」
一同 「「「イイネ!」」」
ボクサー柄で、と誰もが賛成。
Aブルー「そうだ、エプロン、どうするわけ?」
シロエ 「エプロン、イライザさんのでしたね…」
ジョミー「黙って借りても、バレないんじゃあ?」
サム 「だよな、他にも持ってるだろうしよ」
あの時のエプロン、使用中でも…、とサム君も。
サム 「瞬間移動で拝借しとけば、いいと思うぜ」
Aブルー「それより、他のを用意する方が面白いって!」
一同 「「「はあ?」」」
Aブルー「もっとド派手に、フリルひらひらのとか!」
一同 「「「げっ!」」」
ソレは悪趣味と言うのでは、と皆がドン引きですけど。
他の…。
2025/01/28 (Tue)
☆悪趣味なエプロン
1月最後の土曜日ですけど、太陰暦だと12月26日な件。
生徒会長宅に集う面々、ソルジャーと三度目のクリスマス。
Aブルー「いいかい、着るのはキースなんだよ?」
シロエ 「そうなんですけど…」
Aブルー「だったら見応えバッチリな方が!」
ちょっと待ってて、と消えたソルジャー、じきに戻って。
Aブルー「はい、こんなのを買ってみましたーっ!」
一同 「「「うわー…」」」
ひらひらな上にピンク色か、と悲鳴が上がっていますけど。
Aブルー「サンタの色は赤だし、ピンクが合うよね!」
キース 「俺に、コレをつけろと!?」
Aブルー「嫌ならスルーしてもいいけど…」
ぶるぅに愚痴りたくなるかもね、とソルジャーの言。
Aブルー「サンタの件は喋らなくても、エプロンなら…」
シロエ 「別件になる、ということですか?」
Aブルー「キースがエプロンを嫌がった、と話すんだよ?」
何処に問題があるんだい、と言われてみれば、その通り。
キース 「あんた、ぶるぅにエプロンのことを…」
Aブルー「尾ヒレをつけて喋るのもいいねえ…」
裸エプロンを見損ねたとか…、と恐ろしすぎる台詞。
Aブルー「もう間違いなく、夏休みの海の別荘はさ…」
ジョミー「キースのエプロン、確定だよね…」
Aブルー「おまけに、裸エプロンでね!」
裸エプロンは知ってるのかな、とソルジャーの笑み。
Aブルー「大人の時間の定番で…」
ブルー 「退場!」
Aブルー「ほら来た、海パンを履いているんだし…」
ブルー 「前から見たなら、そのものだろう!」
生徒会長の叫びで、裸エプロンを理解した御一同様。
シロエ 「キース先輩、今の状況、ヤバいのでは?」
サム 「エプロンしねえと、悲劇しかねえ展開でよ…」
ジョミー「記念写真も撮られそうだよ、海の別荘で…」
Aブルー「撮るだろうねえ、ぶるぅだし!」
キース 「…コレをしないと、そうなるんだな…?」
悪趣味すぎるエプロンでも、と泣きそうですけど。
恐らく…。
2025/01/29 (Wed)
☆残らない記録
1月最後の土曜日は、太陰暦だと12月26日になるとか。
国によってはボクシングデーで祝日、パーティーには最高。
Aブルー「サンタTシャツは、着てもいいんだよ?」
シロエ 「現時点では、という意味ですよね?」
Aブルー「キースが渋り続けた場合は、海パンだけだね!」
5分以内に選びたまえ、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「Tシャツを着てエプロンか、海パンだけか…」
キース 「選ぶまでもなかろう!」
Tシャツの方に決まっている、とキース君の叫び。
キース 「写真撮影は禁止だろうな?」
Aブルー「記憶だけで充分! 他のみんなは?」
サム 「俺は命が惜しいしよ…」
シロエ 「隠し撮りとか、バレたら命が無いですしね…」
記憶しておきます、とシロエ君。
シロエ 「スケッチする猛者がいたら、知りませんけど」
一同 「「「は?」」」
シロエ 「撮影禁止の法廷なんかは、スケッチですから」
報道写真の代わりに絵です、とシロエ君の説明が。
シロエ 「誰か、スケッチするんですか?」
ジョミー「やらないってば、キースが怖いし!」
Aブルー「ぼくの場合は、やりたいんだけど、絵心が…」
ついていってはくれないから、とソルジャー、残念そう。
Aブルー「というわけで、記録は一切、残らないよね」
キース 「分かった、エプロンを寄越せ!」
Tシャツの方も、とキース君。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ はい、Tシャツ、お取り寄せ!」
キース 「では、着替えて来る」
部屋を借りるぞ、とTシャツとエプロンを持って別室へ。
ぶるぅ 「Tシャツ、ボクサー柄だけでいいんだよね?」
Aブルー「機関銃の方は、ぼくも満喫したからねえ…」
ボクサー柄の方も楽しみ、と高まる期待。
キース 「待たせたな!」
一同 「「「うっ…」」」
Aブルー「何をしてるのさ、拍手でお迎えしないとね!」
一同 「「「は、はいっ!」」」
大喝采の中、キース君、エプロンをつけて登場。
目の暴力かも…。
2025/01/30 (Thu)
☆目にしたら負け
1月最後の土曜日、生徒会長宅で祝う三度目のクリスマス。
太陰暦だとボクシングデーで、パーティーには最高の日で。
Aブルー「ボクサーなサンタTシャツも、お似合いだよ!」
シロエ 「Tシャツの方はいいんですけど…」
サム 「エプロン、目には暴力だぜ…」
バージョンアップしちまったしよ、とサム君が広げる両手。
サム 「給仕係に徹してくれよな、目の端の方で」
ジョミー「視界に入れたら、負けだもんね…」
スウェナ「パーティー自体は、嬉しいんだけど…」
シロエ 「見たら終わりな気しかしません…」
この際、食べて食べまくるしか…、とシロエ君も。
シロエ 「それか、言い出しっぺに押し付けるかです」
一同 「「「は?」」」
シロエ 「専属の下僕で、他の人の用事はスルーですよ」
こっちは勝手に飲み食いするということで、という提案。
シロエ 「普段のパーティー、そうですしね」
一同 「「「イイネ!」」」
ソレに決めた、と皆が賛成。
シロエ 「キース先輩、決定です! 後はよろしく!」
キース 「俺に、あいつの下僕になれと!?」
Aブルー「いいと思うよ、スルーなんだし」
記憶に残りにくくなるだろう、とソルジャーが立てる親指。
Aブルー「それじゃ早速、パーティー開幕!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 御馳走、用意出来てるよ!」
チキンもあるし、ローストビーフも、と張り切るお子様。
ぶるぅ 「キース、運ぶの、手伝ってね!」
シロエ 「料理、運ぶだけでお願いします!」
サム 「俺たちの方には、来てくれるなよ」
キース 「…承知した…」
記憶には残さないでくれ、と泣き言が。
キース 「いいな、あんたも、喋るんじゃないぞ」
Aブルー「喋らないって、その代わり、下僕を頑張って!」
キース 「やるしかない以上、根性でやり遂げる!」
Aブルー「いいねえ、其処の料理をさ…」
キース 「はい、只今!」
お取りします、と下僕に徹してますけど。
今月、これにて中継終了~。
2025/01/31 (Fri)
雪の元老寺でクリスマスという、元日の夜のトンデモ企画。
庫裏の座敷にチキンなどが並んで、ジングルベルが大音量。
アドス 「メリークリスマス!」
イライザ「さあ、サンタさんの出番ですわよ!」
拍手でお迎えしましょう、とイライザさんが始めた手拍子。
アドス 「キース、サッサと入って来んか!」
イライザ「逃げたら、分かっているでしょうね?」
キース 「メリークリスマス!」
座敷の襖がガラリと開いて、Tシャツに海パンのキース君。
キース 「これでお役目、終了だな!?」
アドス 「何を言うんじゃ、プレゼントはどうした?」
キース 「はあ?」
アドス 「サンタは、プレゼントを配るモンじゃろう!」
持っておらんように見えるが…、とアドス和尚のツッコミ。
アドス 「確かに、衣装はサンタなんじゃが…」
イライザ「Tシャツも二枚披露ですけど、プレゼントを…」
持たずに来るのはアウトですわね、とイライザさんも。
イライザ「そんなことだと思いましたし…」
アドス 「用意しておいて良かったわい」
入れ、とアドス和尚が指をパチンと。
宿坊の人「プレゼント、お持ちしました!」
一同 「「「えっ?」」」
宿坊の人「作務衣で失礼いたします。メリークリスマス!」
プレゼントをどうぞ、と大きな袋から箱を幾つも。
宿坊の人「日持ちしますから、お持ち帰り下さい」
ぶるぅ 「わぁーい、お菓子だよね!?」
アドス 「生憎、クリスマスのは、無かったんですがな…」
イライザ「クッキーと焼き菓子の詰め合わせですの」
遠慮なくお持ち下さいね、とイライザさんの笑み。
イライザ「サンタがいるなら、プレゼントは必須ですもの」
シロエ 「いいんですか? この店、高いんですけど…」
サム 「貰っちまってかまわねえって?」
アドス 「もちろんですとも、ツケはキースに…」
イライザ「回しますのよ、支払いの方は、キース次第で…」
好みで選んで貰いますの、と言ってますけど。
どう支払うと…?
2025/01/16 (Thu)
☆支払いとコース
雪の元老寺でクリスマスな元日の夜、キース君がサンタに。
武闘派なサンタのTシャツを披露、海パンも装備ですけど。
キース 「どうして、そういうことになるんだ!」
アドス 「プレゼントを用意せんからじゃ!」
そんなサンタはおらんじゃろう、とアドス和尚の厳しい顔。
アドス 「ツケは払って貰うからな!」
イライザ「請求書は、お部屋に置いておきましたからね」
好きな方法で払ってちょうだい、とイライザさん。
イライザ「現金払いでかまわないわよ」
キース 「ちょ、ちょっと失礼する…!」
南国のサンタなキース君、飛び出して行って、直ぐ戻って。
キース 「何なんだ、あの請求書は!?」
イライザ「プレゼントにかかった費用でしょ」
お財布は後にしなさいね、とイライザさんの注文が。
イライザ「お行儀が悪いし、皆さんの前では失礼だし…」
アドス 「まったくじゃ。明日にしておけ」
皆さんがお帰りになってからでいい、とアドス和尚も。
アドス 「お母さんに渡しておくんじゃぞ」
キース 「あんな大金、どうしろと!?」
俺の小遣いよりも高いんだぞ、とキース君が握り締める拳。
キース 「まさか、この先、小遣い無しとか…」
アドス 「おお、そのコースは思い付かなかったわい」
イライザ「本当に。…そのコースで支払いもアリですわよ」
払えないのは承知ですもの、とイライザさんの笑み。
イライザ「分割払いは、考えてましたから」
アドス 「払い終わるまでのローンで、選べるんじゃぞ」
半年でもいいし、一年でも…、と分割払いの提案。
アドス 「他に、労働コースもあるんじゃが…」
イライザ「冬休みの間、働いて貰うコースになるわね」
お出掛けするんでしょうし、朝の間だけ、とイライザさん。
イライザ「庫裏の掃除と、洗濯をすればいいのよ」
キース 「冬休みの間、毎朝か!?」
アドス 「嫌なら、分割払いで返すことじゃな」
小遣い無しのコースでもいい、と迫ってますけど。
選べと…?
2025/01/17 (Fri)
☆働いて返すなら
元日の夜にクリスマスな元老寺、キース君が陥ったピンチ。
武闘派なサンタTシャツで登場ですけど、プレゼント無し。
キース 「あんな金額、分割払いでもキツイんだが!」
アドス 「なら、働けば良かろうが」
イライザ「庫裏の掃除と、洗濯だけでいいんですからね」
しかも冬休みの間だけじゃない、とイライザさん、ズイと。
イライザ「それが嫌なら、お小遣いから返して貰います」
キース 「……仕方ない……」
働くコースの方でお願いしたい、とキース君のチョイス。
キース 「冬休みの間だけで済むと言うなら…」
アドス 「手抜きした時は、延長じゃぞ」
イライザ「特に掃除は、お正月だけに丁寧になさい」
本堂の掃除もするんですよ、とイライザさん。
イライザ「そっちは、普段の仕事ですからね」
アドス 「正月なんじゃし、綺麗に掃除するんじゃな」
延長されたくなかったら、とアドス和尚も。
アドス 「働くと言えば、今夜のパーティーの方も…」
イライザ「皆さんに、サービスしないといけませんよ」
プレゼントが無かったサンタでしょう、とダメ押しが。
イライザ「そちらの方も、プレゼントに代わりに働いて…」
アドス 「喜んで頂くべきじゃぞ、その格好でな」
キース 「お、おい…!」
まさか、この格好で最後までか、とキース君、愕然。
キース 「部屋で着替えて来るというのは…」
アドス 「駄目に決まっておるじゃろう!」
イライザ「Tシャツを、機関銃からボクサーに…」
着替えるのなら許しますわよ、とイライザさんの睨み。
イライザ「他は一切、認めません!」
アドス 「いいな、パーティーを盛り上げてこそじゃ」
記念撮影にも応じるように、と恐ろしすぎる命令が。
アドス 「どうぞ皆さん、サンタと記念撮影を!」
イライザ「御遠慮なく、お撮り下さいね」
一同 「「「イイネ!」」」
キース 「待て、それだけは困るんだが!」
写真は後に残るからな、と慌ててますけど。
逃げられますか…?
2025/01/18 (Sat)
☆記念撮影は困る
元日の夜は元老寺でクリスマスパーティー、カオスな新年。
サンタTシャツなキース君、プレゼント無しを責められ中。
アドス 「残るも何も、皆さんの記憶に残るんじゃぞ」
イライザ「写真が無くても、クッキリですよ」
キース 「その方向では駄目なのか!?」
写真は無しで…、とキース君、必死。
キース 「その分、他でサービスを努力する!」
ブルー 「そうなのかい?」
キース 「写真よりかは、マシだからな!」
あんたからも口添えしてくれ、と生徒会長に土下座で。
キース 「銀青様の仰せとなれば、親父たちも…」
アドス 「聞かないわけにはいきませんなあ…」
ブルー 「オッケー、記念撮影は無しということで…」
頼めるかな、と生徒会長、いえ、銀青様のお言葉。
ブルー 「キースの雄姿は、目だけで楽しむことにするよ」
アドス 「銀青様が仰るのなら…」
イライザ「分かりましたわ、残念ですけど」
その代わり…、とイライザさんの視線がキース君に。
イライザ「他のサービス、頑張りなさいね」
キース 「もちろんだ!」
ブルー 「それじゃ、今夜は下僕三昧!」
キース 「下僕!?」
俺に下僕になれと言うのか…、とキース君の顔が真っ青。
キース 「パーティーの間中、こき使われろ、と!?」
ブルー 「サービスを頑張るわけだよね?」
まずは、宿坊の人の下僕で、と生徒会長、ニッコリと。
ブルー 「プレゼントを届けに来てくれた分、仕事がさ…」
アドス 「滞ったかもしれませんなあ…」
宿坊の人「そうですね、お部屋に布団を敷くとかの…」
夜の業務が遅れてますが…、という答え。
ブルー 「らしいよ、キース、行ってきたまえ!」
キース 「この格好でか!?」
それこそ写真の危機なんだが…、とキース君、ガクブル。
キース 「お客様に撮影されて、SNSで拡散で…」
ブルー 「そうだろうねえ…」
キース 「嫌すぎる!」
親父の下僕になる方がマシだ、と絶叫ですけど。
アドス和尚の…?
2025/01/19 (Sun)
☆下僕をやるなら
元日の夜にクリスマスパーティー、カオスな元老寺の新年。
サンタなキース君、記念撮影を拒否、その代わり、下僕に。
アドス 「ほほう…。ワシの下僕をやりたい、と?」
キース 「宿坊には行きたくないからな!」
止めても隠し撮りがある、とキース君の引き攣った顔。
キース 「お客様の中には、一人くらい…!」
シロエ 「撮る人、いるのが普通ですよね…」
サム 「でもって、内輪だけに見せてた筈のがよ…」
流出するのも定番だぜ、とサム君も。
サム 「今の格好で宿坊に行ったら、マジで詰むヤツ…」
ジョミー「明日の夜には、拡散だよね…」
キース 「真面目に、そうなる危機なんだ!」
親父の下僕にしておいてくれ、とキース君、合掌ですけど。
シロエ 「致命的に似合っていない気がします…」
スウェナ「サンタTシャツに海パンだものね…」
アドス 「御本尊様も、お笑いになっておられるかと…」
合掌も、お念仏も似合わんわい、とアドス和尚の深い溜息。
アドス 「こんな下僕を貰ってものう…」
イライザ「正直、困りますわよね…」
アドス 「そうじゃ、お前が下僕にじゃな…」
イライザ「いいですわね!」
パーティーを手伝って貰いますわ、とイライザさんの笑み。
イライザ「ちょっと待ってて下さいね」
一同 「「「は?」」」
イライザ「取って来る物がありますのよ」
お手伝いには必須ですの、と何かを取りに出て行きまして。
イライザ「お待たせしました、はい、キース」
キース 「…なんだ?」
イライザ「広げてみれば分かるでしょ」
どうぞ、とイライザさんが手渡す、ピンクの花柄の布。
キース 「…広げろ、と? げっ!?」
シロエ 「花柄のエプロンじゃないですか!」
サム 「しかもフリルがついてやがるぜ、女物だよな?」
ジョミー「まさか、キースが腰にエプロンするわけ?」
イライザ「海パンは隠れますけど、Tシャツは見えますわ」
下僕ならつけて下さいな、と注文ですけど。
最悪かも…。
2025/01/20 (Mon)
☆エプロンで下僕
雪の元日な元老寺の夜、庫裏でクリスマスパーティーな今。
サンタTシャツのキース君、イライザさんの下僕に決定で。
キース 「待て、海パンの上に、このエプロンでは…」
イライザ「何か問題がありますの?」
キース 「前から見た時、最悪なんだが…!」
エプロンの丈は膝上だぞ、とキース君、顔面蒼白。
キース 「笑われるしかない格好で…」
アドス 「エプロンの下に見えるのは、足じゃからのう…」
イライザ「写真撮影は禁止なんだし、よろしいでしょ?」
皆さんの記憶に残るだけよ、とイライザさんはスルー。
イライザ「サッサとエプロン、つけなさいな」
アドス 「Tシャツがあるだけ、マシなんじゃぞ?」
ジョミー「あー…。もしも、海パンだけだったら…」
サム 「最低な格好になっちまうよな…」
早くエプロンつけちまえよ、とサム君が指差す腰エプロン。
サム 「でないと、変質者にしか見えねえヤツだぜ?」
ブルー 「誰かさんなら、喜びそうだけどねえ…」
キース 「うっ…!」
グッと詰まったキース君。
キース 「分かった、この件、他言するなよ?」
一同 「「「はーい!」」」
黙っています、と揃った声。
シロエ 「誰かさんが知ったら、悲惨ですしね…」
サム 「マジで詰みだぜ」
アドス 「どなたのことかは、存じませんが…」
イライザ「話は決まりましたわね」
早くなさい、とイライザさんが急かして、エプロン装着。
キース 「つけたぞ、これでいいんだな!?」
イライザ「そうよ、頑張ってお手伝いしなさいな」
下僕なんだし、とイライザさん、顎で使う気。
イライザ「キース、このお皿は下げて、次のをね」
キース 「はいっ!」
裏方の方で頑張ります、とキース君が給仕などを。
ジョミー「アドス和尚の下僕をやるより、キツいかも…」
アドス 「なあに、せがれの自業自得で…」
イライザ「パーティー、楽しんで下さいな」
いい元日になりましたわね、と笑顔ですけど。
厄日なのでは…?
2025/01/21 (Tue)
☆延長だった正月
元日にクリスマスだった今年の正月、終わった後は冬休み。
プレゼント代を働いて払ったキース君、大忙しだった模様。
キース 「やっと正月が終わってくれた…」
シロエ 「とうに終わっていますけど?」
冬休みも終わって長いですよ、とシロエ君が傾げる首。
シロエ 「三連休も終わりましたし、今日は今月最終の…」
サム 「土曜だよなあ、お決まりのコースでよ」
ブルーの家に来て過ごすヤツな、とサム君も。
サム 「ついでに言うなら、先週の時点で、同じでよ…」
ジョミー「通常営業だったよね?」
お寺の場合は違うわけ、とジョミー君の問い。
ジョミー「旧暦でやるから、遅くまでとか?」
キース 「違う、プレゼント代の労働期間が延長戦で…」
俺の正月は続いてたんだ、とキース君の深い溜息。
キース 「庫裏の掃除と洗濯だけだが、甘かった…」
シロエ 「何か失敗したんですか?」
キース 「言う気にもなれんが、色々とな…」
今朝も働いて、やっと借金を返し終わった、と悲惨な激白。
キース 「おふくろも親父も、容赦ないしな…」
??? 「うん、知ってる!」
凄いよね、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「特に、お母さんが凄くってさ…」
キース 「何の話だ!?」
Aブルー「もちろん、お正月のパーティーだよ!」
ホントに素晴らしいセンスだったし、とソルジャーの称賛。
Aブルー「キースに、裸エプロンもどき!」
一同 「「「げっ!」」」
知ってたのか、と一同、ドン引き。
キース 「あ、あんた、もしかしなくても、アレを…」
Aブルー「参加出来なくて残念だったね…」
ニューイヤーのパーティーがあったしさ、と愚痴る人。
Aブルー「あっちじゃ、貴重なお祭り騒ぎで…」
キース 「それが無ければ、来ていたと!?」
Aブルー「当たり前だよ、アドス和尚と、お母さんなら…」
シロエ 「記憶操作ですね…」
知り合いのふりが出来そうです、と言ってますけど。
確かに…。
2025/01/22 (Wed)
☆肉眼で見たい人
来週には1月が終わる土曜日、生徒会長宅に来ている面々。
キース君が愚痴な所へ、ソルジャーが登場したわけでして。
Aブルー「知り合いどころか、親友でもオッケー!」
シロエ 「先輩方のポジションですか?」
Aブルー「そうなるね。先輩なコースもいけたかも!」
柔道部の先輩は無理があるけどさ…、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「お世話になった先輩とかなら、記憶操作で…」
ジョミー「入り込めてた、って?」
Aブルー「こっちのブルーと、双子でもいいねえ!」
ブルー 「あのねえ…」
こんな兄弟は要らないし、と生徒会長、即答。
ブルー 「その場で否定で、放り出すから!」
Aブルー「困るよ、来なくて正解だったヤツ…」
ところで、キース、とソルジャー、ズズイと。
Aブルー「もう一度、やってくれないかな?」
キース 「はあ?」
Aブルー「例のサンタを、見たくってねえ!」
是非とも肉眼で拝見したい、とソルジャーの怖すぎる希望。
Aブルー「見せてくれるなら、ぶるぅは呼ばないから!」
キース 「ぶるぅだと!?」
どうしてヤツが出て来るんだ、とキース君の悪い顔色。
キース 「あいつは、イベの時しか来ない筈だぞ!」
Aブルー「うん、今日も悪戯三昧で…」
ぼくの不在も気付いてないね、とソルジャーが広げる両手。
Aブルー「今、泣いてるのは、厨房にいる面子だけど」
一同 「「「うわー…」」」
気の毒すぎる、と誰もが同情。
シロエ 「盗み食いとか、そういうのですね…」
Aブルー「基本はソレだね、片っ端から食べまくり!」
でなきゃ大酒、とソルジャー、クスッと。
Aブルー「キースがエプロンだった時にも、大酒で…」
サム 「酔っぱらってて、見ていねえとか?」
Aブルー「ピンポーン! 知っているのは、ぼくだけで…」
キース 「あんた、ぶるぅにバラすつもりか!?」
Aブルー「その辺のことは、君次第かなあ…」
もう一度やってくれないかい、と注文ですけど。
あのサンタを…?
2025/01/23 (Thu)
☆嫌なら思い出話
1月最後の土曜日ですけど、生徒会長宅で過ごす御一同様。
其処へソルジャー登場でして、キース君に恐ろしい注文が。
キース 「俺に、アレをやれと!?」
Aブルー「嫌なら、それでいいんだよ?」
無理強いしようとは思わないしさ…、とソルジャーの笑み。
Aブルー「ぼくは見たから、みんなと楽しく思い出話で…」
シロエ 「その後、ぶるぅに話すんですね?」
Aブルー「ピンポーン!」
こっちのぶるぅに、お土産を貰って帰ってさ、とニヤニヤ。
Aブルー「ぶるぅに渡して、今日の思い出話を…」
サム 「キースの件を含めて、まるっと全部な…」
Aブルー「もちろんだよ! ぶるぅが見損ねた元日のさ…」
あれやこれやを話すわけだね、とソルジャー、得意げ。
Aブルー「ぶるぅのことだし、そうなった時は…」
シロエ 「次のイベの時に、リクエストでしょうか?」
Aブルー「だろうね、節分の時は来ないから…」
ジョミー「次と言ったら、お花見だっけ?」
お彼岸の法要も来てないし…、とジョミー君。
ジョミー「お花見だったら、会場、マツカの別荘だしさ…」
シロエ 「料理も出ますし、仕事内容、元日の時と…」
被りますよね、とシロエ君が顎に当てる手。
シロエ 「サンタに桜は似合いませんけど…」
サム 「あいつ、そんなの、気にするタイプかよ?」
ジョミー「違う気がするけど…」
Aブルー「そうだ、夏まで待つっていうのもアリかも!」
南国のサンタなんだろう、とソルジャー、親指をグッと。
Aブルー「海の別荘で、サーフボードも用意して…」
スウェナ「本来、そういうサンタだわねえ…」
Aブルー「ぶるぅも、そっちを見たいかもだし…」
ぼくからオススメしておくよ、と笑顔全開。
Aブルー「今年の夏は、キースがサンタTシャツ!」
一同 「「「イイネ!」」」
キース 「何処がイイネだ!!!」
Aブルー「でもさ、ぶるぅに喋ったら…」
夏はサンタになると思う、と目がマジですけど。
どうなる…?
2025/01/24 (Fri)
☆やるなら今の内
1月の最後の土曜日、生徒会長宅に集うシャン学メンバー。
ソルジャーも来まして、キース君のサンタをリクエストで。
シロエ 「でしょうね、同じサンタを見るんだったら…」
サム 「花見よりかは、海の方だぜ」
ジョミー「南国のサンタを再現するには、最高だしね」
サーフィンもやらされるんじゃないかな、とジョミー君。
ジョミー「マツカの別荘のビーチは、向いてないけど」
シロエ 「波が高くはないですからね」
他所のビーチになりそうですよ、とシロエ君の相槌。
シロエ 「マツカ先輩、別荘の近くにありますか?」
マツカ 「あの辺の海だと、普段から波が穏やかですし…」
サム 「他を当たるしかねえってか?」
マツカ 「ヘリで良ければ、最適な場所へ御案内出来ます」
サーファーに人気のビーチですよ、とマツカ君の説明が。
マツカ 「遊泳には、少し危険だそうで…」
サム 「子供とかだと、波が高すぎるのな?」
マツカ 「そうらしいです、ですから、余計に人気ですね」
接触事故が起きませんから、とマツカ君、穏やかな笑み。
マツカ 「遊泳する人がいないというのは、大きいですよ」
シロエ 「巻き込む心配、要りませんしね…」
ジョミー「思う存分、出来るもんね…」
ビッグウェーブに乗りまくってさ、とジョミー君も。
ジョミー「キースはサーフィン、出来たっけ?」
シロエ 「どうなんでしょう、ぼくは知りませんけど…」
サム 「今の場合は、出来るとしても言わねえぜ?」
やらされちまうの、分かってるしよ、とサム君の言。
サム 「もっとも、相手は、ぶるぅだしよ…」
シロエ 「練習してでも、やらされますよね…」
Aブルー「ピンポーン!」
当たり前だよ、とソルジャー、笑顔全開。
Aブルー「どうするんだい、キース?」
キース 「今の間にやっておいたら、喋らないのか?」
Aブルー「そう! ぶるぅも、今なら興味無いしさ…」
最初で最後のチャンスだと思う、と言ってますけど。
やれと…?
2025/01/25 (Sat)
☆傷が浅い間に
1月最後の土曜ですけど、生徒会長宅に来ている御一同様。
ソルジャーも来まして、元日のサンタの再現を希望でして。
シロエ 「キース先輩、やっておいたらどうですか?」
ジョミー「最初で最後のチャンスらしいしね…」
サム 「あっちのぶるぅに、知れた後では遅いんだぜ?」
海の別荘でサンタでよ…、とサム君が竦める肩。
サム 「しかもサーフィン、ついてくるしよ…」
スウェナ「どう考えても、そのコースだわね…」
Aブルー「ぼくからも、ぶるぅにオススメするから…」
外せないのがサーフィンだよ、とソルジャーの怖い台詞が。
Aブルー「それでいいなら、今日の所はスルーして…」
シロエ 「お土産だけ、持って帰るわけですね?」
Aブルー「除夜の鐘の話は、語れないしさ…」
今年も煩悩ゲットをしに来たけどね、とニヤニヤと。
Aブルー「ぼくのハーレイと、ホテルに泊まって…」
ブルー 「その先、禁止!」
Aブルー「ほらね、こうして止めに入るし…」
もう帰るよ、とアッサリ引き下がる姿勢。
Aブルー「というわけで、ぶるぅ、持ち帰り用に…」
ぶるぅ 「お菓子とか、詰めればいいんだね!」
ちょっと待ってて、とキッチンへ跳ねてゆく元気なお子様。
ぶるぅ 「ぶるぅの分も、いっぱい入れるから!」
Aブルー「ついでに、ハーレイの分も、よろしく!」
ぶるぅ 「オッケー!」
じきに戻るね、と扉を開けようとした瞬間。
キース 「待ってくれ!!!」
ぶるぅ 「えっと…?」
キース 「要はサンタだ、もう一度やればいいんだろう!」
持ち帰り用は用意しなくてもいい、とキース君の叫び。
キース 「やりさえすれば、蒸し返さないんだな?」
Aブルー「もちろんだよ!」
其処の所は約束する、とソルジャー、即答。
Aブルー「あのサンタ、やってくれるって?」
キース 「仕方なかろう、傷が浅い間にやっておく!」
一同 「「「イイネ!」」」
またクリスマス、と盛り上がってますけど。
三回目…。
2025/01/26 (Sun)
☆旧暦で行くなら
1月の最後の土曜日、生徒会長宅に来ていた面々ですけど。
ソルジャー登場で流れが変わって、キース君のサンタ再び。
ジョミー「やったね、三度目のクリスマスだよ!」
シロエ 「ちょっぴり遅れてますけどね」
サム 「あー、13日遅れだってトコでも、とっくに…」
終わってるしよ、とサム君が眺める壁のカレンダー。
サム 「仕方ねえよな、1月25日ではよ…」
シロエ 「いえ、12月26日ですよ」
一同 「「「はあ?」」」
何の話だ、と誰もが見合わせる顔。
スウェナ「何なのよ、ソレ?」
シロエ 「由緒正しい暦ですけど?」
キース先輩なら分かる筈です、とシロエ君。
シロエ 「お寺の場合は、必須なのでは?」
キース 「…なんで貴様が知っているんだ!」
シロエ 「たまたまですよ、普段は気にしていませんしね」
月を使った暦なんて、とシロエ君のクスクス笑い。
シロエ 「12月1日が、一月遅れの1日とセットで…」
ジョミー「そうだったんだ?」
シロエ 「ええ。11月1日とキッチリ合ったそうです」
それ以来、たまに見るんですよね、という太陰暦。
シロエ 「そっちの方なら、今日は12月26日で…」
サム 「まだクリスマスの期間じゃねえの?」
ブルー 「そうだね、国によっては祝日だよ」
12月26日と言えば特別、と生徒会長。
ブルー 「アフタヌーンティーの国がそうだね」
シロエ 「そうなんですか?」
ブルー 「うん。だから、コアラの国でも祝日!」
メープルシロップの国も祝日、と披露される豆知識。
ブルー 「ボクシングデーっていう名前でさ…」
一同 「「「ボクシングデー?」」」
どんな祝日、と首を傾げる御一同様。
シロエ 「まさか、殴り合いをする日ですか!?」
ブルー 「贈り物だよ、箱はボックス」
Aブルー「それじゃ、プレゼントが貰えるわけ?」
ブルー 「スポーツ観戦とか、セールだとか…」
贈り物の他にも色々とね、と笑顔ですけど。
旧暦だと祝日…。
2025/01/27 (Mon)
☆祝日だそうです
1月最後の土曜は25日、生徒会長宅に来ている御一同様。
ソルジャーも来まして、キース君のサンタが再びですけど。
Aブルー「いいねえ、祝日だなんて最高だよ!」
シロエ 「そっちの方は、知りませんでしたけど…」
丁度いい日になりましたね、とシロエ君が立てる親指。
シロエ 「お祭り騒ぎで良さそうですし」
ブルー 「うん。キースのTシャツも、別バージョンを…」
披露するのがいいと思うよ、と生徒会長。
ブルー 「元日の時は、肩に羽織っただけの方をね」
ジョミー「あー、ボクサーのサンタ!」
シロエ 「ボクシングデーだからですか?」
ブルー 「そう! 英語の綴り、ボクシングと同じでさ…」
ボクシングを絡めたカードとかもあるね、という台詞。
ブルー 「贈り物に添えるカードに、ボクシングを…」
Aブルー「描いてあるんだ?」
ブルー 「ハッピー・ボクシングデー、と景気よく!」
パンチしているサンタもアリで、とニコニコと。
ブルー 「なにしろ、クリスマスの翌日だから…」
シロエ 「サンタを引き摺っているわけですね?」
ブルー 「贈り物をするって所も、重なってるしね!」
Tシャツはボクサー柄にすべきだと思う、と提案が。
ブルー 「みんな、そっちも見たいだろうし…」
Aブルー「ぼくもだよ!」
一同 「「「イイネ!」」」
ボクサー柄で、と誰もが賛成。
Aブルー「そうだ、エプロン、どうするわけ?」
シロエ 「エプロン、イライザさんのでしたね…」
ジョミー「黙って借りても、バレないんじゃあ?」
サム 「だよな、他にも持ってるだろうしよ」
あの時のエプロン、使用中でも…、とサム君も。
サム 「瞬間移動で拝借しとけば、いいと思うぜ」
Aブルー「それより、他のを用意する方が面白いって!」
一同 「「「はあ?」」」
Aブルー「もっとド派手に、フリルひらひらのとか!」
一同 「「「げっ!」」」
ソレは悪趣味と言うのでは、と皆がドン引きですけど。
他の…。
2025/01/28 (Tue)
☆悪趣味なエプロン
1月最後の土曜日ですけど、太陰暦だと12月26日な件。
生徒会長宅に集う面々、ソルジャーと三度目のクリスマス。
Aブルー「いいかい、着るのはキースなんだよ?」
シロエ 「そうなんですけど…」
Aブルー「だったら見応えバッチリな方が!」
ちょっと待ってて、と消えたソルジャー、じきに戻って。
Aブルー「はい、こんなのを買ってみましたーっ!」
一同 「「「うわー…」」」
ひらひらな上にピンク色か、と悲鳴が上がっていますけど。
Aブルー「サンタの色は赤だし、ピンクが合うよね!」
キース 「俺に、コレをつけろと!?」
Aブルー「嫌ならスルーしてもいいけど…」
ぶるぅに愚痴りたくなるかもね、とソルジャーの言。
Aブルー「サンタの件は喋らなくても、エプロンなら…」
シロエ 「別件になる、ということですか?」
Aブルー「キースがエプロンを嫌がった、と話すんだよ?」
何処に問題があるんだい、と言われてみれば、その通り。
キース 「あんた、ぶるぅにエプロンのことを…」
Aブルー「尾ヒレをつけて喋るのもいいねえ…」
裸エプロンを見損ねたとか…、と恐ろしすぎる台詞。
Aブルー「もう間違いなく、夏休みの海の別荘はさ…」
ジョミー「キースのエプロン、確定だよね…」
Aブルー「おまけに、裸エプロンでね!」
裸エプロンは知ってるのかな、とソルジャーの笑み。
Aブルー「大人の時間の定番で…」
ブルー 「退場!」
Aブルー「ほら来た、海パンを履いているんだし…」
ブルー 「前から見たなら、そのものだろう!」
生徒会長の叫びで、裸エプロンを理解した御一同様。
シロエ 「キース先輩、今の状況、ヤバいのでは?」
サム 「エプロンしねえと、悲劇しかねえ展開でよ…」
ジョミー「記念写真も撮られそうだよ、海の別荘で…」
Aブルー「撮るだろうねえ、ぶるぅだし!」
キース 「…コレをしないと、そうなるんだな…?」
悪趣味すぎるエプロンでも、と泣きそうですけど。
恐らく…。
2025/01/29 (Wed)
☆残らない記録
1月最後の土曜日は、太陰暦だと12月26日になるとか。
国によってはボクシングデーで祝日、パーティーには最高。
Aブルー「サンタTシャツは、着てもいいんだよ?」
シロエ 「現時点では、という意味ですよね?」
Aブルー「キースが渋り続けた場合は、海パンだけだね!」
5分以内に選びたまえ、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「Tシャツを着てエプロンか、海パンだけか…」
キース 「選ぶまでもなかろう!」
Tシャツの方に決まっている、とキース君の叫び。
キース 「写真撮影は禁止だろうな?」
Aブルー「記憶だけで充分! 他のみんなは?」
サム 「俺は命が惜しいしよ…」
シロエ 「隠し撮りとか、バレたら命が無いですしね…」
記憶しておきます、とシロエ君。
シロエ 「スケッチする猛者がいたら、知りませんけど」
一同 「「「は?」」」
シロエ 「撮影禁止の法廷なんかは、スケッチですから」
報道写真の代わりに絵です、とシロエ君の説明が。
シロエ 「誰か、スケッチするんですか?」
ジョミー「やらないってば、キースが怖いし!」
Aブルー「ぼくの場合は、やりたいんだけど、絵心が…」
ついていってはくれないから、とソルジャー、残念そう。
Aブルー「というわけで、記録は一切、残らないよね」
キース 「分かった、エプロンを寄越せ!」
Tシャツの方も、とキース君。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ はい、Tシャツ、お取り寄せ!」
キース 「では、着替えて来る」
部屋を借りるぞ、とTシャツとエプロンを持って別室へ。
ぶるぅ 「Tシャツ、ボクサー柄だけでいいんだよね?」
Aブルー「機関銃の方は、ぼくも満喫したからねえ…」
ボクサー柄の方も楽しみ、と高まる期待。
キース 「待たせたな!」
一同 「「「うっ…」」」
Aブルー「何をしてるのさ、拍手でお迎えしないとね!」
一同 「「「は、はいっ!」」」
大喝采の中、キース君、エプロンをつけて登場。
目の暴力かも…。
2025/01/30 (Thu)
☆目にしたら負け
1月最後の土曜日、生徒会長宅で祝う三度目のクリスマス。
太陰暦だとボクシングデーで、パーティーには最高の日で。
Aブルー「ボクサーなサンタTシャツも、お似合いだよ!」
シロエ 「Tシャツの方はいいんですけど…」
サム 「エプロン、目には暴力だぜ…」
バージョンアップしちまったしよ、とサム君が広げる両手。
サム 「給仕係に徹してくれよな、目の端の方で」
ジョミー「視界に入れたら、負けだもんね…」
スウェナ「パーティー自体は、嬉しいんだけど…」
シロエ 「見たら終わりな気しかしません…」
この際、食べて食べまくるしか…、とシロエ君も。
シロエ 「それか、言い出しっぺに押し付けるかです」
一同 「「「は?」」」
シロエ 「専属の下僕で、他の人の用事はスルーですよ」
こっちは勝手に飲み食いするということで、という提案。
シロエ 「普段のパーティー、そうですしね」
一同 「「「イイネ!」」」
ソレに決めた、と皆が賛成。
シロエ 「キース先輩、決定です! 後はよろしく!」
キース 「俺に、あいつの下僕になれと!?」
Aブルー「いいと思うよ、スルーなんだし」
記憶に残りにくくなるだろう、とソルジャーが立てる親指。
Aブルー「それじゃ早速、パーティー開幕!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 御馳走、用意出来てるよ!」
チキンもあるし、ローストビーフも、と張り切るお子様。
ぶるぅ 「キース、運ぶの、手伝ってね!」
シロエ 「料理、運ぶだけでお願いします!」
サム 「俺たちの方には、来てくれるなよ」
キース 「…承知した…」
記憶には残さないでくれ、と泣き言が。
キース 「いいな、あんたも、喋るんじゃないぞ」
Aブルー「喋らないって、その代わり、下僕を頑張って!」
キース 「やるしかない以上、根性でやり遂げる!」
Aブルー「いいねえ、其処の料理をさ…」
キース 「はい、只今!」
お取りします、と下僕に徹してますけど。
今月、これにて中継終了~。
2025/01/31 (Fri)
☆新年は元老寺で
新年あけましておめでとうございます。元日の元老寺の朝。
シャン学メンバー、まだ庫裏の部屋で爆睡中なわけでして。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ あけましておめでとう!」
一同 (((もう朝…?)))
まだ暗いのに元気一杯、廊下を跳ねてゆくお子様の声。
ぶるぅ 「起床、起床ーっ!」
一同 (((…眠いんだけど…)))
此処の年越しはハードなんだ、と愚痴りながらも起床。
シロエ 「おはようございます…。雪、積もってますね」
サム 「修正会の間から、積もり始めてたしよ…」
ジョミー「今年もハードだったよね…」
なんで夜中に法要が…、とジョミー君の深い溜息。
ジョミー「ついでに正座で、椅子席は貰えないしさ…」
キース 「仕方なかろう、俺よりはマシだ」
俺は法要で読経なんだぞ、と法衣のキース君が登場。
キース 「それより急げよ、山門で親父がお待ちかねだ」
一同 「「「あー…」」」
初日の出を拝みに行かないと…、と雪の境内を山門へ。
アドス 「間に合いましたな、横に並んで下さいよ」
イライザ「二礼、二拍手、一礼ですからね」
一同 「「「はいっ!」」」
昇る朝日にパンパン柏手、深々とお辞儀。
アドス 「それでは皆さん、庫裏の方へどうぞ」
イライザ「暖房も入れてありますよ」
お雑煮も出来ておりますわ、とイライザさんが座敷へ案内。
イライザ「まずは新年のご挨拶からですわね」
アドス 「改めまして、新年おめでとうございます」
一同 「「「おめでとうございます!」」」
挨拶の後は、お屠蘇が出まして、それからお雑煮タイム。
イライザ「熱いですから、お気を付けて」
アドス 「おせちも、遠慮なく召し上がって下さい」
和洋中と揃えましたぞ、とアドス和尚。
アドス 「おかわり用もございますしな」
イライザ「いくらでも、好きなだけお取り下さいね」
一同 「「「ありがとうございます!」」」
さあ食べるぞ、と誰もが大歓声。
今年は、どんな一年に…?
2025/01/01 (Wed)
☆最高のチョイス
今年も雪になった元日、元老寺で迎えたシャン学メンバー。
山門で初日を拝んだ後には、庫裏の座敷でおせちタイムで。
ぶるぅ 「おせち、今年もドッサリだね!」
アドス 「評判の店のを揃えましたぞ、如何ですかな?」
ブルー 「うん、最高! イライザさんのチョイス?」
それとも君が選んだわけ、と生徒会長の問い。
ブルー 「和洋中、どれも味もセンスも素晴らしいよね」
ぶるぅ 「盛り付けだって、凝ってるもんね!」
アドス 「どうも、お褒めに与りまして…」
恐れ入ります、とアドス和尚の視線がイライザさんに。
アドス 「この中から頼む、とリストを渡しましてな…」
ブルー 「イライザさんが選んだ、と」
イライザ「そうですの。お気に召しましたかしら?」
ブルー 「もちろんだよ!」
でなきゃ最高とは言わない、と生徒会長、手放しで称賛。
ブルー 「ぶるぅも、大喜びで食べてるしさ」
ぶるぅ 「全種類、制覇するんだも~ん!」
イライザ「良かったですわ。そういえば、皆さんに…」
お尋ねしてもよろしいかしら、とイライザさん。
イライザ「思い出したことがあるんですけれど…」
シロエ 「えっと…? 昨日の除夜の鐘ですか?」
イライザ「いえ、別件になりますわね」
チョイスで思い出しましたの、とイライザさんが傾げる首。
イライザ「クリスマスは、お楽しみになれまして?」
一同 「「「は?」」」
何故にクリスマス、と一同、キョトン。
ジョミー「クリスマスって? そりゃ、楽しかったけど…」
イライザ「やっぱり、大ウケでしたのね!」
選んだ甲斐がありましたわ、とイライザさんの嬉し気な顔。
イライザ「言った通りにして良かったでしょ?」
アドス 「その通りじゃな」
お母さんに感謝しろ、とアドス和尚が見るのはキース君。
アドス 「散々、文句を言っておったが…」
イライザ「喜んで頂いてこそですよ」
一同 「「「???」」」
何の話だ、と全く意味が不明ですけど。
クリスマス…?
2025/01/02 (Thu)
☆見せるべき衣装
今年も元老寺で雪の元日、おせちで賑やかな面々ですけど。
イライザさんのチョイスだそうで、クリスマスの話題な今。
ジョミー「キースに、何かして貰ったっけ?」
サム 「プレゼントを貰えたのは、お子様だけだぜ?」
イライザ「らしいですわね、サンタの役目でしたでしょ?」
衣装も揃えて頂いたとか…、とイライザさんの笑み。
イライザ「せっかくですから、私も衣装を選びましたの」
一同 「「「衣装?」」」
そんなの持って来てたっけ、と誰もが見合わせる顔。
サム 「クリスマスに、法衣は見てねえよな?」
シロエ 「見ていませんよ、サンタの衣装と私服だけです」
スウェナ「もしかして、アレのことじゃない?」
誰も見られなかったヤツ…、とスウェナちゃんが傾げる首。
スウェナ「武闘派のサンタだったとかいう…」
イライザ「ソレですわ。御覧になってらっしゃらないと?」
アドス 「本当ですかな、二枚も買った筈ですが…」
どうして見られなかったんです、とアドス和尚の質問が。
アドス 「せがれが、お見せしなかったと?」
シロエ 「そうなりますね」
イライザ「なんですって!?」
舶来モノのTシャツなのに…、とイライザさんが顰める顔。
イライザ「わざわざ取り寄せましたのよ?」
アドス 「送料も、しっかりかかりましたな…」
航空便を使いましたし、とアドス和尚も苦い顔付き。
アドス 「どなたも、御覧になれなかったので?」
ぶるぅ 「そだね、ぼくとブルーは、後になってから…」
ブルー 「洗濯物を覗き見させて貰ったんだけど…」
他のみんなは見てはいないよ、生徒会長。
ブルー 「その話も、昨日、したばかりでさ…」
ぶるぅ 「みんな、初耳だったよね…」
Tシャツの模様、と家事万能なお子様も証言。
ぶるぅ 「でもでも、見せる約束だったの?」
アドス 「約束とまでは申しませんが…」
イライザ「心得事ですわね…」
誂えた服を披露するのは、と口を揃えてますけど。
心得事…。
2025/01/03 (Fri)
☆見せなかった理由
雪の元老寺で元日ですけど、おせちタイムに出て来た話題。
クリスマスパーティーの日の、キース君のTシャツでして。
アドス 「せがれが自分で買った服なら、自己満足で…」
イライザ「着ないまま仕舞い込んでも、いいんですけど…」
コレクションの一つに過ぎませんし、とイライザさん。
イライザ「あのTシャツは、違いますでしょ?」
アドス 「ワシらが、クリスマスパーティー用に選んで…」
取り寄せた品になりますからな、とアドス和尚の眉間に皺。
アドス 「皆様に、お目にかけてこそでして…」
イライザ「盛り上がって頂くために、誂えましたのに…」
どうして披露しなかったんです、とキース君に厳しい視線。
イライザ「お父さんの好意を無にするなんて…」
アドス 「父ならマシじゃが、ワシの場合は師僧じゃぞ?」
師僧を何だと思ってるんじゃ、とアドス和尚も。
アドス 「馬鹿にしておるのか、お前は!」
キース 「いや、そうでは…!」
イライザ「だったら、どうして見せなかったの?」
キース 「そ、それは…」
言葉に詰まったキース君、冷汗ダラダラ。
アドス 「ワシらには言えん事情がある、と?」
イライザ「お師僧様に隠し事とか、有り得ませんわよ?」
キース 「そういうわけじゃないんだが…!」
後々まで尾を引きそうで…、とキース君が竦める首。
キース 「一生、笑いの種になりそうだったし…」
アドス 「…皆さん、そういう理由ですかな?」
せがれの苦しい言い訳では…、とアドス和尚の質問が。
アドス 「ウケを取れれば、一生モノのネタですぞ」
イライザ「持ちネタに出来て、最高ですのに…」
笑いの種なら本望でしょう、とイライザさんも不満そう。
イライザ「何処が駄目だと言うんです?」
キース 「普通だったら、そうかもしれないんだが…!」
アドス 「では、何じゃと?」
キース 「一生の時間が、半端ない長さなんだぞ…!」
現に未だに高校生で…、と叫んでますけど。
それは確かに…。
2025/01/04 (Sat)
☆耐え抜いた地獄
今年も元老寺で元日なシャン学メンバー、雪が積もった外。
庫裏の座敷は暖かいのに、おせちタイムにキース君が冷汗。
シロエ 「一生モノで引き摺るよりは、ってことですよ…」
ジョミー「そうなる気持ちは、理解出来るよね…」
サム 「だよなあ、今まで気付いてなかったけどよ…」
一生モノの時間が長すぎだぜ、とサム君、うんうん、と。
サム 「耐えまくってたのも、納得ってモンで…」
シロエ 「キース先輩の立場だったら、ぼくだって…」
暖房地獄も、酷寒地獄も、耐えますしね、とシロエ君も。
シロエ 「キース先輩、お疲れ様でした…」
ジョミー「ホント、そうだよ…」
サム 「仕方ねえよな、あの場合はよ…」
スウェナ「他に方法、無かったものね…」
見られないように隠し通すには…、とスウェナちゃん。
スウェナ「脱いでしまったら、おしまいだったし…」
アドス 「失礼、話が全く見えんのですが…」
イライザ「私もですわ、暖房地獄に酷寒地獄とか…」
それはどういう地獄ですの、とイライザさんの問い。
イライザ「もちろん、本物の地獄だったら、両方が…」
アドス 「揃っていますな、しかし、せがれは…」
地獄巡りが出来る器では…、とアドス和尚の不審そうな顔。
アドス 「よほど修行を積まない限りは、不可能でして…」
イライザ「愚息が行けるとは、思えませんのよ…」
銀青様なら分かりますけど、とイライザさんも相槌。
イライザ「現世の地獄のお話でしょう?」
アドス 「サウナにでも、入りましたかな?」
いや、サウナなら、脱ぐでしょうから…、とアドス和尚。
アドス 「我慢大会を開催でしたか?」
イライザ「余興だったら、ありそうですわね…」
意地でも脱がずに優勝ですの、とイライザさんが傾げる首。
イライザ「その後、外で寒さ我慢でしたのかしら?」
アドス 「耐える理由が無いと思うぞ」
イライザ「そうでした…」
寒さだったら着込みますわね、と言ってますけど。
我慢大会…。
2025/01/05 (Sun)
☆素行に問題アリ
雪の元老寺で元日ですけど、話題がクリスマスという状態。
おせちタイムに問題になった、キース君のサンタTシャツ。
アドス 「酷寒地獄に耐えた方のも、我慢大会ですかな?」
シロエ 「いえ、アレを我慢大会と呼ぶんでしたら…」
参加者はキース先輩だけで…、とシロエ君が始めた説明。
シロエ 「暖房地獄は、キース先輩がグッと我慢で…」
アドス 「他の皆さんは、違ったと?」
シロエ 「脱いでしまえば、快適でしたね」
サム 「半袖1枚でいけそうなほどだったけどよ」
脱げないキースには地獄だよな、とサム君の補足。
サム 「脱いだら、どうにもならねえし…」
ジョミー「Tシャツを見たい人が揃ってたしね…」
アドス 「なるほど、自業自得でしたか…」
イライザ「脱げばいいのに、隠してましたのね…」
酷寒地獄はどうでしたの、とイライザさんも興味津々。
イライザ「キースが一人で、我慢大会だったんでしょう?」
アドス 「追い出されたような気がするんじゃが…」
シロエ 「自発的に出て行った結果ですよ」
あの日も酷い雪でしたから…、とシロエ君の苦笑。
シロエ 「積もってる中で、吹きっさらしの屋上でした」
アドス 「それは確かに寒そうですな…」
ジョミー「貼るカイロだけでは、キツかったと思うよ」
部屋では暖房地獄だったけどね、とジョミー君。
ジョミー「全身、貼るカイロを装備だったしさ…」
アドス 「ゴージャスですなあ、何故、そうなったと?」
シロエ 「日頃の行いというヤツでしょうか…」
イライザ「あらまあ、素行に問題アリですの?」
いけませんわね、とイライザさんの視線がアドス和尚に。
イライザ「罰礼コースで如何かしら?」
アドス 「そうしたいんじゃが、元日じゃしな…」
イライザ「檀家さんがお見えになる日でしたわね…」
アドス 「初詣に来て下さる前で、罰礼は見苦しいわい」
イライザ「そうでしたわ…」
他には何があるかしら、と考え込んでますけど。
罰を下すと…?
2025/01/06 (Mon)
☆戻せない時間
今年も雪の元老寺で元日、何故か話題がクリスマスな面々。
サンタ役だったキース君のTシャツ、誂えたとの話でして。
イライザ「宿坊の方を手伝わせたら、初詣が駄目ですし…」
アドス 「副住職が不在では、檀家さんに申し訳ないぞ」
しかし時間が迫っておるな、とアドス和尚の目が時計に。
アドス 「サム殿とジョミー殿は、今年も来て頂いて…」
イライザ「よろしくお願い致しますわね」
サム 「いつものことだし、気にしてねえよ」
ジョミー「ぼくは嫌だけど、気になる件なら、上にはさ…」
上があるよね、とジョミー君が指差す天井。
ジョミー「キースのTシャツ、見たかったわけで…」
シロエ 「ぼくもですけど、もう過ぎた話ですからね…」
なにしろ年が変わりましたし…、とシロエ君の深い溜息。
シロエ 「話題だけなら、クリスマスの話でも…」
サム 「戻れちまうけどよ…」
ジョミー「時間は戻ってくれないよね…」
タイムマシンも持ってないしさ…、とジョミー君も。
ジョミー「武闘派のサンタって、どんなのだったか…」
スウェナ「また気になって来ちゃったわよね…」
除夜の鐘でも消せなかったわ、とスウェナちゃんの苦笑。
スウェナ「ホントに惜しくて、見てみたいのに…」
サム 「キースのことだし、捨てたかもなあ…」
シロエ 「その線は無いと思いますよ?」
洗濯して干してあったのなら…、とシロエ君の冷静な分析。
シロエ 「イライザさんが保管していそうです」
ジョミー「ソレ、ありそう!」
サム 「キースには渡してねえってか?」
キースの私物じゃねえもんな、とサム君、手をポンと。
サム 「勝手に処分出来ねえ仕様で、今も何処かに…」
アドス 「当たっていますな、何処に仕舞ったんじゃ?」
イライザ「衣装ケースですけど、どうかしましたの?」
アドス 「罰礼の代わりに、披露はどうかと…」
イライザ「ナイスですわ!」
直ぐにでも出して来られましてよ、と笑顔ですけど。
披露すると…?
2025/01/07 (Tue)
☆罰礼の代わりに
雪の元老寺で迎えた元日、おせちタイムにクリスマスの話。
キース君が隠し通したTシャツ、イライザさんのチョイス。
アドス 「今は要らんぞ、初詣の方を急がんと…」
イライザ「そうでしたわね、夜でよろしいかしら?」
アドス 「うむ。皆さん、今日もお泊まりじゃしな」
初詣の間に出しておいてくれ、とアドス和尚の注文が。
アドス 「夕食の席で披露させれば、お喜びになるぞ」
イライザ「承知しましたわ、キースも分かってるわね?」
今夜の披露は逃がさないわよ、とイライザさんの睨み。
イライザ「逃げた場合は、罰礼、幾つになるかしら?」
アドス 「三千回で良かろう、それを三日間ということで」
キース 「…うっ…」
既に青かったキース君の顔色、血の気が引いて真っ白な今。
アドス 「いいか、罰礼三千回を三日間じゃぞ?」
イライザ「それが嫌なら、皆さんにお見せしなさいね」
出しておきます、とイライザさんのダメ押し。
イライザ「お部屋の方に置いておくから、初詣の後に…」
アドス 「夕食の前に着替えるんじゃな」
キース 「……はい……」
分かりました、とキース君、悲壮な顔付き。
キース 「もしかして、上着は不可ですか?」
イライザ「当たり前でしょう、Tシャツだけです!」
アドス 「上はそうじゃな、ズボンは履いて貰わんと…」
パンツ一丁のサンタはいかん、とアドス和尚。
アドス 「南国だったら、それもアリなんじゃが…」
イライザ「地球の裏側の国だと、夏でしたわね」
シロエ 「知ってます! サーフィンをするサンタとか…」
サム 「いるらしいよな、暑いしよ…」
サーフィンなんだし、短パンとかな、とサム君も。
サム 「けどよ、こっちは冬の最中で、雪景色でよ…」
シロエ 「Tシャツを着るにも、暖房は必須ですし…」
アドス 「その話、使えそうですな…」
一同 「「「は?」」」
アドス 「罰礼の代わりですぞ?」
ネタを極めてこそなのでは、と言ってますけど。
えっと…?
2025/01/08 (Wed)
☆元日でもサンタ
今年も元老寺で迎えた元日、おせちタイムは雪景色でして。
其処で出て来たクリスマスの話、キース君のTシャツの件。
シロエ 「ネタというのは、Tシャツですよね?」
アドス 「そういうことになりますな」
サム 「極めるってえのは、何なんだよ?」
アドス 「せっかくの、サンタTシャツですぞ」
南国のサンタで閃きましてな…、とアドス和尚、楽しそう。
アドス 「もうクリスマスは終わりましたが、南国風は…」
ジョミー「終わってないとか?」
アドス 「まだの所が、もしかしたなら…」
存在するかもしれませんぞ、と指差す壁のカレンダー。
アドス 「キリスト教にも、色々あると聞きますし…」
ブルー 「正教会のことを言ってるのかな?」
アドス 「流石は銀青様、よくご存じで」
一同 「「「正教会?」」」
なんだソレは、と一同、キョトン。
シロエ 「えっと…? 宗派の一つでしたっけ?」
アドス 「そうなのですが、暦が違うそうでして…」
一同 「「「暦?」」」
ブルー 「太陽暦より、ちょっと遅いんだよ」
13日間だったかな、と生徒会長が顎に当てる手。
ブルー 「夏のクリスマスが、これから来るわけで…」
アドス 「ソレを使えば、せがれも無事にサンタを…」
勤め上げられる勘定ですな、とアドス和尚、うんうん、と。
アドス 「実際、あるかは、置いておきまして…」
ブルー 「クリスマスをやり直すわけだね、いいと思うよ」
イライザ「あらまあ、それじゃ今夜は、お料理の方も…」
クリスマス風に変更ですわね、とイライザさん。
イライザ「ローストチキンでよろしいかしら?」
一同 「「「イイネ!」」」
元日の夜にクリスマス、と誰もが歓声。
シロエ 「最高ですよ、クリスマスが二回も!」
サム 「会場が寺でも、気にしねえよな!」
アドス 「南国風にやるわけですから、当然、サンタも…」
イライザ「夏服ですわよ」
でも、短パンがあったかしら、と首を傾げてますけど。
短パン…。
2025/01/09 (Thu)
☆取り寄せは不可
雪の元老寺で迎えた元日、夜にクリスマスをやり直すとか。
暦が違う宗派の場合は、これからというのが根拠だそうで。
キース 「俺は、短パンは履かん主義だぞ!」
シロエ 「確かに、見たこと無いですね」
サム 「似合わねえ自覚ってヤツが、あるんでねえの?」
ジョミー「だよねえ、キースは硬派だしさ…」
履くわけないよね、とジョミー君。
ジョミー「持ってないものは、履けないし…」
マツカ 「取り寄せは出来ると思いますけど…」
夜までには、とマツカ君、控えめに申し出。
マツカ 「よろしかったら、お申し付け頂ければ…」
アドス 「有難いお言葉なのですが…」
なにしろ罰でございますので…、とアドス和尚、合掌。
アドス 「お取り寄せは却下になりますな」
イライザ「似合いそうな短パンなんて、贅沢ですもの」
要りませんわ、とイライザさんも。
イライザ「代わりの品が似合いですわよ」
アドス 「まったくじゃ。水泳用ので充分じゃわい」
どうせ南国のサンタなんじゃからな、とアドス和尚。
アドス 「サーフィンするには、ピッタリじゃぞ」
イライザ「スノボもいけそうな感じですわね」
いい具合に雪が積もってますし…、とイライザさんの笑み。
イライザ「駐車場の辺りでしたら、出来ますわよ」
アドス 「楽しそうじゃが、雪じゃしな…」
見物する方も寒いわけで…、とアドス和尚は反対の立場。
アドス 「庫裏から出るのは、遠慮したいわい…」
イライザ「言われてみれば、そうですわね…」
それにキースは素人ですし…、とイライザさんも。
イライザ「転ぶだけなの、見えていますわ…」
アドス 「技の一つも、出さん内にな」
パーティーに出るくらいしか出来んわい、と断言する人。
アドス 「キース、分かったな? ズボンは不可じゃ」
イライザ「海パンになさい」
キース 「なんで、そうなる!?」
アドス 「言った筈じゃぞ?」
罰の代わりになるんじゃしな、とキッパリと。
海パンでサンタ…。
2025/01/10 (Fri)
☆二枚とも披露で
雪の元日な元老寺ですけど、夜にクリスマスをやる方向へ。
しかも南国風のサンタで、キース君はTシャツに海パンで。
アドス 「Tシャツの柄は、どちらがいいかのう?」
イライザ「ボクサーでしょうねえ、海パンなんですもの」
機関銃では悪趣味になってしまいますわ、とイライザさん。
イライザ「ボクサーでしたら、短パンですし…」
アドス 「そうじゃな、機関銃は浮いてしまうわい」
ボクサー柄にしておけ、とアドス和尚、キース君に指示。
アドス 「でもって、機関銃の方もじゃな…」
イライザ「着替えるんですの?」
アドス 「いや、ボクサーのガウン代わりに…」
肩に羽織ってくればよかろう、と強烈な台詞。
アドス 「両肩には、サイズ的に無理があるんじゃが…」
イライザ「片方だけに羽織ればオッケーですわね」
アドス 「試合の時には、脱ぐんじゃしな」
颯爽と登場するべきじゃ、とTシャツ両方ともに出番が。
アドス 「会場入りには、BGMも欲しいトコじゃが…」
イライザ「ジングルベルでよろしいでしょ?」
サンタな時点で、お寺の行事を超えてますわよ、との意見。
イライザ「クリスマスソングくらい、気にしなくても…」
アドス 「そうじゃな、ジングルベルでいいじゃろう」
これで話は決まったわい、とアドス和尚の楽しそうな顔。
アドス 「では、初詣の方に行くとするかな」
キース 「待ってくれ、親父!」
アドス 「お前も早く支度してこい」
サム殿とジョミー殿も、お着替え下さい、と初詣モード。
アドス 「じきに檀家さんがおいでになりますぞ」
キース 「その前に、一つ聞きたいんだが!」
アドス 「何を聞くんじゃ?」
初詣のことなら知っておろう、とアドス和尚。
アドス 「檀家さんをお迎えして、新年のご挨拶を…」
キース 「親父、サングラスは許されるのか!?」
アドス 「初詣の席に出るのに、サングラスじゃと!?」
愚か者めが、と頭から湯気を立ててますけど。
当然ですよね…?
2025/01/11 (Sat)
☆サングラスは不可
今年も雪の元老寺で元日な面々、夜は二度目のクリスマス。
暦が違う宗派の場合は、これからなわけで、サンタが再び。
アドス 「不心得にも程があるわい、何を考えておる!?」
キース 「違うんだ、俺が言うのは、初詣じゃなくて…」
夜の方だ、とキース君の言い訳が。
キース 「南国のサンタなんだし、サングラスでも…」
アドス 「却下じゃ、却下!」
本場のサンタじゃないんじゃしな、とアドス和尚、一喝。
アドス 「顔が隠れるアイテムはいかん!」
イライザ「サングラスのサンタは、許しません!」
ちゃんと顔見せしなさいね、とイライザさんもダメ押し。
イライザ「でないと罰の意味が無いでしょ?」
アドス 「まったくじゃ。いいな、Tシャツに海パンで…」
ジングルベルで登場するんじゃぞ、と下った命令。
アドス 「機関銃なTシャツは、肩にかけて来い!」
イライザ「お部屋に揃えておきますからね」
初詣の方に行ってらっしゃい、とイライザさんが指す廊下。
イライザ「サムさんとジョミーさんも、お願いしますわ」
サム 「よーし、今年も頑張るぜ!」
ジョミー「やりたくないけど、夜はクリスマスだし…」
いつもよりかは頑張れそう、とジョミー君、親指をグッと。
ジョミー「キースのサンタが、バージョンアップで…」
サム 「登場となれば、お楽しみもよ…」
ジョミー「うんと増えるし、頑張って来る!」
それじゃ、と僧籍な面子とキース君は、本堂の初詣へ。
シロエ 「行っちゃいましたね、毎年ですけど」
マツカ 「でも、例年よりもマシそうです」
疲労困憊にはなりませんよ、とマツカ君の穏やかな笑み。
マツカ 「疲れてる場合じゃないですし…」
ぶるぅ 「そだね、パーティーあるもんね!」
きっと元気に戻って来るよ、と家事万能なお子様も。
ぶるぅ 「クリスマス用のお料理、手伝って来る!」
一同 「「「イイネ!」」」
夜が楽しみ、と盛り上がってますけど。
キース君、ピンチ…。
2025/01/12 (Sun)
☆作務衣で下っ端
雪の元老寺で元日ですけど、僧籍な面子は本堂でお仕事が。
檀家さんの初詣でして、サム君とジョミー君もお手伝いで。
シロエ 「ジョミー先輩、今年も下足番でしょうね…」
スウェナ「そうでしょ、サムと違って、いい加減だし…」
子供さんにお菓子を渡す役目は無理、とスウェナちゃん。
スウェナ「作法までは決まっていないと思うんだけど…」
シロエ 「法衣の裾の捌き方とか、ありそうですし…」
マツカ 「どちらかと言えば、袂でしょうね」
タスキ掛けとはいきませんから…、とマツカ君が傾げる首。
マツカ 「アドス和尚は、見栄えにうるさい筈です」
ブルー 「それで正解、ジョミーは下足番をやってるよ」
檀家さんの靴を揃えたりして、と生徒会長が指す本堂の方。
ブルー 「しかも作務衣で、袂も裾も無関係でさ…」
一同 「「「あー…」」」
下っ端という扱いなのか、と誰もが納得。
シロエ 「もしかして、使い走りもやらされてますか?」
ブルー 「そうだね、お茶を出すのは、サムなんだけど…」
お湯の支度はジョミーだよね、と生徒会長、可笑しそう。
ブルー 「ついでに、湯呑を洗うのも、ジョミーの役目!」
シロエ 「下足番と両方ですか!?」
マツカ 「どちらか、手薄になりませんか?」
本堂の外と中ですから…、とマツカ君の問い。
マツカ 「まさか、ダッシュで往復でしょうか…?」
ブルー 「ピンポーン!」
靴を揃えたら、裏に回って…、と生徒会長、クスクス笑い。
ブルー 「檀家さんの前では、走れないしね」
シロエ 「裏から入って、台所の方で洗い物なんですね…」
マツカ 「かなりハードな職場ですよね…」
ブルー 「仕方ないよね、所作が全く出来てないから」
下っ端で使い走りしか…、と生徒会長、バッサリ。
ブルー 「その分、夜に期待してるよ」
シロエ 「例年以上に、ということですか…」
スウェナ「キースは、逆だと思うわよ…」
夜は来るなと思っていそう、と言ってますけど。
多分…。
2025/01/13 (Mon)
☆元日から不運な人
雪が積もった元老寺で元日、夜はクリスマスをやるそうで。
僧籍な面子は、その前に本堂で、檀家さんの初詣のお仕事。
シロエ 「キース先輩、夜は見世物で確定ですしね…」
マツカ 「罰の代わりじゃ、逃げられませんし…」
お気の毒です…、とマツカ君が眺める本堂の方角。
マツカ 「スノボが無いだけ、マシでしょうけど…」
スウェナ「その点だけは、命拾いしたわね」
シロエ 「少しは運があるようですよ」
それとも運が向いて来たとか…、とシロエ君の説。
シロエ 「今年の厄は、今日のサンタで終わるかもです」
スウェナ「ソレは無いでしょ、キースなんだし」
マツカ 「気の毒だとは思いますけど、ぼくも同意で…」
むしろ不運な年になりそうな気が…、とマツカ君の意見。
マツカ 「元日早々、自分限定で厄を呼び込む展開で…」
一同 「「「あー…」」」
それはそうかも、と説得力が凄すぎる件。
シロエ 「例年以上に、不運な年を迎えましたか…」
マツカ 「無いとは言い切れないでしょう?」
スウェナ「ありそうすぎて、何も言えないわね…」
ちょっと期待をしてしまうけど…、とスウェナちゃん。
スウェナ「キース限定で厄な分には、無害なんだし…」
ブルー 「見てる分には、何も問題無いよね」
今夜も、うんと楽しまないと…、と生徒会長、笑顔全開。
ブルー 「キースは泣きたい気分だろうけど」
シロエ 「逃げたら、後がありませんしね…」
マツカ 「そうなるでしょうね、髪にお別れは確実かと…」
最上級の罰はソレなのでは、とマツカ君の怖すぎる指摘。
マツカ 「アドス和尚は、坊主頭をお望みですから…」
ブルー 「有無を言わさず丸坊主だよ、うん」
キースも百も承知してるし…、と生徒会長も。
ブルー 「海パンでサンタ、やり遂げるしかないってね!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 夜のお料理、仕込み完了!」
一同 「「「イイネ!」」」
夜になるのを待つだけだ、と盛り上がる座敷。
楽しみですよね!
2025/01/14 (Tue)
☆元日にクリスマス
雪の元老寺で迎えた元日、檀家さんの初詣が終わった夕方。
僧籍な面子が座敷に戻ったものの、キース君だけ不在な今。
ジョミー「やっと終わった! 寒かったよ…」
サム 「この雪で、外はキツイよなあ…」
作務衣じゃコートも着られねえし、とサム君の苦笑。
サム 「でもよ、これからパーティーだしよ」
ジョミー「うん、だから今年は頑張った!」
外されちゃったら泣けるしさ…、とジョミー君が竦める肩。
ジョミー「キースは今頃、泣いてそうだけど…」
シロエ 「でしょうね、サンタな時間ですから…」
自業自得とも言いますけれど、とシロエ君。
シロエ 「Tシャツを隠し通したばかりに、この有様で…」
ジョミー「泣くに泣けない状態かもね…」
アドス 「皆さん、揃っておられますかな?」
料理を運ばせてよろしいか、とアドス和尚が座敷に。
アドス 「せがれも、準備が出来る頃かと」
イライザ「出来てますわよ、きちんとチェックしましたわ」
南国風のサンタですの、とイライザさんも来て報告。
イライザ「お料理、すぐに運びますわね」
一同 「「「やったーっ!」」」
元日の夜にクリスマス、と皆が歓声、並べられる料理。
ジョミー「凄い、ホントにクリスマスだ!」
シロエ 「今のシーズンに、こんな食材、あるんですね…」
イライザ「しかも、お値段、破格でしたの」
底値らしくて、とイライザさんの笑顔。
イライザ「クリスマスは済んだばかりで、お正月ですし…」
ぶるぅ 「食材、出番が無い時期だもん!」
サム 「あー…。キースのサンタが時期外れなだけな…」
シロエ 「国によっては、これからですけどね…」
此処では済んだわけですし…、とシロエ君。
シロエ 「仕切り直すの、ぼくたちくらいですよ」
アドス 「今夜は楽しんで頂けますぞ」
イライザ「お料理、並べ終わりましたし、始めましょうね」
アドス 「BGMスタートじゃ!」
庫裏に大音量で響き渡る、ジングルベル。
パーティー開幕!
2025/01/15 (Wed)
新年あけましておめでとうございます。元日の元老寺の朝。
シャン学メンバー、まだ庫裏の部屋で爆睡中なわけでして。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ あけましておめでとう!」
一同 (((もう朝…?)))
まだ暗いのに元気一杯、廊下を跳ねてゆくお子様の声。
ぶるぅ 「起床、起床ーっ!」
一同 (((…眠いんだけど…)))
此処の年越しはハードなんだ、と愚痴りながらも起床。
シロエ 「おはようございます…。雪、積もってますね」
サム 「修正会の間から、積もり始めてたしよ…」
ジョミー「今年もハードだったよね…」
なんで夜中に法要が…、とジョミー君の深い溜息。
ジョミー「ついでに正座で、椅子席は貰えないしさ…」
キース 「仕方なかろう、俺よりはマシだ」
俺は法要で読経なんだぞ、と法衣のキース君が登場。
キース 「それより急げよ、山門で親父がお待ちかねだ」
一同 「「「あー…」」」
初日の出を拝みに行かないと…、と雪の境内を山門へ。
アドス 「間に合いましたな、横に並んで下さいよ」
イライザ「二礼、二拍手、一礼ですからね」
一同 「「「はいっ!」」」
昇る朝日にパンパン柏手、深々とお辞儀。
アドス 「それでは皆さん、庫裏の方へどうぞ」
イライザ「暖房も入れてありますよ」
お雑煮も出来ておりますわ、とイライザさんが座敷へ案内。
イライザ「まずは新年のご挨拶からですわね」
アドス 「改めまして、新年おめでとうございます」
一同 「「「おめでとうございます!」」」
挨拶の後は、お屠蘇が出まして、それからお雑煮タイム。
イライザ「熱いですから、お気を付けて」
アドス 「おせちも、遠慮なく召し上がって下さい」
和洋中と揃えましたぞ、とアドス和尚。
アドス 「おかわり用もございますしな」
イライザ「いくらでも、好きなだけお取り下さいね」
一同 「「「ありがとうございます!」」」
さあ食べるぞ、と誰もが大歓声。
今年は、どんな一年に…?
2025/01/01 (Wed)
☆最高のチョイス
今年も雪になった元日、元老寺で迎えたシャン学メンバー。
山門で初日を拝んだ後には、庫裏の座敷でおせちタイムで。
ぶるぅ 「おせち、今年もドッサリだね!」
アドス 「評判の店のを揃えましたぞ、如何ですかな?」
ブルー 「うん、最高! イライザさんのチョイス?」
それとも君が選んだわけ、と生徒会長の問い。
ブルー 「和洋中、どれも味もセンスも素晴らしいよね」
ぶるぅ 「盛り付けだって、凝ってるもんね!」
アドス 「どうも、お褒めに与りまして…」
恐れ入ります、とアドス和尚の視線がイライザさんに。
アドス 「この中から頼む、とリストを渡しましてな…」
ブルー 「イライザさんが選んだ、と」
イライザ「そうですの。お気に召しましたかしら?」
ブルー 「もちろんだよ!」
でなきゃ最高とは言わない、と生徒会長、手放しで称賛。
ブルー 「ぶるぅも、大喜びで食べてるしさ」
ぶるぅ 「全種類、制覇するんだも~ん!」
イライザ「良かったですわ。そういえば、皆さんに…」
お尋ねしてもよろしいかしら、とイライザさん。
イライザ「思い出したことがあるんですけれど…」
シロエ 「えっと…? 昨日の除夜の鐘ですか?」
イライザ「いえ、別件になりますわね」
チョイスで思い出しましたの、とイライザさんが傾げる首。
イライザ「クリスマスは、お楽しみになれまして?」
一同 「「「は?」」」
何故にクリスマス、と一同、キョトン。
ジョミー「クリスマスって? そりゃ、楽しかったけど…」
イライザ「やっぱり、大ウケでしたのね!」
選んだ甲斐がありましたわ、とイライザさんの嬉し気な顔。
イライザ「言った通りにして良かったでしょ?」
アドス 「その通りじゃな」
お母さんに感謝しろ、とアドス和尚が見るのはキース君。
アドス 「散々、文句を言っておったが…」
イライザ「喜んで頂いてこそですよ」
一同 「「「???」」」
何の話だ、と全く意味が不明ですけど。
クリスマス…?
2025/01/02 (Thu)
☆見せるべき衣装
今年も元老寺で雪の元日、おせちで賑やかな面々ですけど。
イライザさんのチョイスだそうで、クリスマスの話題な今。
ジョミー「キースに、何かして貰ったっけ?」
サム 「プレゼントを貰えたのは、お子様だけだぜ?」
イライザ「らしいですわね、サンタの役目でしたでしょ?」
衣装も揃えて頂いたとか…、とイライザさんの笑み。
イライザ「せっかくですから、私も衣装を選びましたの」
一同 「「「衣装?」」」
そんなの持って来てたっけ、と誰もが見合わせる顔。
サム 「クリスマスに、法衣は見てねえよな?」
シロエ 「見ていませんよ、サンタの衣装と私服だけです」
スウェナ「もしかして、アレのことじゃない?」
誰も見られなかったヤツ…、とスウェナちゃんが傾げる首。
スウェナ「武闘派のサンタだったとかいう…」
イライザ「ソレですわ。御覧になってらっしゃらないと?」
アドス 「本当ですかな、二枚も買った筈ですが…」
どうして見られなかったんです、とアドス和尚の質問が。
アドス 「せがれが、お見せしなかったと?」
シロエ 「そうなりますね」
イライザ「なんですって!?」
舶来モノのTシャツなのに…、とイライザさんが顰める顔。
イライザ「わざわざ取り寄せましたのよ?」
アドス 「送料も、しっかりかかりましたな…」
航空便を使いましたし、とアドス和尚も苦い顔付き。
アドス 「どなたも、御覧になれなかったので?」
ぶるぅ 「そだね、ぼくとブルーは、後になってから…」
ブルー 「洗濯物を覗き見させて貰ったんだけど…」
他のみんなは見てはいないよ、生徒会長。
ブルー 「その話も、昨日、したばかりでさ…」
ぶるぅ 「みんな、初耳だったよね…」
Tシャツの模様、と家事万能なお子様も証言。
ぶるぅ 「でもでも、見せる約束だったの?」
アドス 「約束とまでは申しませんが…」
イライザ「心得事ですわね…」
誂えた服を披露するのは、と口を揃えてますけど。
心得事…。
2025/01/03 (Fri)
☆見せなかった理由
雪の元老寺で元日ですけど、おせちタイムに出て来た話題。
クリスマスパーティーの日の、キース君のTシャツでして。
アドス 「せがれが自分で買った服なら、自己満足で…」
イライザ「着ないまま仕舞い込んでも、いいんですけど…」
コレクションの一つに過ぎませんし、とイライザさん。
イライザ「あのTシャツは、違いますでしょ?」
アドス 「ワシらが、クリスマスパーティー用に選んで…」
取り寄せた品になりますからな、とアドス和尚の眉間に皺。
アドス 「皆様に、お目にかけてこそでして…」
イライザ「盛り上がって頂くために、誂えましたのに…」
どうして披露しなかったんです、とキース君に厳しい視線。
イライザ「お父さんの好意を無にするなんて…」
アドス 「父ならマシじゃが、ワシの場合は師僧じゃぞ?」
師僧を何だと思ってるんじゃ、とアドス和尚も。
アドス 「馬鹿にしておるのか、お前は!」
キース 「いや、そうでは…!」
イライザ「だったら、どうして見せなかったの?」
キース 「そ、それは…」
言葉に詰まったキース君、冷汗ダラダラ。
アドス 「ワシらには言えん事情がある、と?」
イライザ「お師僧様に隠し事とか、有り得ませんわよ?」
キース 「そういうわけじゃないんだが…!」
後々まで尾を引きそうで…、とキース君が竦める首。
キース 「一生、笑いの種になりそうだったし…」
アドス 「…皆さん、そういう理由ですかな?」
せがれの苦しい言い訳では…、とアドス和尚の質問が。
アドス 「ウケを取れれば、一生モノのネタですぞ」
イライザ「持ちネタに出来て、最高ですのに…」
笑いの種なら本望でしょう、とイライザさんも不満そう。
イライザ「何処が駄目だと言うんです?」
キース 「普通だったら、そうかもしれないんだが…!」
アドス 「では、何じゃと?」
キース 「一生の時間が、半端ない長さなんだぞ…!」
現に未だに高校生で…、と叫んでますけど。
それは確かに…。
2025/01/04 (Sat)
☆耐え抜いた地獄
今年も元老寺で元日なシャン学メンバー、雪が積もった外。
庫裏の座敷は暖かいのに、おせちタイムにキース君が冷汗。
シロエ 「一生モノで引き摺るよりは、ってことですよ…」
ジョミー「そうなる気持ちは、理解出来るよね…」
サム 「だよなあ、今まで気付いてなかったけどよ…」
一生モノの時間が長すぎだぜ、とサム君、うんうん、と。
サム 「耐えまくってたのも、納得ってモンで…」
シロエ 「キース先輩の立場だったら、ぼくだって…」
暖房地獄も、酷寒地獄も、耐えますしね、とシロエ君も。
シロエ 「キース先輩、お疲れ様でした…」
ジョミー「ホント、そうだよ…」
サム 「仕方ねえよな、あの場合はよ…」
スウェナ「他に方法、無かったものね…」
見られないように隠し通すには…、とスウェナちゃん。
スウェナ「脱いでしまったら、おしまいだったし…」
アドス 「失礼、話が全く見えんのですが…」
イライザ「私もですわ、暖房地獄に酷寒地獄とか…」
それはどういう地獄ですの、とイライザさんの問い。
イライザ「もちろん、本物の地獄だったら、両方が…」
アドス 「揃っていますな、しかし、せがれは…」
地獄巡りが出来る器では…、とアドス和尚の不審そうな顔。
アドス 「よほど修行を積まない限りは、不可能でして…」
イライザ「愚息が行けるとは、思えませんのよ…」
銀青様なら分かりますけど、とイライザさんも相槌。
イライザ「現世の地獄のお話でしょう?」
アドス 「サウナにでも、入りましたかな?」
いや、サウナなら、脱ぐでしょうから…、とアドス和尚。
アドス 「我慢大会を開催でしたか?」
イライザ「余興だったら、ありそうですわね…」
意地でも脱がずに優勝ですの、とイライザさんが傾げる首。
イライザ「その後、外で寒さ我慢でしたのかしら?」
アドス 「耐える理由が無いと思うぞ」
イライザ「そうでした…」
寒さだったら着込みますわね、と言ってますけど。
我慢大会…。
2025/01/05 (Sun)
☆素行に問題アリ
雪の元老寺で元日ですけど、話題がクリスマスという状態。
おせちタイムに問題になった、キース君のサンタTシャツ。
アドス 「酷寒地獄に耐えた方のも、我慢大会ですかな?」
シロエ 「いえ、アレを我慢大会と呼ぶんでしたら…」
参加者はキース先輩だけで…、とシロエ君が始めた説明。
シロエ 「暖房地獄は、キース先輩がグッと我慢で…」
アドス 「他の皆さんは、違ったと?」
シロエ 「脱いでしまえば、快適でしたね」
サム 「半袖1枚でいけそうなほどだったけどよ」
脱げないキースには地獄だよな、とサム君の補足。
サム 「脱いだら、どうにもならねえし…」
ジョミー「Tシャツを見たい人が揃ってたしね…」
アドス 「なるほど、自業自得でしたか…」
イライザ「脱げばいいのに、隠してましたのね…」
酷寒地獄はどうでしたの、とイライザさんも興味津々。
イライザ「キースが一人で、我慢大会だったんでしょう?」
アドス 「追い出されたような気がするんじゃが…」
シロエ 「自発的に出て行った結果ですよ」
あの日も酷い雪でしたから…、とシロエ君の苦笑。
シロエ 「積もってる中で、吹きっさらしの屋上でした」
アドス 「それは確かに寒そうですな…」
ジョミー「貼るカイロだけでは、キツかったと思うよ」
部屋では暖房地獄だったけどね、とジョミー君。
ジョミー「全身、貼るカイロを装備だったしさ…」
アドス 「ゴージャスですなあ、何故、そうなったと?」
シロエ 「日頃の行いというヤツでしょうか…」
イライザ「あらまあ、素行に問題アリですの?」
いけませんわね、とイライザさんの視線がアドス和尚に。
イライザ「罰礼コースで如何かしら?」
アドス 「そうしたいんじゃが、元日じゃしな…」
イライザ「檀家さんがお見えになる日でしたわね…」
アドス 「初詣に来て下さる前で、罰礼は見苦しいわい」
イライザ「そうでしたわ…」
他には何があるかしら、と考え込んでますけど。
罰を下すと…?
2025/01/06 (Mon)
☆戻せない時間
今年も雪の元老寺で元日、何故か話題がクリスマスな面々。
サンタ役だったキース君のTシャツ、誂えたとの話でして。
イライザ「宿坊の方を手伝わせたら、初詣が駄目ですし…」
アドス 「副住職が不在では、檀家さんに申し訳ないぞ」
しかし時間が迫っておるな、とアドス和尚の目が時計に。
アドス 「サム殿とジョミー殿は、今年も来て頂いて…」
イライザ「よろしくお願い致しますわね」
サム 「いつものことだし、気にしてねえよ」
ジョミー「ぼくは嫌だけど、気になる件なら、上にはさ…」
上があるよね、とジョミー君が指差す天井。
ジョミー「キースのTシャツ、見たかったわけで…」
シロエ 「ぼくもですけど、もう過ぎた話ですからね…」
なにしろ年が変わりましたし…、とシロエ君の深い溜息。
シロエ 「話題だけなら、クリスマスの話でも…」
サム 「戻れちまうけどよ…」
ジョミー「時間は戻ってくれないよね…」
タイムマシンも持ってないしさ…、とジョミー君も。
ジョミー「武闘派のサンタって、どんなのだったか…」
スウェナ「また気になって来ちゃったわよね…」
除夜の鐘でも消せなかったわ、とスウェナちゃんの苦笑。
スウェナ「ホントに惜しくて、見てみたいのに…」
サム 「キースのことだし、捨てたかもなあ…」
シロエ 「その線は無いと思いますよ?」
洗濯して干してあったのなら…、とシロエ君の冷静な分析。
シロエ 「イライザさんが保管していそうです」
ジョミー「ソレ、ありそう!」
サム 「キースには渡してねえってか?」
キースの私物じゃねえもんな、とサム君、手をポンと。
サム 「勝手に処分出来ねえ仕様で、今も何処かに…」
アドス 「当たっていますな、何処に仕舞ったんじゃ?」
イライザ「衣装ケースですけど、どうかしましたの?」
アドス 「罰礼の代わりに、披露はどうかと…」
イライザ「ナイスですわ!」
直ぐにでも出して来られましてよ、と笑顔ですけど。
披露すると…?
2025/01/07 (Tue)
☆罰礼の代わりに
雪の元老寺で迎えた元日、おせちタイムにクリスマスの話。
キース君が隠し通したTシャツ、イライザさんのチョイス。
アドス 「今は要らんぞ、初詣の方を急がんと…」
イライザ「そうでしたわね、夜でよろしいかしら?」
アドス 「うむ。皆さん、今日もお泊まりじゃしな」
初詣の間に出しておいてくれ、とアドス和尚の注文が。
アドス 「夕食の席で披露させれば、お喜びになるぞ」
イライザ「承知しましたわ、キースも分かってるわね?」
今夜の披露は逃がさないわよ、とイライザさんの睨み。
イライザ「逃げた場合は、罰礼、幾つになるかしら?」
アドス 「三千回で良かろう、それを三日間ということで」
キース 「…うっ…」
既に青かったキース君の顔色、血の気が引いて真っ白な今。
アドス 「いいか、罰礼三千回を三日間じゃぞ?」
イライザ「それが嫌なら、皆さんにお見せしなさいね」
出しておきます、とイライザさんのダメ押し。
イライザ「お部屋の方に置いておくから、初詣の後に…」
アドス 「夕食の前に着替えるんじゃな」
キース 「……はい……」
分かりました、とキース君、悲壮な顔付き。
キース 「もしかして、上着は不可ですか?」
イライザ「当たり前でしょう、Tシャツだけです!」
アドス 「上はそうじゃな、ズボンは履いて貰わんと…」
パンツ一丁のサンタはいかん、とアドス和尚。
アドス 「南国だったら、それもアリなんじゃが…」
イライザ「地球の裏側の国だと、夏でしたわね」
シロエ 「知ってます! サーフィンをするサンタとか…」
サム 「いるらしいよな、暑いしよ…」
サーフィンなんだし、短パンとかな、とサム君も。
サム 「けどよ、こっちは冬の最中で、雪景色でよ…」
シロエ 「Tシャツを着るにも、暖房は必須ですし…」
アドス 「その話、使えそうですな…」
一同 「「「は?」」」
アドス 「罰礼の代わりですぞ?」
ネタを極めてこそなのでは、と言ってますけど。
えっと…?
2025/01/08 (Wed)
☆元日でもサンタ
今年も元老寺で迎えた元日、おせちタイムは雪景色でして。
其処で出て来たクリスマスの話、キース君のTシャツの件。
シロエ 「ネタというのは、Tシャツですよね?」
アドス 「そういうことになりますな」
サム 「極めるってえのは、何なんだよ?」
アドス 「せっかくの、サンタTシャツですぞ」
南国のサンタで閃きましてな…、とアドス和尚、楽しそう。
アドス 「もうクリスマスは終わりましたが、南国風は…」
ジョミー「終わってないとか?」
アドス 「まだの所が、もしかしたなら…」
存在するかもしれませんぞ、と指差す壁のカレンダー。
アドス 「キリスト教にも、色々あると聞きますし…」
ブルー 「正教会のことを言ってるのかな?」
アドス 「流石は銀青様、よくご存じで」
一同 「「「正教会?」」」
なんだソレは、と一同、キョトン。
シロエ 「えっと…? 宗派の一つでしたっけ?」
アドス 「そうなのですが、暦が違うそうでして…」
一同 「「「暦?」」」
ブルー 「太陽暦より、ちょっと遅いんだよ」
13日間だったかな、と生徒会長が顎に当てる手。
ブルー 「夏のクリスマスが、これから来るわけで…」
アドス 「ソレを使えば、せがれも無事にサンタを…」
勤め上げられる勘定ですな、とアドス和尚、うんうん、と。
アドス 「実際、あるかは、置いておきまして…」
ブルー 「クリスマスをやり直すわけだね、いいと思うよ」
イライザ「あらまあ、それじゃ今夜は、お料理の方も…」
クリスマス風に変更ですわね、とイライザさん。
イライザ「ローストチキンでよろしいかしら?」
一同 「「「イイネ!」」」
元日の夜にクリスマス、と誰もが歓声。
シロエ 「最高ですよ、クリスマスが二回も!」
サム 「会場が寺でも、気にしねえよな!」
アドス 「南国風にやるわけですから、当然、サンタも…」
イライザ「夏服ですわよ」
でも、短パンがあったかしら、と首を傾げてますけど。
短パン…。
2025/01/09 (Thu)
☆取り寄せは不可
雪の元老寺で迎えた元日、夜にクリスマスをやり直すとか。
暦が違う宗派の場合は、これからというのが根拠だそうで。
キース 「俺は、短パンは履かん主義だぞ!」
シロエ 「確かに、見たこと無いですね」
サム 「似合わねえ自覚ってヤツが、あるんでねえの?」
ジョミー「だよねえ、キースは硬派だしさ…」
履くわけないよね、とジョミー君。
ジョミー「持ってないものは、履けないし…」
マツカ 「取り寄せは出来ると思いますけど…」
夜までには、とマツカ君、控えめに申し出。
マツカ 「よろしかったら、お申し付け頂ければ…」
アドス 「有難いお言葉なのですが…」
なにしろ罰でございますので…、とアドス和尚、合掌。
アドス 「お取り寄せは却下になりますな」
イライザ「似合いそうな短パンなんて、贅沢ですもの」
要りませんわ、とイライザさんも。
イライザ「代わりの品が似合いですわよ」
アドス 「まったくじゃ。水泳用ので充分じゃわい」
どうせ南国のサンタなんじゃからな、とアドス和尚。
アドス 「サーフィンするには、ピッタリじゃぞ」
イライザ「スノボもいけそうな感じですわね」
いい具合に雪が積もってますし…、とイライザさんの笑み。
イライザ「駐車場の辺りでしたら、出来ますわよ」
アドス 「楽しそうじゃが、雪じゃしな…」
見物する方も寒いわけで…、とアドス和尚は反対の立場。
アドス 「庫裏から出るのは、遠慮したいわい…」
イライザ「言われてみれば、そうですわね…」
それにキースは素人ですし…、とイライザさんも。
イライザ「転ぶだけなの、見えていますわ…」
アドス 「技の一つも、出さん内にな」
パーティーに出るくらいしか出来んわい、と断言する人。
アドス 「キース、分かったな? ズボンは不可じゃ」
イライザ「海パンになさい」
キース 「なんで、そうなる!?」
アドス 「言った筈じゃぞ?」
罰の代わりになるんじゃしな、とキッパリと。
海パンでサンタ…。
2025/01/10 (Fri)
☆二枚とも披露で
雪の元日な元老寺ですけど、夜にクリスマスをやる方向へ。
しかも南国風のサンタで、キース君はTシャツに海パンで。
アドス 「Tシャツの柄は、どちらがいいかのう?」
イライザ「ボクサーでしょうねえ、海パンなんですもの」
機関銃では悪趣味になってしまいますわ、とイライザさん。
イライザ「ボクサーでしたら、短パンですし…」
アドス 「そうじゃな、機関銃は浮いてしまうわい」
ボクサー柄にしておけ、とアドス和尚、キース君に指示。
アドス 「でもって、機関銃の方もじゃな…」
イライザ「着替えるんですの?」
アドス 「いや、ボクサーのガウン代わりに…」
肩に羽織ってくればよかろう、と強烈な台詞。
アドス 「両肩には、サイズ的に無理があるんじゃが…」
イライザ「片方だけに羽織ればオッケーですわね」
アドス 「試合の時には、脱ぐんじゃしな」
颯爽と登場するべきじゃ、とTシャツ両方ともに出番が。
アドス 「会場入りには、BGMも欲しいトコじゃが…」
イライザ「ジングルベルでよろしいでしょ?」
サンタな時点で、お寺の行事を超えてますわよ、との意見。
イライザ「クリスマスソングくらい、気にしなくても…」
アドス 「そうじゃな、ジングルベルでいいじゃろう」
これで話は決まったわい、とアドス和尚の楽しそうな顔。
アドス 「では、初詣の方に行くとするかな」
キース 「待ってくれ、親父!」
アドス 「お前も早く支度してこい」
サム殿とジョミー殿も、お着替え下さい、と初詣モード。
アドス 「じきに檀家さんがおいでになりますぞ」
キース 「その前に、一つ聞きたいんだが!」
アドス 「何を聞くんじゃ?」
初詣のことなら知っておろう、とアドス和尚。
アドス 「檀家さんをお迎えして、新年のご挨拶を…」
キース 「親父、サングラスは許されるのか!?」
アドス 「初詣の席に出るのに、サングラスじゃと!?」
愚か者めが、と頭から湯気を立ててますけど。
当然ですよね…?
2025/01/11 (Sat)
☆サングラスは不可
今年も雪の元老寺で元日な面々、夜は二度目のクリスマス。
暦が違う宗派の場合は、これからなわけで、サンタが再び。
アドス 「不心得にも程があるわい、何を考えておる!?」
キース 「違うんだ、俺が言うのは、初詣じゃなくて…」
夜の方だ、とキース君の言い訳が。
キース 「南国のサンタなんだし、サングラスでも…」
アドス 「却下じゃ、却下!」
本場のサンタじゃないんじゃしな、とアドス和尚、一喝。
アドス 「顔が隠れるアイテムはいかん!」
イライザ「サングラスのサンタは、許しません!」
ちゃんと顔見せしなさいね、とイライザさんもダメ押し。
イライザ「でないと罰の意味が無いでしょ?」
アドス 「まったくじゃ。いいな、Tシャツに海パンで…」
ジングルベルで登場するんじゃぞ、と下った命令。
アドス 「機関銃なTシャツは、肩にかけて来い!」
イライザ「お部屋に揃えておきますからね」
初詣の方に行ってらっしゃい、とイライザさんが指す廊下。
イライザ「サムさんとジョミーさんも、お願いしますわ」
サム 「よーし、今年も頑張るぜ!」
ジョミー「やりたくないけど、夜はクリスマスだし…」
いつもよりかは頑張れそう、とジョミー君、親指をグッと。
ジョミー「キースのサンタが、バージョンアップで…」
サム 「登場となれば、お楽しみもよ…」
ジョミー「うんと増えるし、頑張って来る!」
それじゃ、と僧籍な面子とキース君は、本堂の初詣へ。
シロエ 「行っちゃいましたね、毎年ですけど」
マツカ 「でも、例年よりもマシそうです」
疲労困憊にはなりませんよ、とマツカ君の穏やかな笑み。
マツカ 「疲れてる場合じゃないですし…」
ぶるぅ 「そだね、パーティーあるもんね!」
きっと元気に戻って来るよ、と家事万能なお子様も。
ぶるぅ 「クリスマス用のお料理、手伝って来る!」
一同 「「「イイネ!」」」
夜が楽しみ、と盛り上がってますけど。
キース君、ピンチ…。
2025/01/12 (Sun)
☆作務衣で下っ端
雪の元老寺で元日ですけど、僧籍な面子は本堂でお仕事が。
檀家さんの初詣でして、サム君とジョミー君もお手伝いで。
シロエ 「ジョミー先輩、今年も下足番でしょうね…」
スウェナ「そうでしょ、サムと違って、いい加減だし…」
子供さんにお菓子を渡す役目は無理、とスウェナちゃん。
スウェナ「作法までは決まっていないと思うんだけど…」
シロエ 「法衣の裾の捌き方とか、ありそうですし…」
マツカ 「どちらかと言えば、袂でしょうね」
タスキ掛けとはいきませんから…、とマツカ君が傾げる首。
マツカ 「アドス和尚は、見栄えにうるさい筈です」
ブルー 「それで正解、ジョミーは下足番をやってるよ」
檀家さんの靴を揃えたりして、と生徒会長が指す本堂の方。
ブルー 「しかも作務衣で、袂も裾も無関係でさ…」
一同 「「「あー…」」」
下っ端という扱いなのか、と誰もが納得。
シロエ 「もしかして、使い走りもやらされてますか?」
ブルー 「そうだね、お茶を出すのは、サムなんだけど…」
お湯の支度はジョミーだよね、と生徒会長、可笑しそう。
ブルー 「ついでに、湯呑を洗うのも、ジョミーの役目!」
シロエ 「下足番と両方ですか!?」
マツカ 「どちらか、手薄になりませんか?」
本堂の外と中ですから…、とマツカ君の問い。
マツカ 「まさか、ダッシュで往復でしょうか…?」
ブルー 「ピンポーン!」
靴を揃えたら、裏に回って…、と生徒会長、クスクス笑い。
ブルー 「檀家さんの前では、走れないしね」
シロエ 「裏から入って、台所の方で洗い物なんですね…」
マツカ 「かなりハードな職場ですよね…」
ブルー 「仕方ないよね、所作が全く出来てないから」
下っ端で使い走りしか…、と生徒会長、バッサリ。
ブルー 「その分、夜に期待してるよ」
シロエ 「例年以上に、ということですか…」
スウェナ「キースは、逆だと思うわよ…」
夜は来るなと思っていそう、と言ってますけど。
多分…。
2025/01/13 (Mon)
☆元日から不運な人
雪が積もった元老寺で元日、夜はクリスマスをやるそうで。
僧籍な面子は、その前に本堂で、檀家さんの初詣のお仕事。
シロエ 「キース先輩、夜は見世物で確定ですしね…」
マツカ 「罰の代わりじゃ、逃げられませんし…」
お気の毒です…、とマツカ君が眺める本堂の方角。
マツカ 「スノボが無いだけ、マシでしょうけど…」
スウェナ「その点だけは、命拾いしたわね」
シロエ 「少しは運があるようですよ」
それとも運が向いて来たとか…、とシロエ君の説。
シロエ 「今年の厄は、今日のサンタで終わるかもです」
スウェナ「ソレは無いでしょ、キースなんだし」
マツカ 「気の毒だとは思いますけど、ぼくも同意で…」
むしろ不運な年になりそうな気が…、とマツカ君の意見。
マツカ 「元日早々、自分限定で厄を呼び込む展開で…」
一同 「「「あー…」」」
それはそうかも、と説得力が凄すぎる件。
シロエ 「例年以上に、不運な年を迎えましたか…」
マツカ 「無いとは言い切れないでしょう?」
スウェナ「ありそうすぎて、何も言えないわね…」
ちょっと期待をしてしまうけど…、とスウェナちゃん。
スウェナ「キース限定で厄な分には、無害なんだし…」
ブルー 「見てる分には、何も問題無いよね」
今夜も、うんと楽しまないと…、と生徒会長、笑顔全開。
ブルー 「キースは泣きたい気分だろうけど」
シロエ 「逃げたら、後がありませんしね…」
マツカ 「そうなるでしょうね、髪にお別れは確実かと…」
最上級の罰はソレなのでは、とマツカ君の怖すぎる指摘。
マツカ 「アドス和尚は、坊主頭をお望みですから…」
ブルー 「有無を言わさず丸坊主だよ、うん」
キースも百も承知してるし…、と生徒会長も。
ブルー 「海パンでサンタ、やり遂げるしかないってね!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 夜のお料理、仕込み完了!」
一同 「「「イイネ!」」」
夜になるのを待つだけだ、と盛り上がる座敷。
楽しみですよね!
2025/01/14 (Tue)
☆元日にクリスマス
雪の元老寺で迎えた元日、檀家さんの初詣が終わった夕方。
僧籍な面子が座敷に戻ったものの、キース君だけ不在な今。
ジョミー「やっと終わった! 寒かったよ…」
サム 「この雪で、外はキツイよなあ…」
作務衣じゃコートも着られねえし、とサム君の苦笑。
サム 「でもよ、これからパーティーだしよ」
ジョミー「うん、だから今年は頑張った!」
外されちゃったら泣けるしさ…、とジョミー君が竦める肩。
ジョミー「キースは今頃、泣いてそうだけど…」
シロエ 「でしょうね、サンタな時間ですから…」
自業自得とも言いますけれど、とシロエ君。
シロエ 「Tシャツを隠し通したばかりに、この有様で…」
ジョミー「泣くに泣けない状態かもね…」
アドス 「皆さん、揃っておられますかな?」
料理を運ばせてよろしいか、とアドス和尚が座敷に。
アドス 「せがれも、準備が出来る頃かと」
イライザ「出来てますわよ、きちんとチェックしましたわ」
南国風のサンタですの、とイライザさんも来て報告。
イライザ「お料理、すぐに運びますわね」
一同 「「「やったーっ!」」」
元日の夜にクリスマス、と皆が歓声、並べられる料理。
ジョミー「凄い、ホントにクリスマスだ!」
シロエ 「今のシーズンに、こんな食材、あるんですね…」
イライザ「しかも、お値段、破格でしたの」
底値らしくて、とイライザさんの笑顔。
イライザ「クリスマスは済んだばかりで、お正月ですし…」
ぶるぅ 「食材、出番が無い時期だもん!」
サム 「あー…。キースのサンタが時期外れなだけな…」
シロエ 「国によっては、これからですけどね…」
此処では済んだわけですし…、とシロエ君。
シロエ 「仕切り直すの、ぼくたちくらいですよ」
アドス 「今夜は楽しんで頂けますぞ」
イライザ「お料理、並べ終わりましたし、始めましょうね」
アドス 「BGMスタートじゃ!」
庫裏に大音量で響き渡る、ジングルベル。
パーティー開幕!
2025/01/15 (Wed)
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