ハーレイの日な教頭先生のスカイダイビング。
落下時間は間もなく3分、時速801キロが近付いてまいりましたが…。
キース 「ど、どうなるんだ…」
ジョミー「本気でお葬式っていうのは無いよね?」
シロエ 「いくらなんでもやらないでしょう」
サム 「やったら殺人犯じゃねえかよ! ブルーが逮捕されちまう」
マツカ 「サムはそっちの心配ですか…」
スウェナ「いいんじゃない? あ、そろそろかしら?」
中継男性「間もなくです! 皆様、画面の数字にご注目を!」
落下速度を示す数字がグングン上がって、801に。
見物客 「「「ハーレイの日、バンザーイ!!!」」」
そこで数字はピタリと停止。
教頭先生、パラシュートを開くことが出来たのでしょうか?
ゼル 「…情けないのう、討ち死にしおった」
ヒルマン「いやいや、立ち往生と言うべきだよ。頑張った方だ」
ブラウ 「パラシュートだけは開いたようだねえ、そこまでだけどさ」
エラ 「結局、一人で昇天なのよね…」
中継画面に映っているのは見事に開いたパラシュート。
白地に赤で『祝・ハーレイの日』と大きく書かれております。
お祝いだから紅白なのか、紅白縞の下着を意識したのかは謎ですが…。
ジョミー「思いっ切り気絶してるよねえ…」
サム 「白目だもんなあ…。で、どうなるんだよ?」
ゼル 「決まっておろう。ハーレイを肴に宴会じゃ!」
キース 「そうなんですか?」
ブラウ 「そりゃそうさ。ハーレイの日だよ?」
キース 「嫌がらせにしか見えませんでしたが…」
ゼル 「キャプテンたるもの、娯楽を提供してなんぼじゃろうが!」
ヒルマン「この中継はウケたと思うよ、ブルーの案は素晴らしかった」
気絶したままの教頭先生、着地するなり担架で搬送。
ブルー 「801キロまで耐えてもアレじゃあね…」
パートナーを放って昇天する男に未来など無い、と毒づく生徒会長。
宴会の準備が始まりましたが、ハーレイの日の中継はここで終了です~。
始まりました、自由落下。
時速801キロを目指す教頭先生、真っ逆さまに落下中でございますが。
シロエ 「えっと…。スカイダイビングって、あんなのでした?」
ジョミー「そういえば…。何か違うような気がするよね」
キース 「姿勢じゃないか? もっとこう、手足を広げてだな…」
ゼル 「基本の中の基本じゃな。わしは体験したことはないが」
ブラウ 「ブルーが教えてないんだろうねえ、あの様子じゃさ」
ヒルマン「いやいや、教えても無駄だったかもしれないよ」
下を見る余裕など無いだろうし、とヒルマン先生。
ヒルマン「シールドも張っていないのだからね、とてもとても」
ゼル 「あれでパラシュートを開くのは無理そうじゃのう…」
エラ 「それじゃやっぱり…」
ブラウ 「葬式だねえ、この暑いのに」
困ったものだ、と言われましても…。
ジョミー「ど、どうなっちゃうの、教頭先生…」
キース 「俺たちにどうこう出来ると思うか? くそっ、1分か…」
中継男性「1分が経過いたしました! まだまだですね」
画面下の速度は801キロには程遠く。
たまに切り替わる生徒会長のカメラからは教頭先生の必死の形相。
ブラウ 「うーん、案外頑張るもんだね」
ゼル 「死んだら元も子も無いからのう…」
ヒルマン「男を上げるのに必死なのだよ。夢はブルーとの結婚だ」
エラ 「でも…。ブルーとギャップがありすぎるわよ」
中継画面の生徒会長はシールドを張って優雅に降下中。
対する教頭先生はと言えば、タキシードも髪も風圧で乱れて滅茶苦茶で。
ゼル 「百年どころか千年の恋も冷めそうじゃわい」
ブラウ 「ブルーは最初から恋してないだろ?」
ヒルマン「そこに全く気付かないのがハーレイだよ」
エラ 「お蔭で私たちも楽しめるけど…」
お葬式となると大変よねえ、とエラ先生。
それだけは絶対無いのでしょうけど、801キロは目前です。
教頭先生、自力でパラシュートを開いて地上に帰ってこられますかねえ?
拍手ありがとうございました!
快晴の中、高度2万9455メートルまで上昇した生徒会長と教頭先生。
生徒会長は満面の笑顔ですけど、教頭先生は全く余裕をお持ちではなく。
シロエ 「教頭先生、真っ青ですね…」
キース 「あの高さまで上がるだけでも半端な速さじゃなかったしな」
サム 「ひょっとして801キロよりも速かったんじゃねえの?」
ゼル 「そのとおりじゃ! なにしろロケット並みじゃからな」
ジョミー「えっと…。それってどのくらい?」
ゼル 「秒速8キロは超えとるじゃろう」
ブラウ 「時速3万キロは軽いよ、なんと言ってもブルーだからねえ」
ジョミー「なんだ、それなら801キロで落っこちるくらい…」
スウェナ「大したことではないわよねえ?」
ヒルマン「さあ、どうだろうね。無事に生還出来ればいいが」
キース 「ま、待って下さい、冗談ですよね?」
ゼル 「そりゃまあ、葬式は面倒じゃしのう…。暑い最中に」
ブラウ 「あたしだって御免だよ。なんで真夏に喪服なんだい」
猛暑の葬儀は身体に堪える、と長老の先生方は笑っておられます。
まさか本気でお葬式にはならないでしょうが…。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 始まるみたいだよ!」
中継画面の向こうで生徒会長が秒読み開始。
教頭先生はグッと唇を引き結び、足元は見ない姿勢のようで。
ブルー 「5、4、3…」
ハーレイ「………」
ブルー 「1、落下スタート!」
二人が揃って落ち始めるのをカメラがしっかり追っております。
マントを靡かせた生徒会長は慣れた様子でございますが。
ジョミー「…あれってシールドしてるのかな?」
キース 「ブルーの方は張ってるようだな」
シロエ 「でなきゃ髪とか思い切り逆立ちますもんねえ」
サム 「でもさ、教頭先生はシールドしてないみたいだぜ?」
ゼル 「それはな、ハーレイが阿呆だからじゃ!」
ブラウ 「思い付いてもいないってね。こりゃいいや」
真っ逆さまに落っこちてゆく教頭先生。
シールド無しで耐えられるのか…?
以下、拍手レス、r様宛です~。
拍手ありがとうございました!
ハーレイの日な落下速度は801キロ。
その速さまで耐えることが出来たら、教頭先生の評価が上がるそうです。
ブルー 「ホントに覚悟はいいんだね?」
ハーレイ「もちろんだ。お前との結婚生活に向けて頑張る所存だ」
ブルー 「またまた勝手に盛り上がってるよ…。それでこそだけどさ」
ハーレイ「何か言ったか?」
ブルー 「ううん、なんにも。おっと、忘れるとこだった」
出掛ける前に、とゼル先生から小型カメラを受け取る生徒会長。
ブルー 「えっと、電源を入れるだけだよね?」
ゼル 「うむ。基本はデジカメと全く同じじゃ。これがズームで…」
ブルー 「ありがとう。これでバッチリ中継出来る」
ハーレイ「は?」
ブルー 「中継用のカメラも飛んでいるけど、物足りないだろ?」
迫真の映像ってヤツも欲しいんだ、と生徒会長は笑っております。
どの映像を放送するかは中継係の腕の見せ所で。
ブルー 「じゃあ、出発!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ いってらっしゃ~い!」
ハーレイ「う、うわぁっ!?」
生徒会長、教頭先生の腰をグッと抱えて華麗に離陸いたしました。
目指すは高度2万9455メートル。アッという間に点となり…。
ブラウ 「流石だねえ…。おっと、痴漢はしてないだろうね?」
ヒルマン「それどころではないようだよ」
建物の前に据えられた巨大スクリーンに映る中継映像。
教頭先生、生徒会長にしがみつくのが精一杯でございます。
ゼル 「ハーレイが着けた腕時計には高度計もついておるんじゃ」
キース 「画面の数字はそれですか?」
ゼル 「そのとおりじゃ! もう2万メートルに達したようじゃぞ」
ジョミー「そっか、もうすぐ落ち始めるんだ…」
ブラウ 「おーっと、言ってる間に御到着だよ」
画面下の数字が2万9455になり、映像がパッと切り替わって。
ジョミー「凄いや、笑顔でVサインだ!」
キース 「ブルーだけがな…」
いよいよ始まる自由落下。
引き攣った顔の教頭先生の明日はどっちだ!?
801キロまではサポートするが、その先は自力でやれという生徒会長。
教頭先生、無理だと絶叫しておられます。
ハーレイ「そ、そんな速さまで私は保たん!」
ブルー 「ふうん? ぼくを放って気絶するんだ?」
ゼル 「最低じゃのう…。自分だけ先に昇天なんぞは男の恥じゃ!」
ヒルマン「私もゼルに賛成だね。パートナーを満足させるべきだよ」
ハーレイ「…し、しかし…」
ブラウ 「ま、いいんじゃないかい? ハーレイには似合いさ」
エラ 「そうねえ、いつも勝手に鼻血で昇天だものね」
ブルー 「なのに結婚する気でいたというのが厚かましいよ」
無理、無茶、無駄、と生徒会長に嘲笑われても、教頭先生、反論不可能。
ブルー 「こんな調子じゃ結婚しても結果は同じさ。一人で昇天」
ゼル 「肝心の夫婦生活も営めないくせに痴漢とはのう…」
ブラウ 「だから痴漢に走るんだよ。覗きとお触りが限界なのさ」
ヒルマン「いやはや、本当に情けない。甲斐性なしとはこのことだよ」
ハーレイ「違う、痴漢は濡れ衣だ! 私は何も…」
ブルー 「濡れ衣か何か知らないけどね、勝手に昇天は頂けないな」
ハーレイ「…わ、私にいったいどうしろと…」
ブルー 「801キロまで耐え抜けた時は、少し評価が上がるかも」
ハーレイ「ほ、本当か?」
ブルー 「うん。ちょっとは見直す気になる…かもしれない」
結婚生活はともかくとして、と生徒会長は笑っておりますが。
もはや全く聞いていないのが教頭先生クオリティ。
ハーレイ「そ、そうか…。801キロに耐えたら男が上がるのだな」
頑張るぞ、とパラシュートを背負い、蝶ネクタイを直す教頭先生。
ハーレイ「行こうか、ブルー。お前のために根性を出そう」
ブルー 「やる気になった? パラシュートを開く仕掛けはね…」
ハーレイ「ふむふむ、意外に単純なのだな」
これならいける、と教頭先生は自信満々でらっしゃいますけど。
時速801キロとやらに耐えられなければ、おしまいなんじゃあ…?
シャングリラ学園はもうすぐ衣替えの季節。
秋が間近に迫っています。
昨年の暮れに住職の資格を取ったキース君にも一大イベントが。
元老寺を挙げての行事になるそうですけど、生徒会長たちの出番は?
